なんか団長たちの万能な姉になってたんだけど、とりま全力で推し活を楽しむわ。 作:時長凜祢@二次創作主力垢
え〜〜〜〜……と……とりあえず状況を整理しよう。
確か、私はいつものようにくったくたになるまで仕事をして、セクハラパワハラのストレスに苛つきながらも家事をこなし、いつものようにスマホに入っているゲームにログインをしながら寝落ちた。
寝落ちる前に開いていたのはグラブルで、いつもの日課として良い声だな〜。顔がいいな〜。癒されんな〜……とか思いながら
そんで、沈むように眠ったかと思えば、意識が覚醒するような感覚に襲われて、そんで目を開けたら知らない天井が視界に広がり、グランとジータとビィが私の周りで眠ってて……?
いやいやいやいや、整理しても意味わかんねーよ。何でグランとジータの間で眠ってんだよ私は。
ていうかこれは夢?夢だよな?夢じゃないとおかしいよな!?
「……………いたい……。」
夢だと思い頬を思いっきりつねってみたら、ヒリヒリとした痛みが走る。どうやらこれは現実らしい。
え〜〜〜〜〜〜………?そりゃ、望んでたことだけどさ。まさか本当にトリップするとは思わないじゃん?
しかも、この世界、たまに二次創作とかで見かけるグランとジータの両方が存在している世界線みたいだし。
つか、なんでこの二人と一匹、私を囲んで寝てんだよ。嬉しいけどさ。
え?何?私、この二人の血縁かなんかな訳?
困惑しながら、なんとか私は起き上がる。よく見るとこの二人、私がよく知ってる二人に比べたらなんか小さくね?もしかして原作前?
ふむ……まあ、なんにせよ、私はグラブルの世界に転生だか転移だかしてるみたいだな。なら、やることは一つじゃね?
“よし、グラブルの世界に来たんなら全力で推し活して過ごしたろ”
そう、これに限る。せっかくの空の世界なんだから、全力で楽しむのが先決ってこった。
となりゃ、まずは騎空艇の操縦方法と訓練が必要だな。なんせ、グラブルの世界は、魔物も盗賊もマフィアもうろちょろしてる世界だ。
現実世界以上に危険な世界に、なんの対策もなしにうろつくなんざ愚の骨頂。星晶獣をぶっ飛ばせるくらい……とまでは言わないが、ガタイのいい連中をぶっ飛ばすくらいの実力はつけないとな。
そんなことを考えながら、私はグランとジータを起こさないようにベッドから降りようとする。
が、その瞬間着ていた服の裾を掴まれ、引っ張られる感覚に襲われる。思わず「うお!?」と叫びかけるが、なんとか堪える。
そして背後の方に目を向けてみれば、寝ぼけ眼のグランとジータとビィの姿があり、私の服を二人と一匹の手でガッツリと掴んできていた。
「えっと……起こしちゃったみたいだな……?」
どうするべきだと考えた結果、とりあえずグランたちに声をかける。できることならキミらが起きないうちに色々情報を整理しておきたかったんだが……。
つか力強!?流石は主人公たちだな!?
「シアン姉ちゃん……まだ外暗いよ……?」
「もうちょっと寝てようよシアン姉さん……。」
「そうだぜシアン……。まだ起きる時間じゃねーじゃねーか……。」
……シアン?シアンって誰?いや、私しかいねーわ。てか、グランとジータなんつった?
シアン姉ちゃん?シアン姉さん?私の名前の後に姉って言葉使ったよな?
は?え?私、シアンって名前で、グランとジータの姉さんなの?マジで!?
(なんつー状況だよそれ!!)
確かにグラブルの世界に行きたいとは思ってたけど、こんな特殊なポジションのおまけは要らなかったんだけど!?
内心で叫び散らしながらも、それを悟られないように表情には出さず、グラン、ジータ、ビィの順番に頭を優しく撫でる。
「ちょっと目が冴えちまったから、少し外の空気を吸ってくるわ。二人はまだ眠ってな。ちゃんと戻ってくるからさ。」
なるべく穏やかな声音で話しかけ、何度か頭を撫で撫でしていれば、グランもジータもビィも次第にうとうとし始め、そのまま寝息を立て始めた。
よし、眠ったなと小さく息を吐き、ベッドからそろりそろりと抜け出す。
ん?なんか軽く光ってる剣あんな?念のため持っていくべき……あ、これ私の武器だわ。手に持った瞬間、異常なまでに馴染んでら。
しかも、なんか手紙っぽいのも二つあるし、とりま両方持ってくか。
さっさと剣と手紙二つを手にした私は、静かに家の外に出る。視界に広がるのは、画面越しに何度も観てきたザンクティンゼルの景色。
まあ、普段画面越しにみていたのは蒼が広がる日中のもので、月が浮かぶ夜のザンクティンゼルは、ちょいと珍しい気もするが。
そんなことを思いながら、私は手にしていた手紙の一つに視線を落とす。一つ目の手紙の封筒に記されている宛先には、私とグラン、ジータの三人の名前が記されていた。
つまり、これは私ら全体に向けられたものと言うことだ。
開封されており、何度も読んでいるのだろうか。封筒は簡単に開けることができたし、手紙にも何度も読んでいる跡が残っている。
となると、この手紙は間違いなく彼……この世界では、私の血縁でもある父親から送られてきた例の手紙か。
冷静に分析しながら、私は手紙をそっと開く。
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空の青さを見つめていると見知らぬ彼方へ帰りたくなる。
空の青さに吸われた心は遥か彼方に吹き散らされる。
果てだ。ここは空の果てだ。
遂にたどり着いた。
我が子たちよ。
星の島、イスタルシアで待つ。
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そこには丁寧な文字でこう記されていた。うん、予想通り主人公が旅立つ原因となった手紙だな☆
いやあ、まさか私もこれを読むことになるとはねぇ。つか、ちょいと放任が過ぎないか?
