女ヶ島を追い出されたので外海でハーレム王に私はなる 作:覚醒サイダー
「あの軍艦、中将が乗ってる……っ!それに海賊団の船長は億超えの賞金首だっ!」
エースの部下が双眼鏡で敵船を偵察し、絶望的な表情で声を張り上げている。海軍の階級とか興味ないし、曖昧にしか覚えてないけど、確か中将ってかなり上の立場だったよね?結構強かった気がする。
「クソっ!全力で船を進めろ!俺はやらかしやがった海賊共を燃やしてくるっ!」
海軍の軍艦に関してはまだ距離があるし、海賊達が邪魔をしてこなければどうにか逃げ切れそうな感じだ。優先するべきは海賊達。
「あ、私が潰してくるからエース達は軍艦から離れることだけ考えてなよ」
「馬鹿!相手は億超えだぞ!船員も強者が揃ってる!」
見聞色で探った感じ大した奴はいなそうだったけど、力を隠してるのかな。でも、私も外海での自分の強さが良く分からないから試したかったんだよね。エースは恩人だったから遠慮したけど、敵船ならやり放題だ。それに、賞金首ってお金になるってことだからお小遣い稼ぎになりそう。丁度、海軍もいるし換金してもらえないかなぁ。
「私の本気が見たかったんでしょ?ちょっと戦ってくるから楽しみにしてなよ」
敵船までは距離がある。こういうときは槍が便利だ。私は槍を
「じゃ、行って来るねぇ」
――槍をぶん投げて、船から飛び出しそれを掴んだ。これぞ私が生み出した楽々移動術!投げた槍を掴むことで遠くまで楽に移動できるんだから発明だと思う。九蛇の仲間にはドン引きされたけど。
「なにか飛んでくるぞぉおおお!?」
敵船が近づいてくると海賊達が迎撃体制を整えていた。うーん、やっぱり強そうなのがいないんだよなぁ。気にしても仕方がないので、槍をコートに戻して飛び降りる。
「やあやあ海賊諸君。賞金首君は手を挙げてね。お小遣いを減らしたくないんだ」
久し振りなんだ、楽しい戦いを期待するよ?
◆
「いや、君達弱すぎでしょ」
船員の殆どは、船に降りたときに威嚇した覇気で気絶しちゃったし、僅かに残ったやつらも全く大したことがない。億超えだという船長ですら覇気が使えないんだからそりゃそうか。誰も手を挙げてくれなかったので、気絶していた一人を叩き起こして誰が賞金首が教えてもらって、そいつらを一つに縛る。船長含めて3人の男となると大分重いけど、まあ、この距離なら届くでしょ!
縛った海賊の塊を掴んで、振り回して勢いをつける。そして、ぐるぐる回転しながら目標の海軍の船に向けてぶん投げた!
「流石は私!狙い通ーり!」
ちょっとギリだったけど、無事、海軍に送り届けることができた。あ、というか思いっきり投げちゃったけど死んでないよね?死んでると貰える懸賞金が減額されるって何かで見たんだけど。心配になったので急いで私も向かうことにする。ここへ来たときと同じように槍をぶん投げて、掴む!やっぱりこの移動法は最高だね。そんな風に自画自賛していると――
「“
空中を飛ぶ私に、黒い檻のようなものが飛んでくる。何らかの能力なのは間違いないのでとりあえず槍を仕舞って、空中で避けた。そのまま空気を蹴り上げて加速し、海軍船に降り立つと即座に海兵に囲まれる。良く訓練されてますねぇ……って!
「捕らえられなかった……ヒナ不覚」
瞬時に周囲を確認すると、胸元の開いたワインレッドのスーツがセクシーで、厚ぼったい唇に桃色のロングヘアーが色気振り撒きまくりの、美人海兵さんがいた。十年近くお預けされていた私には刺激が強すぎるっ、最高ですね!
