ONE PIECEの世界に転生した一般タコ魚人 作:タマネギ日光浴
感想もたくさんいただけて嬉しい限りです。
他にも、最近映画の影響があるのか、ONE PIECE二次創作が盛り上がってきている気がして嬉しいです。
今年は世界会議(レヴェリー)が開催される年だ。
世界会議とは、聖地マリージョアにて4年に一度開催される1週間にも及ぶ大規模な会議である。
会議の参加権を持つのは170にも及ぶ世界政府加盟国の国王達であり、毎回代表の50か国が出席する。
王たちは巨大な円卓を囲み、世界中の種々の案件について討論する。
そこでオトヒメ王妃は魚人や人魚の地上への移住希望を提案するつもりなのだ。
会議の流れだが、まずはじめに各国の王たちは2つある赤い港(レッドポート)のポンドラを利用してマリージョアまで移動する。
そして会議が行われるパンゲア城の内部にある虚の玉座の前で独裁をしないという誓いを立ててから、会議に臨むらしい。
その誓いにどれだけ意味があるんだかな。
世界会議では世界各国の王族が一ヶ所に集まるため、様々な騒動が発生する。
お互い国家の利害関係も背景にあるのだからある意味当たり前の話なのだが、かつて人権がなく、未だに差別意識を持たれているおれ達にとっては他人事ではすまない。
おれは正直地上移住にそこまで興味がないので、とにかく国王ネプチューンとオトヒメ王妃には無事に帰ってきてほしい。
そこは護衛にやってきた海軍があのガープ中将だったので、少しは安心できるが。
…しかし、ガープ中将はおれのことを知っているようだな。
どうやら昔おれをワンパンしたことはすっかり忘れているみたいだが、おれの経歴から少し警戒心を持っているようだ。
おれにとってあの一撃は今でも忘れられない理想の一撃だ。
今から思えばあれは武装色の覇気だけのはずなのに、師匠の(おそらく)覇王色込みの一撃に匹敵する威力だった。
あれ以来ガープ中将の一撃の威力を追求して修行してきたが、今のおれはどのくらい近づけたのか、気になるな。
おれは失礼を承知でガープ中将に手合わせを頼んだ。
ガープ中将は笑ってOKしてくれたが、国王ネプチューンに魚人島を破壊する気かと怒られた。
そこで一手だけ打ち合うことになった。
…結果は引き分けだった。
本人によると全盛期より大分パワーが落ちているそうなので、まだまだおれには先があるようだ。
その後ガープ中将、いやガープさんとは意気投合したのだが、程なくして国王達の護衛として聖地マリージョアへと旅立った。
ガープさんが付いているならば、武力的に脅かされることはないだろう。
後はなんとか政治的にも無事に済んでほしいな。
ちなみにおれは世界会議の間は留守番だ。
そもそも世界会議の開催期間中は、海軍も聖地マリージョアや近海の警護、王族の護衛等に駆り出されるため、残された国の防衛の方が問題になることが多い。
実際にこの時期は世界各国で海賊や犯罪者の事件が急増する。
そのため、おれはにゅー魚人街を、ジンベエ兄貴は魚人島本島を守る手筈になっている。
王子達は、両親がいない間の国は自分達が守ってみせる、とやる気満々だ。
王子達は才能があるので、この2年で覇気の基礎は習得することができた。
まだまだ安定して発動させることはできないようだが、戦闘能力の方もしっかりと鍛えているので、そこら辺の有象無象の海賊相手ならば問題ないだろう。
むしろ実戦経験を積むいい機会かもしれない。
流石のオトヒメ王妃も息子達をおれやジンベエ兄貴の海賊狩りに同行させるのは渋るのだ。
というわけで鬼の居ぬ間に戦闘だ。
おれは王子達を連れていつもより活気がある海賊達を狩りに行った。
あ、もちろん腐りサメ一行やロリコン野郎は強制参加な。
そうして過ごしていたら無事に国王達が帰ってきた。
王子達は留守中にこんなに海賊を倒せたと嬉しそうに報告していた。
やべっ。
口止めするのを忘れていた。
おれは国王夫妻に叱られた。
閑話休題。
世界会議の結果だが、まず特筆することとして、革命家ドラゴンの危険性を確認したようだ。
そういえば新聞でも世界最悪の犯罪者と呼ばれつつあると見たな。
それで、肝心のオトヒメ王妃による地上移住許可申請なのだが…。
残念ながら過半数の賛同を得られなかったそうだ。
魚人や人魚への嫌悪感を隠しきれない王族が大多数だったのだ。
ネフェルタリ・コブラ(42才)といった少数の例外だけが賛成してくれたらしい。
これでオトヒメ王妃の夢は閉ざされた…
と思いきや、天竜人の書状を出したら状況が一変し、一気に賛成が過半数を越え可決されたようだ。
