こんなドラクエ世界は知らんかった   作:ドM饅頭

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第1話 こんな日常は続かない

 

 

 この世界に転生? 転移? 結構複雑な経緯を経てやって来た時から7年になる。

 自分自身じゃ覚えていないのだが、俺は2歳児くらいの体格の時に保護された里の一角に倒れているのを発見されて、そこの里の人々に保護される形で一緒に住まわせてもらっている。

 

 里の老夫婦の元で育てられていて、色んな事も教わりながら過ごしている内に分かったのは、ここはドラクエ世界だと言う事だ。

 しかも前世でプレイしたことのない可能性も高い世界だ。

 

 

「はぁ…… 勇者ローシュとか聞いたことない……」

 

 

 神の民の里は空中に浮かぶ群島都市と言った趣のある場所で、それぞれの大きさが1Km四方の島と不思議な連絡用の床で繋がっているのは、ドラクエ4の天空の塔の上昇や下降をする床みたいな感じで動いている。

 

 

「おーい!アリシアー!」

 

「……?」

 

 

 アリシア、そう呼ばれたのは今の俺の名前である。

 前世は男だった自分が何の因果か、今の世では女に生まれていて前世では慣れ親しんだ股間のブツともおさらばしてしまっているのが悲しい。

 

 まあ、そんなことは置いておくとして、今の俺の名前を呼びながらこちらへと向かってくるのは、この里に住む少年で一見するとドラゴンボールのナメック星人に似ているような微妙な風貌をしている。

 これは彼に限った話ではなく里に住む神の民と呼ばれる人々全員が同じような容姿をしている事から、鳥山デザインの世界に来ているのだと理解させられるが俺の容姿はと言うと、普通の人間の子供と言える姿かたちであるが決定的に違う点があったりするが後で良いだろう。

 

 

「どうしたの?」

 

「おばさんが呼んでたよ、少し用があるってさ」

 

「ありがと、じゃあ行ってくるね」

 

「あっ、待ってよ僕も一緒に行くよ!」

 

 

 ベンチに座って足をぷーらぷらとさせていた自分の元に、やって来た少年は自分を育ての母が呼んでいると伝えて来てくれたので、近くを通りかかったから丁度良くお使いを頼まれたのだろう。

 一緒に行くと言った彼と共に歩き始めて、連絡用の床へと向かっていく。

 

 

「それにしてもアリシアのソレって本当に不思議だよね、寝る時とか不便じゃない?」

 

「まあ、確かに変わってるけど寝る時とかは収納できるから、特に不便は感じないねぇ」

 

 

 連絡用の床に乗りそれがゆっくりと動き出す中で、彼が俺の背中についているソレをじっと見ながら言ってくる。

 今の自分の背中についているものが普通の人間とは全く違う点であるのだ、それが天使の羽と言うべきものが付いていてドラクエシリーズでいう所の天空城に住む天空人そのものとしか言いようがない。

 その上に特徴的な青い髪に幼い女児であるというのに人並外れて優れた容姿を持つ、という情報を総合しても天空人と言えるのだが、長い時を生き続ける神の民と言える彼らでも俺の姿を見たことがないと言っていたし、神話の時代より生きる長老も同じように言っていたことから、このドラクエ世界には居ないか認知されていないのだろうと判断できた。

 

 

「それにしてもお母さんは何の用だろう?」

 

「ちょっと頼みたいことがあるって言ってたよ」

 

「そっか」

 

 

 羽は自分の意思一つで動いて羽ばたくことなどが出来るが空は飛べないけど、風呂に入る時や寝る時には邪魔にならないようにも出来るので、少し変わった付属物と思えば特に不便らしいものを感じることは少なかった。

 

 

 その後、俺は育ての母と言える人の元に行き要件を頼まれて里の中を歩いて行って、他の人々に暖かい言葉をかけてもらったり応対して貰ったりしていた。

 何気ない日常、転生してハードモードになりそうだった人生に、こんなにありふれていた幸せと穏やかな日常に包まれていることが恵まれていることは分かっていた。

 だけど、何時までも続くと思っていたものが理不尽に奪われ、あっという間に崩壊することを理解なんてしていなかった。

 

 

 

 

 

 

 ―――――――――― みんな、しんだ

 

 

 数か月前のあの日の事はよく思い出せる。

 突然空が真っ黒になり禍々しい気配と力に満ちていく中で、恐怖を感じた俺は聖なる種火が祭られている聖堂の中に入り震える体を自分で抱きしめていたら、突然大きな音と振動に襲われて破壊音と悲鳴が辺りに木霊していった。

 

 どれほどの時間が経っただろうか? 全ての振動と破壊音が収まったから外へと出た自分の目の前にあったのは、聖なる種火が収められた聖堂のある浮島以外が全て無くなっているという光景だった。

 

 

 当時、なぜ自分が聖なる種火の聖堂に逃げ込めたのか、それは聖堂周辺の掃除と草むしりの係となっていたからであり、もうすぐ終わるからと言うことで何時も付き合いのある少年が里の大人たちに終了を伝えに他の島に言った時に、あの破壊に包まれていた。

 

 

「……」

 

 

 あれから数か月、独り言すら言う事もなく黙々と日常ルーチンと言える聖堂周辺の掃除や、聖なる種火の祭壇周辺の清掃も行いながら聖堂の近くにある居住するために必要な設備がある小屋で寝泊まりする日々。

 そこには食料品が多く備蓄されている上に聖堂の周辺の一部は小さな畑になっている区画もあったので、それらの食料を頼りにしつつ衣服も何故か今の体にピッタリなサイズが幾つもあったので、それを洗濯の魔法を用いて着まわしている感じだ。

 

 もしも俺の作業の進行が遅ければ、最低でも彼だけでも助けられたかもしれない、あの禍々しい気配を感じた時に皆を呼んでいれば誰か助かった人がいたかもしれない。

 

 

「…… ッく、ぅ……っ」

 

 

 あの日の事を思い出し、もしもを考えると涙が浮かんでしゃくり上げる声も出てきそうになるのを堪える。

 何一つ行動できずに、あんな判断をしてしまったのは自分だから泣いてはいけないし、そんな資格もない。

 

 

 だから、我慢して一人で【聖なる種火】と【生命の大樹の苗】を今代の勇者が来るまで守り続けていかないといけない、俺が転生してここに来た時に一緒に持ってきたと言われた一つの鎧も守ること、それを支えに一人となった日常を過ごしていく。

 みんながいなくなって独りとなった事を自身への罰であると考えながら。

 

 

 




 この主人公はドラクエのプレイ経験は7(PS版)までとなっております。
 8からはプレイしたいと考えていましたが、仕事が忙しくてプレイできずにこの世界に来ちゃったと言う状態です。

 そんでこの小説には私が考察とかした独自の設定や、表現が出てきますしある装備も出てきます。
 この装備が出てこないのはちゃんと理由があるんじゃ!と言うのは感想欄にて指摘してもらえたらありがたいです……


malice様より頂いたファンアートです。
https://syosetu.org/?mode=img_view&uid=401923&imgid=100112

勇者御一行と出会った時の彼女のようです。
ウルノーガの所為で一人ぼっちになりレイ〇目となったロリの姿を見た彼らの心境は如何ほどか……

malice様より頂いたファンアート2枚目です!
https://syosetu.org/?mode=img_view&uid=401923&imgid=100111

まだ平和な時を生きていたTSロリ娘の姿です。
笑顔が尊いですわぁ……
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