ぱかプチ!!   作:フドル

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評価にビックリしました。ありがとうございます。


ペットと言いながらぱかプチを出されると困惑するよね?

「──と、いう訳です。」

 

「そうだったんですか……。大変でしたね。」

 

 気絶から目覚めた後、オレを見つめていた2人にヒェッとなったがなんとか踏み留まり、今までの経緯を説明した。

 オレの今までをニシノフラワーは同情してくれているのか、頭を撫でてくれている。

 説明の途中で拾ってくれたのがミホノブルボンということを知り、気分を悪くして申し訳ないと謝れば、ミホさんのせいではありませんと言ってくれた。

 

「それはそうとして、ミホさんはどのような扱いにすればいいのでしょうか?」

 

 オレを撫でながらニシノフラワーが悩む仕草をする。何故悩んでいるかというと、オレという存在は無機物か生物のどちらに分類されるかということらしい。

 ぱかプチなので人形、つまり無機物といえれば話が早いのだが、生憎オレは自由に動くし話すことも出来る。エネルギーを使えば人肌くらいの熱を出すくらいは出来るので生物だと思う人もいるかも知れない。

 個人的には細胞分裂とかしないので生物の定義からは離れており、ただの動く意思ある人形だと思うのだが、そこら辺は難しい話なので空の彼方にでも放り投げておこう。

 ここでニシノフラワーが悩んでいるのは、オレを人形としてそのままにするか、生物として寮長に報告するかということだ。

 ニシノフラワーが言うには、生物だと判断されたら学園や寮の規則に引っかかって、ここに住めないかも知れないし、動くところを見られるとトラブルに発展するかも知れないとのこと。逆に寮長から許可が出れば部屋の中限定かも知れないが、来訪者を気にせずに活動出来るし、活動中に何も知らないウマ娘に見つかって報告されても追い出されることは無くなるとのこと。

 難しい話でオレもミホノブルボンも口をポカンと開いて聞くしかなかったが、頑張って解釈した感じだとトップが知っていることで無用なトラブルを避けられるということでいいのだろうか?

 

「えっと、取り敢えずオレのことを報告していらないトラブルの芽は潰そうってことでいいの?」

 

「それでいいと思います。ブルボンさんもそれでいいですか?」

 

「…………?はい、それでいいと思います。」

 

 よく分かってなさそうな顔をしていたが、頷いているのでしっかり理解しているんだろう。むぅ、あまり表情に出ないから分かりにくいな。よく見ておかないと……。

 

「今日はもう遅いですし、明日に報告しに行きましょう。」

 

「じゃあオレは洗濯物を畳んでおくから2人は早く寝ておいてね。」

 

 問題は解決したようなので膝から飛び降りて洗濯物に向かうがまた浮かび上がる。今度は種も仕掛けも分かっているので後ろを振り向くと、少し怒ったような顔をしたニシノフラワーがオレを見ていた。

 

「ミホさん、メッ!ですよ。こうして私たちに見つかった以上、1人だけでやらせる訳にはいきません!ほら、一緒に寝ますよ?」

 

「え?だってほらオレは寝る必要はないから問題ないよって……あ、待って!布団に引き摺り込まないで!洗濯物〜、洗濯物〜!」

 

 手足をバタつかせて抵抗するがエネルギー使用なしのぱかプチの力で勝てるわけもなく、抵抗虚しく布団に引き摺り込まれ、この日は終了した。

 

 

 

 翌日、日が高く登った頃。オレたちは寮長室の前へとやって来ていた。今日はミホノブルボンも珍しくトレーニングが休みだったようで、2人一緒だ。

 寮長であるフジキセキがいるか分からなかったが、さっき別のウマ娘が寮長室から出て来たのを見たので、恐らくいると思う。

 

「すみません、フジキセキさん。ニシノフラワーです。」

 

 扉の前でニシノフラワーが呼び掛ける。この寮は防音機能があまりよろしくないとのことなので、これで多分聞こえているはずだ。

 

「おや、ポニーちゃんたち。どうしたのかな?」

 

「実は相談があって……。」

 

「……どうやら長い話のようだね、部屋で話そうか。どうぞ。」

 

 2人の表情から話が長くなると察したフジキセキが部屋へと2人を招き入れる。2人も特に異存はないようで、招かれるまま部屋に入っていく。

 

