空を捨て地下へと消えた繁栄人達が見たらそれが宝物か何かと勘違いしそうなほどのありふれた星空の下。

パチパチと上がる焚き火の近くで座り込んで休憩をする二人の旅人の姿があった。

少々肌寒く感じるか夜間に、揺らめく火の光は暖かさを感じる素晴らしいものだ。

「あったかいねぇ……」

片方の旅人は輝くような白髪を下げた月下美人を体現したかのような女性。名前はアリアル。

「……あっかいなぁ」

もうひとりは闇夜に消えてしまうかと思うほどきれいな黒髪を携えた女性。名前はミリアル。

二人は世界を回って旅をしている放浪者である

ときに笑い、ときに泣き、時には世界の不思議に触れる。
これは気分屋の義姉と思慮深い義妹の不思議な不思議な旅。

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