なりきりムーブしようとするけど結局素が出る…   作:アールスミス

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4話です。
そろそろ原作に突入させたい。 
次回辺りから……


あと緋色を自爆させるといったな。あれは嘘だ。


少年の見た赤

『任務を説明する。今回の任務は先日不法入国を確認したテロリストグループの殲滅だ。リストをそちらに送る』

 

手元の端末にはテロリスト構成員の顔写真付きのリストが添付されていた。

 

『君にはこのテロリストグループを消してもらいたい。もちろん全員死亡だ。生かす理由がないのでな。任務に当たる上でこの2名には注意してもらいたい』

 

端末のリストには2名の男女が映っていた。

『その二人を知っているな?』

端末に映る二人の写真に微かに幼少の記憶が蘇る。

「コイツらは…」

『お前の兄弟ってところだ。同じ実験体達…気を抜くな。こちらがやられるぞ。これより任務概要を伝える。貴官はこれより敵拠点に潜入し敵の殲滅可能であるなら写真の2名のサンプルを奪取。証拠の隠滅にかかれこれは我々日米合同軍事作戦としている。我が国のDAには既に根回し済みだ。余計な情報は流すな』

 

「任務了解、作戦を開始する。通信終了」

 

通信機を破壊した瞬間に緋色は駆け出す。

袖から二丁のデザートイーグルが取り出される。

 

直前に見た拠点の図面を思い出す。

5フロアのうち3フロアが敵の拠点となっている。

移動手段はエレベーター、もしくは非常用階段しかない。

緋色は迷わず非常用階段でテロリスト工作員のいる三階フロアまで駆け上がる。

 

非常用ドアを開けフラッシュバンを投げ入れる。

「なんだ?!敵襲?」

慌てふためくテロリストたちを容赦なくデザートイーグルの銃弾が貫通する。

緋色は引き金を引きながら射線を横にずらす。

連射される高威力の弾丸はコンクリートと砕きながら混乱する多くのテロリストの眉間に吸い込まれていく。

 

崩れさるテロリストを見渡し制圧を確認した緋色はさらに上の階を目指す。

階段を駆け上がり先程の下の階の異変を察知したテロリストが下の階に降りてくる。

テロリストが銃口を緋色に向ける。

ワンツーの要領で左右に飛び一気に距離を詰め顎に掌打、がら空きになった胸に銃口を突きつけ引き金を引く。

だらりと下がったテロリストを立てにしながら一気に駆け上がる。

4階に上がり死体を蹴り飛ばし左右から挟み撃ちにしようとするテロリストに銃口を向け一撃で仕留めていく。

すでに4階のフロアは5階のテロリストたちもいた。

駆け出すヒイロ。

姿勢を低くし向かうテロリストの脚を払う。そのまま前と後ろに一撃。

二丁という利点を活かし効率的に作業的にテロリストたちを処理していく。

 

右に、左に、前に後ろ。

一定のリズムで放たれる銃声。

テロリストは皆一撃で仕留められている。

そこに慈悲はなかった。

 

緋色は止まらず奥へと進む。

 

 

 

 

そこには二人の男女がテーブルに腰を掛けていた。

 

パチパチと乾いた拍手とともに二人は立ち上がる。

 

「全然足止めにならなかったね?トゥ?」

「そうだね。スリィ」

「お前たちが今回の首謀者か?」

双子のようなやり取りをする。男女に緋色は問いかける。

「ピンポーン! 半分正解で!」

「ブッブー!半分不正解!」

返答に苛つきを覚える緋色は二人に銃口をむける。

「まあまあ」

「そう、焦らないでさ!」

二人は視界から一瞬で消え緋色の耳元でささやく。

緋色は咄嗟に後ろに飛び距離を取る。

「アハハ!」

「驚いた?」

「驚いたよね?」

確かに緋色が敵を見失うということは未だかつてない。自身が体験したことのない事象が起き緋色は焦り、そして動揺する。

「そりゃあ不意に動けば」

「君の視線から」

「僕たちなら」

「「 消えることは簡単だよね」」

 

「それで、さっきの答えだったっけ?」

二人は口元に手を当て考える仕草を行う。

「話す?」

「話そう」

 

