ONE PIECEの世界に転生した一般タコ魚人   作:タマネギ日光浴

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本作を想定以上の人に見てもらえて嬉しいです。

たくさんのお気に入りや感想や評価、ありがとうございます。

誤字報告も助かっております。

どうやら漢字変換をミスることが多いようで、すいません。

あとジンベエさんのことをジンベイ表記にしていたことは自分でもビックリでした。

うちの本棚のONE PIECEは飾りのようです。

ジンベエさん、ごめんなさい。



原作開始22年前(17才)、大海賊時代の幕開け

ロジャー船長が海賊団を解散して1年。

 

久しぶりに見るロジャー船長は病魔に侵されているとは思えないほど堂々としている。

 

処刑台を登っていくその姿はまるで凱旋する王様のようだ。

 

 

処刑台に上がると、そのまま静かに自身の処刑を待ち構えていたが、群衆の一人から“ひとつなぎの大秘宝”について問われると、笑いながらあの名台詞を放った。

 

処刑人たちはロジャーの発言を制止しようと慌てて刑を執行した。

 

 

 

おれの中には原作の名場面に立ち会えたというような喜びはなかった。

 

 

もっとロジャー船長には生きていてほしかった。

 

自分の子供を抱き上げてほしかった。

 

何よりまだまだ冒険を続けていたかった。

 

 

さよならだ、ロジャー船長。

 

今までありがとうございました。

 

 

…ロジャー船長の生き様はこの目にしっかりと焼き付けた。

 

男の生き様は死に様で決まる。

 

ロジャー船長の残り僅かであった命の火は、世界に燃え広がる業火となった。

 

大海賊時代の始まりである。 

 

 

 

船長の最期を見送った後、バギーとシャンクスに出会った。

 

2人ともおれを勧誘してきた。

 

とても心惹かれたのだが断った。

 

 

これから大勢の海賊がグランドラインに雪崩れ込んでくる。

 

そして新世界に入るためにいずれは魚人島を通るだろう。

 

このままでは、はっちゃんもいるおれの故郷が荒らされてしまう。

 

それを見過ごすわけにはいかない。

 

 

おれは魚人島へ帰郷することにした。

 

 

 

 

おれが泳いで魚人島へたどりついた時にはもう海賊達が押し寄せつつあった。

 

既に何人かの魚人と人魚が海賊に捕まって売り飛ばされたようだ。

 

…許せん。

 

リュウグウ王国の方は国王の海神ネプチューンがいるし、その第一子のフカボシ王子が生まれたということで、厳重な警備がされているので大丈夫だろう。

 

ジンベエ兄貴が兵士になっているみたいだしな。

 

 

問題は国からの守りがない魚人街だ。

 

魚人街は元々、みなし児を育てるためにリュウグウ王国が作った孤児院のような区画であった。

 

しかし、すぐさま管理しきれなくなり、無法者が集まって治安が悪化。

 

国王がネプチューンに代わった今でもこの状況は改善していない。

 

無法者が大半の魚人街とはいえ、そうでないものもいる。

 

はっちゃんや店主夫妻なんかがそうだし、そうした人が暮らす比較的治安のいい地域がある。

 

それは元締めのタイガー大兄貴のシマでもある。

 

そうした場所を守るためにもおれがなんとかしなければならない。

 

とりあえず、久しぶりにはっちゃんをハグしに行ったら、店主夫妻やタイガー大兄貴に挨拶に行こう。

 

 

 

14才のはっちゃんは多少成長していたが、まだまだかわいらしい子供だった。

 

しかし、中身はより成長していたようで、お店の跡継ぎとして立派なコックになっていた。

 

おれははっちゃんに無事を喜ばれ、これまでの土産話を披露した。 

 

その日はお互いが鍛えた腕×12を振るってご馳走を作り、宴を行った。

 

店主家族も呼んで楽しい夜を過ごした。

 

なお、店主夫妻の生まれた子供は娘だったようで、3才のかわいい盛りである。

 

