ONE PIECEの世界に転生した一般タコ魚人   作:タマネギ日光浴

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いつの間にか日間ランキングに載っていたようです。

読んでくださるだけでもありがたいのに、お気に入りや評価や感想をくれた方々には一層の感謝を申し上げます。

今回は繋ぎ回なので短いですが、なっちゃんがプロットに全くない動きを始めたので困っています。

とりあえず、原作改編タグが必要になってしまいました。


原作開始23年前(16才)、ロジャー海賊団解散

ロジャー海賊団がグランドラインを制覇したというニュースは瞬く間に世界を駆け抜けた。

 

海軍はおれたちを許すものかと執拗に狙ってきたし、血の気の多い海賊達も財宝を目当てに襲撃してきた。

 

この時期が今までで一番戦い尽くしだったように思う。

多くの実戦経験を積むことができた。

 

船長は余命幾ばくもないとは思えないほど強く、笑いながら全てを蹴散らしていった。

あのガープやセンゴクでさえおれたちを捕まえることはできなかった。

 

おれは一度ガープのゲンコツをくらい死にかけたが。

 

…ちゃんと活躍もした。

 

武装色の覇気で硬化できるようになった六刀流で准将を倒すことができたのだ。

 

まあ、その後調子に乗ったからワンパンされたのだが。

 

それにしても英雄の一撃は他とは次元が違った。

 

あれが筋肉と覇気だけでたどり着ける境地だというならば、目指しがいがある。

 

おれも今度山を使う(物理)修行をしてみよう。

 

目標はガープに匹敵する一撃を全ての腕で放てるようになることだ。

 

おれの理想が見えてきた気がする。

 

 

 

そうして全ての追っ手を振り切って落ち着いた頃、ついに終わりの時がやってきた。

 

ロジャー海賊団解散の日だ。

 

解散を宣言をしたロジャー船長は一番に船を降りた。

 

 

その際ロジャー船長に、

 

楽しかったぜ。

 

お前を船に乗せてよかった。

 

と言われた。

 

 

おれたちはもちろん笑って別れた。

 

 

涙など流さなかった。

 

本当だ。

 

男の別れに涙は似合わないからだ。

 

 

終わりがあってこその冒険。

 

楽しかった。

 

まさにこの冒険は奇跡だった。

 

 

 

その後は一人一人クルーが船を降りていった。

 

シェフには秘伝のレシピを伝授された。

 

気象記録の仕事繋がりで仲良くなっていた航海士には、これまでの航海の海図の写しをもらった。

 

ギャバン先輩には操舵の心得と二刀流の奥義を見せてもらった。

 

サンベル先輩とは海中戦の手合わせを行った。

地上戦ではほぼ互角に近くなっていたが、海の中では全く歯が立たなかった。

先輩からは、魚人ならば海の中でこそ最強であれ、と薫陶を受けた。

 

そして、師匠からは修行の集大成として、最後の立ち会い…いや、真剣勝負の決闘をした。

 

丸1日続いた決闘で、おれは今まで学んできた持てる限りの全てをぶつけた。

師匠が基本的に受けの姿勢であったおかげでもあるが、攻め続けてついに一太刀入れることができた。

 

最後は師匠の本気の一撃でおれの意識は途絶えた。

 

目が覚めた時にはもう師匠はいなかった。

 

…今までありがとうございました。師匠。

 

 

 

 

おれは今後どうするか迷っていたが、ふとクロッカスさんと目が合った時、重要なことを思い出した。

 

ブルックが魔の三角地帯(フロリアン・トライアングル)の海域に囚われていることだ。

 

おれは風の噂ということにして、ルンバー海賊団の消息がフロリアン・トライアングルで絶たれたという情報をクロッカスさんに伝えた。

 

ここまでの航海で地道に聞き込みをして、ルンバー海賊団の全滅を知っていたクロッカスさんは、まさか生き残りがいるとは思っていないようだが、それでも遺品のひとつでも見つかるならと、双子岬に帰るついでに寄ることに決めたようだ。