「それで、相談とは何かな?」

 

 綺麗な部屋で3人分のお茶を用意してからフジキセキが2人に用件を聞いた。2人は顔を見合わせた後、ニシノフラワーが少し緊張を滲ませながら用件を話し始める。

 

「実は、私たちの部屋でペットを飼いたくて……。」

 

「ペット?この寮は原則ペットは禁止なのは知っているよね?」

 

「はい、ですが行く宛もなさそうなので私たちで世話を見ようと考えました。」

 

 交互に話す2人の内容にフジキセキは難色を示す。まぁ、ペット禁止って言っているのにペットを飼いたいと言われると困るよね。

 因みにここに来る前にオレのことはペット呼びにする様にお願いした。2人ともかなり難色を示したが、オレを人扱いしたら寮長は絶対困惑すると思うって言えば渋々納得してくれた。

 こんな人形でも人扱いしてくれることに喜び、今にも暴れ狂おうとしている尻尾を必死に押さえているうちに話が進展している。

 かなり悩んでいたようだが、ニシノフラワーやミホノブルボンの普段の行いから問題は起こさないだろうと判断したのか許可を出してくれたようだ。

 それが嬉しいのかニシノフラワーはにっこりと笑っている。ミホノブルボンも表情は分かりにくいが口角が少し上がっているので嬉しいようだ。

 

「それじゃあ、許可証を出すからそのペットを連れて来て欲しいな。」

 

「あ、実はもう連れて来ているんです。」

 

「………本当かい?私から見えないということはハムスターみたいな小さい子なのかな?それともそのぱかプチがペットなのかな?なんて──」

 

「はい!この子が私たちのペットです!名前はミホさんと言います!」

 

 ニシノフラワーがずっと胸に抱いていたぱかプチ。つまりオレをずいっとフジキセキの前に差し出す。

 差し出された当のウマ娘は冗談だと思っていたことが的中していたことに流石に困惑したような顔をするが、それは一瞬だけですぐに微笑んだ。

 

「そ、そうなんだね。それじゃあ許可証と登録用紙を持ってくるからちょっと待っててね?」

 

 少しギクシャクとした動きでフジキセキが部屋から出ていった。どんな動物が出てくるのかと思っていたら人形がバーンと出て来て面食らった感じなのかな?

 てっきり書類も部屋の中にあると思っていたが、大切な書類なのか別のところに保管されているようだ。

 

「はぁ〜、良かったです。なんとか許可を貰えそうですね!」

 

「えぇ、安心しました。」

 

 2人とも許可が貰えることにホッと息を吐いている。オレも許可が出て一安心だ。押さえておく必要がなくなったので尻尾をブンブンと動かしながらニシノフラワーに離してもらい、机の上に乗って2人を見上げる。

 

「そういえばオレってフジキセキさんの前で動いてなかったけど、登録前に自己紹介はしておいた方がいいよね?」

 

 多分、フジキセキはオレのことをただのぱかプチだと思ってそうだし。

 

「そうですね、ならフジキセキさんが帰ってきたら自己紹介をしちゃいましょうか。」

 

 それからオレの尻尾が落ち着いてきた頃。猫じゃらしみたいな感じでミホノブルボンの指に飛びついて遊んでいるとフジキセキが書類を持って帰ってきた。

 

「ポニーちゃんたち、書類を持ってきたからサインを……。」

 

 部屋に帰ってくるなりフジキセキが硬直する。その目線はミホノブルボンの指に甘噛みしているオレに固定されている。

 

「初めまして!オレはミホさんと言うんだ!よろしく!」

 

「……あぁ、よろしく頼むよ。いや、驚いたね。まさかぱかプチが動くなんて……。」

 

 オレもビックリ。もっと驚くかと思ったのに表情を見る限り全然驚いているようには見えない。そんなオレの顔を見てフジキセキが微笑む。

 

「ここの寮長をやっていると色々耐性がついてね。流石にぱかプチが意思を持って動くのは初めて見るけどね。」

 

 確かにここの寮長なら耐性が出来そう。アグネスのヤバイのとか普段からやらかしていそうなウマ娘がいるはずだし。

 

「おっと、私としたことがミホさんちゃんにお茶を出すのを忘れていたね。淹れてくるから少し待っててね。」

 

「あ、大丈夫だよ。オレは人形だからお茶なんて入れたら中身がビチャビチャになる。」

 