その内看板娘になるのだろうか。

 

そんな未来のためにもここを守り抜かなければならないな。

 

 

 

次の日、おれはタイガーの大兄貴の所へ向かった。

 

大兄貴はそれまで冒険に出ていたようだが、ロジャー処刑のニュースを聞いて、おれのように魚人島を案じて一足早く帰ってきていた。

 

そこで魚人街防衛のための話し合いを行った。

 

基本的に、魚人街の若い不良やアウトロー共は大兄貴が指揮を取れる(といってもガチガチな統制ができるわけではないが)。

 

とりあえず、非戦闘員には迂闊に外を出歩かないことと、戦闘員でも1人にはならないことを守らせることにした。

 

大兄貴に従わない無法者も多いが、奴らもその内気づくだろう。

 

大海賊時代において、後ろ楯のない魚人と人魚がどれ程人間に狙われるのか。

 

 

おれの役割は、魚人街のパトロールだ。

 

定期的に非戦闘員の安否を確認したり、見かけた海賊を斬っていく。

 

余計な恨みを買いたくないので殺しはしないが、腕の一本や二本は覚悟してもらおう。

 

 

 

こうして一応の迎撃体制を構築したが、程なくして有象無象の海賊達が押し寄せてきた。

 

おれは来る日も来る日も戦った。

 

基本的に覇気も知らないような新世界ルーキーばかりなので、一対一で負けることはなかったが、あまりに多勢に無勢すぎた。

 

如何におれに常人以上のスタミナがあれど、この広い魚人街を守るには手が足らなかった。

 

6本腕として不甲斐ない。

 

街に住む無法者達も、ひっきりなしにやってきて略奪や人攫いをしてこようとする人間達に危機感を感じたようで、大兄貴の傘下に入っていった。

 

しかし、人数比でいえば焼け石に水で、むしろ洪水のように湧いて出てくる人間達に、日に日に押されていった。

 

このままではいつ犠牲者が出るかもわからないな…

 

 

一方でリュウグウ王国の方もただではすまなかった。

 

こちらは魚人街よりも若い女性の人魚が多くいるためか、よりしつこく人間達に狙われていた。

 

海神ネプチューンやジンベエ兄貴が奮闘しているようだが、あまり余裕はなさそうだ。

 

当然魚人街に援軍はやって来ない。

 

 

 

そんないつ決壊するかもわからない日々が続いた。

 

おれの情報が人間達に出回ったのか、おれを避けて住人を拐おうとしたり、逆におれを倒して名を上げようとする奴らが増えてきた。

 

前者は見聞色の覇気で見つければ実力は大したことが無いが、常に魚人街の範囲を警戒するのは難しい。

 

後者の場合は相応の実力者が多く、能力者も混ざっているので気が抜けない。

 

覇気が使えなくても動物系はタフだし、超人系は初見殺しの能力者がいてやっかいだ。

 

むしろ自然系の方がやり易いくらいだった。

 

その上でおれの戦闘中に出し抜こうとしてくる奴らに関しては何とかタイガー大兄貴が抑えてくれていた。

 

 

 

そして、その日は6日ぶりの睡眠を6時間とっていた。

 

タイガー大兄貴達も大分疲弊していた。

 

その隙を突かれて、はっちゃんが捕まってしまったのだ。

 

 

店主夫妻の証言によると、海賊に攫われそうになった人魚の娘の身代わりとなったみたいだ。

 

どうやらタコの魚人だから、おれへの人質になると考えたらしい。

 

普通だったら魚人は親族でも似ないのだが、おれたちの場合は大正解だ。

 

夫妻から預かったメッセージによると、はっちゃんを返してほしくば、1人でやってこいとのことだ。

 

おれを倒せば街の人魚や魚人は拐い放題だとでも考えたのだろう。

 

…上等だ。

 

こんなに怒りを覚えたのは生まれて初めてだ。

 

 

