屍喰鬼と殺人鬼   作:ユニ@カスリンガー

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僕と獣

「ここはどこ?」

 

 気付いたら、立っていたのは長い橋の上。その下には川が流れている。

 

「おうちに帰らないと、どっちかな?」

 

 ―カエリタイノ?―

 

「えっ 誰?」

 

 《ボクダヨ。ネェキミハ、オウチニカエリタイノ?》

 

 

 

 

 

「くっ!?」

 

 体中がボロボロだ。もうほとんど体力もない。流石は軍人と言うだけあるか、強いや。

 

「はっはっはっは!ガキ風情が私に逆らうからこうなるのだ!」

 

 そろそろリョウは逃げ切ったか?、もう家についてもおかしくない。リョウなら大丈夫だ。よし!

 

「なら、最後の足掻きと行きますか!!」

 

「ふっ、何をしても無駄だ。貴様の武器はただの鉄棒、先ほどの様に止めてやる」

 

「そうかい、なら・・・・やってみな? こっからは俺のお得意、速攻だぜ」

 

 

 

 

 

 

 《キミハドッチニイキタイ?》

 

「僕はおうちに帰りたい、お兄ちゃんとの約束なんだ」

 

 《ソウカ、ナラバ ウシロニイクトイイヨ。 デモ、》

 

「でも?」

 

 《オニイチャンニハ、モウアエナイカモネ》

 

「えっ!?なんで?」

 

 《オニイチャンハ、モウスグシンジャウカモシレナイ》

 

「いやだ! そんなのいやだ!」

 

 《ソウカイ、なら・・・・・・・》

 

「???」

 

 《ボクガタスケテアゲルヨ》

 

「えっ! ほんと!?」

 

 《ウン、ボクモオニイチャンガスキダカラネ》

 

「ありがとー、じゃぁお兄ちゃんのところに行こうよ」

 

 《ウン、イコウカ。ジャアリョウクン・・・・・・》

 

「何???」

 

 《いや、僕 おやすみなさい》

 

「えっ?急にどうしt・・・・」

 

 

 

 

 

 

「ふぅガキのほうの処分は終わったし、はやく大佐と合流しよう」

 

「しかし、グロイな。顔は身分証明のため撃ってないとはいえ、内臓は全部飛び出してるぜ、」

 

「手足もないし、こりゃ一部の人間が見たら気絶するぜ」

 

 軍人達がリョウの死体を脚蹴りし、後を去る。奴隷の死体は顔や指紋などで本人かどうかを検証後、焼却されるのが基本だ。しかも警察もまともに動きはしない。

 この時、リョウは絶命し、その人生に幕を閉じた。

 

 はずだった。

 

 パチリッ

 

 内臓が飛び出し、蹴られた事により首がありえない方向に曲がり、全身から大量の血があふれ出ている死体。その死体の顔の目蓋が開き、眼球をキョロキョロと動かし綺麗な瞳が動き、去っていく軍人達を捕らえる。

 その瞬間、口が裂けたかのように大きく開き。未発達だったはずの歯が鋭く曲がり大量の唾液が口から漏れ出した。

 

「《オマエタチカ、ボクヲコロシタノハ》」

 

 口がつり上がり。ホラー映画をイメージさせる様な笑顔を見せて呟いた。

 軍人達は気付かない。自分達に向けられた死をも凌駕する恐怖を。

 グリュグリュと不気味な音をたてて飛び出した内臓が体へと収納されていく、体が完全に元に戻ると共に両手両足を地に立てて獣のように進む。

 裏道を通り、気配を消して、軍人達を先回りする。1分ほど待つと軍人達が歩いていた。

 

「《クッテヤル。クッテヤルゾ》」

 

 小声で言った捕食宣言と共に軍人達の動きが止まりそのまま動かなくなった。捕食制度により彼らはこれから『餌』として、その人生に終わりを迎えるのだ。

 

「《デハ、イタダクトシヨウ》」

 

 両足を使い裏道からジャンプし、

 

「《ヴァァァァァァァァ!!》」

 

 

 グチャ、ジュン ボリボリボリ、グチュグチュ

 

 

 掛け声をあげ、飛び込んで喰らい付き、一心不乱に軍人達を喰い尽した。

 

 

 

 

 

 

「はぁはぁはぁはぁ、やっぱり強いなお前・・・・」

 

(こいつ、本当に奴隷か!? 脚1本で私とここまでやるか)

 

 もはや2人とも体力を使い果たしている。でも、2人は立っている。己の目的のために。

 まだも続く肉弾戦、洗礼された体術を使う大佐にショウは小ささとすばしっこさを活かした体使いで攻撃をかわしていた。その時、一瞬だけ大佐に僅かな隙が生まれた。

 

「ここだぁ!」

 

「甘い!」

 

 ボフッ!

 

「ぐはぁぁ!」

 

 僅かに生まれた隙は大佐がわざと作り誘い込んだフェイクだった。モロに攻撃を受けたシュウは膝を付き額に銃を突きつけられた。

 

(あぁ、死ぬのか・・・・シンジごめん・・・・・・・・)

 

 バタッ

 

 死の覚悟を決めたその時だった。急に大佐が倒れる。理由は分からない。でも目の前で確かに首だけが無くなった大佐がいた。

 

「少年、この辺で獣のような子供を見なかったかい?」

 

 後ろから現れた男が急に喋りかけてきた。背中には大きなリュックが、顔にはキツネのお面、左手には棒付き飴が、そして右手には大佐の首があった。

 

「少し、私とお話しようか・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

「これが・・・・・・ 僕・・・・・・・・ ただの『お化け』じゃないか・・・・・・・」

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