なんか団長たちの万能な姉になってたんだけど、とりま全力で推し活を楽しむわ。   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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 結局シエテの出番なくね?と言う疑問はありますが、とりあえず元凶の元に到着します。


属性暴走の元凶

 モルガンさん、ルークさん、ベリルさんの3人と、私が契約したトイフェルと星晶獣幼体の3体を引き連れて、森の奥へと走り抜けると、その先には遺跡の跡地と思わしき廃墟が存在していた。

 さらに言うと、その場所はこれまで以上に風属性の元素濃度が濃く、明らかに耐性を持ち合わせていなくてはぶっ倒れてしまいそうな程であることを把握する。

 

「うわ……なんだこれ。マジで風属性の元素だらけじゃねーか……」

 

「ああ。シエテとリップルをルークとベリルに入れ替えて正解だった。流石にここまで元素濃度が高いと、天星剣王と呼ばれているシエテでも無事では済まない。」

 

「……そのようですね。全く……なぜこうまで元素の濃度が高くなってしまったのか………。」

 

 辺りに広がる現状を見て、モルガンさん達が表情を歪める。確かに、彼らの言っている通り、この現状はかなり異常だ。

 この世界には当たり前のように存在している元素……魔術を使う時や、攻撃に属性を乗せたりすることで力に変えることができるものではあるけど、やはり濃度が高いと有害になる。

 風の弱点属性となる火属性ならば、風属性を打ち消すことができるが、それ以外となると、まず耐え切ることはできない。

 便利な力も、度が過ぎれば毒となる……これは、それの典型的な例と言えるだろう。

 

「ウィンディア。大丈夫か?」

 

「ん?うん。問題ないよ。おそらくだけど、ここに来るまでも沢山の風属性のコア……結晶を吸収してきたからだろうね。

 気分が悪くなったり、属性を発散したいと言った不調は発生していないよ。」

 

「……ならいい。」

 

 “いや、本当に成長が早いなこの星晶獣幼体……”と内心で思いながらも、この元素の暴走を引き起こしているものはないかと辺りを見渡す。

 すると、辺りに広がっている風元素の濃度以上に、元素が濃くなり渦巻いている場所があることがわかった。

 もしやと思い、その方向へと歩いてみると行き止まりにぶち当たる。だが、明らかにこの行き止まりの奥に何か空洞のようなものがある。

 

「起きろ、アラドヴァル。」

 

 鞘から取り出し、手にした炎神魔槍にいつものように声をかけると、猛り狂う業火が灯る。

 

「炎神魔槍……!?」

 

「随分とまぁかなりの業物を持ってきてるようで……。つか、実在してんたんだな、炎神魔槍……」

 

「……ルークさんとベリルさんまでそんな反応するんですか。」

 

「それだけアラドヴァルは強大な力を秘めた幻の槍と言うわけさ。本当に、お前の父親が何者なのか知りたいな。」

 

 ……星晶獣殺しとか言われていた騎空士ですと言うべきなのか……いや、言わないでおこう。

 言ったら間違いなくややこしくなるし、話が長くなる。

 

 そう思いながら、手にしたアラドヴァルを目の前にある行き止まりに思い切り突き出す。

 業火を纏った一撃は、その場に渦巻いていた風属性を紙屑のように穿ち抜き、そのまま行き止まりとなっていた壁を破壊する。

 

「おー!これが魔槍の力か!」

 

「いや、そんなことより、何やら道が出てきましたが?」

 

「ああ。この道の先に何かがあるな。」

 

 それにより出てきたものは、風元素を吐き出している仄暗い洞窟。

 私達はそれに目を向けたあと、躊躇うことなく洞窟の中へと入っていく。

 道のりは一本道。人工的に掘られたようで、普通の洞窟とはどこか雰囲気が違う。

 

「なんだこりゃあ?」

 

「わかりません。ですが、人工物ではありますね。」

 

「遺跡の跡地は廃墟だったが、入口のようでもあった。もしかしたら、長年放置されすぎたせいで、入口が埋もれていたのかもしれないな。」

 

「風属性の元素が随分と濃いね。まぁ、おれは正直言って息がしやすいと言うか、調子が良いんだけど。」

 

「……ウィンディア。星晶獣としての適応過程がスムーズ過ぎない?」

 

「まぁ、そもそもが元はエレメンタルだったわけだし、ほぼただの属性だったんだ。それが幸いしてなんとかなってるのかもしれないな。」

 