空に魅せられた結果なんだろうか。でもさ、たまには帰ってきて顔を見せてもよくね?
それとも帰ることができない場所にいるのかこれ?いや、でも、手紙が届くってことは、戻ろうと思えば戻れるんじゃね?
呆れと疑問が混ざる感想を抱きながら、私はもう一つの手紙へと目を落とす。
その宛先に記されているのは、シアンと言う私の名前だけだった。つまり、父さんは個人的に私に用があるってことか。
いったい何が書かれてんだか……そんなことを思いながら、手紙を静かに開いてみれば、再び綺麗な文字が記されていた。
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グランとジータのことだが、二人にはきっと、
多くの試練が降りかかることになるだろう。
もちろん、シアン。お前にもだ。
だからこそ二人以上に力を持っているシアンに
頼みたい。
あの子たちに降りかかる試練、それを共に退けてほしいと。
そして、可能であれば二人の側を離れずに、その心を優しく支えてあげてほしい。
きっと何かの力になると思い、お前にはこの武器
を託しておく。
旅の途中で見つけたもので、クルージーンカサドヒャンと呼ばれる剣と、アラドヴァルと呼ばれる槍だ。
お前には迷惑を何度もかけるが、二人のことを任せる。
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「………本当、勝手な親父さんだな。」
ポツリと漏れたのは手紙を読んだ感想なのか、それともこの私の本音なのか。
それは全くわからないけど、声音はひどく穏やかで、しかし、どことなく寂しげな声音だった。
(イスタルシアに向かうメンバーの中には、私も含まれている……この情報は必要な情報だ。それなら、これを元に行動を取りながら、自分のやりたいことをやろうか。)
深く溜息を吐きながら、ゲーム内でも見ることがなかった父親のことを脳裏に描く。
だが、ゲーム内に登場していないし、記憶としても残っている様子がない。
わずかにぼやけた輪郭を思い出せた気もするが、肝心な姿は思い出せない。
これは、父さんがなかなかザンクティンゼルに帰らないからか、それとも離れている時期があまりにも長過ぎて、思い出せるほどの記憶が存在していないのか、はたまた、転生・転移をした代償に、いくらか記憶が削られてしまったのか。
どれが正解かはわからない。だが、自分のやることだけは理解できる。
なるべくグランたちと過ごしながら、私は私で個人で動くこと。少しでも二人の負担を減らすために、情報収集や、いざと言う時の手助けを行うこと。
推し活はそのついでの流れでやって、メインは二人のサポートだ。
助言ができるなら助言を行い、力添えができるなら、二人の剣となり戦おう。
「………てか、アラドヴァルは太陽神ルーの槍で、クルージーンカサドヒャンは、クー・フラン……クー・フーリンとも呼ばれていたアルスターの英雄の武器なんですが?」
何でそんなものを子供に贈ってんだよ親父さん……。
シアン
グラブルの世界に行きたいと考えていたが、まさかのグランとジータの姉として存在することになるとは思わなかった女性。
主人公の父親であり、この世界では自分の父親でもある旅人に対して、呆れと疑問と少しの寂しさを抱きながらも、自分のやることを決める。
推し活はするが、それは旅の流れに任せ、まずは空の世界で父親の情報収集をするつもりでいる。
髪の色と輪郭はジータ。目元や口元、瞳の色はグランと同じのちょっとしたイケカワ少女となっており、長い髪をポニーテールで高く結っている。身長は高め。
グラン
シアンの弟で、ジータの双子の兄。ある意味シアンは親代わりのようなものなので、彼女に甘えたがる節があり、離れてるとちょっと落ち着かない。
ジータ
シアンの妹でグランの双子の妹。グランと同様に親代わりのような存在である姉のシアンに甘えたがる節があり、離れてるとちょっと落ち着かない。
ビィ
シアンたちのもう一人の家族である赤い竜。グランとジータとも長い付き合いだが、シアンはそれ以上に付き合いがある。
三人のことを、オイラの大切な家族で相棒と考えているようで、三人の誰が相手でも相棒と呼び慕うことがあるが、シアンからはやめろと言われているらしい。