モノクロの旅人達   作:アルカトヌ

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※タイトルなんて知りません


四季を変えて彼眠る。

崩れ落ちて原型をとどめていないビル群を超えて二人の旅人は博物館をめざしていた。

彼女らが来た方法にある街の経路案内の看板はすでに自立できず倒れていたがどうやら役目を果たすことはできていたようだった。

 

 

「これが博物館か。実際にこんなきれいに残ってるのを見るのは初めてかもな。」

 

 

眼の前に見えた大きく、芸術的な建物を見てアリアルはそう声を漏らす。アリアルの後ろからついてきたミリアルは周りの瓦礫だらけの景色と違う西洋風の建物が見えて驚いているようだ。

 

 

「それで?ついたみたいだけど入るかい?」

 

「入ろうかな。きょうりゅう?の化石があるんでしょ?きょうりゅうがなにか知りたいし。」

 

 

「ここにあるとは限らないとんだけどなぁ………。」

 

「まぁまぁ、何があるのかも気になるし。」

 

 

期待に答えられるか心配になり困り顔のアリアルと、少し楽しそうなミリアルは博物館の中へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー 

 

中に入るとそこは開けたエントランスのような形になっていて二階へ続く階段が壊れているのが見えた。

 

 

「あー残念、ここは恐竜の化石とかが飾られてるタイプの博物館じゃないみたいだ。」

 

「入るだけでわかるものなの?」

 

「大体ね。飾られてるものが化石とかの展示室構造っぽくないんだよね。」

 

 

そう言うとミリアルは少し落ち込んだ様子を見せる。

 

 

「えーそっか。ちょっと残念かも。なら、ここは何が飾られてるの?」

 

「美術品とかじゃないかな?」

 

「適当すぎない?」

 

「そりゃ、ここのことをほぼ知らないしなぁ。」

 

「まぁ確かにここのことを網羅してたら私はアリアルのことドン引きするけどね。」

 

「ハハッ、知らなくてよかったかもしれないね。」

 

 

そんなくだらない話をしているとアリアルはぐちゃぐちゃになった博物館のパンフレットのようなものを見つけた

 

 

「おっと、パンフレットが落ちてたよ。うーん、経年劣化がひどくて読ないけどいるかい?」

 

「流石にいらないよ。実用性もあったもんじゃない。かさばるだけじゃない」

 

「そう言われればそれまでだね。」

 

 

正論で返され少し残念に思いつつも、アリアルはミリアルとともに展示室と思われる方向へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

展示室へ入るといくつかのガラスケースは粉々に砕けており歩くのが難しく感じるレベルには破片が散らばっていた。

 

「これ、危ないね。」

 

「うーん、中だけ局所的にボロボロになることはないと思うんだけどなぁ……?」

 

 

アリアルは壊れたガラスケースのところに展示品紹介の立て札を見つけ、壊れたものにはすべて宝石やら黄金やらと書かれていることがわかりなぜ、ガラスが割れてるかを理解した。

そんなアリアルを横目にミリアルは無事だった展示品をながめている。

 

 

「なんか、よくわからない絵が多いね。あとは服?ぼろぼろすきて使えそうにないけど。」

 

「ん?あぁ………多分だけどここは歴史保存館なんだと思うよ。彼らが繁栄すまでの過程が遺されているみたいだし。」

 

 

辺りの古風な巻物や屏風を見てミリアルは首を傾げる。

アリアルはこの建物の権能を説明するが見リアルにはピンとこない内容だったみたいで再び首を傾げることとなった。

 

 

「なんで?繁栄人に過去を振り返るとかそんな必要ないと思うんだけど?」

 

「彼らの中にも、過去が消えることを是としない人は多かったというとさ。」

 

「そんなイメージがないんだよねぇ。」

 

 

そう言ったミリアルにアリアルは真面目な顔をして説明を始める。

 

 

「彼らは効率を求めたからね。もし、過去が消えてしまったら、過去にした失敗と全く同じ失敗も何度もしてしまう可能性がある。だから過去を遺そうとしたと考えてみるとしっくりくるんじゃないかな。」

 

「なるほどねぇ……。同じ失敗をしないためか。過去から学んで今に至るっていう、思想自体はあったんだね。」

 

「まあ、あっただろうね。それで、どうする?もっと見ていくかい?」

 

 

アリアルからそう聞かれすこし悩むミリアル。ミリアルは繁栄人が嫌いだからこそ彼らの歴史などに興味はない。しかし、アリアルの言うこともわかるからこそ彼らの歴史に価値を見いだせた。そんな狭間での悩みだった。

 

 

「うん、やっぱりあんまり興味はないかな」

 

「でも、あっちの方の蔵書っぽいところから何冊か歴史書を持っていきたい。」

 

 

ミリアルらしからぬ結論を出したことに驚いたアリアルはつい聞いてしまった。

 

 

「………なにか思うところでもあったのかい?」

 

「そういうのは聞かないでいるものだと思うんだけど?」

 

「私は無粋だからね。」

 

「はぁ…………。」 

 

 

堂々と自分の無粋さを認めてなお何故かドヤ顔をしている姉にさっきまでの悩みなんか忘れてしまうほどに呆れてしまった。

 

 

「ただ、繁栄人と同じ道なんて進みたくないだけだから。誰かが伝えないと、繁栄人達の進んだ成果は無駄になるんでしょ?」

 

「繁栄人のことは嫌いだけど、そんな人たちがいるから私が生きてるんだろうし。そのまま消えるよりは私が持ってたほうがいくらか有意義だってだけ!」

 

 

言ってて恥ずかしくなったのか、ミリアルは顔を赤くした。アリアルはそれを見て笑ってしまった。

 

 

「ふふっ………ミリアルは優しいね。あいつを思い出すよ。」

 

「もう……さっさといこ!」

 

「はいはい、いこうか。きっと彼らも多少は報われると思うよ」

 

 

博物館にすこし場違いな大きめな音が響く。少しあと、久しぶりの客を見送った博物館はまた、歴史を抱えて長い、長い眠りについた。

 




ミリアル's Memo[歴史を抱えて眠る]

博物館:コンクリートの瓦礫の中で唯一まともに建っていた建物。キョウリュウがあったり、絵画があったりするらしい。今回は繁栄人の歩んだ道がわかりやすく並べられてるタイプだったそう。

歴史書:これからの旅の中でのんびりと読んでいこうと思う。すこしだけ……楽しみ。
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