ONE PIECEの世界に転生した一般タコ魚人 作:タマネギ日光浴
いつも誤字報告助かっております。
感想も楽しく拝見しているので、気軽にいただけると嬉しいです。
白ひげ海賊団は今、船のコーティング作業の終了を待っている所だ。
コーティングはそれなりに時間が掛かる。
サニー号の大きさでも3日必要なので、モビー・ディック号含め四隻の大型船の作業は、いくら凄腕のトムさんといえど時間が必要だ。
そこで戦争のための準備をしているオヤジに、おれも出ると伝えたら、久しぶりに叱られてしまった。
一人立ちした息子に気を使って貰う程落ちぶれてない、とのことだ。
…懐かしいな、この感じ。
やっぱりオヤジの叱責は身も心も引き締まるな。
よし、気合いが入ったし、一応の報告はしたから、後は自由にやらせてもらおう。
おれはもう白ひげ海賊団ではないので、オヤジの言うことを聞く必要はないからな。
さて、それじゃあ、この先おれはどう動けばいいか考えるとするか。
まず最初に、もう39年以上も前の前世で見たONE PIECEで覚えていることはそう多くない。
それでも印象に残っているシーンと忘れていない知識はある。
それはルフィ達が監獄から抜け出して戦争に駆けつける所と、エースとオヤジが死んでしまうということだ。
どうやってルフィがインペルダウンに侵入して脱獄してきたのかは覚えていないが、おそらく政府に連行されてしまったジンベエ兄貴はそこで、ルフィと合流することになるんだろうな。
おれはオヤジやエースを助けることを決めたし、ジンベエ兄貴もそう思っているだろう。
しかし、王下七武海である兄貴の配下としては、おれの一存で世界政府に敵対するわけにはいかない。
いくらリュウグウ王国からのOKサインがあるからといって、一国の要職に就いている人物がいきなり世界政府に敵対するよりは、ジンベエ兄貴が七武海脱退を宣言した後にその部下として戦うといった流れの方が、リュウグウ王国への悪印象は薄れるだろう。
とにかく、おれも一度ジンベエ兄貴に合流したいな。
とりあえず、インペルダウンまで行ってルフィが脱獄してくるのを待ってみるか。
…昔のおれだったら何も考えずに、とにかくオヤジに付いていったんだろうが、長年街の代表として仕事をしている内にこうして事前に色々考える癖が付いてしまったな。
おれも年を取ったもんだ。
そりゃあ、オヤジがあそこまで老衰するのも仕方ないだろう。
先ほど会った時に見た点滴と薬の数、そして身体の衰えは深刻であった。
これでも医者の心得があるんだ。
一目みれば大体のことは察せる。
改めて、おれが頑張らないといけないようだな。
海中を進んで正義の門も潜り抜けると、インペルダウン入口の湾内に着いた。
軍艦をなるべく避けたのと、強い海流があって泳ぎにくかったので、想像以上に時間が掛かってしまった。
どうやら、エースの護送は済んでしまったようだ。
ワンチャン機会があればここでエースを奪還することも考えていたが…。
一応それに備えて持ってきたシャボンを利用した酸素ボンベはもう必要なさそうだな。
これを使えばエースを海に引きずり込んで逃げることが出来るので、一番手っ取り早かったのだが。
まあ、過ぎたものは仕方ない。
どうせエースは大将を使った厳重な警備に守られていただろう。
そうだとすればおれ一人では流石に荷が重い。
そう考えていたら、入口が慌ただしくなってきたのを、海中から察知した。
そこで海上に出てみると、ちょうどジンベエ兄貴が海軍の軍艦を襲っている所だった。
兄貴はおれをみて驚いていたが、すぐに気を取り直して状況を教えてくれた。
麦わら達がマゼランを抑えている内に海軍の軍艦を掻っ払おうという算段のようだ。
よし、こんな時にいい技をおれは持っている。
おれはサンゴ黒刀を抜き、軍艦に乗る海兵へ向けて技を放った。
サンゴ六刀流 五ノ型 魚人剣術百人斬
…これで軍艦に乗る海兵を100人は斬ったかな。
この技は一言でいうならば、見えない飛ぶ斬撃だ。
正確には、魚人空手を参考にしておれが開発した、水中や大気中の水に斬撃を伝える技だ。
これはミホークやゾロの飛ぶ斬撃とは異なり目に見えない上に、魚人空手のように大気中の水分を衝撃波として伝わっていき、それに触れたものに斬撃を与えるので防御が困難だ。
我ながら細かい理屈はよくわからないが、使ってる感覚的にはそんな感じだ。
欠点としては射程距離がそこまで長くないことだが、このように一度にたくさん斬る場合には役に立つ。
ただでさえ、おれには覇王色がなくて雑魚狩りが手間だからな。
この技は重宝している。
ちなみにこの魚人剣術はおれが道場で興した流派でもあるので、門下生は軒並み使える。
素手の奴には普通に魚人空手を教えているがな。
とはいえ、他のサンゴ六刀流の型と違い、タコ魚人でなくとも習得することができるので、おれの弟子達は普段剣を使わない奴らもこぞって練習していたな。
そんなにおれと一緒の技を使いたいのかね。
全くかわいい奴らだぜ。
閑話休題。
とにかく、これで軍艦は確保できたな。
おれが軍艦に乗り込むと、辺りは砂だらけだった。
…ん?なんか汚くね?