「じゃあ!」

「教えてあげる!」

「僕たちの」

「パパ!」

「「ヒース・クシュリナーダ!」」

 

ヒース・クシュリナーダ、その名を聞いた緋色にさらなる衝撃が走る。

 

「あの男はまだこんな事を続けているのか…」

緋色にとっては仇であり自身をエージェントに仕立て上げたと言っていい存在。

「あの男はどこにいる?」

「それ教えると思う?」

「思う?」

「なら力尽くで聞き出すまでだ!」

緋色は引き金を引く

初弾を避けられそのままもつれ合い格闘戦に移行する。

互いに掌打で拳銃を弾き飛ばす。

背後からスリィと呼ばれた男のほうがナイフを持ちそのまま刺してくる。

トゥを殴り飛ばし後退させ、背後のスリィを蹴り飛ばす。 

スリィは吹き飛び背後のダンボールの山に突っ込む。

「トゥ、やっぱりゼロは強いよ」

「スリィ、このままじゃ勝てないね」

「じゃあ、使おうっか!」

「使おう使おう!」

二人は懐から注射器を取りだす。

ステロイド系かはたまたブーストドラッグの一種か。

緋色は警戒する。

二人は同時に注射器を首筋に挿入し、薬物を接種する。

「グゥ……アッ………熱いよスリィ」

「ハァハァ、熱いねトゥ」

胸を抑え息が荒くなる。

口角が上がりちらりと見えるその眼光はまさに狩りをする獣の目のようにギラついていた。

「でも、これで」

 

「君を」

「「殺せる!」」

 

二人が消える。

瞬間に緋色は吹き飛ばされていた。

 

「ッ…何が起きた…」

 

