ONE PIECEの世界に転生した一般タコ魚人   作:タマネギ日光浴

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アンケートありがとうございます。
締め切りさせてもらいました。
最終的に、ナシの人が600人を越える大人数でしたので、ONE PIECE FILM REDのキャラは登場させない方向でいきます。
元から映画を見る前にプロットを作っていたので、今後のストーリーに影響することはありませんが、その登場を期待していた方々には申し訳ありません。
もしかしたら、本編終了後に、IFの番外編として書くかもしれませんね。
その場合はタグや前書きなので注意喚起を必ず行いますので、とりあえず、本作の本編が終了するまでは、映画のネタバレを気にすることなくお楽しみください。

それと皆様のおかげで週間ランキングの1位も飾ることができました。

本当にありがとうございます。

毎度のことながら、誤字報告も助かっております。

気軽にご感想ください。


原作開始15年前(24才)~、タイヨウの海賊団

シキと邂逅したあの日から5年の月日が経過した。

 

おれは久しぶりに魚人島へ帰郷していた。

 

魚人街はすっかり復興していた。

むしろ、一度破壊されて国の手が入ったことにより治安も良くなっていた。

 

とはいえ、スリや盗みは蔓延っているし、みなし児の数は未だに減らないようだ。

 

白ひげのナワバリだから大々的に攻め入ってくる海賊団はいないが、迂闊に外に出た人魚が誘拐されたり、気性の荒い魚人が海賊と諍いを起こしたり等は珍しくない。

 

そうして親を失った子供が最後にたどり着くのが魚人街だ。

 

 

…この現状を変えたいのだが、おれにはいい方法が思い付かない。

 

とりあえず、今日の所は恒例のはっちゃんや店主夫妻との宴だな。

 

 

21才になったはっちゃんはもうすっかり大人の身体になっていた。

 

おれが教えたトレーニングメニューをこなしてきただけあって、原作よりもガタイが良いくらいだ。

 

とはいえ、通っている剣の道場では中々勝てない相手がいるようだが。

 

まあ、はっちゃんの本業はコックなのだから本職の剣士に負けるのは仕方ない。

 

重要なのは命を守る術を手に入れることだ。

 

その点、はっちゃん用六刀流特訓メニューは守りの型を中心に組んでいる。

 

墨を吐いて目眩ましもできるので、生存能力ではその剣士にも負けないかもしれないな。

 

そういえば、おれもたまに魚人島へ立ち寄った際などに、はっちゃんにコツを教わり墨を吐けるようになった。

 

これが意外と戦闘に役に立った。

 

目眩ましだけでなく、墨を口の中に貯めて、それを覇気で固めて放つことで、暗器のようにも使えるのだ。

 

この威力はけっこうバカにならないもので、そこらのピストルよりもはるかに破壊力がある。

 

何より相手からしたらノーモーションで放たれることになるので、意表を突ける。

 

また、はっちゃんに吸盤の使い方もレクチャーしてもらった。

 

おかげで、吸盤を利用したサブミッションの技をいくつか開発できた。

 

おれの吸盤と6本腕からなる拘束は、実験台になったジョズのパワーでも抜け出せないものだった。

 

拘束した後は関節技をかけてもいいし、海に引きずり込んでもいい。

 

中々凶悪な攻撃方法になったと思う。

 

 

このように、前世になかった身体能力を使うことに関しては、はっちゃんの方が優れていた。

 

流石おれの弟だな。

 

そんな自慢の弟との宴は楽しかった。

 

おれはここ数年の冒険を語った。

 

 

大海賊時代が始まって7年。

 

急な海賊の増加により蹂躙されていた島々の多くは、白ひげ海賊団のナワバリになった。

 

おれも特に人攫いをしているような輩がいたら容赦しなかった。

 

勿論そんな活動をしていると、海賊達からも疎まれるし、名を上げるために挑んでくる海賊団もたくさんいたので、大なり小なり戦闘が絶えなかった。

 

おれは身軽な特別部隊(1人)なことを活用して、各隊の危ない所のフォローに回ったり、ナミュールと一緒に敵船を海中から破壊しに行ったりと我ながら大活躍だった。

 

その分、おれが一対一で強い敵と戦う機会がなくなってしまったが、そこは修行と模擬戦でカバーしているので、少しは強くなっていると思う。

 

特にナミュールにはおれの海中戦闘の習熟に随分とお世話になった。

 

地上とは力の入れ方が全く異なるし、何より海中では剣を使わない戦闘方法が必要になるからだ。

 

なにせ、剣は海に浸けたら錆びる。

 

水には必ず酸素が溶け込んでいるので、船に乗る剣士は剣に油を塗って水分が届かなくすることで錆を抑える。

 

しかし油は劣化するし、海水は普通の水よりも錆を促進する成分が多量に含まれているみたいで、より早く錆びてしまう。

 

つまり、海中戦闘では極力剣を使わない方がいいのだ。

 