「いやはや、今の能力は貴女ですね、美人なお姉様」
「わたくしは海軍本部大佐のヒナ。そこの海賊を投げてきたのは貴女ね?」
声も愛らしくて益々良い!九蛇で育った身としては強気な女は大好きだ。
「ええ、賞金首は換金できるって聞いたことがあるので、ここでやってくれないかなって」
「貴女、スペード海賊団から飛び出してきた海賊よね?海賊に払うお金はないわよ」
完全に警戒されているようで、相変わらず包囲されてるし言葉にも棘がある。勘違いでしかないのでまずはそこの誤解を解かないと。
「私は海を彷徨っていたところを、助けてもらっただけで海賊じゃないですよ?」
「ヒナ困惑。そんな言葉が信じられるとでも?」
中々信じてくれないので、とりあえず、両手をひらひらとさせて傷付ける意思はないことをアピールする。美女を傷付けるだなんて、そんなことは合意の上でしかやりませんとも。九蛇だと好戦的過ぎて戦いたいとか言われることもあるからね。まあそういう人は強いものに惹かれるから、勝てば情熱的に求めてくれて最高だったりする。ならば戦うのも全然ウェルカムなんだけど。
「話なら俺が聞こう」
私が美人海兵のヒナさんをどう口説こうかと考えていると、やたらとデカい男の海兵が出てきた。立ち姿からして、先程の億超え船長よりは余程強そうだ。たぶん、この人が中将かな。
「俺は中将、この船で1番階級が上なのは俺だ。俺ならばその賞金首の換金程度は通せる」
「じゃあ、よろしく。お金が準備出来たら呼んでね、私はそちらの美人海兵さんとお話してるからさぁ」
近くに転がっている縛った海賊はまだ生きてそうだったので満額貰えそう。億超えって話だし、これでしばらくお金には困らないかな。
「おい!中将に向かってなんて物言いをっ」
「は?」
私を女と侮ったのか、直情的になっただけなのか、それは分からないけど、私を包囲していた海兵の一人が激昂してきたので、思わず覇気が漏れてしまった。美人を前に邪魔されたから一瞬キレちまいました。ヒナさんは対象から外せたけど、他の海兵は皆倒れて気絶している。目の前の中将さんは流石というべきか、冷や汗を流しながらも耐えていた。
「な、何がっ!?」
ヒナさんは覇気を知らないのか、それとも覇王色を相手にするのは初めてなのか、周囲の異変に慌てていた。クールな美人の見せるこういう表情、堪りませんね。
「さあさあ麗しき海兵のヒナさん、皆さんおねむな様なので、私とお話しましょう」
「貴女がやったのでしょ!?」
「手も足も出してないのに?気になるなら手取り足取り腰取り教えますけどぉ?何なら朝まででも」
「このっ!」
向こうから詰め寄ってきたので、腰に手を回して引き寄せる。すると、何やら能力を発動させようとしている気配を感じたので少し離れて、ちっちと人差し指を振った。悔しそうに睨む表情が美人過ぎて嬉しさしかない。
恐らく、彼女の能力は超人系。自然系なら立ち回りに独特の癖が出るし、動物系なら外見に変化が生じているはずだ。私としては、火力はあるが性質が読みやすい自然系や、身体能力でなら押し勝てる自信のある動物系よりも、ハンコックのように初見殺しをされる可能性のある超人系が一番怖い。美人に焦って油断すると痛い目をみることは証明済みだ。反省はしていないけど、失敗は活かすのが私の良いところなのだ。
「そっちがその気なら私も手が出ちゃうけど?」
ワキワキと両手を動かしながら見せる。向こうから仕掛けてきたのなら正当防衛だから、私も自衛のために仕方なく、仕方なく、ヒナさんのおっぱいを揉むことで制圧しようと思う。なんて平和的対処なんだ。
「ヒナ上等っ!わたくしの体を通り過ぎる全ての物は“
能力が分からないことには不用意におっぱいを揉めないので、落ちていた海兵さんを投げつける。すると海兵さんはヒナさんの体を通り抜け、黒い枷のようなものが取り付けられていた。つまりは、自身の体を通り抜けたものを拘束する能力。サイズや威力に制限があるのか分からないけど、攻撃が通らないって意味では自然系に近い能力か。ここに来るとき、あの枷を檻みたいにして飛ばしてきてたし、ある程度の遠距離にも対応可能。応用の効く良い能力だし……なんか、そのー、やましい気持ちは一切ない純粋な利用方法の想定として、夜に色々楽しめそうな能力で大変よろしいと思います。
「枷の重量はそこそこかな」
枷が檻のように広がって展開されるのを躱しつつ、枷のついた海兵さんを拾い上げてみると見た目より重たい。枷は鉄くらいの重量とみていいだろう。この重量を自在に変えられるかは不明だけど、私に使おうとした上でこの枷ということは、現状のヒナさんでは操作不可な領域と判断できる。よって、枷をされることは、そう怖くない。それさえ分かれば検証2だ。
「これならどうかしらっ!」
展開した檻に紛れ込んでヒナさん自身が特攻を仕掛けてくる。まあ、視覚的には檻に隠れてはいるけど、見聞色の使い手を騙すにはもう少し工夫が必要かな。自身の体を通り抜けさせるという発動条件故か、ラリアットのように腕を振ってきたので、覇気を纏った上で掴むと、すり抜けることはなかった。検証終了。覇気を纏えば揉み放題ですね。ありがとうございます。
「ひゃ!?」
ヒナさんの後ろに瞬時に回って、その我儘なおっぱいを鷲掴みにする!手で覆い切れない程に膨らんだそれは、柔らかくも張りがあり、弾むように手の中で押し返してくる。これだよ、これ!これが私を強くするんだよ!最高だよ!