約束の場所に行くと、そこには千人を超える海賊達がいた。

 

どうやらおれのために急遽同盟を組んでかき集めたようだ。

 

はっちゃんは身体を痛め付けられた上で檻に入れられていた。

 

 

プッツンと何かがキレる音がした。

 

 

一人斬る。

 

二人斬る。

 

三人斬る。

 

斬る、斬る、斬る、斬る、斬る、斬る、斬る、斬る、斬る、斬る、斬る、きる、きる、きる、きる、きる、きる、きる、きる、きる、きる、きる、キル、キル、キル、キル、キル、キル、キル、キル、キル、キル、キル、KILL。

 

気がツケば辺り一面ガ血の海にナッていた。

 

残りノ人間達はいつの間にかイナクなっていタ。

 

幸イはっちゃんは無事ダったので、おレはヨロこんだ。

 

檻をKILL。

 

これデ救出デきたノで、二人で魚人街二帰った。

 

 

 

街ハ破壊されテいた。

 

 

 

切り捨てラれた魚人。

 

檻に捕まッた人魚。

 

 

 

ココハ地獄ダ。

 

 

オレハ鬼ト化シタ。

 

 

KILL、KILL、KILL、KILL、KILL、KILL、KILL、KILL、KILL、KILL、KILL、KILL、KILL、KILL、KILL、KILL…………………………………………………

 

 

 

 

その後、逃げれた同胞から助けを求められて救助にやってきたネプチューン達によって、魚人街の住人は一度リュウグウ王国に避難したそうだ。

 

街の被害の割りには犠牲者は少なかったそうだ。

 

それでも行方不明の人は存在した。

 

 

 

おれは街の中で大きな山の上に寝そべっていたらしい。

 

そんな所で寝落ちしてしまうなんて。

 

やはり、睡眠不足はよくないな。

 

記憶が曖昧だ。

 

だが、この感情だけは残っている。

 

奴隷狩りは絶対に許さない。

 

絶対にだ。

 

 

 

その後も海賊達はひっきりなしにやってきた。

 

ただ、魚人島に上陸せず、何かを避けるように先へと先へと進む海賊団も少なくなかった。

 

そうした中で、久しぶりに懐かしい大きな気配を感じた。

 

白ひげだ。

 

彼は後ろ楯がなく、海賊達に狙われ放題の魚人島の現状に目を向けると、ここを白ひげ海賊団のなわばりにすると宣言した。

 

すると人間達の襲撃はピタリと止んだ。

 

中にはバカな奴がちょっかいをかけてくることもあったが、その話を聞いた白ひげ海賊団が、徹底的に落とし前をつけたので、そのようなことは次第に減っていった。

 

おれ達は白ひげに絶大な恩を受けた。

 

いつかは何倍にもして返さないといけないな。

 

 

 

 

おれは魚人や人魚をよく守ったとして国王ネプチューンに勲章を与えようかと言われたが、そんなことより魚人街の復興を頼んだ。

 

あれでもおれの育った故郷だからな。

 

 

しばらくは魚人島を見守ったが、問題はなさそうだった。

 

流石ロジャー海賊団無き後、世間で最強だと噂される白ひげ海賊団の名の力だ。

 

魚人街の復興もある程度終わり、はっちゃんや無事だった店主家族の店が再開できたのも見届けたので、タイガー大兄貴やジンベエ兄貴に後を任せて、おれは白ひげ海賊団に改めてお礼に行くことにした。

 

もちろん、国王ネプチューンにも報告して、正式なお礼状と国一番の酒とお菓子を持たせてもらった。

 

 

 

白ひげ海賊団に泳いで近づいていくと、その周りにいた傘下の海賊団に止められた。

 

おれは事情を説明したが、おれの顔を見たその船長は聞く耳を持たなかった。

 

何故邪魔されるのか、おれは困惑したが、様子を伺いに来たマルコに教えてもらった。

 

