なんか団長たちの万能な姉になってたんだけど、とりま全力で推し活を楽しむわ。   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 視線はリューゼ(ベリアル・オリジン)で進みます。

 アンケートの双子&ビィガード……言わずもがなシスコン特異点&シアン大好きビィくんガードですww


ベリアル・オリジンの憂鬱

「なぁ……あのマスターちゃん、どうしたんだ?」

 

「明らかに様子がおかしいよな……。いや、まぁ、酒は作ってくれるんだけど……」

 

「て言うか、あのカウンター席、存在感あり過ぎるだろ……」

 

「なんだっけ……あれ。なんか聞いたことある気はするんだけど……」

 

「えーっと……確か、十……何とか……。」

 

「何とかって何だよ……」

 

 女性客が少なくなり、仕事終わりの男性客とかが増え始めた頃。

 オレ達のマスターであり、いずれはこっち側に来てもらおうとセーレと一緒に唾をつけといたシアンは変わらずカウンター席にてカクテルを作っていた。

 だが、その様子は女性客達にノリノリでカクテルの説明やら何やらをしていた時の彼女からは一変し、ほぼ無言でものを作り続けている状態だった。

 もちろん、その原因はわかってる。

 

「シアンちゃん。シアンちゃ〜ん……?さっきまでの君はどこいっちゃったの………」

 

「……………。」

 

「無言にならないで、お願いだから……。」

 

 十中八九、カウンター席に陣取った、この変わり者の剣士のせいだ。

 十天衆リーダーであり、天星剣王と呼ばれていると言っていた青年、シエテ……。

 明らかに偽名だろうなと言う名前を口にしているその剣聖は、カクテルを作っているシアンに苦笑いをしながら話しかけている。

 だが、シアンは無言だけを返し、ひたすら無心で仕事中だ。

 シアン目的の男性客達は、そんな彼女を心配している。彼女が嫌っているのか……それとも過去に何かあった相手なんじゃ……そんな憶測を飛ばしながら、大丈夫かと彼女を見つめている。

 

 その憶測は違うんだよなぁ……。だってアレ、ただ推してる人間が目の前にいて、それに彼女が混乱してるってだけだから。

 暗がりのバーだから見え難いけど、今のシアン、結構顔を真っ赤にして涙目だし。

 ただ、正直言って非常に……マジで非常に気に食わない。オレの前じゃ顔を赤らめたりすることなく平然としているのに、他の男じゃ顔を赤らめるって……。

 

「オレの方があんなへらへらニヤニヤしてるヤツより何倍もかっこよくて魅力的だろうに。色気だって間違いなくオレの方が上じゃないか。」

 

「アホなこと言ってないでさっさと手を動かしてくださいアホキング。」

 

 拗ねながらオレの前では顔を赤ないシアンに文句を言っていると、通りすがり様にセーレからチクチクとした小言を浴びる。

 そのことにかなり拗ねながら、渋々オレはホールとさっきまで客が使っていた席の掃除を行う。

 だが、やっぱり意識はシアンの方に向けちゃいたくなるわけで……。

 

「……ちまちま掃除すんのも面倒だ。」

 

 自身の魔力を利用して、手にしていた掃除道具を魔術で収めたのち、オレは一回指を鳴らす。

 その瞬間広がった強大なオレの魔力は一瞬にしてその場を覆い、汚れを一つ残らず消し去る。

 

「はい、掃除終わり。」

 

「ちょっとリューゼ!何魔術で掃除を済ませてるんですか!?」

 

「別にイイじゃないか。見ての通り埃も汚れも綺麗さっぱり無くなったんだからさ。

 そもそも道具なんてオレ達に必要ないだろう?魔術でいくらでも終わらせることができるんだからさぁ。」

 

「確かにそうですが!!僕らの魔力はかなり強力なんですよ!?それをこんな公の場で……!!」

 

「問題はないだろ。確かに強大ではあるが、しっかりと調節したものだ。周りにも影響は出てないし、お前は真面目過ぎるんだよ。」

 

「あなたは不真面目過ぎですよ!!」

 

「魔術を使った掃除ぐらいでうるせーな……。発情期の猫は黙ってろよ。」

 

「こんの……!!」

 

「ちょっと!!何喧嘩してんだリューゼ!!セーレ!!」

 

 セーレと言い争いをしていると、カウンターで作業をしていたシアンがこっちに駆け寄ってくる。

 その姿を見てオレは、両手を挙げてナニもしてないアピールを見せる。

 

「あ、シアン様!!聞いてくださいよ!!リューゼが掃除を魔術で済ませてしまったんです!!

