テラでDJやってたけど感染したのでオペレーターになります。   作:ヘルメットのお兄さん

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ケルシー構文わっかんないんで当分登場させたくないです


姿は見えなくてもわかるんですよ

 それは食堂に訪れていた時に起こった。

 

「N.Nさん! 今日の野外ライブは本当にありがとうございました!」

 

「ヴィグナ……嬉しいのはわかるけどそのお礼もう今日で七回目だよ……」

 

「オルフェ、随分山盛りに料理が盛られてるけど君っていつもそんなに食べるのかい?」

 

「その通りだよエリジウム、俺は見た目通りの大食漢のつもりだよ……おかげで時々給料の十分の一が消えることもあるけど」

 

 オルフェがエリジウム、ヴィグナと共に食堂で食事をとっているとオルフェの耳に金属がこすれる音が入った。

 その音に反応したオルフェはそちらを振り向くとメモ用紙を持ちサソリの尻尾のようなモノが生えた少女が隅っこでこちらを観察していた。

 

「ねぇエリジウム、あそこにいる子って名前判る?」

 

「うん? セイリュウの事かい?」

 

「いや彼女よりもっと奥にいて隅に立ってる……」

 

 オルフェが言うがエリジウムは首を傾げる。

 

「? ……彼女の席は食堂の端っこだし隅には誰もいないよ」

 

「え? ……??」

 

 誰もいないと言うエリジウムにオルフェは混乱した、確かに音ではあそこに少女がいるとわかるがエリジウムも、反応を見る限りヴィグナもいないと思っているらしい。

 

「(いや、そう言えばそんな感じのオペレーターが居た筈……)」

 

「ご馳走様、ちょっとやる事できたから先に行くよ」

 

「うん、行ってらっしゃ……ってあれだけの量をもう食べたの!?」

 

 オルフェは食事を食べ終えると直ぐに資料室に向かった。

 未だ権限は低いが名前くらいなら分る筈だ。

 

「えっと、(確か特殊オペレーターだった筈……あった、コードネームマンティコア……そうだ、マンティコアだ)」

 

 閲覧できる情報を確認するとオルフェは彼女の所に向かおうとするが

 

「おっとごめん!」

 

「!!」

 

 資料室から出た直後マンティコアがすぐそばにいた、思わず驚くがマンティコアはそれ以上に驚いた様子を見せた。

 

「『わたしの事がみえるの?』」

 

 マンティコアが筆談で言葉を伝えようとしたのを聞いてオルフェは困った表情をしてしまう。

 

「あ、ごめん……マンティコアちゃんだよね? 俺文字読めなくて筆談は難しいと思うんだ」

 

 そう言いながらサングラスを外し目を見せるとマンティコアは口元を抑え泣きそうな顔になる。

 

「っ……ごめんなさい………………わたし……知らなくて……」

 

「あぁいや大丈夫、ロドスでもあんまり俺が失明してるって事知ってる人少ないから」

 

「でも………………え……? わたしの声が、聞こえるの…………?」

 

「聞こえるよ? そもそも目が見えないから聞こえないと気づけないよ」

 

「………………わたしの事がわかるの?」

 

「うん、大きな尻尾に羽かな? ……が生えてて、綺麗な髪の女の子だって見えなくてもわかるよ」

 

「………………」

 

 すると、マンティコアの目から水が静かに滴り落ちる。

 

「え”っご、ごめん! なんか俺酷いこと言っちゃった!?」

 

「ごめんなさい………………違うの……ずっと…………ひとりだったから……」

 

 それからマンティコアが泣き止むまで数刻が過ぎた。

 

 

 

 

 

 

「なるほどね、その隠密性はアーツの力な訳か」

 

「うん…………鉱石病になって、隠れたくなくても………………みんな、わたしに気づかない…………」

 

「……俺は君を慰める資格は無い、君に共感する事は出来ないし辛かったねなんて軽く言う資格も無い。だからそうだな……俺がいつでも話相手になるよ」

 

「ありがとう………………あなたの名前、教えて……?」

 

「あ、言ってなかったか。コードネームはN.N、でも本名はオルフェだから好きな方で呼んでいいよ」

 

 マンティコアはしばし考えたが

 

「……オ……オルフェ……」

 

「はい、なんだい?」

 

 返事をするとマンティコアは笑顔を見せた。

 

「オルフェ……わたしの名前も、呼んで?」

 

「いいよ、マンティコア?」

 

 マンティコアがそれに喜んでいるとオルフェの端末から連絡が届く。

 

「ケルシー先生から? ……今から会議室に集合?」

 

 あまりにも突然だったことに疑問が出るが仕事なので向かう事にする。

 

「オルフェ…………?」

 

「ごめんね、ちょっとケルシー先生に呼ばれたから行ってくるよ」

 

「あ……うん、わかった……」

 

 マンティコアが落ち込んだ様子を見せるのでオルフェは雨の日道で小犬が捨てられているのを見た時の様に胸が締め付けられた。

 

