旅商人っぽいことをしているゆかりは今日も適当の歩き回っている。以前琴葉たちに出会って以来アリアルという旅人を探しているが、どこかにアテがあるわけでもなく結局は普段通りの生活となっているのだ。
「この辺のビル真新しいですね……。こんなきれいに残ることあるんですか…。」
どうやら当時では珍しい樹皮建築のようで、地上でこんなにきれいに形が残っているのはここだけなのではないのでしょうか…?
「もしかしたらこの辺で樹皮建築を繰り返してる人とかがいるかんじなんですかね。」
あたりを見渡してもビルビルビルビル………慣れてる私でも気が狂いそうなほど同じような形のビルが立ち並んでいます。
そう独り言を言いながら歩いていると、奥に明らかにビルではない凸型地形を見つけました
「何がありそうですしあそこに向かいますか。」
ビル街にも飽きましたからね。
「んー、山じゃなかったんですか」
近づいてわかったのですが、山だと思っていたのは合成樹皮の積み重ねでできた人工物でした。隣には作りかけのビルがあります。
なんでこんなのがあるんでしょうか…?
この辺はビル街だと思いますし、ビル街の真ん中に景観を損ねるようなものを作るとは思えないんですが……。
そう思いながら山を一周していると、その途中で現況と思わしき機械を見つけました。
「あー、これが壊れたから無限に樹皮が出てるわけですか…」
樹皮の山を生み出し続けている元凶であるその機械は修復機能のエラーによってなのか飛行の能力を完全に失っていました。
私は手慣れた手付きで機械を停止させて改めて考えます。
「にしても……この高さですよ?」
改めて樹皮の山の隣にある建てかけの建物を見ると、その高さがよくわかります。
「自動修復装置のついた自動樹皮建設機の暴走を破壊によって食い止めることができる人がいるってことですか……」
その技術を間近に見たことのある私だからこそわかります。銃を使っても、電撃を流しても壊れることがなく動き続けるはずの機械を停止ではなく破壊する……その難しさを。
ゆかりさんは虎穴に入らずんば虎子を得ずなんて状況なら虎子を諦めるタイプの人なんですが……。
この先に茜ちゃんの言っていたアリアルさんがいるかもしれないし……、まず、この状況を生み出したのが件のアリアルさんという可能性もあります。
茜ちゃんが言うには冷静ながらぶっ飛んだ思考の持ち主らしいですし。
「どうしましょうかねぇ。」
私は合成樹皮で作られた新しめの巨大建物群に囲まれて途方に暮れました。
この辺には追い出された人たちの集落はなさそうですし、先生の薬も売れ残ったまんまですし、何なら食べ物が無くなりそうなので薬を食って生きていくとかいうオーバードーズもびっくりの生活を送る羽目になってしまいます。
この辺の建物はすべて足元にある機能停止した機械が急増させたビルみたいで中にはなんにも残ってなかったので食べ物に関してはマジの死活問題です。
「とりあえず、北の方に進みますか。」
不安を覚えながらも私は商売人として歩みを勧めました。きっとその先になにかがあると信じて!!
まぁ、とりあえず……
「どこかに空を飛ばないタイプの車とかがあったら盗みましょうか。歩くの疲れますしね。」
私の商売旅はまだまだ続く。ってことですね
ゆかりさんメモ Ver.2
自動樹皮建設機:めちゃくちゃに大きい3Dプリンター。設計図があれば空気中から合成樹皮を無限に生み出せるとかいう神秘の品。
挙げ句に自動修復機能付き。これを兵器利用するとすっごいことになる。なので当時は核爆弾と同じように自動修復機能の禁止条約が世界で結ばれた。破壊できない兵器同士で戦争とか泥沼ですしね。
樹皮でできた建物:メリットは本当に一瞬で組み上がること。デメリットは耐久性がいまいちなこと。あと、燃えやすい。IHが一般化してたからこそ使える建物であり、マッチやライターも持ってる人がいないからこそ放火等も少なかったが、旧時代のガスを使ったり紙タバコを使ってた場合は恐らく普及しなかったと思います。