これで魚人族や人魚族は正式に地上へ住む権利を手にしたことになる。
世界政府が魚人島との交友を発表してから200年。
それは、リュウグウ王国が世界政府の加盟国になり、リュウグウ王国が世界会議に出席するようになってからの年月でもある。
そして今年、ついに長年の悲願である地上の日の当たる所に住みたいという願いが叶えられることになったのだ。
オトヒメ王妃は泣きながら喜んでいた。
よかったなオトヒメ王妃。
その後、魚人島とにゅー魚人街合同で盛大なお祝いの宴を開いた。
国中がこの大ニュースとオトヒメ王妃が成し遂げた偉業を歓迎し、讃えたのだ。
はっちゃんもたこ焼き屋の屋台を出しており、それは瞬く間に行列となり完売したそうだ。
流石おれの弟だな。
リュウグウ王国のお祭り騒ぎは1週間も続いた。
さて、お祭りが終わったら現実が待っている。
世界会議で地上移住への権利を手に入れたわけだが、だからといって何の準備もなしにすぐ移住できるわけではない。
そもそも地上にリュウグウ王国が持つ国土がないので、現状では住むところがない。
そうした困難を見越して、各国の王族達は賛成したのかもしれないな。
とはいえ、やりようはある。
1つは、友好な国や島へ移住させてもらう方法だ。
しかし、リュウグウ王国は地上の国とそこまで国交があるわけではない。
まずは友好国を作る所から始めなければならない。
幸いにして、その当てはある。
今回の世界会議で魚人族や人魚族に嫌悪感を示さなかった国々がはっきりした。
その比較的友好的な国々と接触し、貿易条約等を結ぶのだ。
魚人島にはクリミナルという世界でも流行りそうなファッションブランドや、めちゃくちゃ美味しいお菓子工房、そして地上の人では中々手に入らない海の資源がある。
これらを目玉商品に売り出していけば、色好い返事を聞かせてくれる国もあるだろう。
他の方法としては、誰の国土でもない無人島を見つけることだ。
これは見つかれば話が早いが、捜索にはグランドラインを航海できる実力が求められる。
特に新世界側は穴場であるが、危険も相応なので、より力が必要になってくるだろう。
最後の方法として、白ひげ海賊団にナワバリを紹介してもらうという手もある。
正直これが一番有力であろう。
…と、いうのが全てフカボシ王子達からの受け売りだ。
リュウボシ王子やマンボシ王子と一緒になって、これ程の国の政策を考えたらしい。
…英才教育ってすげぇや。
いや、これは勿論教育の成果でもあるのだろうが、何より王子達がオトヒメ王妃の成功を疑わず、留守番中に修行が終わってヘトヘトになった後も、夜遅くまで議論を交わしてきた努力と熱意によるものだ。
どうやらこの国の未来は明るいようだな。
後日、おれは正式にリュウグウ王国の使者として、白ひげ海賊団と渡りをつける役割を任命された。
にゅー魚人街を留守にするのは少し不安だが、タイガー大兄貴もいるし大丈夫だろう。
道場も、腐れサメとロリコン野郎と愉快な仲間達がそこそこまともになってきたから、まあ、大丈夫だろう。
しっかりとおれがいない間のトレーニングメニューを言いつけておいたしな。
久しぶりに会ったオヤジは点滴に繋がれていた。
ええ!?何があったんだ。
マルコに聞いてみると、どうやら年齢が年齢なので時折心臓に発作が起きるらしい。
それでもすぐに点滴を外してしまうそうだ。
おれが心配そうな顔をしていると、オヤジに叱られてしまった。
息子に心配される程落ちぶれちゃあいない、と。
おれはその心意気を汲み、本題に入ることにした。
オヤジはナワバリの紹介を快く請け負ってくれた。
中でも魚人や人魚等に抵抗感が少ない島々を選定してくれるそうだ。
ありがたいぜ。
また恩ができてしまったな。
その日は勿論宴を行った。
おれが白ひげ海賊団を抜けた後のお互いの身の上話を肴に、話題が尽きることはなかった。
楽しい夜だった。
ああ、やっぱりおれにとってこの海賊団も故郷みたいなものなんだな。
こうしてこの年を境に、徐々に魚人族と人魚族が地上で暮らす姿を見られるようになっていった。
その背景には、フカボシ王子達の案が成功して、リュウグウ王国が貿易国家として存在感を増してきたことや、いくつかの無人島を発見し領土として確保したことが挙げられる。
そして特筆するべきこととして、それまで交流のなかった白ひげ海賊団のナワバリの島々が、魚人や人魚で構成された行商団体によって有機的に繋がったことが挙げられる。
この行商団体は商品や人を素早く安全に運ぶと評判で、とても儲かっていた。