道理で、魚人達が空手や柔術などの素手での格闘術を磨くわけである。

 

そういえば、海中戦を得意としたサンベル先輩のエモノは、三叉槍という漁業にも使われるようなシロモノだったな。

 

そのような理由があり、今までのおれは剣士として海中戦闘能力を磨くことはあまり優先していなかったのだが、せっかくナミュールが協力的だったので、頑張ってみることにしたのだ。

 

具体的には、とにかく泳ぐスピードを上げて、その勢いで突進することの練習をたくさん行った。

 

突進こそが魚人の海中戦の基本にして奥義だ。

 

かつてサンベル先輩もそれで大型の海王類の土手っ腹に大穴を空けていたしな。

 

他には海中で自由自在に立体的な動きをできるように鍛えた。

 

これも中々難しく、高速で縦横無尽に動いていると、自分の作った波の流れが次第に邪魔になってくるのだ。

 

ナミュールというお手本がいなかったらどうなっていたことやら。

 

 

 

そんな話をした一方、はっちゃんの近況も聞いてみた。

 

はっちゃんは最近モテ期が来ているそうだ。

 

持ち前の明るさと鍛えた身体、そして去年から店の後を継いだことで出てきた威厳と風格が、ワイルドな男を好む女性に人気なのだとか。(これは元店主の奥さんから聞いた。)

 

はっちゃんもちやほやされるのは満更でもないらしく、よくこっそりデザート等をサービスしてあげているらしい。

 

店主夫妻は、はっちゃんに店を任せたとはいえ、まだ厨房にも入っているし、仕事も手伝っている。

 

いい年なんだから休めばいいのに、働いていないと落ち着かないんだとか。

 

人魚の娘さんも10才になっていて、看板娘として常連にも親しまれているようだ。

 

はっちゃんのことを実の兄のように慕っているみたいだ。

 

はっちゃんの後ろを付いて回って、ハチにぃと呼ぶその姿は愛らしい。

 

昔のはっちゃんを思い出すな。

 

ちなみにおれはナナおじちゃんと呼ばれている。

 

…おじちゃんか。

 

おれはまだ20代なんだけどな…。

 

 

オヤジさんの船は一家団欒って感じで居心地が良いのだが、ここは実家のような安心感があるな。

 

本当にこの店主夫妻を紹介してくれたタイガーの大兄貴には頭が上がらないな。

 

 

その後も色々な話で盛り上がり、おれが白ひげ海賊団で磨いた宴会芸用の演奏も披露して宴もたけなわになった頃、話題は魚人島の最新のニュースに移った。

 

どうやら、オトヒメ王妃が翌年の世界会議にて魚人の地上への移住の意思を示すための署名運動を始めたそうだ。

 

 

…そういえば、そんな出来事もあったかな。

 

もう原作を最後に読んだのは24年以上は前か。

 

この後何が起こるんだっけな。

 

オトヒメ王妃が亡くなることはかろうじて覚えているので、それはなんとか防ぎたい。

 

かつて魚人街を復興するのにも尽力してくれた恩があるからな。

 

そうして、皆に見送られて再び白ひげ海賊団に戻った。

 

タイガーの大兄貴に挨拶したかったが、ここ何年かは冒険に出て帰ってきてないそうだ。

 

 

そして、1年が過ぎた。

 

おれは25才になった。

 

魚人島のはっちゃんからの手紙によると(白ひげ海賊団に入ったおかげで補給地用のナワバリに手紙を出せば、いずれは手元まで届くようになったのだ)、数年ぶりにフィッシャー・タイガーが魚人島へ帰還したそうだ。

 

他にもしらほしという姫が生誕したらしい。

 

…そういえば、かつてのシャーリーの予言から10年だ。

 

もしかしたら、その姫がポセイドンなのかもしれないな。

 

ロジャー船長が会えなかった存在だし、一目会ってみたいな。

 

…でも最近、子供に怖がられることが多いんだよな。

 

どうにか好印象をもってもらいたい。

 

あくまで宴会芸として軽く触っていた程度の楽器の腕をもっと磨こうかな。

 

とりあえず、子守唄系の曲を練習するか。

 

音楽家の仲間に色々教えてもらおう。

 

 

 

 

26才になった。

 

おれは相変わらず白ひげ海賊団で楽しい航海を続けていたのだが、おれにとって重大なニュースが耳に入ってきた。

 

フィッシャー・タイガーが、レッドラインの大陸を素手でよじ登って聖地マリージョアに乗り込んで暴れ回り、世界貴族の奴隷を人種を区別することなく解放したのだ。

 

さすが、大兄貴だ。

すげぇや。

 

しかしこれから先、かんかんに怒った天竜人によって大兄貴は海軍から執拗に狙われるだろう。

 

見過ごすわけにはいかないな。

 

 

おれは不義理を承知でオヤジさんに船を降りることを伝えた。

 