 

おれもクロッカスさんをそそのかした手前、護衛もかねてついていくことにした。

 

実際あの海域は謎が多い。

 

これでクロッカスさんまで帰らぬ人になってしまったらおれは自分を許せなくなる。

 

そしてなにより、ブルックがこれから20年以上も1人で彷徨うのは見過ごせない。

 

既に30年近くは孤独で過ごしているのだ。

 

今まですっかり忘れていて何だが、やらない善よりやる偽善だ。

 

おれにとっては既に原作よりも、今世の方が重要になっているし、クロッカスさんがロジャー船長にしてくれた恩を返すならばここしかないだろう。

 

そんなわけで、おれとクロッカスさんは一緒に船を降りた。

 

 

そして、フロリアン・トライアングルを捜索すること半月、ルンバー海賊団の幽霊船を見つけた。

 

師匠との死闘で見聞色の覇気が成長していなかったらもっと時間がかかったかもしれない。

 

 

その船には鼻唄を歌うガイコツが乗っていた。

 

クロッカスさんは、一目見て正体に気がついたようで、信じられないという顔をしていた。(後から聞いた所によると、頭のアフロではなく骨格で判別したらしい。そこまでいったら名医という名の化物だな)

 

ブルックは久しぶりに人に出会ったと喜んでいたが、すぐにクロッカスさんに気づき、声をあげて驚いていた。

 

その後2人が泣きながらハグをしているのを後方腕組み×3しながら見ていた。

 

 

ブルックはルンバー海賊団の全滅後、1人だけヨミヨミの実の能力で蘇ったが、身体が白骨になっているし、船の舵が壊れてこの海域から抜け出せないし、散々な目に合っていたようだ。

 

助けに来たおれたちにとても感謝していた。

 

特にわざわざ航海に出てまで探しに来てくれたクロッカスさんに対して男泣きしてお礼を言っていた。

 

珍しくクロッカスさんが照れていたな。

 

 

 

そして、おれたちはブルックを連れて双子岬に帰った。

 

つまり、ラブーンとブルックの再会がここに叶ったのだ。

 

 

それはそれはすごい咆哮だった。

 

また、その涙は滝のようだった。

 

そして、その抱擁はブルックにとっては山が突進してきたようなものだった。

 

ブ、ブルックー!大丈夫か、お前!

 

身体の軽さも相まって、めちゃくちゃ吹っ飛んだぞ。

 

ラブーンからしたら昔みたいに抱っこして欲しかったのかもしれないけど、もうお前は巨体なんだ、諦めてくれ。

 

だ、だがおれたちには化物並みの名医がいる。

 

その後、何とかクロッカスさんによる、牛乳治療でブルックの命の危機は救われた…。

 

って牛乳かよ!

でも的確!

流石名医だな。

 

 

 

その後、ブルックからルンバー海賊団の冒険が語られた。

その最期と、託されたトーンダイアルの演奏も聞いた。

ラブーンも今度は静かに耳を傾けていた。

 

 

 

さて、お祝いのご馳走も作ったし、おれの役目はここで終わりだな。

 

この宴が終わったらまた冒険に出るか。

 

せっかくグランドラインに来たわけだしな。

 

ガープのように山修行もやってみよう。

 

 

しかし、これでついに原作をぶっこわしてしまったな。

 

まあ、未来のことは未来のおれとルフィに任せよう。

 

今はただ、この素敵な宴を楽しんでいたい。

 

 

 

 

そして1年が過ぎ、世間は大ニュースに騒いでいた。

 

海賊王ゴールド・ロジャーが逮捕されたらしいぞ、と。

 

処刑は東の海のローグタウンで行われるらしい。

 

おれは急いで東の海へ向けて泳ぎだした。

 

 

 

 

 

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なっちゃん:覇気を学んで2年だが、元々の素養があったことと、圧倒的な実戦経験、くぐってきた修羅場の数により急成長して、一端の使い手になれた。

