覇道のドラマトゥルク   作:Okubo Masau

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自身の大舞台本番が近づく日々の中でも、オペラオーは自らの先輩、あるいは後輩ウマ娘たちの走りを欠かさず目に焼き付け続けている。安田記念へ出走したキングヘイロー、そして名古屋優駿へ出走したアグネスデジタル。それぞれの走りが、オペラオーにも多少なりと影響を及ぼしていた。


覇王の喉元へ 勇者の刃は未だ遠く

 6月。いよいよ月末に迫る宝塚記念を前に、オペラオーにはいよいよ戦友たちと交流している暇など無くなっていった。

 

 が、それでも彼女がトレーニングの合間に観戦を希望したレースがあった。6月4日、安田記念。オペラオーがトレセン学園に入って最初に知り合った黄金世代の一角、キングヘイローが出走するのである。

 

 長き苦節を経て、高松宮記念でついに栄冠をつかみ取ったキングヘイロー。が、先月の京王杯では惨敗を喫している。オペラオーとしては、名に王を冠する者が再び大舞台で返り咲く瞬間を目にしたい一心であったのだろう。

 

 例によって休憩のタイミングを合わせたオペラオーは、今回は独りきりでディスプレイの前に陣取っている。中継画面内でキングヘイローが披露している走りは、無冠のままに駆け続けてきたとは思えぬほど、王者に相応しい力強さを存分に見せつけていた。

 

〈あと800を通過!先頭はエイシンルーデンスがたちまして、外からジワリと差を詰めるダイワカーリアン、マイネルマックス三番手に進出、そして1バ身差、外をついて……キングヘイロー!キングヘイローが四番手!4コーナーを回っていきます!さらに外をスティンガーが上がってくる!〉

 

「行ける!さすがだ!輝いているよ、キングヘイロー先輩!」

 

「……。」

 

 いつも通り無駄に響く声で声援を画面の向こうへと送るオペラオーの傍らで、鷹木は固唾を飲んでレース展開を見守っている。自分の担当ウマ娘が出走しないにせよ、レース本番の観戦は幾度繰り返しても極度の緊張感から解放されることはない。

 

 まさにゴール前の直線へ向こうとしている集団の中、キングヘイローは考え得る限り最良の形で抜け出していた。

 

 この時点での先頭は逃げウマ娘たちによって占められていたものの、今まで見てきた通りこの時点で背後集団に飲まれていては勝ち目は薄い。キングヘイローは大外に膨らみすぎず、前を塞がれもせず、何者にもスパートを邪魔されぬ位置を取っていた。

 

 警戒すべきはサンデーサイレンス血統のスティンガーあたりであった。残るは直線に向いた直後の坂を上り切り、ゴール前まで先頭をキングヘイローが守り切るか否かの勝負と思われた。

 

〈直線コースへと入りました!さぁ前の争いですが、ここで先頭はダイワカーリアン、さらにはマイネルマックス!外からはキングヘイロー!そしてスティンガー!さらに外からはフェアリーキングプローン、さらにはシンボリインディ、後ろからディクタットも上がって来た!さぁ前は横に広がって200を切った!〉

 

 最終直線の坂を上り切ってからの加速も、キングヘイローは十分であった。すぐ後ろにつけているスティンガーから追い抜かれない分には。

 

 コース内側を走っていたウマ娘たちをキングヘイローが抜き去った時、既に大外から上がってきていたのはフェアリーキングプローンである。レース中盤まで後方に居た選手、そして人気度も10位と目立たぬウマ娘が、ここで一気に先頭へと迫り来ていたのであった。

 

 あっという間に自分を追い越した相手に対し、引き剥がされまいと食いついていったのはキングヘイローの意地の為せる業に他ならなかったであろう。

 

〈さぁ先頭は外から、フェアリーキングプローン!内からはキングヘイローが伸びてきた!キングヘイロー、まだまだ粘っている!外からは更にディクタットが突っ込んできた!フェアリーキングプローン、一着でゴールイン!勝ちましたはフェアリーキングプローン!〉

 

 結局、更に後方から突っ込んできたディクタットにも追い越され、キングヘイローは三着であった。

 

 一着、二着がそれぞれ10番人気、6番人気という、大方の予想を裏切る結末。1番人気のスティンガーには競り勝っていたキングヘイローは、二度目の栄冠を大外から飛んできた刺客に奪われたのであった。

 

 いつも響いてくるオペラオーの拍手が来ないと思って彼女の方を見た鷹木は、無言のままに突き出されている拳を目にする。

 

 同じく、画面内のキングヘイローも拳を突き出して芝の上に立っている。

 

 おそらくキングヘイローとしてはレース場に詰めかけたファンたちへ向けてのパフォーマンスであったろうが、自分がキングヘイローと息が合ったかのような振る舞いを確かめられたオペラオーは満足げに練習へと戻っていった。

 

 とはいえ翌日、彼女は早くもキングヘイロー自身による訪問を受けることとなったわけであるが。

 

「宝塚の舞台へ上がる支度はいかがかしら?傲岸なる覇王さん。」

 

「いつだって万全さ!キングが玉座に上がる支度と同じくね!」

 

「すなわち引きずり降ろされる覚悟も出来ているということね!おーっほっほっほ!」

 

「この世紀末覇王を破る勇者が現れるのならば大歓迎さ!はーっはっはっは!」

 

「おぉーっほっほっほ!!」

 

「はぁーっはっはっは!!」

 

 このやたらと喧しい挨拶のやり取りも久々である。オペラオーが声を上げるよりも先に、その高笑いを響かせる数少ないウマ娘がキングヘイローであった。

 

