なんか団長たちの万能な姉になってたんだけど、とりま全力で推し活を楽しむわ。 作:時長凜祢@二次創作主力垢
父さんの手紙を月明かりを頼りに読み終えて、自宅へと戻ってベッドに戻ると、遅いと言われてグランとジータに拗ねられるイベントを迎えるというおかしな展開になりながらも、朝日が昇るまで二度寝をし、外が明るくなってきたら、全員を起こして朝食を取る。
これまでやれ会社だ家事だと忙しくしていた中で、ここまで穏やかな時間を過ごしたのは久しぶりのことだった。
しかも、一緒にいるのはグランとジータとビィ。グラブルの主人公と重要メンバー。
彼らの家族として存在できるこの状況は、なかなか嬉しいものである。
そうそう。グランとジータのことなんだけど、どうやら二人は双子のようだ。
二卵性の双子らしく、グランの方が兄で、ジータの方が妹らしい。
なんでそれがわかったのかと言うと、あまりにも二人の息がぴったりだったので、相変わらず仲がいいなと笑いながら言ったところ、双子だからねと笑顔で返された。
どちらが先に生まれたのかわかった理由は、グランとジータが一つだけ残ったパンを取り合っていた際、ジータが兄なら譲ってよと軽く喧嘩したことから発覚した。
残ったパン?ビィが食べたよ。キリがないからジャンケンで勝った方が食べたらどうか提案したら、すぐに二人してジャンケンを始めたんだが、ちゃっかしビィも乱入しててね。
双子のアイコの確率の高さが発生すると同時に、それを逆手に取ったビィの一人勝ちだったんだ。
そんで、グランとジータの二人が、「「あ〜〜〜!?」」って叫んで、ビィが「へっへーん、オイラの勝ちだぜ!」って笑顔で言っておりました。
まさかの伏兵に、私は思わず苦笑いをしたよね……。
……と、まあ、グランとジータと私とビィの関係がどう言ったものかを情報として獲得しながら、現在はザンクティンゼルの森の側に来ている。
ザンクティンゼルの森って言ったらどこかわかるよね?そう、あの祠が奥にある森の中だ。
何しにきたのかと言うと、まあ簡単に言うと修行のためだね。
私たち宛に送られてきた父さんからの手紙。“星の島、イスタルシアで待つ”と言う一文。
これを読んだ私たちがやることは一つ。“十分な力を身につけて、イスタルシアを目指して舵を切ること”。
そのためには修行を重ねる必要がある。外の島には、ザンクティンゼル周辺にいる魔物以上に強いのがうろついているのだから。
そう思って始めたんだけどね……。
「ほらほら、動きが鈍くなってんぞ〜。」
「ハァ……ハァ……ちょ、シアン姉ちゃん……!!いったいどんだけ強いの!?」
「ハァ……ハァ……全然シアン姉さんから一本も取れない……。」
「グラン。ジータ。大丈夫か?」
……何この差?え?めっちゃグランとジータ息切れ起こしてるのに、私はピンピンしてるんだが?
ていうか、二人の攻撃全部躱せちゃったしいなしちゃったんだけど。え、怖……。
ただ、何と言うか……二人の攻撃は、かなり遅く見えた気がする。
隙だらけと言うか、上手く重心を移動させることができていないと言うか……。
それに、木刀でグランたちの武器をいなしたり受け止めたりする時、かなり衝撃が軽い気がした。
そのせいか二人から同時に攻撃を仕掛けられても全部受け止めることができたし、そのまま弾き飛ばすこともできた。
武器なんて持ったことないはずなんだけどな。武器の振り方も全部頭にあるし、どうすれば攻撃を弾くことができるかすぐに答えを出せてしまう。
これってもしかしなくても、私もスーパーザンクティンゼル人になっていたりする……?
