ただ、ああいうおふざけに杉田さんがいないのが気になる…… やり過ぎて除けられたのか?
勇者たちを聖なる種火の所に招いたのだけど、どうして彼が勇者だと分かったのかと言えば神の里では勇者の紋章についての詳細な情報があったからで、左手の甲に特徴的な紋章が浮かぶことや本人を目にすれば神聖な空気を身にまとっていることなど、これらの情報を長老を含めた里の大人たちから聞いていたからに他ならない。
神の乗り物であり空中を渡るケトスや勇者の紋章を持ち、その波動と言えるものが伝わってきたことで勇者だと判断できたのだが、久しぶりに声を発したことで上手く喋れていないためにぶっきらぼうな言い方になったのは勘弁してほしい。
「……」
俺の目の前で大樹の苗に触れて記録の一部がこちらにも流れ込んでくるのだが、一つずつ確認する毎に勇者の剣を新たに造ると言っていたことから、前世で読んだことのある漫画のロトの紋章やプレイしたゲームであるドラクエ3の様に敵の手に勇者の剣が堕ちているか、それとも破壊されてしまったために新たな剣を求めているのだろう。
流れ込んできた記録の情報は勇者ローシュが希少金属と言えるオリハルコンを、確か長老がガイアのハンマー言っていた巨大な金槌の様な道具で特殊な精錬場で鍛えると言うものだった。
「…… なぁ、おチビ「アリシア」え?」
「私の名前、アリシア」
「ああ、お前の名前か良い名前だな、こっちもわりぃな俺はカミュってんだ、よろしくな?」
「…… ん」
全ての記録を読み終えた勇者御一行は、俺の方を見て気遣うような様子となりながら、ワイルド系のイケメンと言える男性が遠慮がちに口を開いたのだが、ここにきてようやく自己紹介をしていなかったのを思い出した。
なのでおチビと言った彼の言葉を遮る形になるが簡単に自己紹介をさせてもらうと、イケメン男性ことカミュも自分が自己紹介をしていなかったことを思い出したのか、名前を言いながら小さい身長の俺に目線を合わせるようにしゃがんでニカッと微笑みかけてくる。
それを聞いて頷くものの、数か月ほとんどしゃべることがなかった上に対人接触も皆無だったからか、コミュ障になっているのは間違いない。
この後は他の面々の名前も聞いたのだが、自己紹介をしていなかったことが分かった時から何故彼らは余計に辛いというか、妙に悲しそうなのかが気にはなるがスルーしよう。
「それじゃ、改めて聞くけどアリシアちゃん」
「ん?」
「貴女はあの記録にあった物の事とか知ってることはなぁい?」
派手な格好をした旅芸人と名乗ったシルビアという男性が優しく微笑みながら、こちらへと問いかけてくる。
他の面々も知りたいことがあるだろうに俺の見た目がいたいけな幼女であるからか、無理矢理に聞き出すような真似はせず全員が優し気な微笑みを浮かべてゆっくりと話をさせよう、そんな優しさに満ちた様子だ。
「多分、最初に勇者ローシュが持ってた鉱石はオリハルコン……」
「お、オリハルコンだって!伝説上にしか存在しない鉱石が本当にあったのか!?」
「もぅ、カミュちゃんったらぁ、そんなに大声を出したらアリシアちゃんがビックリしちゃうでしょ?」
「うっ、わ、わりぃアリシア……」
神代の希少金属であるオリハルコン、その名前を出した瞬間にカミュが大声を出したので思わずビクッと体を震わせてしまったが、シルビアがメッと窘めるようにカミュを叱っていて、すぐさまこちらに向けて彼が謝罪してきたので、気にするなと言う意思を込めて顔を横に振って続きを話していく。
「オリハルコンがある場所は、天空の古戦場っていう場所、ケトスでしか辿り着けないから気を付けて」
「天空の古戦場…… オリハルコンが実在していたのならば、過去に争いが起こっていても不思議ではない、か……」
「そう、過去に神の民の里の者と魔なる物との激しい戦いが起こったって長老が言ってたから、強力な魔物の巣窟になってると思うから気を付けて」
「やはり、そのような希少金属があるとなれば酷い争いは避けられんか……」
