テラでDJやってたけど感染したのでオペレーターになります。 作:ヘルメットのお兄さん
「ええと……確かこの先の宿舎が目的地だったはず……」
N.Nは次の任務内容を確認するため指定された場所へ向かったが、そこは会議室などではなくただの一室だった。
N.Nは扉をノックすると少ししてからバタバタと慌てた音がする。
「はいはいー! 今開けまー……うわっ!? あ、もしかして君が今回の任務のパートナー?」
「コードネームN.Nだよ、よろしくね」
「あたしはマゼラン! ライン生命の観測員だよ! 今はロドスに派遣されてるの、よろしくね!」
マゼランは最初こそN.Nの大きさに気圧されたがすぐに元気よく答えると入って、と部屋に入ると一見普通の部屋だったが少し上の方に違和感を覚えた。
「あれ? ここなんかあるけど屋根裏部屋でもあるの?」
「そうだよ、よく気付いたね! ……あ、エヌちゃん大きいから見つけやすかった?」
「エ、エヌちゃん? ……あー、オルフェでいいよ。あとそうだね、ちょっと上に空洞を感じたから」
「じゃあオルちゃん、折角だからあたしのロフトを見てみる?」
「いいの? 勝手にそういうのを見ても」
「事前資料で読んだけどオルちゃんってコーテーちゃんと友達なんでしょ? だったら信用できるよ!」
そう言いながらマゼランが壁のボタンを押すと天井の一部が開き梯子が降りてくる。
「オルちゃんは頭ぶつけちゃうかもしれないから気を付けてね」
マゼランに続いてオルフェも登るとそこは小さなロフトだった、壁の一枚は大きなスクリーンに改造され、マゼランの探検成果だろうか、様々な文書らしき紙が置かれており重要そうなところには現地で撮影した写真も添付されている。標本や測量結果はあちこちに置いてあり、狭くはない部屋ではあるのだが圧迫感は否めない。そして何よりオルフェは中腰姿勢を余儀なくされた。
「きつかったら座っても大丈夫だよ、それとオルちゃんは今回の任務内容は知ってる?」
「詳しくは、終了作戦地域の探索とだけ」
「それじゃあもう少し説明するね、今回はウルサスの民間企業からの依頼で現在未開拓状態の土地の実地踏査、それでオルちゃんはあたしの助手をしてもらうよ」
「助手? あんまり頭は良くないんだけどできるかな」
「大丈夫だよ! 難しい事はあたしに任せてそれ以外はオルちゃんに任せるね!」
「……わかった、肉体労働は任せてよ」
そして、現在ウルサスの未開拓地にてマゼランとオルフェは鬱蒼とした森林を進んでいた。
「寒さが強いな……植物も寒冷地でしか見ないものばかりだ」
「でも今の季節と土地からすれば違和感は無いよ………………よし、ドローン準備オッケー!」
マゼランは持ってきたトランクから何かを用意したと思ったら三つのドローンを取り出した。
「ドローン? それを飛ばすの?」
「そうだよ! 探査用支援ドローン、地上だけだとどうしても見逃すこともあるからねー……ドローン飛べーっ!」
マゼランがドローンを起動すると三つのドローンは空を飛びウルサスを観測し始める。
「すっごいなー、マゼランは。今回の任務って本当に俺必要だった?」
「勿論必要だよ! 一人でやる事も慣れてるけど……やっぱり誰かと話ができた方が良いに決まっているでしょ?」
「……そうだね、確かに話し相手は大切……っ」
マゼランがドローンを操縦していると突然オルフェがマゼランを抱きかかえた。
「ふえっ!?オルちゃん!?」
「気を付けて、何か来る」
そのまま下がると地面が掘り返されそこから現れたのは
「……オリジムシ? なんだぁー、オルちゃん心配し過ぎだよ、……オルちゃん?」
マゼランが安堵の声をあげるがオルフェは尚も警戒したままで、その様子にマゼランも思わず表情が強張る。
オリジムシは尚も地面から現れ続け、最終的には50匹を超える数が現れた。
「ちょ……ちょっと多くない?」
オルフェが片手で大槌を取り出し、ヘッドの側面を外すと中から拡声器を取り出し木の奥に向かって叫び出した。
『おい! そこにいるんだろう、出てきなよ』
すると木の奥から傭兵らしき出で立ちの男が現れた、それも一人ではなく五人。
「いつ分かった? これでもしっかり隠れていたつもりだが」
「もう少し足音を抑えた方が良いよ。聴いたところ君達傭兵だろ? おおよそ俺たちに依頼した民間企業のライバル会社からの依頼ってとこでしょ」
「……そこまでわかっているか、なら悪いな……お前はどこかで見た気がするがこっちも仕事なんだ、殺しはしねぇが大人しくしてもらうぞ」
傭兵の一人が手を振るとクロスボウの矢が幾つも飛来する。矢が刺さる雨にオルフェがマゼランを抱えたまま木々を走り抜けるとオリジムシが大量に襲い掛かってくる。
「マゼラン、一回降ろすよ」
「え!? あ、うん!」
マゼランはオルフェから降りると木の後ろに隠れ、オルフェは前に出ると大槌を振りかぶりオリジムシ達を吹き飛ばす。
「あいつから狙え! 的はデカいから慌てるな!」
オリジムシを半分ほど倒した直後さらに多くの矢が飛んできた、オルフェは大槌を力強く地面に叩きつけると重低音と共に自身に飛んできた矢を吹き飛ばした。
「すっごーい…………」
「なんなんだあいつ! アーツの力か!?」
「もっと凄いのを見せてあげようか?」
オルフェは大槌の柄を地面に突き刺すとヘッドの側面からターンテーブルを取り出しヘッドに取り付ける。
「なんだあれ……ライブのターンテーブルか?」
すると傭兵の一人がオルフェの様子にある人物を思い出させた。
「あ……あああ! あいつN.Nだ!! 三年前消息不明だったDJだよ!」
「流石にバレるよな、でもまぁ今はただのオペレーターだよ!」
ターンテーブルから誰もが知る音楽が流れ始める、それは徐々に音量をあげ指向性を持った音響兵器と化して行く。
「爆音の特別ライブだ!!」
巨大な音がソニックブームとなり傭兵たちを残りのオリジムシごと吹き飛ばす、その勢いは傍にある木を吹き飛ばす程に強くなっていた。
ライブが終わると傭兵たちは平衡感覚を失いその場に倒れていた。
「あーやっぱり演奏楽しい! ビバ音楽!」
倒れた傭兵たちを縛ってから木陰に置いておくとマゼランがこちらにやってきた。
「オルちゃん……すっごいね! そのハンマー! ちょ、ちょっと良かったら中身見てもいい?」
「いいけどせめて任務後にしてもらっていいかな……っ!」
大槌を触ろうとするマゼランを大槌を掲げることで回避するオルフェ、実地踏査自体はマゼランが終わらせていたらしい。
任務後、約束通りマゼランに大槌を見せることになったが……
「なるほど……柄全体に回路を敷き詰めて内部を空洞化してるんだ」
「あの……マゼラン……分解だけはしないでね?」
「ふんふん……側面にウーファーを取り付けて衝撃の強化をしてるんだね……」
「あの……ほんとに壊さないでね……?」
彼女を信頼はしているがそれでも精密機械だからか冷や汗をかきながらマゼランを見ていたオルフェだった。
マゼランとエンペラーって凄く仲いいらしいですね、同じペンギンだからですかね。
それとウルサスの未開拓地ですがウルサスの大部分は未開拓の領土らしく、またモチーフが(おそらくだがほぼ確で)ロシアなので寒めのイメージです。