 フジキセキがお茶を淹れに行こうとするのを止める。オレの体内に水なんて入れたら中の綿がベチャベチャになって動きに支障が出ちゃう。子どもモードやリアルモードならまだしもぱかプチモード中はダメだ。

 一応エネルギーを使って濡れたそばから乾かすってことも出来るけど瞬時に乾かす熱量なんてリアルモードもビックリのエネルギー消費量だよ。もし実行すればお茶を飲み終わったと同時にエネルギー切れで活動停止だ。

 

「そうなのかい?ごめんね、嫌な気分にさせちゃったかな?」

 

「いや、全然。むしろその気遣いがとっても嬉しい。」

 

 申し訳なさそうな顔をするフジキセキに食い気味に否定する。オレにもお茶を出そうとしてくれるだけでも嬉しいぞ。

 なんならミホノブルボンに拾われる前の人たちを見てるからオレに何かしようとしてくれるだけですっごく嬉しい。

 オレの嬉しいと思っている感情は身体にも出ている。尻尾はブンブン動いているし、頬も少し熱いから多分紅潮している。

 そんなオレを見たフジキセキはクスッと笑った後にオレの頭を撫でてくる。ふむ、子どもを撫で慣れている優しい感じだ。気持ちいい。

 暫くオレを撫でた後、フジキセキがニシノフラワーに向き直って書類を差し出す。覗き込んでみるがオレに手伝えることは無さそうなのでミホノブルボンと猫じゃらしならぬ指じゃらしで再び遊ぶことにした。

 

 

 

「うん、これで登録は出来たよ。」

 

 それから数分後、なかなか指を捕まえることが出来ずにオレの頬が膨らんできたぐらいで登録が終わったみたい。

 フジキセキから諸注意なども聞いたが気にしないといけないのはオレが部屋の外に出る時はニシノフラワーかミホノブルボンのどちらかがそばにいることぐらいだ。

 ペットを禁止している割には緩すぎる注意に思わず疑問顔をしてしまったが、フジキセキからオレは意思疎通が出来るからこれだけにしていると言われて納得した。

 その後は特に用がないので帰ろうとしたがフジキセキからお茶のお詫びだとマジックを見せてくれた。

 なんていうか、凄かった。常に尻尾はブンブンしてたと思うし後からニシノフラワーに目もキラキラしていたと教えられた。でも誰だって何もないところからシルクハットとか花とか出てきたら興奮しない?オレはする。ていうかした。

 

 

 

 

 

 

 

 登録が済んでから数日後、特に変わったことはなく、強いて言うなら2人に子どもモードがバレた。

 いつものように掃除機を子どもモードでかけていた時に忘れ物を取りに来たニシノフラワーとバッタリ遭遇したって感じでバレた。

 知らない子どもブルボンが自室にいてニシノフラワーが慌てる……前に子どもモードのオレが見てられないレベルで慌てたため逆に冷静になったニシノフラワーがオレを落ち着かせるという訳がわからない展開になった。

 落ち着いた後にモードチェンジの話を聞いたニシノフラワーの最初の発言は凄いですね!で済んだ。………この子ちょっと凄くない?凄いよね?ぱかプチサイズが子どもサイズにまで大きくなってるのにそれだけで済ますって絶対大物になるよ。

 ニシノフラワーにバレたのにミホノブルボンだけに隠すのも良くないと思って帰ってきてから子どもモードをお披露目したら「……成長期ですか。」と言われた。ちょっとズレてる!でもそこがいい!!

 まぁ、こんな感じで2人ともモードチェンジのことは受け入れてくれた。拒絶されなくて良かったよぉ……。

 その時のことを思い出してホッと息を吐きながら2人と一緒に洗濯物を畳んでいく。2人ともオレの存在を知ったから洗濯物とかはみんなですることになった。オレ個人としては作業はオレに任せて2人は休んでおいてほしい所だが2人から自分のものをミホさんに任せて休むなんて出来ないと言われて渋々3人ですることになった。

 

「これで終わり!ねぇ、ブルボン!アレやって!アレ!」

 

「アレ……ですか。いいでしょう、ミホさん号、発進します。」

 

「キャー!!!」

 

