なりきりムーブしようとするけど結局素が出る…   作:アールスミス

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3話です。


とりあえず宿敵的なヤツ


任務了解

 

暖かいシャンデリアに照らされた洋館の一室。

 

スーツを着た貴族風の男は赤ワインをグラスに注ぎ、モニターに映された男女の写真を見る。

 

「彼は随分と人間味を取り戻してるようだね?」

「ええ、実験体ムラサメ、プロトゼロは感情を少しずつですが取り戻しているようです。喜怒哀楽表現に苦しんでいるようですが…」

「感情の昂りによるZEROの稼働率向上…彼女の死に際は彼は立ち会ったのかい?」

「ええ、ですが貴方様からの傷の後遺症からの死です。目の前で殺害される。というような感情にショックを与えるような出来事ではないかと…もともと死期も悟っていたようですし…引きずってはいるようですが昂りには直結しないかと思われます」

「なら、彼女に死んでもらうってのはどうかい?」

「報告にあった錦木千束……ですか?」

「うん…正直、邪魔なんだよねぇ…本来ならムラサメと引き離すくらいでいいんだけどどうせなら殺してしまおうか…彼の覚醒には大いに役立ってもらったことだし…いいデータが取れているよ。もちろん彼の国のトップクラスエージェントである彼女を、それも彼の目の前で殺すのは至難の業大……だけどね」

男は引き出しから試験官を2本取り出す。

「ZEROには及ばないが兵士の判断力、筋力等の向上をもたらすepyon、直接脳に移植させるだけで人工知能と直結し反射能力の向上、合理的判断が可能になるDOLL、いずれも彼から生まれたものだ。これを持ってすれば彼には及ばないがその、リコリス?と言ったかな?彼の国のニンジャ集団は殲滅できるんじゃないのかい?」

「まだ実戦は行っておりませんのでなんとも…」

「まあ、いずれ彼等ともことを構えることになるだろうからね。兵士による兵士のための兵士にとってより良い世界のために……そうだね。彼にも礎になってもらおう……」

うっとりとした目線で薬品を眺めてワインを流し込む。

 

「じゃあ。彼にプレゼントを贈ろう。待っていてくれ、ムラサメ……いや、今は風見緋色くんだったかな?最高の贈り物を君に用意しよう。君に希望と特大の絶望をもたらす…ね?襲撃日は彼女の命日がいいね。そちらの方がやはりドラマティックじゃないかい?」

スーツの男は部下へ薬品を手渡す。

「この2本を二名の実験体に投与し2人を襲撃させろ。生死は問わん。できるなら生捕でもいい。二人の身体に興味があるからね。プロトゼロはともかくアラン機関などという団体が目をつけた少女にも興味が湧いた。いい実験ができそうだ」

ニヤリと口角が上がり不気味な笑い声が室内に響き渡るのだった……

 

 

「それにしても…彼はなんでまだ生きていられるんだろうね?アレだけ漬かっているのに…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ヒイロ…お前、またジュリアからの電話を一方的に切ったのか?」

「問題ない「いや、こっちがあるんだよ!」………そうか…すまない」

「まったく…」

現在ピークタイムを終え喫茶店内にはミカ、緋色の二人だけしかいない。

洗い物作業をしながらミカと緋色は雑談をする。

 

「もう時期…命日か…」

「ああ…」

 

緋色の手が止まる。

「まだ、アイツのことを気にしているのか?」

アイツ。師匠…緋色の思考は巡らせる。

育ての親であり姉であり母である。

感情を戻すきっかけをくれた女。

 

そして緋色に戦闘技術の全てを叩き込んだ女。

 

緋色の中で彼女の死に際が何度も繰り返される。

最後の言葉も…

「もう、いいんじゃないのか?」

ミカが少し休憩にしようとコーヒーを差し出す。

緋色は渡されたカップをとり壁に寄りかかる。

「いや、まだ終わっていない。今でもアイツの死に際を鮮明に思い出すたびにヤツの薄笑いが脳裏に浮かぶ。ヤツをこの手で倒すまで…俺は止まれない。いや許されない…」

手に力が入りカップが軋む。

「割れたら弁償な…千束には話したのか?」

金銭には敏感なのかカップにかかる負荷がスッと抜ける。

「フッ…ヤツとの関係か?未だに死んだ女のことを引きずってることか?」

「そりゃあ、全部だよ…お前が使ってるブースデッドドラッグのことはアイツ知ってんだろ?未だにjbから取り寄せてるってのも」

「ああ、出自までは教えてないがな、最低限背中を預けるものとして俺にしか扱えないという点と戦闘でどのような結果になるのかは…教えているつもりだ」

「そういうことじゃねぇよ…」

「⁇⁇」

ハァとミカがため息をつく。

「お前が今千束の事を一番に考えてんのは知ってるし、わかってるつもりだ。その上でアイツが今のまんまでいられるように余計なことも言わないのもな。だがなぁアイツも鈍くわねぇ。薄々勘づいてるさ」

「そんなことは「あるよ…女ってのは怖いもんだ。こっちが巧妙に隠していてもすぐに見つけてくる」…そうか」

「いつか…話す…それに」

「それに?」

コーヒーカップを起く。

「俺はわからない…どうすればいいか…どんなにZEROを使い脳をクリアにして処理してもこの問い答えは導けられない」

「まあ、一人で抱えるよりはいいんじゃねぇか?アイツに秘密で何かおっ始めようとしているなら確実に拗ねると思うぞ…アイツは自分自身で言ってるからな、やりたいこと最優先…だったか?だったら巻き込んじまえ、まあ覚悟が必要だがな…」

「拗ねられるのは勘弁願いたいな…考えておく…」

「まあ、悩めるようになったのは成長だな。昔のお前は殺すか生かすかって瞬時に二極を選択してたからな。こうして苦悩するのも若者の特権だ」

「若者の特権…」

緋色はミカの言葉を噛み締めるように復唱する。

「だがな、自分に対しては悩むなよ」

後悔するぞと念を押してミカは緋色の肩を叩く。

「さて夕方に備えて、アイツらも帰ってくる頃だろう。これは男同士の会話ということにしといてやる…」

ミカはどこかに目配せして厨房奥に去っていく。

 

 

 

店内に一人となった緋色の携帯が鳴り響く

 

非通知

 

 

『風見緋色、任務だ。詳細は追って連絡する』

 

 

この連絡と共に店内から彼の姿が消えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回は緋色の宿敵
後半はミカと緋色の男の会話です。
いまいち出てくることのないミカさん勝手ながら兄貴分にさせていただきました。

宿敵一体ナニモノナンダー


ここいらで一度緋色くんには自爆してもらおうと思います。
次回ヒイロ死す。

捕まって再改造もいいですね。

また料理作ってよ!
ダメなんだよ…千束ちゃん…
特に…味覚がね?
感情が昂るとこう、ぶぁあっと光るんだ。まるで漫画だろ?

ってのがよぎってしまっ……


シールドバスターライフルとgnバスターライフルはバスターライフルじゃないと思います。

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