「エレメンタルの中でもかなり力を持ち合わせていたようですし、それも影響しているのかもしれませんね。

 まさに、条件がうまく噛み合ったからこそ、生まれ出でようとしている星晶獣と言えるでしょう。」

 

「……なんで私の周りって特殊な存在が集まりやすいんだ…………。」

 

 一本道とも言える道のりを歩きながら、私達は言葉を交わす。

 時にはこの洞窟の考察を。時にはウィンディアの能力向上の速さを。時には雑談を……。

 思いつく限りの会話を適当にこなし、洞窟の奥へと足を進める。

 

 しばらくすると、かなり開けた場所に私達は出た。

 明らかに遺跡の内部と言える景色に、何度か瞬きをする。

 

「これは……」

 

「すっげー……完全に遺跡じゃねーか。じゃあ、なんだ?やっぱ遺跡が埋まってたってことか?」

 

「……そうなりますね。」

 

 状況を見て、遺跡が埋まっていたのだろうと話しながら、開けた場所を見渡す。

 ……遺跡はかなり立派だ。外観はかなり荒廃としていたと言うのに、中は全く荒れていない。

 やはり遺跡は、頑丈に作られていると言うことか。

 

「シアンちゃん。ちょっといい?」

 

 なんの目的で、この遺跡は作られたのだろうかと思いながら、元素の流れを読んでいると、ウィンディアが私の服の袖を摘み、軽く引っ張りながら声をかけてきた。

 急に幼い子供のような行動を取るウィンディアに、一瞬だけ驚いたが、すぐに表情を引き締めて、何があったのかを聞くために耳を傾ける。

 

「あっちの方角から、元素の渦が感じ取れる。今回の島の異変の元凶はこっちにあるかもしれないよ。」

 

 ウィンディアに言われ、すぐに元素の流れに集中すると、確かに彼が言った通り、やけに風の元素が収束し、放出されている場所があることが感じ取れた。

 間違いない。この先に問題の何かが存在している。

 

「ウィンディアの言ってる通り、確かにこっちになんかあるな。」

 

「でしょ?」

 

「気配的に魔物……ではなさそうですね。」

 

「いや、魔物も何かいるみたいだぜ?だが、元素を吐き出してるのは、確かに何か無機物だな。」

 

 把握することができた情報を、ウィンディアとセーレ、それとリューゼの3体と整理する中、モルガンさん達が私の方へと歩み寄って来る。

 

「こっちの方に何かあるのか?」

 

 近づいて来る気配に反応して静かに振り返ると、歩いてきたモルガンさんから質問が飛んできた。

 すぐに私達は彼の問いかけに頷き返し、再び視線を元素が濃い方向へと戻す。

 

「ウィンディアが見つけてくれました。こっちの方角に、元素の暴走の元凶と、それに巻き込まれたのであろう魔物がいます。」

 

「そうか。では、行くとしよう。何が起こるかわからないから、油断だけはしないように。」

 

「了解。」

 

「わかりました。」

 

 モルガンさん達の言葉を合図に、元素が濃い方角へと歩みを進める。

 道のりはかなり入り組んでおり、ところどころ迷いそうになったが、なんとか流れて来る元素を道標にすることで正解の道を当て続ける。

 すると、荘厳な扉が仰々しく佇む広間へとたどり着いた。魔物の気配と元素の気配……その両方がこの扉の先から感じ取れる。

 

「これは……随分と強力な力を持ち合わせている何かがいるみたいだな。」

 

「そのようですね……。どうしますか?ポーション等は一応持ち合わせていますが、どれだけ持つか……」

 

「まぁ、勝てねーことはねーと思うが、ポーション使いまくることは確定だよな……」

 

 奥の気配から分析し、戦闘能力を測っているモルガンさん達。

 ポーション……キュアポーションに関しては、まぁ、アルケミストとしての技術があるからなんとかできるんだけど、材料にも限度があるしな……。

 ヒーラー役として行動を取るとしたら、なんでもお見通しおばあちゃんから伝授されたセージの技術を使えばなんとかなる……か?

 でもな……回復をメインに立ち回ろうにも属性武器……いや、アラドヴァルは槍だし、セージも槍を使えるからワンチャン……?