 なるべく目立つような行動はするなとシアン様からお申し付けを受けているにもかかわらずですよ!?」

 

 対するセーレは、オレがさっきやったことをシアンに怒鳴るように告げる。

 それを聞いたシアンは、驚いたような表情を見せた後、オレの方へと視線を向けてきた。

 

「一瞬、リューゼの魔力が広がったと思ったら……そんなことしてたのか?」

 

「だっていちいちちまちまと掃除するなんてめんどくさいじゃないか。折角、オレ達には魔力と魔術があるんだぜ?だったらそれを活用して、作業時間を短縮した方がイイとは思わないか?

 まぁ、料理だったり、カクテル作りだったりは、流石に自身の手でヤらなきゃ美味いものもできやしないんだが……。」

 

 シアンの意識をシエテとか言うヤツから自身の方に向けることができたことを嬉しく思いながらも、魔術を使った掃除を行なった適当な理由を口にする。

 セーレから今作った理由だろ的な視線を向けられたが、そんな視線なんざ無視してシアンのみに意識を向ける。

 オレの話を聞いたシアンは、一瞬だけオレをじっと見つめたあと、肩をすくめる。

 様子からして、今口にした理由は、適当に作り上げたオレの嘘偽りの理由であることを把握したが、本当の理由には言及するつもりはない……と言ったところか。

 

「魔術を使うのは構わないが、リューゼとセーレの魔力はただでさえ強力で特異性があるんだ。

 ちゃんと周りに害が出ない範囲に収めるように調節してから使ってくれよ。

 その特異性な魔力は、どんな影響を周りに出すかわからないんだから。」

 

「クク……オーケイ、ちゃんと調節して使うよ。ほら見ろセーレ。シアンちゃんは別に怒ってないぜ?」

 

「チッ……いけしゃあしゃあと……!!」

 

「おーおー口が悪いねぇ……。心優しき君主様にあるまじき醜態だ。まぁ、オレはそっちの方がまだ好きだけどね。

 誰に対しても誠実で穏やかで忠実なだけの優男とか、見ているだけで腹が立つ。

 生き物は欲に忠実になってこその生き物だろ?本能を理性で制し続けて、忠犬のように返事をしてはそれをこなすだけなんてつまらない。

 そもそもオレ達は本来理性なんてものを持たないケダモノだ。欲に生きて欲を引き出し欲に塗れて生きていく存在だろ?

 なのにいつもイイ子ぶってはいはい言ってる調教されたお前が隣にいるのは飽きるし気分が悪かったんだ。

 ケダモノはケダモノらしく、尻尾振って涎垂らして欲に齧り付けよ。」

 

「僕からしたら、下品で下劣で欲をばら撒き、誰にでも尻尾と腰を振るあなたが大嫌いですがね。

 見ていてイライラしますし、吐き気を覚えるレベルですよ。少しは待てを覚えたらどうなんです?」

 

「……あんたらな。制止した側から喧嘩し始めるなよ。」

 

 シアンが呆れながら言葉を紡ぐ中、オレは小さく笑い声を漏らす。

 こっちがわざとセーレに喧嘩をふっかけてることに気づいてないんだろうな。

 それも全部、シアンの意識をオレに向けるためだってこともね。

 

「ああ、そうだ、シアンちゃん。今、客は割と少ないし、料理とカクテルはオレとセーレでも作ることができるから、軽く休憩を挟んできたらどうだ?」

 

「え?いいの?」

 

「もちろんだ。適度に休憩することも必要だからね。オレとセーレは隙を見て休憩していたから、まだまだイケるし、そろそろ客の第2波が来るだろうからね。

 今の間に休憩をしとかないと、7時間くらい休憩なしになっちまうぜ?」

 

「流石にそれは困るな……。お腹も空くし……。」

 

「だったら休んできなよ。これくらいならオレ達だけでもさばけるからさ。」

 

「……ああ。そうさせてもらう。頼んだよ。リューゼ。セーレ。」

 

「オーケイ、任せておけ。」

 

「ゆっくりと休憩なさってください。」

 

 そんなことを思いながら、オレはシアンに休憩してくることを提案する。

 ……7時間も休憩なしで働かないといけなくなる……と言うのは紛れもない事実だからね。

 ある程度作業が落ち着いている今のうちに、シアンをしっかり休ませれば、シエテってヤツからシアンを引き離せるってわけだ。

 

「……悪いねぇ、剣聖。オレ達のオーナーは休憩時間だ。お話ならまた今度にしてもらえるかい?」

 

