モノクロの旅人達   作:アルカトヌ

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※タイトルはなんも関係ありません


初志蔵匿

快晴とでもいうべき雲ひとつない青空の下、そびえ立つコンクリートビル群をのんびりと歩いている二人の旅人が見えた。

 

 

「なんかおかしくない?」

 

「うん、おかしいね。明らかに」

 

 

黒髪の旅人ミリアルが白髪の旅人アリアルに疑問点を尋ねるとふたりとも同じことを思っていたようで肯定の回答がかえってきた。

 

 

「やっぱり?」

 

「あぁ……。新しすぎる。ちょっと前までは経年劣化した建物ばかりだったのに、徐々に新しくなってるような………そんな感覚だ。」

 

 

述べている通り二人の周りにそびえ立つ建物は明らかに築30年も立っていないぐらいきれいに見えた。

 

 

「あと、この街広すぎない?明らかに広すぎると思うんだけど。そろそろ三日目だよ?」

 

「うん、そろそろ食料も危ない。建物の中に全く物資がないと思わなかったよ………。どうしよう?そろそろ私達干からびると思うんだけど。」

 

「どうしようも何も、この街を抜けてくしか方法なくないんだよね………。」

 

 

ミリあるがそう答えて、二人がすこしずつ前に進んでいくと明らかにおかしい建てられ方をした建物を発見した。

 

 

「え、これどうなってるの?」

 

「お、おぅ……?さすがの私もこんなのは初めて見たぞ?」

 

 

その建物は崩れ落ちた別の建物を潰すかのように立っており、まるで廃墟となった街を無理やり上書きしたかのような立ち方をしている。

 

 

「なにこれ…?無人で勝手に建物が立ったってことなのかな?」

 

「無人で建物………?」

 

 

無人で建物が立つ。このワードになにか引っかかったアリアルは少し考えた後、焦ったように街の奥の方へ目を向けた。

 

 

「なるほど、ピースが集まった。」

 

「え?どうしたの?」

 

「いや、ちょっとまずいことが起きてる気がするから早めに街の端っこにいくべきだ。」

 

「え、ちょっと?どうして?」

 

「多分下手すると永遠に街から出れなくなるぞ」

 

「え、えぇ??」

 

 

困惑するミリアルをおいて、アリアルは猛ダッシュで街の出口と思われる方向に走っていった

 

 

「あ、ちょっとまって!」

 

 

おいていかれたミリアルは焦ってアリアルを追いかけた。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

息を切らしてミリアルがアリアルを追いかけると、アリアルは街の終わりに立っている骨組みのようなものを睨みつけていた。

 

「はぁ……はぁ………ちょっとアリアル!いい加減説明をしてほしいんだけど?」

 

「あぁ、ごめんね。ちょうど元凶も見つけたし説明しようじゃないか。」

 

 

アリアルはミリアルに気づくと申し訳無さそうに笑い、元凶とやらの説明を始めた。

 

 

「仮定の話だったんだけどねぇ………。たぶん、この街は彼らの開発した3Dプリンターによる自動生成で住処を創っていたんだと思う。」

 

「すりーでぃーぷりんたー?」

 

「うん。言うなれば素材と図面だけあれば勝手にものを作ることができる技術。それの究極系の一つがあの機械だよ」

 

 

そうアリアルが言った途端、後ろの骨組みのようなものの周りに空を飛ぶ機械が舞い、一瞬にして建物へ成り代わった。

アリアルはそれを憎々しげににらみつけ、ミリアルはただただ驚くだけだった。

 

 

「うわっ………建物が勝手に出来上がった?」

 

「……そう、あれが多分無限に建物を作り上げ続けているんだと思う。」

 

「だからアリアルは街から出れないって言ってたのか。でもそんなに焦ることなかったんじゃない?」

 

「いやまぁ、一応ね。あれを放置しておくと最悪の場合、地球をビル群の塊に戻されてしまうかもしれない。」

 

 

ミリアルはただでさえ繁栄人の意味のわからない瓦礫だらけの野原なのに、その上から高い無機質な塔がそびえ立つ様子を想像して顔をしかめた

 

 

「うわぁ………。どうにかできるの?」

 

「いや、普通なら無理。多分自動修繕機能付きだから文字通り無限に動き続けれるよ。アレは。」

 

「え?じゃあどうするの?」

 

「こうするのさ!!」

 

 

アリアルは大きな声で答えると右手に集中し力を集めた。

アリアルの手元に集まっているナニカは明らかに禍々しい雰囲気を漂わせており、アリアルはそれを躊躇なく元凶の機械へとぶち当てた。

ミリアルはその行動に対して怒る。

 

 

「なにしてるの!!!魔法を使うのは禁止ってこの前言ったじゃん!!!!」

 

「いや今回は仕方ないんだって!」

 

 

後ろでクソでかい爆発音がする中、さっきまでのかっこいい雰囲気をぶん投げてアリアルはミリアルに謝る。

姉にまさる妹はいない?そんなことはない。怒っている妹に勝てる姉はいないのである。少なくともアリアルが知る限りでは。

 

 

「……………はぁ……。とりあえず解決はしたのね?」

 

「まぁ、もちろん。」

 

 

ひとしきり怒ったあとミリアルはアリアルに疑問を投げかけ、アリアルは自信満々に答える。

解決したのはいいが、無茶な行動をしたアリアルがミリアルの結局怒られる。

さっきまでの緊迫した空気はさっぱりなくなっていた。

 

ひたすらに肥大した都市の中で呆れ果てる黒髪の旅人と謝り続ける白髪の旅人がいた。




ミリアル's Memo[増殖都市]

立ち並ぶビル:結局よくわからないまんまだった。アリアルの説明が足りないのが悪い。元凶がぶっ壊れたから多分大丈夫とはアリアルの言。こういうことに関してはアリアルは信用できる。………と思う。

魔法:アリアルだけが使える不思議なパワー。便宜上私は魔法と言っている。私にはできなかった。これを使うとアリアル自身の寿命が少し縮まるらしく、あまり使いたがらない。今回は仕方ないにしても、もっと方法があったでしょ………。
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