 

「……シアン様。何かお困りごとの様子ですね。」

 

「セーレ……。いや、困ってる……ってわけじゃないんだが……この中でヒーラーとして動ける人間が少ないから、どうしたもんかと思ってな。」

 

「なるほど。でしたら、その問題、僕に解決させていただけないでしょうか?」

 

「は?」

 

 うーん……と頭を悩ませていると、セーレが穏やかに笑いながらヒーラー問題は自分がなんとかすると言ってきた。

 もしや、セーレが回復役を?そんな期待を込めて彼に目を向けると、セーレが私の胸元に手を翳す。

 

「……あれ?ちょっと待て、なんか嫌な予感……!!」

 

「嫌な予感だなんて酷いですね。僕は本当にシアン様の手助けをするだけですよ。

 まぁ、少々風貌は変わってしまうでしょうがご安心ください。決してシアン様の害になることではございませんので……ね………!!」

 

 嫌な予感がすると言って回避体勢を取るが、すでに行動を起こしていたセーレの方が先にやろうとしていた行動を起こしてしまった。

 辺りに一気に広がるセーレの魔力。それは程なくして彼の手元に収束し、一枚の黒い羽となる。

 それを手にしたセーレは、その羽に多重の魔力を一気に纏わせ、禍々しい光を放つものへと変えた瞬間、それを私の胸元……性格には、左右の鎖骨のちょうど真ん中に当たる場所にそれを押し付けてきた。

 同時に私の体にはセーレの魔力が一気に流れ込み、燃え盛るような熱さに襲われる。

 

「あぐ!?あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」

 

「「「シアン!?」」」

 

「シアンちゃん!?」

 

「んな!?おいセーレ!!おま、ナニ王を差し置いて抜け駆けしてるんだよ!?」

 

 あまりの熱に、私はその場で絶叫する。しかし、それでは誤魔化しきれないほどの力が身体中を駆け巡り、内側の何かを変えていかれていくような感覚を覚える。

 自分であるはずなのに自分ではない……理解不能の感覚に、ただただ耐えることしかできなかった。

 視界に映り込む私の体に、紋様のようなものが浮かび上がり、その範囲を広げていく。

 身に纏っていた衣服も、何かに侵食されていくように変化していき、異質なものへと塗り替えられていく。

 広がる模様に伴うように、駆け巡る熱源は徐々に自身の背中の方へと移動していき、背中が言いようができない程に熱い。

 

「契約はすなわち異貌の花を植え付けるための種のようなもの。一気に発芽させ、開花させたのでかなり身体的に厳しいかもしれませんが、辛いのはこのひと時のみです。

 さぁ、目覚めなさい。御霊に刻まれし美しき花。あなたが持ち合わせている才の覚醒の時です。」

 

 高らかに謳うように告げられた言葉と同時に、私の体かブワリと熱が放出される。

 それに引きずられていくように、背に集まった熱が放出され、バサリと風を切るような音が鼓膜を揺らした。

 それを最後に体を襲った何かは治り、私はその場で膝をつく。

 

「ぐ……っ……ゲホッ……何が……起こって……?」

 

「フフ……すみません、シアン様。契約を施した際、あなたの中に流し込んだ僕の魔力を燃料に、一時的な種族変化を起こさせていただきました。」

 

「……は…………?」

 

「……背中見てみな。ナニをこいつにされたかわかるから。」

 

 リューゼに言われ、背中の方に視線を向ける。

 そこには夜空の色をした片翼が揺れていた。

 

「な、なんじゃこりゃ───────!?」

 

 どう見ても本物の羽毛に覆われた翼だったため、思わず叫び声を上げてしまう。

 

 ─────……なんでこんなものが私の背中に生えたんだ!?さっきまでなんもなかっただろ!?てか動かせ……動かせるんだが!?

 

 まさかの事態にパニックを起こしていると、クスクスと小さな笑い声が聞こえて来る。

 すぐに声の方へと視線を向けてみると、笑っているセーレの姿が視界に映り込んだ。

 

「綺麗に発芽してくださいましたね。」

 

「は、発芽……?」

 

「ええ。契約によって植え付けた僕らの同族へと変質させるための力です。

 先程も言ったように、契約した際にシアン様の魂に刻んでおいた術式を、外部から力を与えることにより発芽させたんですよ。

 そのため、現在のシアン様はヒューマンではなく僕らと同じトイフェルへと堕ちている状態となります。

 ですが、これはいわゆるジョブ変更のようなもので、戻ろうと思えばいつでも戻ることができます。

 あ、シアン様がお望みであれば、種族をそのまま固定することもできますよ?」

 

「しないよ?」

 

「……ですよね。ええ。もちろんわかっておりましたとも。ですので、これはジョブの変更に伴った変質と思ってください。

 ただ、トイフェルとしての適性は、変質することができた時点で立証されましたね。

 それは、ある種のあなたのもう一つの側面。一時的な変質ゆえに、翼は一対ではなく片翼一枚となりましたが、その芽は僕と同等の四枚羽としての側面を持ち合わせているので、完全に覚醒した際は僕と同じものとなるでしょう。