するとその砂が一纏まりになってなんと人の姿へと変わった。
なんだ、クロコダイルか。
…もしかしておれが海兵と一緒に斬っちゃった感じ?
平謝りしておいた。
彼の部下にも悪いことしたな。
手当てしてやるから許してくれ。
あ、よく見たら真っ二つのバ/ギーもいるじゃん。
よっ、久しぶりー。
その後はルフィ達と合流したり、その友達のおかげで正義の門が開いて脱出できたり、海軍の通信に出たルフィが宣戦布告したり、バギーが崇められたりしていた。
ルフィからは、お前は誰だ、と聞かれたが、ただの兄貴だと答えておいた。
ジンベエ兄貴には、国王ネプチューンからリュウグウ王国を気にせず好きにするように言われたことを伝え、王下七武海の脱退覚悟でオヤジを助ける決意を共有した。
クロコダイルはおれのことは無視するスタンスのようだ。
だからごめんて。
バギーとは楽しく会話していたら、バギーの子分がキラキラした目でこちらを見ていた。
それを見て顔を青くしたり赤くしたりするバギー。
やっぱり赤鼻先輩はおもしれー男だな。
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その日、海軍と白ひげ海賊団が戦争を始めた。
白ひげは捕まった息子エースを助けるため。
世界政府は海賊王ゴールド・ロジャーの血筋を絶やすため。
お互い退けぬ理由がある両陣営共に全戦力をぶつけて戦いに挑んだ。
海軍本部側は、中将以上の階級を持つ者全員と世界中の海を守る猛者合計10万人と軍艦50隻に王下七武海、更に開発中のパシフィスタ軍団までも導入された。
白ひげ海賊団側は、船員は約1600名が16の部隊に分かれており、さらに新世界で名を馳せる43の海賊団を傘下に持ち、白ひげ海賊団本隊と傘下を合わせれば総5万人の兵力を誇った。
両者がぶつかり合い一時間が経った頃、戦場を左右するきっかけが空から降ってきた。
「だからおめーはやりすぎだってんだよ!!」
「こいつのまばたきのせいだ」
「ヴァターシのせいにする気!?クロコぉ」
「ニュ~~~。いい眺めだ」
「どーでもいいけどこれ死ぬぞ!!下は氷はってんだぞ~~!!!」
「おい。何だあれは…空から何か降ってくる!!」
騒然となる戦場。
「あああああああ…あ!おれゴムだから大丈夫だ!!!」
こうして麦わらのルフィとその一行が戦場へと降り立った。
「助けに来たぞ~~~!!!エース~~~~~!!………!!!やっと会えた!!!」
「ニュ~~~。腕(×6)が鳴るぜ。」
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なっちゃん:勘違いしているが、エースのインペルダウンからマリンフォードまでの護送は、最高でも中将レベルしかいなかったので、一番のチャンスだった。
とはいえ、なっちゃんも跡継ぎ指名やはっちゃんに別れを告げる等の身辺整理を済ませてから魚人島を出発したので、時系列的に間に合わないのは仕方ない。立場があると背負うものが多いので、どうしても腰が重たくなってしまうのだ。
ルフィ:なっちゃんが誰だかよくわかっていないが、とりあえず味方ならいいと思っている。その名前には、そこはかとなく聞き覚えがあるような気がしている。
ジンベエ:態々自分に許可を取りに来るとは堅物すぎると思っている一方で頼りにも感じている。
バギー:例え幼なじみが四皇になっていても態度を変えずに付き合えることができる友達の鑑。今回は久しぶりに会ったくせに、なっちゃんを舎弟として自分を助けに来てくれたと勘違いしている。なっちゃんも敢えてその誤解を解くつもりはないようだ。
海軍:空からやベー奴らが降ってきてびっくり
白ひげ:ーーーあのバカ息子が。