ぱかプチ!!   作:フドル

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誤字脱字報告ありがとうございます。
コメントがもう助からないぞ!とか既に手遅れとかで笑ってしまった。


怖い時に保護者が来ると安心するよね。

「ぱかプチが感情を持って動いている。それも気になるが一体どうやって立ち歩くことが出来ているのか?中身は綿のはずだが、君には私たちと同じように骨と筋肉があるのかな?興味深い、実に興味深いよ。」

 

「ふぇぇええ……。」

 

 アグネスタキオンがブツブツと考察をしながらオレに近付いてくる。オレの口から無意識に声が漏れるが、それを止める余裕はない。

 

(逃げないと……。捕まったらどうなるんだろう。)

 

 少し考えてみたが手術台のようなところで手足を拘束されたオレに注射器を持ったアグネスタキオンが近付いてくるシーンが浮かび上がって来たので急いで頭を振って想像を霧散させる。

 

「何はともかく捕まえてみないと分かるものも分からないねぇ。そこの君、私の部屋に来れば美味しいお菓子が沢山食べれるがどうだい?なぁに、お礼は少しだけ研……じゃない薬……でもない。まぁ、来てくれればいいさ。」

 

 ヒェ、絶対今のやつ研究と薬物って言おうとしたよね?やっぱりアグネスはヤベー奴なんだ!

 画面越しなら笑ってみれたけどオレが対象になったら笑えないよ!これならクリークに捕まる方がマシ……でもなさそう。なんか捕まったら自力では帰って来れなさそう。いや、リアルモードでワンチャンあるか?

 

「おや?よく見たら身体が震えているじゃないか。それはいけない、急いで私の部屋に行くとしよう。」

 

 それって自室じゃなくて研究室のことだよね?あと震えているのはあなたのせいです。なんて言ってられる状況でもないので急いで反転して走り出す。

 もしかしたらこのまま逃げれるかと思って後ろを向けば普通に追いかけて来ている。アグネスタキオンの瞳は未知のものに対する好奇心でギラギラと光っており、それに恐怖心が湧き上がる。

 ぱかプチとウマ娘ということで距離はすぐに縮まるが、小さいのを武器にちょこまかとした動きで逃げ回る。

 

「この、なかなか、すばしっこい、ねぇ!」

 

 オレは大丈夫だがアグネスタキオンは脚にあまり負担をかけたくないはず。だからオレが股下を潜って後ろに逃げたりしても急に止まることはせずにゆっくり迂回するように方向転換をする。

 因みに相手がミホノブルボンやニシノフラワーだと股下を潜ろうとした時点で捕まる。流石保護者。

 

(よし、曲がり角!ここなら……!)

 

 曲がり角を曲がってアグネスタキオンからオレの姿が完全に見えなくなったところで身体に子どもモードの時以上の力を込める。

 モードチェンジが完了したのを確認するとすぐに振り返ってあたかも今ちょうど歩いて来ましたという感じをだす。これで失敗したら終わりだ。お願いだから上手くいってよ……。

 

「待ちたまえ!……っとブルボン君か。」

 

「タキオンさん、どうかされましたか?」

 

 飛び出して来たアグネスタキオンに無表情で応じる。リアルモードをこんな形でお披露目する羽目になるとは思わなかったよ。

 

「ブルボン君、この通路を君の姿をしたぱかプチが通ったと思うのだが見てないかな?」

 

「私のぱかプチですか?………小さい何かなら階段を登った時に通り過ぎた気がしましたが。」

 

「なるほど、ならもうこの階にはいないみたいだねぇ、情報感謝するよ。」

 

 余程オレを捕まえたいのかお礼を言うとすぐに通り過ぎていった。なんとか乗り越えれたようで安堵の息を吐きたいが、グッと我慢して自室に向かおうと「ブルボン君、少し聞きたいのだが……。」ッ!

 

「………なんでしょう?」

 

「君、さっき見た時はジャージ姿じゃなかったかい?」

 

 息が止まりそうになる。ここで焦るとバレる。変わりそうな表情を身を抓ることで耐える。取り敢えず言い返さないと……!でもなんて言い返せばいい?