壁に持たれるように立ち上がりあたりを見回す。

高速で動く2つの影、最低限の攻撃はまだ見切れるため腕でガードの姿勢を作る。

「グゥッ!」

裾をナイフで切りつけられる。

「アハハハハハアハハハ楽しいねぇトゥ」

「楽しいねぇ!スリィ!」

急所への攻撃を往なすが次々とナイフでの切り傷が増えていく。

「奴らの反応スピードが格段に上がった…あの薬品の影響か?!」

緋色は捨てられた注射器に目をやる。

「冷静に分析する、余裕が!あるのかなっ!」

「チィッ!」

大振りの斬りつけを後ろに飛び回避する。

「もーらい!」

背後に回ったトゥの回し蹴りを諸に喰らう。

「ガハッ!」

肺の空気が一気に抜け地面に倒れ伏す。

「え?もう終わり?!」

「ウッソー!トゥ終わりみたいよ!じゃあ止めだね。バイバイ」

「待ってスリィパパが連れて帰れってさ!」

「うーん。殺せないのか…でも!またパパに褒めてもらえるね」

「やったねやったね!あーでもね。もうひとり捕まえなきゃならないんだって」

トゥがタブレットを操作する。

「えーやだよゼロ捕まえたからいいじゃんいいじゃん」

「なんでも忍者らしいよ!」

「ニンジャ!?ニンジャ!ニンジャ!」

「んーんとなんて読むのスリィこれ?にしきき?せんぞく?」

「あーそれね!ちさとって読むんだよ!」

千束の名に緋色がピクリと動く。

「まあ、殺してもバレないかなぁ〜アハッハ」

「殺しちゃだめだよ。彼女を連れて変えればゼロは言うこと聞くってパパ言ってたよ」

甘いなと緋色は会話に夢中の二人に気づかれないように立ち上がる。

「アレ?まだやる気なの?」

トゥが緋色に目を向ける。

「そんなにボロボロじゃぁん…やれんの?」

「まだ、これを使ってないからな」

取り出されたのはZERO。

首筋へ迷わず挿入する。

ドクドクドクドクとくすりが流れ込み血が沸騰するように熱くなる。

身体中が発熱し緋色の目もまたギラギラと獲物に飢えた目に変わる。

「あーあ、そんなに血を流してんのに…パパには悪いけど殺しちゃおう」

「そうだねそうだね!じゃあ行っ………」

「えっ?」

一瞬だった。トゥには何も見てなかった。さっき自分たちが緋色に対してやったこと。それがさらに練度を上げてやり返されたのだ。

そして………

「あっあっああああアアアアアアアアアアアアアアアアッ!スリィィなんで!?どこ!?え?」

トゥが見た先には首から上が吹き飛んだスリィの成れの果ての姿があった。

緋色に目を向けると血だらけの拳銃を握りスリィだったものの傍らに佇んでいた。

「オマエエエエエエエエエ‼」

怒りで割れを失いトゥはナイフを抜き緋色に迫る。

ダラリと脱力した緋色はトゥにはぶれて見えたのだろう。

ナイフは空中を切りトゥは気づけは吹き飛ばされ壁に激突していた。

「カハッ!」

「俺がZEROを使う前に殺せなかった。それがお前たちのミスだ」

倒れ込んだトゥに対して拳銃を構える。

「まだまだ負けてない!」

懐から注射器を三本取り出し首筋に一気に押し当てる。

「がっ、グァあ、あ、あ、あ、あ、イヤァァァァァァァァァァァァ⁉辞めてっ!赦して!お願いしますアアアアアアア!うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい黙れぇ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れ黙れぇえっ!」

トゥはガンガンと何度も頭を打ち付ける。

緋色は彼女の変貌に驚く。

しばらくしてトゥの身体がだらりと脱力し顔を上げる。

「スゥー…………アハッ!」

「もういい⁉パパの命令とかどうでもいい!オマエだけは許さない!いいよ!錦木千束をお前の目の前でぶっ殺してやる‼そうすれば私の痛みも理解でぇきるだろぉうがぁ!澄ました顔してんじゃねぇよ!次はテメェの女だって言ってんだよ!なんとか反応してみたらどうだァ?アァん!?」

先程の彼女からは考えられない豹変ぶりである。

舌でナイフを舐め回す。

「だぁからよ!テメェもさっさとぶっ殺して「もういい黙れ」あっ………」

掌底で手に持っていたナイフを跳ね上げ落ちてきたナイフごとトゥの脳天に蹴り入れる。

ぐさりと突き刺さったナイフによりトゥは何も言わず絶命した。

「ベラベラ喋りすぎなんだよ。オマエ。千束に手は出させねぇよ」

 

ぐしゃりと崩れ去るトゥの死体を尻目に出口へ向かう。

 

「グッ…流石に血を流しすぎた…」

意識が薄れる。

階段を踏み外し倒れようとする緋色を赤いナニカが受け止める。

 

 

「ヒイロ……心配かけ過ぎだよ………ほんっと……」

 

すでに緋色の意識は落ちておりこの言葉は届くことがなかった。

 

 

 

 

 

 




トゥ、スリィ
緋色くんの実験から生まれたやつ。
トゥ·ムラサメ
スリィ・ムラサメ
いわゆる強化人間。もちろん緋色も強化人間です。 まあ残念ながら退場です。サラバ!
フォウは出しませんよ?カミーユに修正されそうなので。

襲撃なんてのはできるわけないのでまあ逆に襲撃させていだきました。
もちろんエピオンとゼロはゼロの圧勝ですね。まあエピオンは誰でもある程度使えるってだけで使いこなせる人がいるわけじゃないっす。適合する人がいれば…

あ、あとヒースクシュリナーダね。
名前はまあうん…察してください。性格はエレガントじゃないです。

緋色の師匠、出すかわかりませんが設定だけ。

シエスタ・藍井
千束にクリソツな女性。
特殊部隊のエース。狙撃から格闘までなんでもござれのワンマンアーミー。
ヒースのもとへ潜入し、副官として緋色に戦闘技術のすべてを伝える。その後脱走時ヒースから脳に受けた弾丸が摘出できず次第に衰弱していき死亡。
緋色に世界を見せようとし感情を戻させようとしていた。
時折、緋色はシエスタに千束を重ねることがしばしば……
ミカなどと仕事先で知り合い同い年の千束と緋色をくっつけようと画策していた一人。
あとは家事が壊滅的なので緋色の料理スキルはここから。
「私が好きなのかい?んーもっと早く行っておくれよ!私はもう売り切れです。千束ちゃんのとこ行っておいで」

イメージはたんもしの彼女


ew版とか言ってますが僕はゼロカスタム派です。




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