テラでDJやってたけど感染したのでオペレーターになります。 作:ヘルメットのお兄さん
「へ? スカジについて?」
「そう! オルフェならあたしより詳しいんじゃないかなって!」
食堂で食事をとっていたオルフェは、ヴィクトリアの騎馬警官であるグラ二に、アビサルハンターであるスカジについて質問されていた。
「どうして俺に? 彼女についてなら君の方が詳しいと思うしそれに俺じゃなくてもっと適任がいるんじゃない? ……そうだな、最近ロドスに来てたグレイディーアとか言う人とか」
「いやぁ……あたしその人の事名前しか知らないし……それにこの前スカジと話してたじゃん! しかも結構長話を!」
「いやあれは……まあいいか、そうだな……昔スカジと会った事ならあるよ」
「え!? 聞かせて!」
詰め寄って来るグラ二から椅子を引いて遠ざかりながら、オルフェは過去を思い出す。
あれは俺がまだ目が見えていた時だから……少なくとも五年以上は前だった筈、俺はその時仕事の帰りに偶然海が近くにあったから立ち寄ったんだ。
「海って、シエスタの?」
「いや、イベリアの近くの方にも海はあるんだよ」
で、なんとなく弾きたくなったからギターを取り出して軽く弾いていたら海の方から歌が聞こえて来たんだよ。
「歌?」
「うん、歌。海中から響いてきたんだよ、歌が」
それでその歌が気になったから弾くのを止めてその歌を聞いていたんだ、でもその歌……なんというかこう、現実感が無いって言うのかな。とにかく聞いていてつまんなかったから耳コピしてアレンジしてやろうと思ったんだよね。
「ア……アレンジ?」
「ええと……そう、素材はいいんだけど料理の仕方が悪いというか、とにかく俺の方が良い歌を作れる! って思ったんだよ」
で、俺が歌を作ってたら急に海から化け物が飛び出してきたんだよ。え? どんなって……なんというか、とにかく気持ち悪い花みたいなのとか魚とか……ほんとにそんな感じなんだって。
そいつらが急に飛び出してこっち来るものだから反射的に追い払おうとしたんだけどそれより早く知らない奴が化け物たちを倒しちゃったんだよ。
「もしかしてその人が……」
「うん、スカジだよ」
スカジは化け物たちを文字通り一掃すると険しい顔で近寄ってきたんだよ、今考えるとあの無表情気味のスカジが珍しかったな。それで俺に近づいて詰め寄るとこう言ったんだよ。
『貴方、エーギル人ね?』
『え、そうだけど……君は(どこかで見たような……)』
『さっきの歌は貴方が流したの?』
『……うん、なんか海から歌が聞こえて来たからアレンジしてやろうかn』
『自分の事が大事なら、二度と、その歌を流さない方が良いわ』
そう言って俺から離れたんだけど、その後何か考えたような仕草をしてから
『貴方、体に違和感はない?』
って言って来たんだけど、正直な話何のことかわからなかった。化け物はスカジが倒したから怪我なんてしてなかったし、あの歌もなんかむかつくなぁ、くらいしか感じなかったし
『違和感……いや、特に……??』
『……そう』
それだけ言うとスカジはどっか行っちゃった、終わり。
「…………え? 続きは?」
「無いよ? 強いて言うならそれから時々海で音楽を奏でるとスカジが聞きに来てくれるくらい? まぁその度に『紛らわしいからやめて』って言われるけど」
「って、なんで駄目だって言われたのに続けてるの!?」
「いや別にあの歌を流すなって言われただけで俺の作った曲は流すなって言われてなかったし……それにほら、俺の曲自体はスカジも最後まで聞いてくれるし」
「ええ……」
グラ二が呆れる中オルフェはふとある事を思い出した。
「(そう言えば……あの歌、あれから何回も聞いたけど結局特に何もなかったんだよな……、というかあれ聞くとどうなるんだっけ?ああ駄目だ、
幾ら思い返してもこれ以上何も出てこないのでオルフェは諦めた。
「……本当に、ただのエーギル人なのよね」
潮汐の下の考察や海についての色々な考察から衝動的に書きたくなりました。
オルフェは少なくともアビサルでは無いし海の生き物と闘ったことはありません。
オルフェは当時まだ地球の海の方が詳しく知識が豊富だったので海から聞こえる歌に現実感を感じず海の誘惑に対してどこか客観的でした。
オルフェの持つ「生理的耐性:卓越」というのは心のどこかに僅かに存在しているこの世界が創作から生まれたものだという考えが影響しています。(心の小さな部分が主観的に物事を見れなくなっている)
何より彼は生粋の音楽厄介オタクでした。
この話滅茶苦茶矛盾あったらどうしようとビビってます