天空の古戦場、まるでどこかのゲームに出てきそうなネームの地名だが、以前に長老から聞いたオリハルコンを巡る戦いの模様は冗談抜きに悲惨そのものと言って良くて、現在でも普通に浮かんでいるのが奇跡的と言って良いほどの戦いだった。
激しい戦いが起こっていたことを聞いた勇者御一行の中の最年長のロウと名乗った老人が、厳しい表情を浮かべながら現在の天空の古戦場が置かれている状況を考えているようだ。
事実、長老が言うには今の天空の古戦場は強力な魔物の巣窟となっており、量も少なくなったオリハルコンを採掘しに行くような場所ではないと言っていたのだが、ぱふぱふを生業とする妙な女があの当時から住み着いているとか訳の分からんことも言っていたのだが、この辺は老人のお茶目な冗談だろうし伝えなくても良いだろう。
そうしてオリハルコンの事を伝えてから、彼らは与えられた情報を吟味している様子を見せていたが、情報の咀嚼が終わったのか金色の髪を短く切りそろえた女性であるセーニャが俺の目線に合わせるようにしゃがんでくる。
「あの、次に映ったハンマーの事とかアリシアちゃんは分かりますか?」
「あれは多分、ガイアのハンマーって呼ばれるオリハルコンを鍛えるための専用の金槌だと思う」
「なるほど、神の希少金属と言えるオリハルコンを鍛えるには専用のハンマーでなくてはならないか……」
セーニャの問いかけにガイアのハンマーと呼ばれる道具の事で、長老から話を聞いた時にはオリハルコンと言う神の金属を鍛えるのに専用のハンマーと製錬場がいると聞いて納得したのは当然だ。
確か漫画のロトの紋章でも新たな王者の剣を作る際に専用のハンマーと製錬を行う場が出てきたので、それと同様と考えれば納得できるのだけど、ゲームのドラクエ3の鍛冶師は何故オリハルコンを加工できたのかと言う疑問が浮かんだが、無視することにしたのも記憶に新しい。
ただハンマーの事を聞いて立派なおひげを蓄えたクマみたいな大男の男性であるグレイグが、情報を飲み込みながら何かを聞きたそうにチラチラとこっちを見ているのだが、自身の容姿が強面の大男であることから幼女を怖がらせて情報が得られなくなると思って話しかけるのを躊躇しているのかもしれない。
「それにあの城門はサマディー王国のものだったし、あそこに保管されてるのか?」
「先代勇者ローシュの頃ならそう、今も変わらずにサマディーにあるのかは分からない」
「いや、名前も分からない状況だったんだ十分すぎるぜ、サンキューなアリシア!」
「……ん……」
先代勇者ローシュの頃には、既にサマディーの国宝となっていたと長老から聞いたけど、今もその国にあるとは思えないしむしろ今までの間に財政難などがあれば売り払っていてもおかしくはないし。
だが完全な手探り状態だったころからはマシになったという状態なので、嬉しそうにカミュがお礼を言って俺の頭を優しく撫でてくるのだが、子供の頭を撫で慣れている様子なので彼には妹か弟でも居たのかもしれない。
そうしてあともう一つの製錬のための施設は俺自身もまだよく聞いていない状態だったが、ホムラの何とかという単語は覚えていたことで彼らには何らかの心当たりがあるようで答えに辿り着いたのはホッとした。
さて、彼が勇者であるというのならばもう一つ伝えるというか渡すべきものがあるので、気合を入れると彼らに声をかけるために顔を上げるのだった。
この小説だと原作とは違ってオリハルコンを知っているオリ主であるので、この辺の説明がまとめて行われて、スムーズになっちゃいました。
後、ドラクエ11をやってて思うのは街中にいるバニーちゃんたちの格好ですねぇ……
大樹崩壊後のマルティナのアレコレの時の格好だと、問題があったのかミニスカでしかも割と激しく動くという状態は、逆にエロくね?と思います。
特に大樹崩壊後のブチャラオ村での事件解決直後とか、近づいて少しカメラをローアングルにすると簡単に……って感じですわ
ですが、一番個人的に気になるのは天空の古戦場にいる、あのバンジーぱふぱふを主導するバニーちゃんですかねぇ……
姿かたちは人だけど間違いなく人間じゃないよねって思いますわ……