 洗濯物を畳み終わったのでミホノブルボンにあるものをねだる。腕を上げてぴょんぴょんするオレを見てミホノブルボンは快諾。オレの腋に手を入れて持ち上げてくれる。

 身体が急上昇し、思わず手をバタつかせて声を出す。俗にいう高い高いだ。ニシノフラワーに持ち上げられた時に楽しかった思い出があったのでミホノブルボンに頼んでみたらとても楽しかった。なので時間がある時はたまにこうやってねだっている。

 高い高いをしながらミホノブルボンが部屋の中を歩き回る。持ち上げられているオレは本当に飛んでいるような感じで、楽しさからずっと声を出している。そんなオレたちをニシノフラワーが微笑ましげに見ている。

 

「ほら、2人とも。そろそろ消灯の時間ですよ。」

 

「分かりました。ミホさん号、着陸します。」

 

「ありがとう!ブルボン。すっごく楽しかった!」

 

 暫く遊んでいるとニシノフラワーから眠る催促が来たので、ミホノブルボンに降ろしてもらって定位置の棚の上によじ登っていると横から手が伸びてきて布団の中に引き摺り込まれる。

 

「ダメですよ、ミホさん。寝る時は私かブルボンさんと一緒に寝ると決まりましたよね?」

 

「うっ、まだちょっと慣れなくて……。」

 

 オレが捕まった日から決まったことだが未だに慣れない。うっかり疑似的にエネルギー供給を断てば眠ることができると口を滑らせたことがダメだったか……。いや、それを言わなくても結果的にこうなってそうだし今更か。

 

「電気消灯、お休みなさい。」

 

「はい、お休みなさい。」

 

 部屋の電気が消えて部屋が暗くなる。暫くすると寝息が聞こえてくる。抜け出して靴磨きをしたいところだが、身体はしっかりとニシノフラワーに抱きしめられており、抜け出せそうにない。

 それでも悪い気は全くなく、むしろ安心感を感じる。オレを抱きしめるニシノフラワーを撫でた後、エネルギー供給を断って意識を落とした。




オリ主……自分の名前を本気で『ミホさん』だと思っている。正式名は『ミホ』
 拾われるまでの経緯から自分に何かをしてくれるだけでもすっごく嬉しい。高い高いがお気に入り。
 思考も若干子供よりになっており、食べ物とかで釣られないかと心配されているが綿しか食べることが出来ないので心配ない。
 2人が寝ている間は動けないので子どもモードやリアルモードになった時に足りない質量ってどこから来てどうなっているんだろ?と考えたがすぐに背後に宇宙が広がった気がするので考えるのをやめた。宇宙ネコならぬ宇宙ブルボン。
 子どもモード時にエネルギーが溜まっていると身体の触り心地も良いが太ももの感触がとても良くなる。リアルモードだと更に良くなる。膝枕をされた男性トレーナーは(ry)
 たまに子どもモードで一緒に寝ている。

ニシノフラワー……子どもオリ主と遭遇した時はえ?ブルボンさん?と困惑したが、その後すぐにオリ主が泣きそうな顔で慌て始めたので急いで落ち着かせた。
 子どもモードを知ってからお姉さんみたいな接し方になる。オリ主が自分の名前をミホさんだと思っていたことを知ったので後でキチンと教えた。

ミホノブルボン……子どもモードを見た時、一瞬思考が停止した。が、その後のオリ主の上目遣いで復活した。妹がいたらこんな感じなのでしょうか?
 指じゃらしを思いついて試してみると思いの外楽しかった。高い高いをしてあげると見て分かるレベルでオリ主が喜ぶのでホッコリする。
 フジキセキに許可を取りに行く時、トレーナーにトレーニングを休むと言っていた。本気で体調を心配された。
 子どもモードのオリ主と抱き合って寝ている姿は姉妹にしか見えない。

フジキセキ……色々ビックリしたがいきなり部屋の一室を爆発させるタキオンよりはマシ。オリ主が自分で言った名前と書類の名前が少し違うことに疑問を覚えたが後でニシノフラワーから聞いて納得する。寮で物運びなどの簡単な手伝いが必要な時はオリ主の手を借りたりする予定。

一般通過デジたん……はっ!?あちらの方向から姉妹が戯れる様な素晴らしい気配がしました!!

時空はアプリよりにすることにしたけどストーリーどうしようかな……。日常ものにするとしても多少はストーリーを入れたほうがいいと思うしなぁ。

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