「……いやぁ、今のはどう見ても君のわざとでしょ。シアンちゃんのこと、俺から離すためにそこのセーレ君に喧嘩ふっかけて意識を自分の方に向けさせたよね?」

 

「はて、何のことやら?オレは事実しか言ってないつもりだけど?だって本当にここら辺で休ませないと7時間くらい休憩もメシもなしになっただろうし?」

 

「それにしてはあからさまな意識誘導だったような気がするんだけどなぁ……。」

 

 少しだけイラッとしている様子の剣聖を、フンッと一つ鼻で笑い飛ばしたオレは、シアンが休んでいる間にやるべき作業をこなしていく。

 シアンに話しかけていた剣聖とはあまり話したくないし、カウンターはセーレに押しつけるとしよう。

 

「……全く……リューゼは本性の割には独占欲が強いんですから……。まぁ、シアン様がそれだけ魅力的と言うことなのでしょうけどね。

 実際、僕もシアン様のことは非常に魅力的に思っておりますし、独占したい気持ちはわからなくもないのですが……。

 さて、それはそれとして、色々と失礼しました、シエテ様。我らがマスターたるシアン様は、どうも自信が推しているシエテ様の前に出るとかなり緊張してしまわれるようでして……いずれは慣れると思うのですが、シアン様とのお話は、なるべくお控えくださいますようお願いします。」

 

「うーん……まぁ、それは何となくわかるにはわかるんだけどねぇ……。俺としては早くシアンちゃんと仲良くなってみたいと言うか……」

 

「シアン様と仲良くなりたいと思われる気持ちはよくわかります。シアン様はそれだけ魅力的な女性ですからね。

 ですが、シアン様も同じく、シエテ様に何かしらの魅力を感じていらっしゃる様子ですので、まずは適切な距離感からお話しすることを推奨しますよ。

 逸る気持ちはなるべく抑え、まずはカウンター席ではなく、少し離れたテーブル席にてお過ごしになり、過剰なまでのお話は慎み、少しずつ距離を詰められた方が、シアン様も話してくださるようになるかと。」

 

「そっかぁ……。じゃあ、程々にしてみるよ。」

 

「ええ。そうしてください。シアン様のためにもね。」

 

 セーレが剣聖に笑顔を見せながらも、まずは適切な距離取りからとアドバイスを行い、あまり距離を詰め過ぎるなと遠回しに注意している。

 言葉はかなり物腰柔らかで、穏やかな様子を見せているが、その様子の端々には剣聖に対する苛立ちが混ざっている様子だった。

 何だよ。お前だってイラついてるじゃないか……と一瞬からかいたくなったが、シアンは今休憩に入っているし、それを邪魔するようにセーレを喧嘩腰にするわけにはいかないし、一旦は我慢するとしよう。

 

 これで、少しはあの剣聖がおとなしくなればイイが……。

 ……オレはインキュバスの性質持ち合わせて生まれ落ちた変異個体のトイフェルだ。

 純粋なインキュバスであれば、そこら中を歩いている人間に声をかけ、自身の動力源である精気を回収できる供給源を見繕っては、体の交わりを得て自身の生命力を維持するが、その特性を持ち合わせて生まれ落ちた変異個体であるオレは、本命となる存在を得ることにより効率よく精気を会得する。

 まぁ、だからと言って無理矢理シて本命に拒絶されたらかなりの枯渇問題になるから、本命相手には確かな手順を踏んで相手をしてもらえるように根回しをして、本命がその気じゃなけりゃ、効率の悪いそこら辺のターゲットを梯子するしかないんだが……。

 

 ……そんなオレの今の本命はもちろんシアンだ。

 トイフェルとの交流に使用する技術の消失が起こるまで、何度も召喚された時のオレには、その都度の本命が存在していたが、今のオレにはシアンがそれだ。

 なんせ彼女の魂と彼女が保有している魔力、精気といったものは、これまで見たことがない程に純度が高く、オレみたいに他人の精気を得ることにより動力維持、もしくは強化を行うタイプの生き物からすると垂涎ものとすら言えるレベルだ。

 だからこそ独占したい。意識をオレにだけ向けて欲しい。誰よりもオレを優先して相手して欲しいと思ってしまう。

 

 ─────……だからこそ、邪魔なんだよね。特にお前はさ。

 

 少しの苛立ちの矛先を剣聖に向ける。

 シアンの意識を持っていくレベルでシアンに好かれている剣聖、シエテ。

 彼は本当に邪魔でしかない。オレは、本命に定めた存在は、とにかく独占してしまいたい性質(タチ)なんでね。

 セーレに関しては、まぁ、特例として気にしていない。なんせシアンの契約魔のうちの一つだ。

 それに、つまらないと吐き捨てたくレベルの生真面目さではあるが、それはそれとして、契約者に対して劣情を抱くと言うことは絶対にない存在でもある。

 オレとは違い、「夢を叶える」、「望みを叶える」、「誠実に仕える」という特性を保有し、なおかつその特性に偏って特化しているため、そのような行動を取ることが全くない使用人タイプのトイフェルだ。

