タイトルの通り、Your Chronicle というゲームのストーリーを小説にしてみました。
原作があまり描写の多い作品では無いので、それに合わせて淡々とした雰囲気で書いています。
続きは良い感じのができたら投稿するかもしれません。

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物語の始まり

 人と魔物と自然で溢れた剣と魔法の世界。そんな世界の片隅にある小さな村。そこに一人の少年が、父と二人で暮らしていた。

 

 いままで代わり映えしない日々を過ごしていた少年だが、今日は何かが変わるような気がしていた。というのも、真剣な顔をした父から、話があると言われたからだ。その時に父が纏っていたただならぬ雰囲気が、少年に非日常を予感させた。

 

 夕飯の後に話すということだったため、夜を待つ間、話の内容に想像を膨らませていく。父の隻腕についてだろうか。あるいは、物心ついたときから居なかった母についてだろうか。もしかしたら、それらとは全く関係の無い話かもしれない。などと考えを巡らせている間にも、期待と緊張が高まっていく。

 

 

 

 あれこれと考えていると、あっという間に夜になった。父の呼び声に応えてリビングへと向かう。逸る気持ちを抑えてゆっくりとドアを開け締めし、部屋に入ると、食事の準備は既に整っていた。

 

 ランプが放つ暖かなオレンジの光に照らされた木製のテーブルに、料理が並べられている。井戸から汲み上げた冷たい真水。畑で採れた色とりどりの野菜を盛り合わせたサラダ。こんがりとした狐色に焼けた食パンの上には、艷やかな油の乗ったベーコン。

 

 とても美味しそうだ。

 

 いつものように父と向かい合って席に着き、手を合わせてご飯をいただく。我が家の食卓で会話が行われることは少ないため、静かなのはいつものことだ。

 

 ただ、今は普段のように落ち着いた静寂ではなく、どこか張り詰めるような静けさを湛えていた。口の中に滲むよだれの理由も、いつもとは違うように感じる。

 

 しばらくして食事を終え、二人同時に手を合わせる。今日はここからが本題だ。少年は父の顔をじっと見つめる。頬に切り傷の入った厳しい顔だ。歴戦の戦士のような風格を感じる。などと考えていると、父が徐に口を開いて、こう言った。

 

「息子よ、強くなるのだ」

 

 その言葉は少年にとって全くの予想外であり、意図を理解できず呆けていた。そんな少年を差し置いて、父は続ける。

 

「お前の母は魔王に連れ去られた。助け出してほしい。私は抵抗したが、力及ばず右腕を失ってしまった」

 

 続く言葉は、少年が昼間に想像していたように、父の隻腕、それから母についてのことだった。しかし、その内容があまりにも非常識的だったため、冗談でも言っているのかと思ってしまう。

 

 とはいえ、父はそのような質の悪い冗談を言うような人ではない。そしてなによりも、一見すると普段どおりな瞳の奥に静かな憎悪と後悔が滲んでいるのを見て取って、少年は父の話が真実だと直感した。

 

 だが、たとえそうだとして、今の自分に何ができるだろうか。剣を振るうための訓練をしたこともなければ、魔法を使うための勉強をしたこともなく、強い魔物を従える技量があるわけでもない。あれこれ頭を捻っていると、父が再び口を開いた。

 

「学校に行くと良い。私では教えられないことを学べる」

 

 なるほど、その手があったか、と少年は得心する。この小さな村にある施設といえば、民家と農業に関係するものを除いては精々が小さな教会くらいだが、森を抜けた先にある学園都市では様々な教育を受けられる。剣でも、魔法でも、魔物の従え方でも。

 

 そうと決まれば、まずは森を抜けることができるだけの力をつけなければならない。心を決めた少年が父の言葉に頷くと、父はどこか安心したような、それでいて申し訳無さそうな表情を浮かべた。

 

 話を終えた二人は食器を片付けて、各々の部屋へ戻る。

 

 

 

 少年はベッドの中に潜り、明日からのことについて考えていた。剣を執ろうか、魔法を操ろうか、魔物を従えようか。父の稽古姿を見ていると、やはり剣を振るってみたいと思う。だが、先程の父の話によると母は優秀な魔法使いだったらしいので、自分にも魔法の才能があるかもしれない。そうなると魔法を使ってみたい気もする。

 

 剣の師匠ならば父がいるし、魔法については母の書斎に魔法関連の書籍があるだろう。下地は整っているのだから、じっくり力を付けていくだけだ。どちらにせよ一筋縄ではいかないだろうが、焦っても仕方のない話だと思考を落ち着かせる。

 

 そうして区切りを付けると、思いがけない事態に疲れが溜まっていたのか、はたまた考えすぎて脳が疲労したのかはわからないが、自然と瞼が重くなってくる。体全体をゆったりと包み込むような眠気に身を任せ、少年は眠りについた。

 

 これから先に待ち受ける波乱を予感しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




小説書くのって思ってたよりだいぶ大変ですね。
それはさておき、皆もYour Chronicle、やろう!

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