 ……ジョブには確か、名前があるのでしたね。では、僕から与えたそちらの能力は、別側面という観点から、オルターエゴ・ノーブルと名付けましょうか。

 回復と攻撃の両方を得意とする能力構成となりますので、此度のシアン様の回復と攻撃を両立するという望みを叶えさせていただきました。

 トイフェルは闇属性を中心としますが、ジョブとしてのオルターエゴ・ノーブルはシアン様が使用する武器に基づき属性が変化します。」

 

「……勝手に人をオルターエゴ化しないでもらえる?」

 

 爽やかな笑顔で説明して来るセーレに呆れながらツッコミを入れた私は、その場で一つため息を吐く。

 しかし、すぐに頭を切り替えては、視線をモルガンさん達へと向けた。

 

「ご心配をおかけしました。問題はありません。」

 

「「いやいやいやいや………」」

 

「あれで問題がない……と言うのはどうかと思うのですが……?」

 

 だいぶ落ち着いたし、やることを済ませようと考えて問題はないことを伝えた瞬間、モルガンさん達から即行でツッコミをいただいてしまった。

 いや、まぁ、わかるけどね?あんだけ絶叫するレベルで体に異変を起こしたにも関わらず、落ち着いたらスンとして問題ないなんて言われたら、そりゃツッコミたくもなる。

 でも、本当に問題はないのだ。まだ若干身体がふわふわしているような感覚があるけど、それ以上に明らかに強大な力が身体を巡っているのがわかるのである。

 ついでに言うと、セーレ命名、オルターエゴ・ノーブルの状態で使えるスキルも把握できている。

 どんな効果をもたらして、どんな力を発揮するのか……その全てがわかっているのだ。

 

「と言うか、トイフェルとはなんだ?あまり聞いたことのない単語だが……」

 

「確か、種族って言ってたよな?だが、トイフェルなんて種族は聞いたことねーぞ?」

 

 ジョブⅣ解放時のグラン達もこんな感じだったのだろうか……なんて、ゲームのテキストにあった、力が湧いてきたの表現の意味をようやく理解したところで、モルガンさん達が、トイフェルの言葉に反応を示す。

 彼らの反応を見たセーレは、何度か瞬きをしたあとで口元に笑みを浮かべた。

 

「気になるようでしたら、空の歴史……特に、種族の歴史と交流について記された資料などを探してみてください。特に、修正などが施されていない原本や資料をね。

 そこに記されているはずですよ。僕とリューゼがどのような存在であるのかが……ね。」

 

 穏やかに笑いながら、トイフェルとは何かを説明するセーレに、モルガンさん達から同情するような視線を向けられる。

 お前、相当厄介な縁があるな?と言いたげだが、それに関しては特異点達の姉として生まれ落ちた時点でアウトな気がするから触れないでほしい。

 

「とりあえず、早く行きましょう。このままでは騎空艇に残してきた風属性をメインに扱う団員さん達や、シエテさん、リップルに負担がかかるばかりですから。」

 

「……それもそうだな。シアンの風貌が変わったことに関しては今は探らないようにしよう。」

 

「じゃあ……行くぜ。」

 

 ルークさんが目の前の扉に触れた瞬間、扉に刻まれている紋様が光り、重々しい音を立てながら閉していた道を開く。

 扉の先は、今いる場所以上に開けた場所で、いかにもボス戦ですと言わんばかりの気配がある広間だった。

 

「うっわ……なんか出てきそうな雰囲気じゃねーか……」

 

「きそうな……ではなく、来る……が正しいでしょうね。」

 

「ああ。気をつけろ。間違いなく何かいるぞ。」

 

 扉の先を見て、モルガンさん達が警戒し始める。私も同じく警戒しながら部屋の中へと足を運ぶ。

 その瞬間、部屋の奥の方に、何かがあることに気がついた。

 

「あれって……弓?」

 

 それは綺麗な作りの白銀の弓だった。しかし、その弓に肝心の弦はなく、かなり異質な雰囲気を持ち合わせている。

 

「あれって……フェイルノートではありませんか?」

 

「フェイルノート?」

 

「ええ。弦を持たぬ必中の弓、フェイルノート。その弓による射撃は必ず敵を貫き、刻みつけ、必ず命を奪うとされる弓です。

 その効果から、創世記に存在する英雄……もしくは神格が使用していたのではとされており、多くの弓使いが探し回った……と言われておりますが、まさか、このような場所にあるとは。」