 

「………なんてね。そもそも今日は初対面だ。変なことを言ったね。」

 

「そうですか。ビックリしました。」

 

「それは申し訳ないねぇ。これ以上は逃げられそうだから私は行くよ、失礼したね。」

 

 今度こそアグネスタキオンは去っていった。完全に気配が消えたのを確認してからその場に座り込む。

 そうだった。ミホノブルボンはこの時間だとトレーニングをしているはずだ。忘れ物を取りに来たとしてもわざわざ着替えて来るはずがない。幸いにもアグネスタキオンが今日、ミホノブルボンを見ていなくて助かった。見ていたら絶対バレてた。

 ミホノブルボンそっくりになれば騙せるという浅はかな行動に冷や汗が流れるが結果的に助かったのだから良しとしよう。

 

「取り敢えずタキオンが帰ってくる前に自室に帰ろう。」

 

 今のところ気配は感じないがもしかしたら帰ってくる可能性があるため、早めに自室に帰ろうとするが立てない。緊張が抜けたせいで身体に力が入らないのだ。

 どうしたものかと悩んでいると、階段から誰かが駆け足気味に上がってくる音がする。身体が強張り、取り敢えず立とうとするがやはり身体は言うことを聞かない。

 そんなことをしているうちにドンドン足音が近付いてきて、アグネスタキオンだったらどうしようと目元に涙が浮かんでくる。せめてもの抵抗で頭を抱えてうずくまり、その人物が来るのを震えながら待つ。

 

「………ミホさん?」

 

「……フラワー?」

 

 階段を上がってきた人物から聞こえてきた安心する声に勢いよく顔を上げるとそこには心配そうな顔をしたニシノフラワーがいた。

 

「ミホさん、何があったんですか?身体もこんなに震えて……。」

 

「うぅ、フラワー……。怖゛がっ゛だよ゛ぉぉお!!うわぁぁぁん!!!」

 

「きゃ!?ほ、本当に何があったんですか!?」

 

 オレの手を握って心配そうな顔をするニシノフラワーに安堵などの色々な感情が溢れてきて号泣しながら抱きつく。いきなりのことでニシノフラワーから戸惑う気配を感じるが、戸惑いながらもオレの頭を撫でて落ち着かせようとしてくれる。

 

「取り敢えず自室に行きましょう?立てますか?」

 

「……無理。立てない。」

 

「ならぱかプチに戻れますか?私が運びます。」

 

「……うん。」

 

 少し時間が経ち、なんとか泣き止むことが出来たのでニシノフラワーに抱きつきながら力を抜いてぱかプチに戻ろうとする……が、奥から誰かが走って来る気配がして慌てて止める。

 

「フラワー、誰か来る。」

 

「通路の真ん中だと迷惑でしょうし、端に行きましょう。」

 

「でも……。」

 

「大丈夫です。ミホさんが何を怖がっているかは分かりませんが私が守ります。」

 

 だから安心してください、とオレの頭を撫でるニシノフラワーを見て、無意識に入っていた強張った身体が元に戻る。このままぱかプチに戻りたいところだが、既に向こうの姿が見えているため通り過ぎてから戻った方がいいだろう。

 ヨチヨチ歩きで少し格好がつかないが端により、道をあける。見た感じあんなに急いでいるのだからすぐに通り過ぎるだろう。

 

「ここですか!?ウマ娘ちゃん緊急警報が出た場所は!このアグネスデジタル、ウマ娘ちゃんの危機に駆けつけ……ヒョッフォ!?ニシミホですとぉぉぉぉおおおおおお!!!!」

 

 走ってきたピンク髪のウマ娘、アグネスデジタルは抱き合っているオレたちを見るなり叫びながらスライディングをして通路の奥へと消えていった。

 

「……部屋に戻りましょうか。」

 

「……うん。」

 

 アグネスってヤベー奴しかいないんだな。……今更か。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうですか、タキオンさんが……。」

 

 部屋に戻ったあと、何があったかを全て話した。フジキセキのマジックが凄かったことを話している時は笑顔だったのにアグネスタキオンのことを話すと笑顔なのだが耳が後ろに倒れている。

 ウマ耳の感情をオレは詳しく知らないためそれが何を示しているかは分からないが、顔は笑顔なので多分問題ない。

 