 そのため、劣情や苛烈な熱情を宿すことが起こらない分、放置しても問題はないのである。

 

 オレにとって邪魔なのは、契約者であるシアンに劣情を抱く上で、シアンと言う存在を好きになり、その意識をオレから離していくような存在だ。

 そのため、シアンにすでに好かれており、意識されやすくなっているシエテは排除してしまいたい存在となる。

 だが、この男が保有している能力や特性を考えると、間違いなく排除すると世界の均衡が破壊され、トイフェルにとっての安住の地でもあるこの空の世界がおかしくなることがわかっている。

 

 だからこそ手は出さない。でも、シアンからは引き離したい。

 何とかできないもんかねぇ……。

 

 ─────……ああ……邪魔と言えば、オレのモドキも非常に邪魔だ。今もなおこっちを見に来ているあいつくらいは、何とか排除しないとね。

 

 そんなことを思いながら、オレはこのバーに併設されているオーシャンビューバーテラスの方へと足を運ぶ。

 そこから上を見上げてみれば、夜の帷もおり、星々が煌めき、月が煌々と輝きを見せる夜空の中に浮かぶ、一つの人影を見つける。

 その人影は6枚の翼で風を受けながら、こちらを観察するように見下ろしていた。

 その姿に思わず舌打ちをこぼす。対する相手はオレの姿に気づいたようで、視線を店からオレの方へと向けては、目を細めて笑う。

 まるで、こっちを潰しにかからないのかと問うように、不敵だった。

 

 ─────……別にイイさ。どうせオレの力はモドキを上回る。オレが持つ4対の翼も、所詮はリミッターをかけているだけの仮のものだしな。

 

 殺気を込めて中指を立て、死ねと一言口パクで伝える。

 それを見たモドキは一瞬驚いたような表情を見せたが、すぐに興味をなくしたように表情を変えてどこかへと行った。

 どうやら、オレが攻撃してこなかったことがつまらなかったようだ。こっちからしたら、まだ延命できることに感謝して欲しいところだな。

 

「表に出るなら8枚羽に力を抑えろとルーシィには言われたが、今は力が流れて分散する受け皿があるし、本来の翼で能力を使えないか打診してもらうか。

 しばらくは資金集めのためにシアンはアウギュステから離れるつもりはないようだが……ある程度集め終わったら一回こっちの故郷に行ってみないか提案してようかな。」

 

 ポツリと呟くように言葉を紡いだオレは、テラスから店内へと足を運ぶ。

 さて……まずはこのシアンと仲良くしたい剣聖をどうにかしないとね。

 

 

 

 




 シアン
 相変わらずシエテに固まる特異点達の姉。
 早く慣れたいが慣れるのかこれ?と疑問に思いながらも、休憩に入る。

 ベリアル・オリジン
 本当はシアンを独占したいトイフェル族の王。
 どうやら彼の8翼はリミッターがかかっているがゆえの数らしく、本来はこれ以上の枚数を持ち合わせている様子。

 セーレ
 ベリアル・オリジンに突っかかる忠誠の塊なトイフェル族の君主。
 シアンと仲良くしたいシエテの気持ちはよくわかるが、それはそれとしてやっぱり邪魔だなとは思っている様子。

 シエテ
 トイフェル族2人から嫌われている天星剣王。
 シアンと仲良くしたいのに、どうもうまくいかない上、2人のトイフェル族に邪魔されている不憫さ。

 堕天司ベリアル
 実はちょくちょくシアンの観察に上空へ現れている6翼の堕天司。
 オリジナルのベリアルを挑発するが、殺気を向けながら中指を立てはすれど、弱いやつを相手にするつもりはないという気配につまらなさを感じて今夜は退散した。


恋愛√のアンケートです。シアンには誰との恋愛√を辿って欲しいですか?

  • ベリアル√
  • シエテ√
  • ロベリア√
  • シエテ、ロベリアサンド
  • ベリアル、ロベリアサンド
  • ベリアル、シエテサンド
  • ベリアル・オリジン√(オリキャラ恋愛)
  • セーレ√(オリキャラ恋愛)
  • Wベリアル√
  • 悪魔サンド
  • 逆ハーレムend
  • 双子&ビィガード────!!!!

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