なんか団長たちの万能な姉になってたんだけど、とりま全力で推し活を楽しむわ。 作:時長凜祢@二次創作主力垢
旅に出るその日までに伸ばせるだけ自身の実力を伸ばすため、訓練と日常生活を送ること数ヶ月。
今日、私はザンクティンゼルに到着した騎空艇を使い、この島から外へと出て行く。
何でもお見通し婆ちゃんから、実力に関してはお墨付き。あとは、旅の中でも実力を伸ばして、6年後旅立つことになるグランたちに力添えをしながら推し活を始めるのみだ。
そう意気込んで騎空艇の停泊場……いわゆる港に足を運んでみたら、グランたちに待ち伏せされていたシアンです。
「シアン姉ちゃん!!今日旅に出るなんて聞いてないんだけど!?」
「いつか出るとは言っていたけど、今日出るとは思わなかったんだけど!?」
「オイラたちに黙って行こうとしたんだろうけどそうもいかねぇぜ!」
「………マジかよ。」
目の前で仁王立ちしているグランとジータ、そして、腕を組んでドヤ顔をしながらふわふわ浮いているビィの姿に思わず困惑した表情をしてしまう。
この数ヶ月でグランたちが私のことをかなり好いていることはわかったし、自分たちもついて行くと駄々こねられると思ったから黙って行こうと思ったんだけど、まさかバレているとは思わなかった。
「何でバレたんだ?」
「何でもお見通し婆ちゃんが教えてくれたんだぜ!」
「今日、シアン姉さんが島の外に出て行くと思うって聞いた時はびっくりしたんだから!!」
「何で僕たちに話してくれなかったの!?」
「私たちも一緒に行きたかったのに!!」
「あんたらまだ9歳だ。9歳を旅に同行させることなんざできるわけないだろ?」
「「訓練してるもん!!」」
「訓練してるからって連れて行ってもらえるとは思わないこったな。」
こうなるのわかってたから言わなかったのにと溜息を吐きそうになる。
ったく……主人公’sってば姉ちゃん大好きっ子過ぎるだろ。まあ、多分、父親と母親の二人がなかなか戻ってこないから、姉貴が親代わりをしていたんだろうし、9歳と言う甘えたがり盛りが離れるわけないか。
でもな……この二人との旅立ちを待っていたらちょいと時間がかかるんたんなぁ……。
「大丈夫だよ。父さんみたいにずっと帰らないってことはしない。定期的に顔は出すって。まあ、定期的っつっても、その時その時による騎空艇の様子を見てから戻る形になっちまうだろうから、タイミングは測りにくいがな。」
「「………………。」」
「睨むな。」
「無理だと思うぜ……?」
拗ねたような表情をしてこちらを見据えてくる双子に思わず苦笑いをこぼしてしまう。
ビィ……睨むなと言う言葉をあっさり一蹴してくるのはやめてくれ。
「そうだなぁ……二人が旅に出る時が来たら、アウギュステって名前の島をまず目指すといいよ。一応、私の計画では、そこに拠点を構える形で生活する予定だからさ。」
「アウギュステ?」
「どんな島なんだろう?」
「話によると、海って呼ばれる水溜りがあるみたいだな。水の元素が強いんだろうよ。それに、海ってかなり綺麗らしいぞ?空の色みたいに綺麗な蒼で、時間によっては赤やオレンジ色になり、時には星空も映し出して、空と海、両方で星空を楽しめるんだってさ。そんな綺麗な景色、一度は見てみたいもんだろう?あと、海って時期によっちゃ泳げるんだってさ。だから行ってみたいって思ったんだ。」
「へぇ……そんな場所があんのかぁ……。」
「確かに行ってみたいかも。シアン姉ちゃんと一緒に海を見てみたいよ。」
「私も!」
「だろ?」
「「だから私/僕たちも連れてって!!」」
「やっぱりそっちに戻るんかい!!!!」
何とか意識を背けることができたかと思えば戻ってきてしまった連れて行けの話。
ツッコミを入れてしまったのは仕方ないと思いたい。反射的だったんだ。
「あんたらを連れて行くのは時期尚早なんだよ。それに、外の島には、ここいら付近にいるような魔物とは明らかに強さが異なる魔物が沢山いるって聞いてるしな。そんな手に余るような魔物と戦う時、二人を守りながら戦うのは無理だ。」
「僕らはそんなに弱くないよ!!」
「シアン姉さんにいっぱい訓練つけてもらってるんだよ!?私たちだって魔物と戦えるってば!!」
「へぇ?あんなに重心ガッタガタで隙だらけだってのに?」
「ゔっ……」
「それは………」
こちらの指摘に言葉を詰まらせるグランとジータの姿に、やれやれと思わず肩をすくめる。
確かに、グランとジータは強い。私がシアンとして転生だか転移だかをしたことに気づいた数日間の時に比べたら、二人は私の戦闘スタイルやアドバイスを基に、その実力を次々と伸ばしてきた。
それは数ヶ月間ずっと見ていたからよくわかる。この二人はこうしている間も進化をし続けていると。
だが、だからと言ってまだ島の外に出ていいような実力でもない。その実力にはまだまだ届いていないのである。
「二人が強くなってんのは私でもよくわかってる。ずっと見ていたからな。でも、だからと言ってその実力で旅に行けるかと言われたらまず無理だと誰だって答えるぞ。重心がガタついて隙がある……と言うのも理由の一つだが、それ以前にまず二人は筋力が少ない。一般の9歳に比べたらある方ではあるが、騎空士側からしたらそんなので強い魔物とやりあえるのかと問いたくなるレベルの力だ。木刀は持ってるみたいだし、ちょっと構えてみろ。」
「「?」」
私の言葉に首を傾げながら、グランとジータは木刀を構える。それを確認した私は、自分の武器であるクルージーンと、アラドヴァルを鞘に入れたまま振り下ろす。
本気の力ではなく、かなり加減した力のままに。