「そういえばどうしてフラワーは寮に?いつもならトレーニング中だよね?」

 

「なんだかミホさんが危ない気配を感じたので途中で切り上げて帰ってきちゃいました!」

 

 落ち着いてきたのでふと思いついた疑問をニシノフラワーに聞いてみるとそんな答えが返ってくる。もしかしてオレのせいでトレーニングを中断してしまったのかと落ち込んでしまうが、ここであるアイデアが思い浮かんだ。

 

「ならオレが中断した分のトレーニングを手伝う!」

 

 立ち上がってぱかプチから子どもモードに変更、外で併走などは人目があるため出来ないが腹筋などの部屋で出来るものは手伝える。

 

「ふふっ、それじゃあ柔軟のお手伝いをお願いします。」

 

「任せろ!」

 

 ニシノフラワーの後ろに回って背中をゆっくりと押す。どうやらニシノフラワーは柔らかい方で、ペタリと身体が床についた。

 

「うわ、フラワー柔らかいね。」

 

「ミホさんはどうですか?」

 

「オレは柔らかいを通り過ぎて怖いと思うよ。」

 

 元がぱかプチだから関節なんてないようなもんだ。エネルギーを使ってそれっぽく見せてるだけで、その気になればグニャグニャになれる。

 ほらっ、と片腕に送るエネルギーを一時的に切ってみせる。すると肩あたりから腕が垂れ下がり、もう片方の腕で引っ張ってみると人間には無理な方向に腕が曲がる。

 暫くグニャグニャと弄っていたが、ふと我にかえってニシノフラワーの方を見ると驚いたような顔でオレを見ていた。

 

(ぱかプチならまだしも子どもの姿でこんなの見せられたら気持ち悪いに決まってるじゃん!)

 

「ごめん、フラワー。気持ち悪「凄いです!」……えっ?」

 

「それだけ曲げることが出来るならフジキセキさんもビックリするマジックが出来そうです!」

 

 すぐに謝ろうとすれば被せ気味に褒められて少しだけ呆けてしまう。ニシノフラワーの目を見てもその発言は本気で言っていると分かるほどハッキリとオレを見ていた。それが嬉しくて仕方ない。

 

「そ、そうかな?そうだといいな。えへへ。」

 

「やっと笑ってくれましたね。ミホさんは笑顔が綺麗ですから笑っていて欲しいです。」

 

 あの時から全然笑ってくれなくて心配しましたよ。とオレの頬をむにむにと指で揉みながらニシノフラワーが微笑む。どうやらいつものように笑えていなかったみたいだ。

 

「ありがとう、フラワー。もう大丈夫。」

 

 ニッコリと笑ってお礼を言う。そんなオレの笑顔を見てニシノフラワーも笑顔になる。

 

「ただいま帰りました。」

 

「あ、ブルボン!おかえりー!」

 

「おかえりなさい、ブルボンさん。」

 

「トレーニング中に少しだけ嫌な予感がしました。ミホさん、何もありませんでしたか?」

 

「うん!フラワーのお陰で大丈夫!」

 

 オレのことを見るなり心配そうな表情で問いかけてくるミホノブルボンに笑顔で返事をする。

 この2人に拾ってもらえてよかったなぁ。今なら本気でそう思えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「今度の週末にみんなでお出かけしましょう。」

 

 次の日、ミホノブルボンの提案で一つのベッドに3人一緒で寝て、起きたニシノフラワーの一発目のセリフがこれである。

 あまりに急な提案でミホノブルボンも反応が出来てない。ってこれまだ寝ぼけてるな。

 起きてー、と頬をぺちぺちしてミホノブルボンを覚醒させようとするが、寝ぼけたミホノブルボンがオレの太ももに顔を埋めて再び寝ようとする。こんなミホノブルボンは初めて見たんだけどどうしたらいいんだろう?

