モノクロの旅人達   作:アルカトヌ

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※タイトルに意味はなかったりします


咲く芭蕉の誤算

 

「あっついねぇ」

 

「熱くてとろけそ…」

 

 

暑さにやられている旅人の二人、アリアルとミリアルは砂漠の真ん中で坦々と足を勧めていた。あたりは一面砂まみれでギラギラと容赦なく照らす太陽が旅人二人の水分を奪い取っていた。

 

 

「動いてないのに暑いよぉ〜」

 

「いや、歩いてるじゃん」

 

「なんか言わなきゃいけない気がした。」

 

 

アリアルはどうやら暑さで頭がやられたらしい。

 

 

「それにしても、まさか砂漠がこんなに長いなんてね……」

 

「水っぽいの見えてなかった…?」

 

「それ…多分蜃気楼でそう見えてただけだよ」

 

 

砂漠では熱気による太陽光の屈折や砂の中に含まれる長石の反射などで錯視を引き起こしやすく、アリアルの目にも湖のようなものが見えていたがそれが紛い物たとわかっていた。

 

 

二人は水を飲んでまた前へと進む。

少し進んだ先でミリアルは気になるものを見つけアリアルに声をかけた。

 

 

「アリアルー…」

 

「どうしたんだい?」

 

「珍しい形の石見つけたー」

 

 

そう言ってミリアルが見せた石はたくさん枝分かれのした白色の石だった。

その石を見た途端アリアルは目の色を変えそれをまじまじと観察する。

 

そして数秒経った後、アリアルはその石から目を離し、ここが何であるかを理解してため息を吐いた。

 

 

「この石、なんか特別なやつなの?あんまり見たことない変な形してるけど…」

 

「それはー、珊瑚だよ珊瑚。」

 

「え?珊瑚って海にあるって言ってたやつだよね?この辺に海があるかもしれない?」

 

 

ミリアルがそう言って希望を抱くがアリアルは首を降ってその発言を否定した。

 

 

「海が近くにあるんじゃないよ。……まぁ、海がすぐここにあるって意味では近くにあるかもだけど。」

 

「どういうこと?」

 

「ここが元々海だったんだと思う……。」 

 

 

そうアリアルが言うとミリアルは驚いたような顔をした。アリアルはそんなミリアルを横目に説明を続ける。

 

 

「まず、珊瑚っていうのは殆どが浅いかつ暖かい海に生息してるんだ。暖かい海は当たり前だがあたりの気温は比較的に高い。それに深海と呼ばれるような部分もない。」

 

「ミリアルは終末が訪れてから、北の方と南の方で大量の氷山ができたのは知ってるかい?」

 

「知ってる。北極山と南極山でしょ?」

 

「そう。その2つの氷山は海の水が凍ってできたものなんだ。海の水が凍ると当たり前だが水位は下がってく。結果浅い海はこんな感じに干上がってしまったというわけさ」

 

「なるほどねぇ……。」

 

 

まぁ、あくまで予測だけどね。そうアリアルは話を締めくくりまた歩き出す。

 

風も吹かない元海洋の砂漠に二人分の足跡がザクザクと残される。

 

視界も歪むような暑さの中旅人達はのんびりと進み続けた……。

 

 

 

 

 

「……ねぇ、ミリアル。水あとどれぐらい?」

 

「んーとね。4Lと500ml。」

 

「………ちょっと急ごうか。」

 

 

………やっぱりちょっと急ぎ足で。

 

 

 

 

 




ミリアル'sMEMO[サンゴ礁の砂漠]
蜃気楼:温度の異なる高密度の空気が重なることで光が屈折して、遠くの景色が違うものに見える現象のこと。詳しくは知らないけど砂漠ではよくあることらしい。

珊瑚:かんぶりあきから存在する海の宝石。実際に見たことはない。かんぶりあきっていうのがよくわからないがかなり古くから生きているらしく、多種多様な珊瑚が海で群生しているらしい。

南極山・北極山:遥か北と遥か南に存在する高さ不明の巨大氷山の名称。これができる前の最高峰はエベレストという山だったらしいが、今はこの2つが最も高い山らしい。終末初期にできた山でありなんでできたかは不明。
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