この傘下の海賊団の船長はその昔ロジャー海賊団に仲間を全滅させられ、今もなお恨みを持っているのだと。

 

…なるほど。

 

ロジャー船長は仲間を侮辱した奴らには容赦がなかったし、そうでなくても強すぎるので数多の海賊団を壊滅させてきた。

 

顔を知っているということは、おれも戦ったことがある海賊団なのだろうが、その生き残りと言われても心当たりが多すぎて正直ピンと来ない。

 

しかし、そういった事情があるならば仕方ない。

 

おれは剣を仕舞い、その男、スクアードとやらに語りかけた。

 

 

おれを恨むのはいいが、お前が白ひげ海賊団に救われたように、おれたち魚人島も救われた。

 

そのせめてもの感謝の気持ちを伝えるまでは、おれも引くことができない。

 

お前の恨みは全部受け止めてやるからかかってこい。

 

さあ、ケンカを始めようぜ。

 

 

そうしておれは剣を使わず殴りあった。

 

奴は普通に大剣を使ってきたが。

 

おい!そこは素手で殴り合う場面だろ!

 

まあ、武装色で硬化した身体で全て受け止めてやったが。

 

おれはあえて一発も避けなかったが、相手の意地も中々のものだった。

 

おれの一撃を何度食らって倒れても、その度に立ち上がってきた。

 

面白い。

 

ぶっちゃけ弱いが、その執念は見事だ。

 

 

おれたちのケンカはいつの間にか見物していた白ひげ海賊団に囃し立てられながらも一晩続いた。

 

 

その後半日が経ち、気絶から目が覚めたスクアードにおれの渾身の料理を振る舞った。

 

流石のコイツも毒気を抜かれたのか、素直に食べて美味しいと言ってくれた。

 

そうだろう。

 

美味いメシは誰が作ろうと良いものだ。

 

細かいことなんてどうでもよくなるだろう。

 

 

少しは鬱憤が晴れたようなので、おれはスクアードに白ひげに会っていいか尋ねた。

 

彼は呆れたように、気絶していた間に会いにいかなかったのか、と呟き、好きにしろとおれにいい放った。

 

 

さて、これで筋は通したので、扉の外で様子を窺っていた白ひげ、いや、オヤジさんに挨拶を行った。

 

そして、お礼状とお酒とお菓子を渡し、改めて魚人島一同の感謝を伝えると、その場で宴が始まった。

 

 

おれは久しぶりに会ったマルコやジョズ、サッチと親交を暖め、スクアードとも少しだけだが会話をした。

 

 

そして、オヤジさんにこう言われた。

 

昨日のケンカは愉快で見事だった。

 

おめえが良ければおれの息子にならねぇか。

 

 

 

 

 

꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂꧁⍤⃝꧂

 

なっちゃん:鬼となった。

 

有象無象の海賊:魚人島にはやベー悪魔がいるそうだ。

 

魚人街に救助に行ったネプチューン軍一般兵士:おびただしい死体の山の上で眠るその姿は、まさにこの世のものとは思えなかった。

 

国王ネプチューン:人が本気になった姿ってものは、他人から見たら怖いものなのだと知っている。

故に姿はどうあれ、多くの国民を守ってくれた彼に感謝している。

 

白ひげ:家族になっても癒えぬバカ息子の心を少しでも解してくれたことに感謝した。




実はなっちゃんが原作よりも抵抗した結果、本来手を取り合わない海賊達が同盟を結んでしまい、魚人街が燃やされるまでの被害となってしまいました。
それでも原作よりは人的被害は少ないです。

本作では、シキやバレットなど、過去の映画の登場キャラクターを出しておりますが、さすがに現在公開中のONE PIECE FILM REDの登場人物を出すのはアリでしょうか。それともナシでしょうか。本当に出すか出さないかは置いておいて、皆さんの感覚を知りたいです。また、この結果は多数決ではありませんので、どの結果になっても今後の展開を確約するものではありません。

  • アリ
  • ナシ
  • どちらともいえない
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