白ひげ海賊団と縁を切らないままにタイガー大兄貴を助けに行ったら、海軍に今回の事件の裏に白ひげ海賊団がいると勘違いされるかもしれない。

 

それは避けなければならないからだ。

 

この9年間で、おれも海軍の中で白ひげ海賊団の要注意人物と見なされているようだからな。

 

オヤジさんは、しばらく無言で圧をかけてきたが、おれが既に覚悟を決めていることを悟り、好きにしろ、と一言放った。

 

おれはオヤジさん、いやオヤジに今までの感謝を述べた。

 

 

息子にしてくれてありがとう、と。

 

 

そして、クルー達に惜しまれつつも簡単に別れを告げ、いざ出発しようとした時、オヤジが言った。

 

 

船を降りてもおれの息子には変わらねぇ。

 

元気でやんな。

 

 

おれはもちろん涙なんか流さなかった。

 

男が親から一人立ちしようってんだ。

 

涙は似合わない。

 

 

 

 

おれはタイガーの大兄貴に合流した。

 

そこで嬉しいニュースがあった。

 

なんとおれとはっちゃんの生き別れた両親が奴隷から解放されて戻ってきていたのだ!

 

どうやら、人攫いに捕まった後、各地を奴隷として転々とし、そのしまいには数年前にそれぞれ別ルートで世界貴族の奴隷になったようだ。

 

魚人の父親は天竜人の椅子として、人魚の母親は水槽で見世物になっていたようだ。

 

タイガーの大兄貴のおかげでなんとか逃げてこれたが、精神的にとても衰弱していた上に、身体のケガや欠損、病気もあった。

 

許せねぇ。

 

 

おれは白ひげ海賊団で学んだ治療の腕を活かしてなんとか2人の一命を取り留めた。

 

また、はっちゃんは介護食や身体に良い料理を作ってあげていた。

 

父親は足を、母親は腕を失くしていたが、今後は、はっちゃんが介護してくれるらしい。

 

店主家族も協力してくれるようだ。

 

ありがてぇ。

 

おれははっちゃんの分まで大恩あるタイガー大兄貴の助けになることを誓った。

 

 

 

タイガー大兄貴を船長に、元奴隷の魚人達と大兄貴を慕う者達が集まったタイヨウの海賊団が発足した。

 

天竜人が大兄貴の命と奴隷を取り返しに狙ってくることに対抗するためだ。

 

父母のように航海に耐えられない者達以外は船に乗った。

 

ネプチューン軍で兵士をやっていたジンベエ(31才)やアホサメ達荒くれ者も加入した。

 

勿論おれもタイガー大兄貴のためにタイヨウの海賊団に加入した。

 

一応、白ひげ海賊団を抜けてタイヨウの海賊団に入ったことはニュースクーを通して世界経済新聞社に伝えておいた。

 

これでオヤジに迷惑がかかることはないだろう。

 

こうして元奴隷の区別がつかないように、身体にタイヨウのシンボルの焼印を入れたおれ達は、海へと出航した。

 

 

 

 

 

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なっちゃん:身長が3メートルを越えて筋肉もガチガチで腕が6本もある。まさに阿修羅のようだ。

それで子供に好かれようというのは無理がある。

よほどおじちゃん発言にショックを受けたのか。

白ひげ海賊団での長年の航海で様々なスキルを身に付けたようだ。

 

白ひげ:本当はイヤだったが、なっちゃんの覚悟を汲んだ。

実はなっちゃんが頼んだならば、フィッシャー・タイガーを保護して世界政府と全面戦争することも視野に入れていた。

しかし、その事にうすうす感づいたのか、なっちゃんは白ひげの迷惑にならないように自分で背負うことを選んだ。

 

マルコ:ーーーおれには止められねぇよい。

 

白ひげ海賊団員達:常に努力して何でもできるようになっていったなっちゃんをとても慕っている。

危ない所を助けられたクルーは多いし、仕事でも頼りになる。

常に新しいことに挑戦して修行している姿は、大きな目標や競争がなくあまり自己研鑽に励むような環境ではない白ひげ海賊団にとって良い刺激であった。

まさに皆の兄貴分のような存在だった。

 

はっちゃん:両親と再開できて嬉しい。

タイヨウの海賊団に乗ってタイガーの助けになりたかったが、なっちゃんを安心させるためにも、自分が両親を世界貴族に見つからないように匿いながら介護していくことを決意した。

 

世界経済新聞社:ーーーこりゃ大スクープだ。

かつて魚人島の悪魔とも称され、白ひげ海賊団に潜んでいた怪物が表に出てくるなんて。

本作では、シキやバレットなど、過去の映画の登場キャラクターを出しておりますが、さすがに現在公開中のONE PIECE FILM REDの登場人物を出すのはアリでしょうか。それともナシでしょうか。本当に出すか出さないかは置いておいて、皆さんの感覚を知りたいです。また、この結果は多数決ではありませんので、どの結果になっても今後の展開を確約するものではありません。

  • アリ
  • ナシ
  • どちらともいえない

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