もちろん衣装の細部に違いはありますし、目元も少々ツリ目な感じだったりします。
聖地ラムダにて力を発揮した天空のフルートを使い、神の乗り物であるケトスを入手したイレブン一行は空中を飛行し次の目的地を探していた。
「にしてもウルノーガを倒す武器を探す、か……」
「フム、あの勇者の剣に匹敵する武器をどう手に入れたものか」
「空を飛べるようになったから、とりあえず行けるところに行ってみましょうか!アタシ達も見落としてる所があるかもだしね」
青髪を逆立ててワイルドな雰囲気を醸し出す青年である【カミュ】の言葉、これに同調するように難しい表情を浮かべながら一行の中で老人と呼べる人物の【ロウ】が答え、芸人と呼べる恰好をした【シルビア】が全員を鼓舞するように声を張り上げる。
空飛ぶ鯨と呼べる背の上で次の行き先を話し合う彼らは、魔王ウルノーガに敗れ希望となるはずであった勇者の為の剣を奪われた上に、生命の大樹と呼ばれる世界にとって一番重要な存在まで破壊されて世界中で多数の人が死に、彼らの大事な仲間まで犠牲となったことから打倒魔王ウルノーガへの意気込みは強かった。
「ん? あの浮いている島は……」
「見たこともない建物があるわね…… ねぇ行ってみましょう!」
「ああ!」
立派な口ひげを生やし貫禄に溢れる男性である【グレイグ】が、一つの天空に浮かぶ島を見つけると妖艶な美女という印象を与える女性【マルティナ】が指をさし、次の目的地としてリーダーであるイレブンと呼ばれた少年へと進言する。
それを聞いた彼は大きく頷いて返事を返すと、ケトスに指示を出して一路その島へと突き進んでいくのだった。
ケトスの背に乗りグレイグが気が付いた天空に浮かぶ島に上陸したイレブンたち、彼らは無惨に破壊された箇所が幾つか見える島の様子を見て痛まし気に顔を伏せる。
「ここは……」
「このような場所があったことも驚きじゃが、やはりウルノーガによる破壊の影響は出ておるか……」
往時は全く違ったであろう建造物の姿や島の端の様子を見ながら、彼らは何が出て来ても良いように警戒を緩めずに進んで行く。
島の主要な通路と呼べる場所は破壊を免れたのか綺麗な姿を残していて、中心部と呼べる場所も同様に綺麗に原型を留めている上に誰かが今も居住している様子が伺えた。
「…… おい、そこに隠れている奴、出て来い」
全員で周囲を警戒しながら島の探索を続ける彼らは、誰かが居住していると思われる小屋の近くにこじんまりとした畑があることを確認していて、更には小屋からは何かを燃やすような不思議な煙に似た蒸気が出ていることも目視している。
これらの事から誰かがいることを理解はしていたが今まで感じなかった気配が現れたことから、カミュは目を鋭くさせて近くに存在している大きな木へと低い声で命令する口調で声をかける。
「……」
「お、女の子!?」
「そ、それにあの羽……」
「まぁ……」
木の陰から出てきたのは一人の女児と言える年齢の女の子であり、敵意がないことを示すのか軽く両手を上げながら出てきていた。
イレブン一行の全員が驚愕の声を漏らしていたが、それは誰かがいるのは予想していたものの予想外な存在が出てきたために動揺が広がったためだ。
出てきた存在が幼い女の子であったこともそうだが、一番彼らを驚愕させたのは彼女の背中には真っ白で美しい羽があることもであった。
「あの、貴女は……?」
「わたし、は、ここに住んでたの、だけど何か月か前に急に空が禍々しくなって…… みんな、しんじゃった」
『ッ!』
深く昏い真っ黒な瞳、絶望と諦観を凝縮したその色を見たイレブンたちは彼女の様子と、ここで起こったことを予想は出来たものの金色の短髪の女性である【セーニャ】の問いかけを聞いた彼女は、ガラス玉の様な瞳と禄に変化しない表情のまま自分以外の者に起こったことを伝える。
これを聞いた瞬間に全員の表情には驚愕と言う感情が浮かび、更には小さな女の子が簡単に死という言葉を言ったこと、それに悲し気な表情となっていく。
「…… その人の紋章……」
「…… これ?」
「うん…… 勇者の紋章…… こっちにきて」
「あ、おい!!」
ガラス玉の様な瞳と仮面の如きと言うほど表情に変化もない、そんな女の子がイレブンを指さして左手の甲にある紋章を確認すると、彼は女の子が良く見えるように彼女の目線に合う位置に紋章を向けて確認させる。
それをしげしげと見ていた女の子は何かを納得するように頷くと、踵を返して歩き始めていくが、カミュは何も説明せずにスタスタと歩き始める女の子を呼び止めようとするが、彼女は気にすることなく歩いて行くので彼らは全員で顔を見合わせると無言で彼女について行った。
「この中」
「えっと、この中に何があるのかしら?」
「勇者様なら分かる…… ついて来て」
聖堂と言える建造物の扉の前に来た女の子は特に力を入れた様子もないのに、扉はゆっくりと軽い動きで開いて行き先ほどと変わらない様子で進んで行た。
マルティナは彼女を怖がらせない様にしているのか、優しく柔らかい声色で問いかけるものの彼女の返答には勇者であるイレブンが付いてくれば分かるというものだけであるので、彼らは顔を見合わせながらもついて行く。
「…… ここ」
「ここは……」
「あの火、なんて凄い神聖な力……」
建物の中にあったもう一つの扉を開けた先にあったのは、巨大な炎の姿で彼らはその光景に圧倒されるものの、そこに圧縮されている力を感じてセーニャは畏敬の念に近い声を漏らす。
「勇者さま、火に向けて手をかざして」
「手を?」
「そうすれば聖なる種火は貴方が持ち運ぶのに過不足ない姿になる」
炎の姿に圧倒されるイレブンは袖を引っ張られたので視線を向ければ、彼女は炎を指させてイレブンに対して指示を出してくる。
それを聞いたイレブンは半信半疑と言った様子となりながらも、左手を炎に向けて翳した瞬間、炎は急激に動き出して一つの器の中に吸い込まれていき手のひらに収まるほどの器の中へと納まった。
「勇者様なら、あの大樹の苗の記憶を読み取れる…… 貴方たちが求める物の道しるべもそこに……」
「あ、ああ……」
次に彼女が指さしたのは聖なる種火と呼ばれた炎の周囲にあった3つの苗であり、静かで綺麗な声に導かれるようにイレブンは苗に触れていく。
そうして触れていくイレブンの姿を感情が浮かばない瞳で女の子はジッと見つめるのだった。
イレブン御一行の前に現れた時のTSロリ娘はレイ〇目状態です。
しかもウルノーガの被害者で、幼い子供の口から自分以外死んだとハッキリとなんの感情も載せずに言われたイレブン御一行の心境やいかに。