いや、それにしてはおかしいでしょうが。なんで主人公になりうる二人を圧倒してんだよおい。
「相変わらず二人とも踏み込みが甘いな。木刀で何度も受け止めたけど、ここまで攻撃が軽いとは思わなかったよ?」
「シアン姉ちゃんが強すぎるだけじゃないかな……?」
「それ思った。どうやったらシアン姉さんみたいに強くなれるの?私たち、全然シアン姉さんに追いつけないんだけど……。」
……いや、既に呼吸を整え終わってるじゃないかキミらも。
にしても……最初手紙を見た時は、私がグランとジータの主人公組以上の力を持ち合わせてるわけねーだろ草、とか思っていたけど、どうやら手紙に記されていたことは本当だったらしい。
これは、主人公たちの姉になってしまったがゆえの宿命なのか、それとも転生、または転移した際に得てしまった特典なのか。
まあ、でも……これだけ身体能力や体力に恵まれているのはありがたいものだ。
パンピーだった時のままとかだったら普通にこの世界じゃ死ねるしね。流石にそれだとこの世界を満喫できないし、グランたちの手助けもできやしない。
だから、ある意味助かったな。こっちの世界の自分が、それなりに恵まれたものだったのは。
これなら、空の世界を自由に旅することもできるし、父さんの情報を集める際の不便さもない。
騎空士としての仕事もなんとか受けることができそうだし、安心したよ。
「強くなるコツかぁ……。つっても、ただひたすら特訓するしか思いつかないな。休息を挟みつつ特訓をこなし、その日の体調によっては特訓メニューの増減をして、そんで、自分に一番合った戦闘スタイルを判断する。それが基本だからな。もちろん、ちゃんと飯食って眠っての日常も行う。じゃなきゃ、体が持たねーよ。あとはまあ……日々の積み重ねかね。ほら、私とグランとジータじゃ、特訓を重ねた日数が全然違うだろ?」
「それはまぁ、確かに……。」
「私たち、シアン姉さんよりあとから特訓を始めたもんね……。」
「つまりはそう言うこと。何事もちりつも。少量だとしても、経験を重ねて重ねて重ねまくって、悪いところは改善し、いいところはどんどん伸ばしていく。私の強さは、結果的についてきたもので、グランたちはもう少し経験を重ねる必要があるってわけだ。まあ、安心しな。二人なら将来的に必ず、私と同レベルか、それ以上の力を身につけることができるからさ。」
「ホント!?」
「私たちもシアン姉さんみたいになれる!?」
「あったりまえだろう?だって、果てまで行った父さんの子供で、今は二人を上回っている、姉である私の最高の弟と妹なんだからさ。」
「「うん!!頑張る!!」」
無邪気な笑顔で私の言葉に頷くグランとジータを見ながら、私は小さく笑みを浮かべる。
“大丈夫。二人はこの世界の中心になる主人公たちなんだから、私なんかすぐに追い越すさ。”
そんなことを思いながら。
だが、私だって負けたくない。主人公たちのいい揮発材になるために……と言うのもあるが、なんか弟と妹に負ける姉ってちょっと嫌じゃん?なんつーの?年上としての意地?
二人のことは応援してるけど、やっぱり負けんのはなんかなーって思うんだよね。意外と私って負けず嫌いだからさ。
だから、二人には申し訳ないけど、もうちょい私の横も上もお預けだ。
「さて、んじゃ、とりあえず休憩挟むか。何かをやり遂げるために、ちゃんと体や精神を休ませて、オンオフはっきりさせることも大切な訓練だしな。」
「わかった!」
「シアン姉さん、お茶飲も?お菓子も持ってきたよ!」
「オーケイ。じゃあ、一旦腰を下ろしますかねっと。」
その場に座り込めば、すぐにグランとジータが隣に座り、ビィが私の頭の上に乗っかる。
いや、意外とビィ重いな!?グランもジータも平然と乗せてるが、こんな感じだったのか……。
ああ、でも、この体は慣れてんのかね?すぐになんともなくなったわ。
そんなことを思いながら、ジータが差し出してきたお茶を受け取り、水分補給としてそれを飲む。
……そうだ。ザンクティンゼルなら例のジョブⅣスーパーおばあちゃんいるし、時間がある時にでも訓練つけてもらえねーかな……?
シアン
グランとジータを上回る身体能力と体力を持っていたことにビビり散らしながらも、二人に訓練をつけている姉。
武器は剣と槍が主力だと思い込んでいるが、実は知らないだけで、グランたちと同じく全部の武器が使えるタイプ。
今は二人を上回っているが、いずれは二人に全て超えられるだろうと考えている。
……のだが、実はどこまで行っても二人を上回ったままになることもまだ知らない。
攻守スピード体力全てが桁違いで、バランスもかなり取れたステータスをしている。
グラン
シアンに敵わない特異点その①。
どうやら少々隙がありすぎるようで、毎回そこを突かれて木刀を弾き飛ばされる。
パワーと防御と体力に自信あり!ポテンシャルもかなりのもの!な少年ではあるが、どうやらスピード差で姉には負けるらしい。
ジータ
シアンに敵わない特異点その②。
どうやら重心移動が少しだけ下手なようで、毎回そこを突かれて木刀を弾き飛ばされる。
スピードと体力に自信あり!ポテンシャルもかなりのもの!な少女ではあるが、それを上回るパワーと、スピード差で姉には負けるらしい。
ビィ
相変わらずシアンはつえーなー……と苦笑いをしながら、双子と彼女の訓練を眺めていた赤い竜。
やっぱり親父さんの娘なんだなー……と考えながら、双子の訓練を応援中!