「んっ!?何をするのよ!!」
胸元をざっくり開けていたので、ここから手を入れて下さいってことかと思って、入れてみたのだけど、全身から檻を放出されたので流石に距離を取る。いやー、初めて外海の女性のおっぱいを揉んでしまった。この出会いに感謝したい。
アマゾン・リリーだと、ほぼ閉鎖された国だし、全員知り合いみたいな感じで出会いのワクワク感はあんまりなかった。外海に出るということは、こうしてまだ見ぬ美少女・美人に出会えるってことなんだと、改めて実感してワクワクが止まらない。これが冒険心ってやつか。
「まだ続けます?私は良いですよ?朝まででも付き合っちゃいます♡」
「ふざけないで!ヒナ不快!!」
表情は強気でこちらを睨んでいるのに、赤らんだ頬を隠し切れてないの可愛すぎる。意外と初心とかギャップを見せてくるの誘い過ぎじゃありません?私にも我慢の限界というものがありましてねぇ。能力も看破したから、簡単に押し倒せるのに我慢しているのが焦らされてるような気がしてやばい。何かに目覚めそう。
「ヒナ!これ以上手を出すな!」
私が欲望を抑えるのに必死になっていると中将さんが割り込んできた。その手にはかなり大きい麻袋があり、賞金が入っているものと思われる。思ってたより弱かったから心配だったけど、本当に億超えだったぽいね。もしかして外海って私が思っているよりちょろい?こんなんでお金いっぱい貰えるとか楽すぎない?
「本部に手配書を確認させたがこの者は海賊じゃない」
疑いが晴れたっぽいので胸を張って無罪をアピールする。
実は一回だけ九蛇海賊団の海賊船に乗ったことがあるけど、私、その一回で船員に手を出しまくって選抜から外されたし、石になってたからもう十数年前の話だし時効だよね。そんなんだから手配書なんてあるわけもなく、私は潔白!
「ですがこの者はスペード海賊団と関係があるのは明らかです」
「遭難から助けてもらって、ローグタウンまで送ってくれるって言うから乗ってただけで、私、全然関係ありませーん」
真実しか言ってないのに私でも嘘っぽいと思うし、ヒナさんの疑惑は深まるばかりだ。手配書がないから海賊じゃないってわけでもないしね。どうしようかなーっと頭を捻っていると、中将さんから意外な提案がされる。
「ローグタウンへは我々が送りましょう。
これはヒナさんだけじゃなく、この中将さんにも疑われてるね。海賊かどうかというより、海軍に敵対する意思があるかどうかってところか。送るのも監視ってことなんだろうけど、私としては別に海軍と積極的に敵対する気はないし、この提案はありかな。
「ヒナ、この方の護送は任せる。疑いがあるならば、その間に解決しろ。貴女もそれでよろしいですか」
「全くもってオールオッケーです!」
ヒナさんがついてくれるとか、中将さん有能過ぎです、本当にありがとうございます!送ってくれるって言ってくれたエースには悪いけど、私は海軍に寝返りますわ。美人と船旅とかこれはもう仕方ないよね。とはいえ、何の恩返しもしないと言うのも気が引ける。恩人だし、楽しくお話して親切にしてくれたエースは勝手に友達って思ってるし。
私は前に作っておいたビブルカードを取り出してそこに簡単な手紙を書く。ビブルカードっていうのは、前に書物で読んで作ってみたんだけど、制作時に素材として使用した爪や髪の持ち主の方角へ動く性質があるので、私までの道標になる不思議紙だ。
そのビブルカードに、なんかピンチになったら助けるよ的なことを書いておいたから、まあ、困ったらこれを辿って私のとこまで来てほしい。私に出来ることとなると、恋愛相談か戦闘しかないけど、どーんと任せなさい。
書き終えた手紙はこっそりナイフに括り付けて、スペード海賊団の船まで投げておいた。さて、これで後腐れなくヒナさんとの船旅を楽しめる。
「ヒナさん、よろしくお願いしますね」
握手しようとしたら拒否されました。セラ、不満。