こちらが振り下ろした武器を受け止めるグランとジータ。だが、二人はすかさず目を見開き、表情を歪めた。
手元にある感覚から、二人はこちらの武器を押し返そうとしているようだが、全くと言っていいほど押し返せていない。
「全然押し返せてないな。こっちはかなり加減してるぞ?」
「「!!?」」
私の言葉にグランたちが目を見開く。加減された力だけで、しかも片手だけで押さえつけられていることに驚いているようだ。
「だから時期尚早なんだよ。あんたら二人は、まだ島の外の魔物に対抗できるほどの力を持ち合わせていない。この程度の力を押し返せないようじゃ、魔物に押し倒されてそのままジ・エンドだ。旅に行きたいなら、もうちょい力をつけてからにしな。二人を守りながら戦えるほど、私も器用じゃないんでね。」
連れていけない理由を口にしながら、私は手にしていた武器で二人の木刀を弾き飛ばす。
そこまで強くない力で弾き飛ばしたにも関わらず、木刀を弾き飛ばされた二人は、そのまま地面に尻餅をついた。
「もう少し強くなったら連れて行ってあげるよ。それまでは良い子でお留守番してな。」
「「む〜〜〜〜…………」」
「グランとジータがあっさり押さえつけられちまった……」
ビィがポカンとした表情をしながら、再び拗ねてしまったグランとジータの二人に目を向ける。
その姿を確認した私は、クルージーンを腰に提げ、背中にアラドヴァルを背負う。
同時に、この場に停泊している騎空艇の乗組員が、もうすぐ出るから乗る奴は早く乗るようにと指示を出す声が聞こえてきた。
「まあ、しっかりと修行を積みたまえ若人よ。二人がこっちの力を押し返せるくらいになったら、連れて行くことを考えてやるからさ。」
「「!!」」
そんじゃあ、私も急がなくては。そう思った私は、グランとジータに修行を積み重ねることで強くなったら連れて行ってやると伝える。
私の言葉を聞いた二人は、顔を上げて私に目を向けてくる。本当かと言う質問をするように。
その姿に笑みを浮かべた私は、グランとジータとビィの頭を撫でたのち、地面を蹴り上げてもうすぐ出港する島の外に行くための騎空艇に乗り込む。
「またな、グラン、ジータ、ビィ!私が戻ってくるまで、ちゃんと修行しとけよ!!」
騎空艇の甲板からグランとジータとビィに声をかければ、二人は目を丸くしたのち、騎空艇の方に近寄ってくる。
近寄り過ぎると危ないため、停泊場にいる人々がこれ以上近づいたら危ないと声をかけられ、二人はすぐに足を止める。
「絶対いつか連れて行ってよね!!」
「シアン姉さんが戻って来るまでちゃんと修行してるから!!」
「グランとジータのことは任せろ!!オイラがちゃんと面倒を見とくからよ!!あ、でも、ちゃんと帰って来るんだぜシアン!!あと戻って来る時はりんご買って帰ってくれよな!!」
「わかってるよ!!」
大きな声で私に言葉をかけて来るグランたちに、同じように声を張り上げて返事をする。
同時に騎空艇が動き出し、これに乗って島の外に出る人の身内や、友人たちの見送りの声を聞きながら、グランたちに手を振る。
グランたちも私に手を振りかえしてくれている。すごく無邪気な笑顔で。
うん。旅立ちの日に見るのが涙じゃなくて笑顔でよかったよ。
「……さてと……何でもできちゃう万能な女の子になっちゃったし、戦闘技術もかなり身につけちゃったからな。これを全力で使用しながら、空の世界を満喫するか。」
停泊場から離れて行く騎空艇。広がる世界はどこまでも続く蒼い空。
下に目を向けてみるが、蒼い世界は途絶えることがなく、遥か下の方まで続いている。
この下のさらに下にあるのが、赤い地平……いわゆる空の底と呼ばれている混沌とした世界……何だろうけど、ここからは見える様子がない。
どんなもんか一回見てみたかったんだがな……とちょっとだけ残念に思いながら、私は甲板から世界を見る。
穏やかで気持ちいい風を浴びながら、いざ行かん、空の世界の旅へ!!
シアン
ザンクティンゼルでグランたちと過ごしたことにより、グランたちがどれだけシアンと言う姉が好きなのかを把握、バレたら間違いなく自分たちも連れていけと言われることを理解したため黙って行こうとしたが当日にバレていた。
原作通りの出会いと旅立ちを迎えてほしいのと、9歳の子供を連れて行くわけにはいかないと言う考えから自身が持ち合わせている力により、片手だけで押さえつけながらわからせることで説得し、何とかついてこようとしていたのを阻止した。
ザンクティンゼルの外に出た以上、全力で楽しみながら推し活(推しキャラを眺めること)をする気満々である。
グラン&ジータ
シアンが黙って旅に出ようとしたことを知らされ、旅立ち当日に停泊場で待ち伏せをして、あわよくば彼女の旅について行こうとしていた特異点の卵たち。
しかし、かなり加減した力だけで両方とも動きを封じられた上、手加減した振り下ろし攻撃すらも押し返せないことを教えられた結果、シアンの旅に同行することを一旦諦める。
押し返せるようになったら連れて行ってやると言う言葉を信じて、彼女が旅立ったあと、全力で修行する。
アウギュステではよろず屋と会いますが、それ以外でまず出会して欲しいキャラは?(中心人物のみ)
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ベリアル
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ロベリア
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シエテ