転生したらオバロ世界のエルフだった件について   作:ざいざる嬢

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新章です。

UAがもうすぐ15万、評価者数が150人を超えました。

毎回言っているような気もしますが言わせてください。ありがとうございます。


帝国ルート アゼルリシア山脈編
私アレーティア、逃げ出し…旅に出ました!


 

 どうも皆様お久しぶりです。アレーティアです。

私がこのバハルス帝国で生活を始めてかれこれ4年が経ちました。

この間色々なことがありました。私もジルクニフも同じく17歳になり、立派に成人を迎えました。まあエルフの私はいつ頃成人と呼ばれるのか分かりませんが人間的に成人年齢は15歳らしいので私も成人です。

 

1番大きな出来事の一つはアレですね。遂に帝国四騎士が任命されたことです。順を追って紹介していきましょう。

 

 1人目、皆さまご存知バジウッド・ペシュメル。通称〈雷光〉の二つ名を持つ大剣使いのイカしたおじさんです。四騎士のまとめ役を務めています。一緒に仕事していると時折お腹をさすっています。古傷でも痛むんですかね?奥さんが何人もいますし彼には身体を大事にして欲しいところです。

 

 2人目、トーマス・アルトランド。こちら原作にはいなかった人です。通称〈陽炎〉と呼ばれていて長剣による炎系の武技を得意とした騎士です。性格は生真面目で卒なく多くのことをこなします。ジルクニフからもそこを買われているのか執務なんかでも重宝されてますね。

 私がたまに手伝おうとすると全力で止めてきます。何故でしょうね?一緒に仕事をしている中、何故か天を仰ぎ始めるんですけど何してるんでしょう?

 

 3人目、ルミリア・リイル・アーチゾルテ。こちらもトーマスと同じく原作にはいなかった人。帝国四騎士の紅一点です。通称〈乱舞〉と呼ばれており剣2つを操り武技を組み合わせ、さながら舞うような剣撃を見舞う他の3人とは違ったタイプの騎士です。なんでも生まれながらの異能のお陰で武技に集中しやすいと言っていましたね。同じ女同士(私は元男ですが)よく話す仲です。

 最近は一緒によく仕事をして報告に行くとジルクニフが頭とお腹を抱えていることが多いですね。私とルミリアは満面の笑みを浮かべていますが。

 

 最後、4人目はナザミ・エネック。原作に出てきたけれどすぐに退場してしまった通称〈不動〉の名を持つ騎士でしたが…こちらでは現在〈勇猛〉と呼ばれています。帝国最強のタンクです。

 あの愚か者の一撃を耐えるだけの力量があり、この前は他の四騎士全員の攻撃を1人で凌ぐ実力を見せてくれました。多分英雄の領域に立つ寸前かもう立っているか、そう思わせるぐらいには強くなってますね。もう原作みたいに見せ場もなくやられるなんてこともないでしょう。

 

 あの時遠征に参加した他の騎士の方々は四騎士候補という名の精鋭部隊となり、四騎士の座が空くのを待っている状態です。四騎士が決まった後も目ぼしい人材をここに移籍させて訓練を積んでもらっています。優秀な人はいくらいてもいいですからね。その内、今の四騎士との入れ替え戦みたいなことをしても面白いかもしれません。これは後でジルクニフに伝えてみましょう。

 

 そういえばジルクニフは成人してからお世継ぎを作るため後宮に何人か女性を囲っている様です。正直思うところはありますがこれも王族としての務め…優秀な子供を未来の帝国のために育むことは大切なことです。しかし、優秀でなければ捨てられる…という設定があった気がしたので、私の経験から絶対に子供や産んでくれた女性を蔑ろにするなとジルクニフにはお願いしています。そんなことを私の前ですれば何をするか分からないとも。少々青い顔をしていましたが了承してくれて安心しました。

 

 さて、今日は何をするかといえば──端的にいえばお勉強です。

帝国四騎士が結成されてから警護も大分余裕が出来てきて私のフリーな時間が少々増えました。なのでこれを機に色々と勉強しています。ついこの間までは神殿の方に出向いて神官の方々に色々と話を聞かせてもらいました。

 その内信仰系の魔法なんかも使える様になれば出来ることの幅が広がるので積極的に学んでいきたいです。帝国には蘇生の魔法を使える人がいませんからね。もし習得できればいい加減魔法を使えるとジルクニフやフールーダにバラしてもいい…かな?