「…………(呻吟)…………(葛藤)………(苦慮)…………(苦悩)…………あー……一緒に行っていいか聞いてみるよ」

 

「ほんとう……?」

 

 端末からケルシーに連絡を取りマンティコアも同席可能か聞いた所、手間が省けるので許可する(意訳)という返事が返ったのでマンティコアと二人で会議室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

「ケルシー先生、N.N、並びにマンティコア到着しました」

 

 二人が到着するとケルシーは何枚かのレポートらしき紙を持って立っていた。

 

「来たか、マンティコアはそこに? ああ構わない、まずは二人とも掛けてほしい」

 

 二つの席にマンティコアとオルフェが座るとケルシーは今回の集合理由について話し始める。

 

「N.N、君はマンティコアについての情報をどの程度把握している? 話せる範囲で構わない」

 

「俺の権限で閲覧できる程度の情報は、資料室で読みました」

 

「君の権限では第一資料までだったか、では詳しく話そう。マンティコアは四か月前サルゴンで任務の帰還前だったStormeyeが倒れている彼女を水を与えた所飛行ユニット内で発見された、我々は彼女を保護した後彼女自身の意思で数度の試験と測定を経てオペレーターとなった。

 彼女は鉱石病によって変異したステルス能力を有しておりその効果は非戦闘時の彼女の行動はアーツ適性のオペレーターさえ視認することが出来なかった。

 しかし先程君は彼女の姿を確認する事が出来たそうだな、予想の域を出ないが君の鉱石病により欠落した視力と鉱石病の影響と視力を補うために発達した聴力が彼女のステルス性を突破したのだろう。

 彼女は現在君以外の相手に対しては彼女の能力が影響しない生命のない物体、基本的にはメモを使い筆談で交流をしている。

 改めて聞くが君は彼女の存在を感知できるのか?」

 

 その問いに頷くとケルシーは話を再開する。

 

「彼女はサルゴンの出身だが、提出された履歴書のほとんどの箇所が信憑性が無く、彼女の活動経歴はなおも不明瞭となっている。唯一判明しているのは高水準の特別行動訓練を受けていたことと、一年以上の実戦経験があるということだ。

 彼女の特別行動訓練の内容についての調査を行ったが結果は失敗、サルゴン方面からも特に有力な情報は入っていない。未だ確証がなく、信憑性は薄いが、サルゴンの人間からの一部の情報によると、該当地区では特殊能力を備えたアーツ使用者を収容し、独自の訓練方式を採用してサルゴンの王侯貴族や、他国の武装集団の特殊構成員を暗殺させているらしい。

 マンティコアは経歴が明確ではないため、ロドスでの立ち位置は特殊型鉱石病患者に定めている。

 しかし我々は彼女への対応に対して後れを取っていると言わざるを得ない、彼女自身無理に積極性を持たせるべき性格ではないのと筆談のみの情報共有ではコミュニケーションとしても厳しい部分がある。

 だがN.N、君が彼女の存在を自由に察知でき会話も可能という事に我々は一つの案を考案した。マンティコアと君を緊急性の任務を除き特例でチームを作成しそこに君達を入れるというものだ、彼女は現在私が指揮するS.W.E.E.Pに所属させているがそちらの配属を変更する形になる。それと君は未だ明確な所属先を持っていない、それに対する一つの答えだという事も考慮しておいてくれ」

 

「……………………ええと……つまり俺とマンティコアを同じチームにして、任務で動かしやすくすると同時に俺の所属をはっきりさせると……?」

 

「そうだ」

 

「な…るほど、俺は所属が決まるのは構いませんがマンティコアは…」

 

「わたしは…オルフェと一緒でも、いい…よ………?」

 

そう言いながらマンティコアはメモを書くとそれをケルシーに見せた。

 

「彼女は承諾を選んだようだ、しかし君が自由な立場を所持したまま臨機応変に任務に当たりたいという意志があるなら私はそれを止める事は無い。だがマンティコアは多少任務内容は変わるかもしれないが君自身は恐らく予想より任務内容が変わる事は無いだろう」

 

オルフェはマンティコアを見ると彼女はこちらを見つめ返してくる。

 

「……わかりました、そのチームに入ります」

 

「わかった、正式な所属名と内容は追って説明する。今日はもう席を外して構わない」

 

「はい、失礼しました」

 

マンティコアを連れオルフェは会議室を出るとそのまま壁に座り込んだ。

 

「はあ~……緊張した……」

 

「オルフェ……は、これから一緒のチームに……なる、の?」

 

「そうだね、今のとこ二人だけのチームになるだろうけど」

 

マンティコアはそれを聞くと恐る恐るといった様子で質問をする。

 

「私と一緒のチームで……ほんとうに、いいの?」

 

「それは全然いいよ?任務の時どこにいるかわかんなかったら困るけど俺わかるし」

 

「……わたし、役に、立つね……?きっと、オルフェの、力になる……」

 

「信頼してるよ、マンティコア」

 

オルフェがマンティコアの頭を撫でると彼女の尻尾が揺れたような気がした。

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