 

「ん、んん……。おはようございます。ミホさん、フラワーさん。」

 

「あ、起きた。おはよう、ブルボン。」

 

「おはようございます。ブルボンさん。急ですが週末にみんなでお出かけに行きましょう。」

 

「お出かけですか、分かりました。」

 

 どうやって起こそうか悩んでいると自分から起きてくれた。それからニシノフラワーの誘いも了承していた。

 それからは各々の時間だ。ミホノブルボンはジャージに着替えて朝練へ、ニシノフラワーは花の世話をしに行く。オレは洗濯物を洗う……ついでにオレも洗う。洗濯機の中は意外と楽しい。

 洗濯機が止まる頃ぐらいにニシノフラワーが帰ってくるので洗濯物とオレを干してもらう。この時の日光が気持ちいいのだ。普通の洗濯機で大丈夫なのかと思うが特に問題ない。痛んでも最悪エネルギーを使えば元に戻る。

 

「それじゃあ行ってきますね?」

 

「あれ?今日はいつもより早いね?」

 

「ちょっとお話をしないといけないので。」

 

 いつもより早い出発に疑問に思って質問をしてみると耳を後ろに倒したニシノフラワーがニッコリと笑う。

 理由は知れたので手を振ってニシノフラワーを見送る。ミホノブルボンはいつも通り学園に直行するだろうし暇だなぁ。

 特にやることもないので洗濯バサミに吊られながらお出かけについて考え始めた。2人と一緒にお出かけかぁ、きっと楽しいんだろうなぁ。楽しみだ。




オリ主……自力で生還した。逃げてる最中にずっと捕まれば2人に会えなくなるかも知れないと考えていたが本人は覚えていない。この度、かりちゅまガードを手に入れた。
 普通に洗うよりか洗濯機でまとめて洗ったほうが早いことに気付いてから毎日洗濯機の中に飛び込むようになった。洗濯機に入っているところをニシノフラワーに見られた時は叫ばれて急いで引っ張り出された。
 お気に入りはニシノフラワーの膝、ミホノブルボンの膝、洗濯バサミに吊るされながら浴びる太陽。

ニシノフラワー……予感に従って寮へ帰ると大きくなったオリ主がうずくまって震えていてビックリした。抱きつかれて号泣されて母性がレベルアップ。泣き止んでからオリ主がブルボン以上に無表情になったため心配したが何とか笑ってくれたため安心した。しかし恐怖心が残っていると嫌なので楽しい思い出で塗り替えようとお出かけを計画した。
 あ、タキオンさん。今、時間大丈夫ですか?大丈夫ですよね?私、きちんと調べましたので。ちょっとお話をしましょう。そんなに震えてどうしたんですか?ほら、行きますよ。……拒否権?あるわけないじゃないですか。

ミホノブルボン……知らぬ間に何かが起こっていたらしい。自分に何が出来るか考えてみんなで一緒に寝ることを思いついた。
 ニシノフラワーに後から何があったかを聞き、以降アグネスタキオンを見つけるとジッと見つめることになる。

アグネスタキオン……普通に見逃した。敗因はあのすばしっこい動きについていけなかったことと考え、次の日から虫取り網を持って捜索に行くことになるはずだった。
 おや、フラワー君。どうしたのかな?何?お話?……今はちょっと大切な用事があってね、後にして欲しい……って引っ張らないでおくれ!調べた?何を!?ちょっとカフェ!助けてくれよぉ!

偶然いたマンハッタンカフェ……あんなに怒ったフラワーさんは初めて見ましたね。連れ去られるタキオンさんを見ながら飲むコーヒーは格別でした。

保健室のデジたん……弱ったブルボンさんをフラワーさんが優しくベッドに押し倒すんです。戸惑うブルボンさんにフラワーさんが甘い言葉を囁いて、やがて2人は重なり合って……
 な、何ぃぃぃぃ!!い、今まで見ていたニシミホは……!?




分岐ルート

オリ主号泣……タキオンが戸惑って泣き止ませようとしているうちにニシノフラワーが到着。2人でオリ主を泣き止ませようとする。デジたんがその光景を見て倒れる。

リアルモードがバレる……テンパったオリ主がタキオンに壁ドンを実行。お互いに思考が停止した時にニシノフラワーが到着。こちらも思考が停止する。デジたんは新たな世界へ。

捕まる……研究室に向かっている最中にミホノブルボンが合流。無事にオリ主を取り戻す。

助けを呼ぶ(2人指定)……呼ばれた方がリアルモード変形前に駆けつける。デジたんは無事に通り過ぎる。

助けを呼ぶ(無差別)……で ち ゅ ね 襲 来
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