 なので今日も今日とて神殿に行こう…と思った矢先、ジルクニフに今日からしばらく貴族としての作法を学べと言われてしまいあえなく断念。何故かと問えば

 

「少なくとも皇帝のそばに控える騎士であるお前がそれなりの礼節が出来ていなければ他の騎士にも示しがつかんだろう?帝国四騎士も揃い、お前の育てた後進のお陰で騎士たちの実力も確実に伸びている。であれば、そろそろお前も次に進むべきだ。出来るな?」

 

 こう言われたらやるしかありません。後出し情報で四騎士の面々は問題ないとか。出来ないのが私だけというのは最古参の騎士(自称)として面目ないのでこうして立場ある人としてのマナーや作法を学んでいます。これでも元王族、やってやれないことはないはず!

 

 

 

 

 

 

 

 マナーや作法の指導、教育が始まって一週間が経ちました。進展はどうですかって………?

 

 

 

 

──無理です。

 

 

 

 

 作法、マナーはまだなんとかなります。前世でもなんとなくこうすれば良いというのは解っていますので。しかし、言い回しとか建前とか……()()()()()()()()。なんだってあんなに難解にするのでしょう?ストレートに言えばいいじゃないですか。やたら難しすぎるんですよ!!

 

 ストレスがフルに溜まった私は置き手紙を残して帝国を離れています。警護?四騎士とフールーダがいるんで大丈夫じゃないんですか?そんなことよりこの一週間で溜まったストレスを発散するためには思い切り身体を動かすか大規模な魔法をぶっ放すに限ります。

 とりあえずいつでも帰れる様に〈転移〉出来る様に転移先を記録して…向かうはトブの大森林の先、アゼルリシア山脈!

 

 

 

 

 

「ま、また来たのか凶星!!」

 

「ああ、久しぶりですね〈愚か者〉()。」

 

 偶々ですが私は今トブの大森林の東の巨人こと〈愚か者〉()の拠点にいます。コイツと知り合ったのは遠征の時ですね。愚かにも私に喧嘩を売った挙句、騎士たちにも手を出そうとしていたので〈彗星落下〉(コメットフォール)を使って住処ごと吹き飛ばしました。ものすごい爽快だったのを覚えています。久々に撃った高威力の第九位階魔法ですから。

 その時の光景が余程恐ろしかったのか、私のことを凶星と呼び始めたわけです。"彗星の尾には毒がある"という話があったと思います。きっとそれに近い伝承とか言い伝えがあるのでしょうね。

 実際この〈彗星落下〉(コメットフォール)〈隕石落下〉(メテオフォール)には攻撃範囲は及ばないものの追加効果として低確率ながら何かしらの状態異常を与えられます。住処を吹き飛ばした後コイツの生き残った配下が軒並みこの状態異常で死んでいったのは正直やりすぎたなと思いつつ気にしない方向でいきました。相手が先に仕掛けて来ようとしたんですから正当防衛です。その後有効活用して逃がしてあげたんですからそれでチャラという事にします。

 

「何の用だ!お前のせいで俺の配下が…」

 

「いや、ただ通っただけですから。あなたに用なんてありませんよ。」

 

 

 〈愚か者〉()の横を悠々と通り過ぎます。以前の遠征の最後に不意打ちをかましてきましたが〈不動〉と素の耐久で耐え、反撃で頭以外を吹き飛ばしてやりました。その事もトラウマになっているんですかね?虚勢を張ってはいますが足が竦んでいるのが見え見えです。所詮は井の中の蛙、真の強者を知らないからすべてを奪われるんです。同じ種族、武王のゴ・ギンを見習ってほしいものです。そうでなければ…数年後、私を超える強者(アインズ・ウール・ゴウン)に今度は命すら奪われますよ?