 

 不思議な弓を見つめていると、ベリルさんが、フェイルノートではないかと口にした。

 ……フェイルノート……あっちの世界では、アーサー王伝説に登場する円卓の騎士の1人であるトリスタン卿が使用していたとされている必中の弓と言われていたが、まさか、空の世界にまでフェイルノートが存在しているとは思いもよらなかった。

 

「……風の元素が強く感じ取れる。どうやら、あの弓が今回の元素暴走の原因のようだね。

 あれを回収することができれば、今回の騒動はおさまるよ。」

 

 そんなことを考えていると、ウィンディアがあれを回収することが今回の任務の遂行条件になることを教えてくれた。

 それを聞き、この後の展開を思考する。

 ……まぁ、十中八九、フェイルノートを回収しようとして、この部屋にある気配の原因が姿を現して、そのまま戦闘に入ることになるだろう。

 

「あれを回収すんのか。でも、回収しようにも、弓なんか俺は使えねーぞ?」

 

「使用するか否かは今考える話ではありませんよ。早いところ回収しましょう。これ以上、被害を出さないためにも。」

 

「そうだな。とりあえず、まずは回収しよう。」

 

 モルガンさんが奥の台座にあるフェイルノートに手を伸ばす。

 しかし、その瞬間辺りに大きな咆哮が轟き、高火力の風属性の何かが飛んでくる気配を感じ取り、その場にいる全員が後方へと飛び退く。

 同時に私達がいた場所には、明らかに通常の魔物では出すことができないであろう威力のブレスが着弾した。

 

「げ!?なんつー威力だよ!?」

 

「……まぁ、簡単には回収させてもらえないよな。」

 

 大地が抉るように炸裂した強力なブレスが放たれた方角へと目を向けてみると、そこには上限素材クエストでお馴染みの風竜イールシアス……の明らかに風暴走中の姿があった。

 

「……マジか。」

 

「……研究所内での戦闘よりかはマシですがね。」

 

「……大丈夫これ?おれ役に立てるかわからなくなってきたんだけど。」

 

 リューゼ達がめんどくさいと言わんばかりの表情を見せる。

 能力としては問題はないが、やはり竜種を相手にするのは彼らでも苦手なようだ。

 対するウィンディアは、明らかに今の自分より能力が高くなっているイールシアスに、若干の自信喪失を起こしている。

 

「文句を言っても仕方ない。武器を構えろ!!戦闘に入るぞ!!」

 

 そんな中、モルガンさんが怯むことなく号令をかける。

 私達はそれに倣うようにして手にしていた武器に力を込めた。

 今回の突発イベントは、こいつが厄介なボスになりそうだ。

 

 

 

 




 シアン
 セーレにより一時的にヒューマンからトイフェルへと堕ちた状態へと変貌してしまった特異点達の姉。
 オルターエゴ・ノーブルと言う名を持ち合わせているだけあり、衣装は漆黒のドレスへと変化し、背中には漆黒の一枚羽が現れている。
 グラン達のように髪の色までは変化していないが、瞳は茶色から真紅へと変貌している。

 セーレ
 シアンと契約した際に植え付けていた別側面を開花させる種を外部から力を注入することにより発芽させ、彼女をトイフェルへと変貌させた悪魔の君主。
 彼女の望みを叶えるため、回復と攻撃に特化したスキル構成にしている。

 ベリアル・オリジン
 セーレがシアンのトイフェル開花を勝手に行ったことに真っ先にキレた悪魔の王。
 本当は自分が真っ先に開花させたかったのに出し抜かれてしまいイラッとしたらしい。
 彼がトイフェル開花を行った場合、攻撃と状態異常による搦手を得意とするスキル構成になっていた。

 ウィンディア
 原因を見つけたはいいが、それを解決する前に現れたイールシアスに冷や汗。
 あれ?おれ役に立てるのかなこれ?

 モルガン、ルーク、ベリル
 シアンが変貌したことにかなりびっくりした騎空士達。
 現れたイールシアスとの戦闘を行うため、武器を構える。


恋愛√のアンケートです。シアンには誰との恋愛√を辿って欲しいですか?

  • ベリアル√
  • シエテ√
  • ロベリア√
  • シエテ、ロベリアサンド
  • ベリアル、ロベリアサンド
  • ベリアル、シエテサンド
  • ベリアル・オリジン√(オリキャラ恋愛)
  • セーレ√(オリキャラ恋愛)
  • Wベリアル√
  • 悪魔サンド
  • 逆ハーレムend
  • 双子&ビィガード────!!!!
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