なんか団長たちの万能な姉になってたんだけど、とりま全力で推し活を楽しむわ。   作:時長凜祢@二次創作主力垢

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旅立ちは数ヶ月後

 自身の情報を整理した日から早くも二ヶ月が経った。最初は戸惑いばかりの空の世界を、なんとか得た知識で乗り越えていた当初に比べたら、かなりこの世界に馴染んだと思う。

 そうそう。鏡を見た時思ったんだけど、まじまじと見てみると私って結構見た目がかっこいい寄りの女だったわ。

 出るところはちゃんと出て、引っ込むところは引っ込んでいると言うなかなかバランスの取れた完璧なスタイルで、ここまでイケメンな美女になってるとは思いもよらなかった。

 なんだろう……目元や目の色、口元はグランに似ていて、輪郭や髪の色はジータそっくりって感じかね?

 二人を足して割った感じ。そんな雰囲気に私はなっている。

 ちなみに、髪の毛はグランに似てて癖毛気味だったりする。こんな見た目になるとは思いもよらなかったわ。

 そんなことを思いながら、私は今日の日課を済ます。いわゆる双子の訓練と、何でもお見通し婆ちゃん師匠の個人的訓練をこなしたところだ。

 

「ふぇふぇふぇ……やっぱりシアンは父親の血が濃いねぇ。力も戦闘センスも全て継いで生まれている。おまけに変わった力を持ち合わせているようだ。まるで、相手の戦力を見極めて、それに合わせた身体能力の向上や、攻撃力や防御力を上昇させ、互角か上回るくらいに調節して立ち回っているかのようだ。」

 

「……………マジ?」

 

「おや、無意識だったんだねぇ。」

 

 そんなことを考えながら訓練を行っていると、何でもお見通し婆ちゃんから、とんでもない指摘を受けてしまった。

 どうやら私は、相手の戦闘力に合わせて自身の戦闘力を調節して互角、または上回った状態にして戦っていたらしい。

 そんなアビリティ保有して戦うキャラクターいたっけ……?いなかったよね……?

 てことは私が保有しているアビリティの一つ……?とんでもないな。

 あれかな。空の民相手には上回る能力を。星晶獣相手には互角の能力を発揮させるとか?

 でも、ある意味で助かるアビリティでもある。それを使えば、まず大敗することだけはないだろう。

 まあ、相手に合わせるってことは、長期戦向けの能力っぽさがあるけどな。ゲームで言う、消去不能の累積攻撃力UP、累積防御力UPみたいな能力なんだろうし。

 そんで、上限まで累積したら、ダメージ上限とか上がるみたいな感じ。

 ………長期戦になりがちな高難易度マルチに丁度良い能力だな……とか一瞬考えちゃったけど、この世界、ゲームじゃなくてリアルだからマルチなんてないんだった。

 

「その力は天賦の才とも呼べるものだからねぇ。大切にするんだよ。」

 

「うん。」

 

 何でもお見通し婆ちゃんの言葉に頷けば、彼女は小さく笑みを浮かべる。

 そして、私のことを真っ直ぐと見据えながら、静かに口を開いた。

 

「あんたに教えることはもうほとんどない。その才覚があれば、余程のことがない限り負けることもないだろうね。だから、あと数ヶ月で全てを仕上げるよ。そして、広い世界を見ておいで。あんたの父親と母親のように。」

 

「わかったよ、おばあちゃん。そうだ……グランとジータとビィのことなんだけど……」

 

「あの子たちのことは、島にいる人間に任せな。婆やもサポートは十全にするつもりだしね。だからシアンは心置きなく旅をするといい。騎空艇に乗る時に必要なお金は、もうすでに貯めているんだろう?」

 

「うん。ありがとう。」

 

 何でもお見通し婆ちゃんを含めた島の住人にグランたちのことを託せば、任せておけと頼もしい言葉が返ってくる。

 この島にいる人々なら、ちゃんとグランたちを育ててくれそうだ。

 まあ、時折戻ってくるつもりではあるけどね。家族が全く帰ってこないと言うのは、なかなか寂しいものだから。

 ……本当はグランたちも連れて行きたかったけど、今はまだ時期尚早。二人にはやっぱり、あの出会いから旅を始めてほしいから、姉ちゃんは先に島を出るよ。

 

「じゃあ、残りの数ヶ月。よろしくお願いします、師匠。」

 

「ふぇふぇふぇ……師匠とはなかなか言ってくれるじゃないか。いいだろう。旅立つその時まで、この婆やがしっかりとしごいてあげよう。かかってくるといい。その力を伸ばせるだけ伸ばすんだ。」

 

 何でもお見通し婆ちゃんの言葉に静かに頷いたあと、私は腰に携えていた剣であるクルージーンカサドヒャンを構える。

 何でもお見通し婆ちゃん曰く、実際に剣を使うこともまた一つの訓練だとのことらしく、木剣や木刀とはまた違った戦い方を身につけることができるようだ。

 これを完璧に扱ってこそ、真の騎空士と言えるだろうとは、おばあちゃん談である。

 

「……そう言えばおばあちゃん。」

 

「なんだい?」

 

「私が使ってるこの武器……クルージーンカサドヒャンって言うんだけどさ。これって、私だけしか持ってない武器になんのかな?」

 

「そうだねぇ……長く旅した中で、それと同じ武器は見たことがないし、それ程までに魔力を含む武器であるにも関わらず、名前も聞いたことがない。間違いなくシアンだけの武器と言えるだろうさ。それがどうかしたのかい?」

 

「うーん……まあ、ちょっとね。」

 

 あれ?よくよく考えたらこれ……シエテに会ったら剣拓関係で話しかけられる案件では……?天星剣王と勝負しろと……?

 え?無理じゃね?推しの最強剣士なんだが?

 あ、でも、負けるのはちょっと癪だな〜……推しとは言え最強の剣士と戦う機会なんてないしな〜……。

 うん──

 

「………とりあえず、剣はマスターしなくては。」

 

「あんたは全部の武器を扱えるだろう?それを伸ばせるだけ伸ばすことをおススメするよ。」

 

 ………全武器使えるとか聞いてないですおばあちゃん。早く言って?

 

 




 シアン
 自分の武器が珍しいものであることを確認したのち、来るかもしれないシエテ来襲に備えて剣を磨こうとした特異点たちの姉。
 しかし、何でもお見通し婆ちゃんの全武器が使える発言により、全部マスターした方がいいじゃん……と遠い目をした。
 無意識のうちにだが、戦闘する相手に合わせて自身の攻撃力や防御力を変化させ、必ず互角か上回るレベルに調節することができるアビリティを持ち合わせていた。
 まだマスターしてないので、基本的には互角かちょっと遅れを取るレベルになってしまう。

 何でもお見通し婆ちゃん
 完全にシアンの師匠となっているお見通し婆ちゃん。
 いつ頃旅経てばいいかアドバイスをして、その日が来るまでシアンに訓練をつけることを約束する。
 シアンがいなくなったら、今度はグランたちが実るまで待とうかねぇ……。

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