屍喰鬼と殺人鬼   作:ユニ@カスリンガー

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優雅に、そして無慈悲に

 私の朝は常に6時20分。朝の稽古を済ませ服を着替える。学校などに行く訳ではない、ただ何となくそうしているだけだ。

 自分で言うのもおかしな事だが勉強・運動・ルックス共に高い方だろう。教われば直ぐ覚え、試せばすぐ出来て、異性にもモテる。

 完璧な私には相応しいだろう。しかし、それが満足かと聞かれると答えは否だ。

 命の危険もなく、刺激もなく、スリルもない人生・・・・ それは幸福であっても、美しくはない。そう これじゃぁ・・・・・

 

「あの汚らしい奴隷共と何が違うと言うのだ。決められた通りに生きるこれでは詰まらんな」

 

 深々と考えても答えは出ない。人生とはそういう物なのだ。

 

 コンコンッ

 

「太郎、私だ。間もなくお客様が参る。山田家の男として恥をかかぬ様にな」

 

「はい」

 

 着替えを終えて1階の大広間に向かう。今日は我が家で各貴族達を集めたパーティーだ。既に跡を継ぎ山田家頭首となった太郎の席はステージの上の一番センターの席、全てを見下ろし仕切る席だ。

 

 トコトコと歩き席に着く、まだ数人しか会場には居らずガラガラだ。

 

「こんな物に何の意味があると言うのだ・・・・」

 

 

 

 

 

 

 身をかがめ裏道から裏道へと行き目的地のある場所に走る。俺とリョウの移動は何時もこんな感じだ。

 表通りなんて歩けない。いつ襲われるか分からないから、ならば体が小さくて動きやすい裏通りのほうが安全だった。

 

「お兄ちゃん、まだ?」

 

「もうちょっとだ。大丈夫か?」

 

「うん、大丈夫だよ~」

 

 相変わらずすばらしい体で何よりだ。更に走る事10分、目的地に到着した。

 

「ここが旧日本御三家の1つ『山田家』だ」

 

「おっきぃ~ねぇ~~」

 

 本当に大きい、東京ディ〇ニーランド位の大きさの敷地がある。

 

「門の前に見張り4人か・・・・・・ 捕食者じゃないだろうな」

 

「んじゃ、コレいらないね」

 

「そうだな、まぁ後で使うかもしれない。山田家本家の人間は恐らく全員捕食者だからな」

 

「は~い」

 

 そう言ってリョウを残し金属バット(だった鉄材)を持って出て行く

 

「何だ!貴様!」

 

 俺を見るやいきなり超警戒モード。中には警棒を構える者もいる。だが

 

「わりーけど、退いてくれや」

 

 4人とも俺に警戒してこちらを見る。だが、後ろからせまるリョウには気付かなかったようだ。

 

「えいっ!」

 

 思い切りその手から放たれた瓦礫2枚は見事に後頭部に命中。それで怯んだ残り2人がリョウを見た隙に今度は俺が金属バットで殴る。

 

 速攻で出来あがる4人の人の山。まぁ気絶だけだから安心してくれ。

 

「見た目の割にはたいした事無いな」

 

「お兄ちゃんが強いんだよ~」

 

「んで、この門どうやって開くんだ?」

 

 精密機械のように複雑で厳つい作りの門、上るにもネズミ返しなうえ、高さが4mはある。

 

「大丈夫だよお兄ちゃん。僕がとっておきの呪文があるから」

 

「呪文?」

 

 リョウが門の扉を握り、深呼吸を1回、そして―――

 

「『開け!ごまぁぁぁぁぁぁぁ!』」

 

「あっ ちょっ それは!」

 

 ビギィィィィィンッ

 

 そのまま両手で張り倒す。もはやここまで怪力に成長していたとは、俺よりも力あるんじゃないか? しかし、それはちょっとマズイ開け方だな、大体こういう金持ちの家には・・・・

 

 『ビーーービーーー シンニュウシャデス』

 

 ほーら やっぱり『ぼうはんぶざー』が付いてるんだよ

 

「リョウすごいぞ、でもちょっと荒いなぁ」

 

「うぅ・・・・ ごめんなさい」

 

「まぁ大丈夫だ。」

 

 タタタタタタタタ

 

 何人かの人間が近づいて来る足音。少ないな2人か?

 

「リョウ、隠れるぞ。一回様子を見たほうが良い」

 

「うん」

 

 そう言って近くの茂みに隠れる。

 

「ただいま門に到着。見張りは何者かに攻撃を受けています。意識はありませんが命に別状はありません」

 

 なにか小さい物に喋っている。あんな小さいものの中に人がいるのか?

 

「了解、『冥土(メイド)』達をフル出動させます」

 

 その声と共に更に足音が聞こえてくる。今度の足音はさっきより大きく重い足音だ。

 

 ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダッ

 

(多いぞ! 30、40、50、65、80、100人近く居る!)

 

「いったいどんな奴らなんだ?」

 

 門に現れた大量の武装集団。通称『冥土』 名前だけでも物騒だ。その様子を見てみると、

 

「ブッ!」

 

 思わず吹いた。全員が黒のゴスロリワンピース風の白いフリフリ付きメイド服を着て、右手にはマシンガン。腰に手榴弾。肩から弾薬を提げて、脚にナイフを4本装備。全員が身長180cmを超えるほど大きく中には2m級もいる。全身がガチムチの筋肉がモリモリ過ぎてメイド服が若干ピチピチだ。顔も女性と言うよりも男性に近しい人も数人。胸付きからして女性だと分かるが男性が胸に小玉スイカ入れていると言っても信じられるほどだった。

 

 カツッカツッカツッ

 

「整列完了しました。メイド長」

 

 その団体でも一際厳つい顔の女性が、ロリボイスで言い放つ。その顔でその声を出すか!

 

「ふむっ良いか諸君、どうやらこの我らの山田様の家にネズミが侵入したようだ。見つけ次第捕獲して私の所へ連れて来い。しかし門番を倒す奴らだ。抵抗するようなら殺せ。いいな」

 

「「はい!」」

 

「よし!散!」

 

 そう言うと同時にメイド達が一斉に走り出す。冗談じゃないあんなのと戦いたくない。

 

「綺麗な人だねぇ」

 

「えっ!? あっ! あぁ、そうだな」

 

 メイド長と呼ばれた人は身長170cmない位で先ほどのメイド達と違い筋肉ではなく女性らしい体格と美人な顔つき。髪も整えられておりスラム街の男達が居たら、たかりそうなほど綺麗な人だった。

 

 

 

 

 

(あそこに居るなネズミ)

 

 メイド長ことヒイラギは気付いていた。シュウとリョウの存在を

 今は警戒している。まだ行くべきではない。だが時が来たら、一気に捕まえる。そう考えて今は何もしない。

 

「奴等を捕まえて太郎様の前に叩き出そう。そして・・・・・・・」

 

 そこでヒイラギの顔色が変わった。

 

「今日こそ太郎様のハートを射止めちゃうんだから☆」

 

 

 

 ~~~妄想~~~

 

『良くやってくれたヒイラギ。お礼に今日の夜は遊んでやるよ』←(無駄にイケボ)

 

『ダメです太郎様。私たちの関係は・・・・・あぁだめぇぇぇ!』

 

 ~~~~~~~~

 

「キャーーーー☆☆☆ 楽しみーー」

 

 タッタッタ

 

「メイド長、中庭の方には居ませんでした」

 

 ビタッ

 

「分かった。そのまま詮索を続けろ!」

 

「はい!・・・・・ 大丈夫ですか?鼻血出てますよ?」

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