まだ武装色の内部破壊や成った黒刀、見聞色の未来視などのステージには上がれていないが、基礎的なものは身に付けている。

剣技でも師匠との打ち合いの中で新たな境地に足を踏み入れた。

 

なにより、原作改編という禁忌に手×6を伸ばした。

 

転生したばかりの彼だったら、原作は神聖なものとして、このような行動は取らなかっただろう。

 

しかし、もはや既に彼は前世の何某の転生者ではなく、この世界に生きる一般タコ魚人のなっちゃんなのだ。

 

思えば、ワンピースの正体を確かめることを断念して今世の情を優先した時から、遅かれ早かれこうなることは決まっていたのかもしれない。

 

 

…とはいえ、こちらとしては急にプロットに全くない行動をとられて困惑である。

 

 

 

師匠:受けの姿勢でも手加減は一切していなかったので、隙があれば倒すつもりだった。しかし、不肖の弟子は丸1日の間、隙を作らず攻め続けてきた。そして1日が経ち、ついにスタミナが切れたのか動きが止まりかけた瞬間に反撃をしたのだが、それは弟子の仕掛けた罠だった。

今まで弟子はフェイントが苦手で、虚実でいうと、実の剣しか使ってこなかった。

しかし、ここ一番で師匠に一太刀浴びせるために、土壇場で虚の剣を使ったのだ。

勿論その一撃は鍛えてきた実の剣に比べて付け焼き刃に過ぎなかったが、丸1日の布石と、師匠としてその成長に目を瞠った隙をうまく突く形となり一太刀が入った。

それは致命傷とはいかずとも、傷跡が残る程の一撃であった。

見事。

最後の一撃は弟子への称賛をこめて、殺す気で放たれた。

本気の覇王色を纏う一撃だ。

しかし、弟子はこれを気絶ですむ程度に相殺した。

とっさに6本の腕を受け流す役割と受け止める役割に分けて防御したからだ。

受け止めきれない衝撃をうまく逃したのだ。

剣は全て折れ、気絶したが、格上の本気の一撃で命を落とさなかったのだ。

 

ーーーもう教えることはない。また会おう。

 

 

クロッカス:1人でも生き残りをラブーンの所に連れ帰れて安堵している。改めて、ロジャー海賊団についていって正解だったと思っている。

 

ブルック:正直夢なんじゃないかと疑っている。

それくらい幸せを感じている。

 

ラブーンとの約束通り、冒険に出掛けたいのだが、見た目のせいもあってか中々仲間になってくれる海賊団が見つからない。

逆に襲ってきて、ラブーンを売りさばこうとしてくる奴らも多い。

とはいえ、グランドラインに入りたてのひよっこに負けることはないが。

仕方ないのでラブーンの頭に乗せてもらって近海を冒険している。

その内、良い出会いがあるとなっちゃんに言われたこともあって、ゆっくりとラブーンとの仲を深めながら楽しんで旅をしている。

 

 

…流石に船がないと遠洋には行けないはずなので、近海の冒険が落ち着いたら双子岬を拠点にして仲間探しをするだろう。そうしたら、その内(23年後)に良い出会いがあるはずだ。というか、あってくれ(願望)。




ついに独自解釈だけでなく、原作改編してしまいました。
しかし、所詮は素人書き手なので、書きたいように書くことしかできません。
それでもいいならば、今後のなっちゃんの人生を応援してやってください。


ちなみに今回の話のプロットは、以下の通りでした。


原作開始23年前、新世界編開始25年前、16才
ロジャー海賊団、ラフテルへ。
海賊王になる。
海賊団解散。


ここから、勝手にブルックを助けに行くなっちゃんよ…

本作では、シキやバレットなど、過去の映画の登場キャラクターを出しておりますが、さすがに現在公開中のONE PIECE FILM REDの登場人物を出すのはアリでしょうか。それともナシでしょうか。本当に出すか出さないかは置いておいて、皆さんの感覚を知りたいです。また、この結果は多数決ではありませんので、どの結果になっても今後の展開を確約するものではありません。

  • アリ
  • ナシ
  • どちらともいえない

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