テラでDJやってたけど感染したのでオペレーターになります。   作:ヘルメットのお兄さん

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どうしても気になる事もあるんですよ

「んー、やっぱり読めないか……」

 

 とある日の真夜中、オルフェは資料室にて自身の資料の確認をしていたが難色を示していた。

 

「あれ、N.Nさん。こんな時間にどうしたんですか?」

 

 その時支援オペレーターの一人がオルフェに気づき声をかけてくる。

 

「あぁ、なんとなく自分の資料を見ようと思ってたんだけどずっと権限が足りなくて読めないんだよね」

 

「え? もうN.Nさんの閲覧権限なら最重要機密以外全て読めるのでは?」

 

「うーん……でも未だに第一資料しか読めないんだよなぁ、まあいいか……今日はもう寝るよ、また明日」

 

「あ、はい。おやすみなさい」

 

 そう言いオルフェは資料室を後にし、残っているのは支援オペレーターの彼のみだった。

 

「そういえば、オルフェさんの資料なんて読んだことが無かったな……」

 

 あまりみだりに読み込むことはどうかと思った彼だが、好奇心には勝てずその項目を開いた。

 

「あれ、第三資料まで見れる……」

 

 

 

【コードネーム】N.N

 

【性別】 男

 

【戦闘経験】 3年

 

【出身地】イベリア

 

【誕生日】 7月18日

 

【種族】エーギル

 

【身長】 211cm

 

【鉱石病感染状況】

 

 体表に源石結晶の分布を確認。メディカルチェックの結果、感染者に認定。

 

 

 能力測定

 

【物理強度】優秀

 

【戦場機動】普通

 

【生理的耐性】卓越

 

【戦術立案】標準

 

【戦闘技術】優秀

 

【アーツ適性】優秀

 

 個人履歴

 

 元世界的DJ、鉱石病に罹患したのを機に自らロドスに加入する。多くの伝説を残してきたが三年前消息が途絶え誰もが蒸発したと思い込んでいた、しかし一夜限りの復活を遂げライブ後治療の為ロドスに訪れた。彼の知名度は多くの事柄に影響を及ぼしかねないため対応は慎重にすべきである。

 

 健康診断

 

 造影検査の結果、臓器の輪郭は不明瞭で異常陰影も認められる。循環器系源石顆粒検査の結果においても、同じく鉱石病の兆候が認められる。以上の結果から、鉱石病感染者と判定。

 

【源石融合率】 5%

 

 大腿部に少量の源石結晶の分布が見られる。

 

【血液中源石密度】 0.32u/L

 

 彼自身は大したことが無いと語っているが両眼の失明と聴覚の発達から明らかに病状は芳しくないと見られる、慎重な経過観察が必要。

 

 オルフェさんからは遭難中に様々な場所で薬を購入したとおっしゃっていました、その余りを見せてもらいましたが……医療関係者なら一目でわかるほどの粗悪品でした。はっきり言ってこの薬では鉱石病を抑えるのは無理かと思います、しかし僅かでも効果はあったのか彼の体表にある鉱石が少なかったのは彼の身分からすれば幸いだったのかもしれません。 ──―ウィスパーレイン

 

 

 第一資料

 

 DJ『N.N』は非常に多くのファンを持つ音楽家である。主な活動はDJだが本人曰く作曲も演奏も音楽関連なら大抵は出来るとのこと、それを聞いたオペレーターの一人が楽器の演奏を要求した所、ヴァイオリン、ピアノ、極東の龍笛まで演奏して魅せた。本人は昔取った杵柄と言うがそのどれもがプロにも負けない技術を有していた。

 

 

 第二資料

 

 N.Nの所持する無名の大槌は彼が知人と協力して作り上げた作品だと語る、全長が二mにもなる非常に大きなそれは機械的な改造が施された大槌は叩きつけた時に衝撃を発生させ、装甲を無視してダメージを与えることが出来る。中の空洞部分が多くあり本人曰く様々な道具を収納している、スタッフの一人が確認した所ターンテーブル、拡声器、非常時のおやつに質のいい枕が収納されていた。

 

 第三資料

 

 N.Nは幼い頃から音楽に対する造詣が深く小さな広場で演奏を行っていた、それを聞いた者達は彼の音楽ではなく幼い内に器用に演奏をこなす彼自身に興味を示し人気を集めた。そしてある時彼は観客の大半が彼の音楽を聴いておらず自分自身を見に来ていた事に気づき、怒りと悔恨を覚え十になったばかりの年齢で故郷を後にした。そして十年近くの歳月をかけ彼は若くして音楽家として既に著名な実力者を超えていた、しかしそれでも彼は有名になれずにいた時、偶然立ち寄った小さなクラブのライブが彼の方向を決め、N.NというDJを生み出した。

 

 

 

 

「……これだけ?」

 

 支援オペレーターの一人は、自分の権限で読めた範囲に疑問が湧いた。優秀なオペレーターであるN.Nの権限は確実に自分より高い、だがどういう訳か彼はそこまで機密性が高いとは思えないこの内容が閲覧できなかったらしい。では何故彼は読めなかったのか、自分の読めない資料に何かあるのか。ふと時計を見ると二時に差し掛かろうとしており彼は急いで胸の中にあるもやもやをしまい、就寝するため宿舎に向かった。

 

 

『…………』

 ロドスの最高責任者の一人、ドクターは資料を読んでいた。

 彼の手にあるのは一人の男のプロフィール、N.Nのものだった。

 ドクターは資料を開くとそこには彼の情報がすべて書かれていた、ドクターはその中の一ページを読む。

 

 

 第四資料

 

 N.Nさんの事ですか……ロドスの基準からすれば彼はとてもいい人です、ですが時々見透かしたようなことをしてくるんです。以前エイヤフィヤトラさんが補聴器を紛失して会話が一時的に困難になっていた時N.Nさんがやってきたのですが、あの人はエイヤフィヤトラさんがどういった方なのか知っていたようでした。話し方がかなり丁寧でしたしエイヤフィヤトラさんも補聴器無しでも聞き取りやすかったようでした、ですが…………あの時エイヤフィヤトラさんとN.Nさんは初対面だった筈なんですよね、どこで知ったのでしょうか……? 

 ────とある支援オペレーター

 

 第五資料

 

 人類には時々アーツとは違う特殊な能力を持つものがいる、他人より味覚が優れている、絶対的な音感を持つもの、記憶力が常人の数倍優れているもの。その中の一つに共感覚というものがありこれは文字や音に色がついて見えるというものだ。だが共感覚は主観的なものであり客観的に見て色がわかるわけではない、だが恐らくN.Nの鉱石病による異常発達した聴力とアーツの力が共感覚を超人的なものまでに押し上げたのかもしれない。本人の協力の元■月■日に行った実験によれば彼に複数の色の同じ大きさの箱を用意しその色を当てさせた時は正答率は一割程だった、しかし実験の対象を複数色の箱から複数色の音の鳴る球体に変更した際、彼は全て正解させた。この結果から推測するに彼は音を発する生物、無機物に限れば色を判別することが出来るのだろう、これは壁を隔てた際も正解したことからも少なくとも視覚で判断していないとわかった。だが忘れないでほしい、確かに強力な能力だが彼が色を感じることが出来るのは同時に深刻な鉱石病の影響だという事を

 ──某日の内部会議にて、発言者██




昇進記録

誰にも知られるな、俺は忘れてはいけない、この箱舟の事を。
この先起こるであろう出来事(イベント)
楽しんだもん勝ちなんだ、自由にやろうじゃないか
―――とある手記の一ページ
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