何せ手を出せば白ひげの逆鱗に触れるかもしれない上、そもそもその行商団体の護衛達が皆覇気を使う凄腕の集団だったからだ。
…うん、おれの門下生達だ。
おれの門下生で免許皆伝を与えた者達の中には外海に出て冒険がしたいという一派がいた。
それらが冒険して無人島を発見したり、行商団体の護衛になったりしたのだ。
このことにより、リュウグウ王国は一躍経済的にも強い国家となっていったのだ。
余談だが、おれが34才になった頃、アイスバーグ(33才)によってガレーラカンパニーが発足され、ウォーター・セブンが発展する兆しがあるというニュースを聞いた。
トムさんはこれをとても喜んでいた。
トムさんはおれが無理やり連れてきてしまったわけだが、なんやかんや弟のデンさんと一緒に海の森を調査したり、沈没船を趣味で修理したり、コーティング技術を身に付けたりと自由にやっていた。
流石トムさんだよ。
また1年が経ち、シャンクス(33才)が四皇になったというニュースが入ってきた。
中々やるな。
おれも負けてられないな。
最近は強者と戦えていないので、ここらで初心を思い出して自分を鍛えぬいてみるかな。
まずはガープさんにこの前教えてもらった山を使う修行を試してみよう。
さらに1年が過ぎ、ジンベエ兄貴が火傷だらけで魚人島へ帰還したことに驚いた。
どうやら火拳のエースと決闘したらしい。
中々の覇気だったそうだ。
今はオヤジに敗北して、白ひげ海賊団に乗せられているらしい。
何でも100回オヤジに挑んで勝てなかったら諦めるとのことで、連日のようにオヤジを襲撃しては返り討ちにあっているらしい。
何だそれ面白いな。
会いに行ってみるか。
おれが会ったときにはエースはもう背中に白ひげ海賊団のマークを刻んで立派な息子になっていた。
どうやら100回うんぬんはサッチが意図的に流した噂だったようだが、エース自身が挑戦している内に、オヤジを心の底では認めるようになっていったらしい。
100回目の挑戦にして初めてオヤジのグラグラの実の能力を引きずり出した所で、エースの踏ん切りがついたらしい。
親子の盃を交わしたようだ。
熱いね。
おれも話を聞いているだけで身体を動かしたくなってきた。
よし、エースよ。元だが、白ひげ海賊団の先輩として一丁指導をつけてやろう。
エースは何度おれにボコボコにされても立ち上がってきた。
確かにこの根性と跳ねっ返りの強さはオヤジが気に入るわけだ。
おれも気に入ったぜ。
さあ、何時間でも何日でも戦い合おうぜ。
そしてまた1年が経過し、おれが39才になった頃、アーロンが東の海でルーキーに倒されたというニュースが入ってきた。
そうか…
ついに原作が始まったのか。
ルフィはロジャー船長が待ち望んでいた人物なのか。
いずれ見極めさせてもらおう。
꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂
なっちゃん:門下生やにゅー魚人街にできた学校の卒業生が代表の仕事を補佐してくれるようになったので、割りと自由がきくようになった。
ただしその自由時間は大抵修行に当ててしまう。
白ひげ:久しぶりの息子に会えてニッコリ。
新しい息子ができてニッコリ。
アーロン編:サンジと強化クロオビの死闘。
強化チュウに勇気を振り絞って立ち向かうウソップ。
ルフィと強化アーロンの激闘。
はっちゃんがいない分手隙なゾロ(ミホークにより重傷&剣が一本の状態)の働きが勝敗の鍵を握ったであろう。
エースの描写は、公式スピンオフの「ONE PIECE episode A(エース)」を参考にしました。
質問返しのコーナー。
Q.なっちゃんの名前の由来は?
A.はっちゃんがハチ(8)というアダ名で呼ばれているので、仮にその兄貴がいたらナナ(7)だろうからなっちゃんだな、という割りと安直な考えからきています。
Q.1話で、はっちゃんを「海賊だって似合わない」と評しているけど、原作のはっちゃんは割りとしっかり海賊でしたよね?
A.なっちゃんにとっては3才下に生まれたかわいい弟です。
両親と生き別れてからは、親代わりでもあります。
どうしても贔屓目が入ってしまうのでしょう。
はっちゃんも、自分を育てるために働いてくれたり、暇さえあれば夢のために鍛えているなっちゃんの姿を見て育たなければ、自分もたこ焼き屋さんになる夢のために努力しようとは思わなかったでしょうし、もしそうなっていなかったら同年代のアーロンやチュウやクロオビと悪さをしながら過ごしていたでしょう。