 

 さあ、気を取り直して目指すはアゼルリシア山脈のドワーフの国の王都への道に向かうまでの難所の一つ、溶岩地帯!

 この時期にドワーフが滞在しているであろう場所を探して私は森を進んでいきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

~バハルス帝国~

 

 

 私、ジルクニフは執務に区切りをつけ昼食に入った時、とある事件が発覚した。

 

「陛下!昼食中失礼いたします!」

 

「何事だトーマス!そんなに血相を変えて来るとは…何があった!?まさか、アレーティアとルミリアがまた何かしでかしたか!?」

 

 帝国最強の騎士であるアレーティアと四騎士でアレーティアと組ませると問題児と化すルミリア・リイル・アーチゾルテ、この二人がまた問題を起こしたのかと少々頭を抱える。

 ルミリアは基本は優秀だ。令嬢でありながら騎士を志し、勉学にも優れ今回の遠征で飛躍的に実力を向上させ今後の成長も見込んで任命した…が、粛清騎士であるアレーティアを心酔してしまい「アレーティア様がおやりになることですから仕方ありませんね!」とアレーティアの暴走の制止もせずむしろ自分もそれに乗っかるという"どうしてそうなった!?"と思わずにはいられない事件を引き起こしたことがあった。なので、この二人を組ませることは余程のことがない限りはしないようにと言い聞かせていたのだが…。

 

「いえ、今回はその二人がやったことではありません!」

 

()()、という事はルミリアは一人で問題を起こさないと考えればアレーティアが何かしたという事で間違いないな?思えば今日は貴族教育の日だろう。なにがあった?」

 

「はい、こちらを…」

 

 トーマスが何かが書かれている紙を手渡してくる。

 

 

 

 

 

陛下へ

 

 

あの勉強が嫌になったので旅に出ます。そのうち帰るので探さないでください。

 

 

アレーティアより

 

 

 

 思わず固まってしまった。なんだこれは?アレーティアが?勉強…貴族教育が嫌で?旅に出た??…なるほど。

 

 

「あ、あの大馬鹿者がああああああああああああ!!!!!!!」

 

 

 手紙を思わず握りつぶし周りの目も気にせず叫ぶ。これが叫ばずにいられるか。

あの女の素性を隠すのにどれだけ手を焼いていると思っているんだ。貴族としての振る舞いを身につけさせて今後の王国との戦争や他国との外交の場でもし素性がバレたとしても帝国の貴族令嬢だと言い張れるようにこの教育を始めたというのに……!!あの女はこちらの苦労を分かっていないというのか!!

 

 

「い、いかがいたしましょう?探すなとは書いてありますが念のため捜索隊を……。」

 

「いいや、無駄だ。アイツを探すことは不可能だ。以前姿が見えずフールーダに遠見の魔法で探させたことがあったが()()()()()()()()()()()()()()()()()()。物理的に探すとなればまず行方が分からなければ徒労に終わる。我々に出来ることは帰りを待つしかない、という事だ。」

 

 くたびれたように言い返す。正直、この前言われた子供と後宮の側室の一件で珍しく()()()()()()()()()()をしてきたことにも驚いた。そんなことを気にする女なのかと。…いや、これは恐らくだが未だ語らないあの女の過去が関わっているのだろう。そういったものには触れない方がいいがそうも言っていられなくなってきたな、と考えながら帰ってきたら絶対に一発ぶん殴ってやろうと心に決めた。

 

 

 

 




書きながら毎回思うのがジルクニフのキレ芸が某アルキメデスそっくりになってる気が…影響は間違いなく受けてます(笑)


後、実験的にアンケート機能試しに使ってみました。
今回はオリジナル武技、魔法の紹介が必要かどうかですね。

需要があれば次のキャラ紹介辺りで纏めます。

オリジナル武技、魔法のまとめ

  • 必要
  • 不必要

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