 鷹木も常に掴めぬオペラオーのメンタルにいくばくかのプラスとなり得るのならば、と考えて彼女らの喉が声を迸らせるに任せていたが、やはりこちらの鼓膜にダメージを与える声量の応酬からは彼も自然と距離を取っていた。

 

「ときにキング先輩、本日はいかなる御用かな?王者同士の決闘ならば、いつでも受けて立つよ!」

 

「あら、挑戦状を差し出すのはあなたの側じゃなくって?」

 

「おぉ、その通りだね!さすがはキング、玉座に構えた姿はやはりお似合いだ!」

 

「戯れはこの辺にしておいて、そろそろトレーニングに戻らなくていいの?ほら、担当トレーナーさんが待っているわ。」

 

 放っておけば延々と続くかとも思われるオペラオーとの小芝居も、自ら早々に打ち切って練習の邪魔をせぬよう配慮するあたり、キングヘイローというウマ娘の気配りの良さを示していた。

 

 間もなく練習用コースの芝を踏んで走り始めた彼女の姿を、タイム計測を行っている鷹木の傍らに立って見つめているキングヘイロー。

 

 他の黄金世代ウマ娘と比して近寄り易いような印象を鷹木は勝手ながら抱いていたが、こうして至近距離にまで実際に近づかれれば、確かに大舞台での激戦を幾度もくぐり抜けた歴戦の猛者としての風格は感じられた。

 

「あの子は、激烈に強いわね。」

 

「あぁ。」

 

 先ほどまではあくまでも王の名を冠する者同士、強気のやり取りをしていたキングヘイロー。しかし、ここに来てボソッと呟かれた彼女の一言は鷹木も即座に肯じていた。

 

 その相槌が、幾分か他人事であるかのような響きを含んでしまうほど、鷹木というトレーナーの御せる範疇からほとんどオペラオーは抜け出しているのだ。そして、今後はいよいよ彼女自身の脚のみがたどり着き得る領分へと翔っていくであろう。

 

 指導中に彼女が体得しただろうとトレーナー目線で判断できる能力を、更に幾回りも凌駕して会得しているのがテイエムオペラオーというウマ娘であった。

 

「アイツの勝ったレース映像は今見返しても、どうしてあんな強い走りが出来たのか分からない。こちらが律儀に記録しているトレーニング成果のメモは、本番を前にすべての価値を失うんだ。」

 

「トレーナーとしては頼りない事この上ないけれど、あなたは正直ね。」

 

 キングヘイローの声がこちらを向いたのを感じながら、鷹木はタイム計測を続けているタブレット画面を凝視し続けていた。

 

 トレーナーとして取るべき責務の最中であったこともあるが、普段からそう頻繁に交流のあるわけでは無い相手に対してここまで偽らぬ本音を露わにしたことが、今になって頓狂な行為であるようにも感じ始めていたのである。

 

 それが、キングヘイローという存在によって自然と開かされた胸中であったのかもしれない。彼女の声や眼差しは、こちらの警戒心を解き、信頼を委ねるに相応しい相手として知覚させる、まさに王のごとき度量を示すものであった。

 

「GⅠの本番で勝てるウマ娘なんて、たいていそういうものじゃない?スペだって、ちょくちょく食べ過ぎては太り気味になったままレースに出て、普通はあんな子が最強格になるだなんて誰も思わないわ。」

 

「たしかに……トレーナーの思い通りに走ってくれなかったレースで、勝利を逃すとは限らないってのは散々に経験した。」

 

「それでも、担当を続けるのがトレーナーという仕事よね。きっとあなたのように愚直な人に出会えたのは、オペラオーにとって大きなプラスになったはずよ。」

 

 今度は鷹木も顔を上げてキングヘイローに面と向かって目を合わせる。凛と澄んだ瞳は彼女の血統の良さを示すように美しく、同時にキングヘイロー自身の生来の持ち味であろう面倒見の良さを浮かべた口元が心強く笑んでいた。

 

 彼女から太鼓判を押されれば、何事も乗り切れる。そんな自信が自然と湧き上がってくる、不思議な魅力を備えた笑顔であった。

 

「……キングヘイローさん、実はトレーナーに向いているのかも。」

 

「へ?私が?」

 

「あぁ。この俺にこんだけ自信を抱かせているんだ。これからGⅠを目指そうとするウマ娘たちにとっては、この上なく心強い指導者となれるんじゃないか?」

 

「そうかしら。現役のトレーナーさんからお墨付きを頂いたのは嬉しいけれど、今は私自身が勝つことに専念したいわね。」

 

 きっと彼女が後進のウマ娘たちの指導に入れば、きっと自分などよりも遥かに有能なトレーナーとなるのではなかろうか。そう考える鷹木はやはり躊躇うことなく本心を口にしていたが、当のキングヘイローの眼差しからは勝利への熱意が消える気配もなかった。

 

「それに、約束したからね。私は、テイエムオペラオーと必ず一戦交えるってこと。」

 

「あ……あぁ、そういえば……」

 

「忘れてたの?王の付き人を任ぜられたのなら、交わされる言葉は一言一句正確に記憶しておきなさいな。」

 

 少々おどけた口調になったキングヘイローは、その顔を見ずとも語調から笑顔が伝わってくるようだった。

 

「それに、あの子のことも気になっているの。オペラオーの後輩の……」

 

「エアシャカールか?」

 

「シャカールさんも確かに強いけれど、えっと……そう、アグネスデジタルさん。きっとあの子、いずれ頂点に昇り詰めるわ。」

 

「ほ、本当に……?」

 

 鷹木の眼からは、シャカールと比べてやはり戦績では劣っているように見えるアグネスデジタル。GⅠに出走できていることは確かに優駿の証の一つではあったものの、やはりダートと芝の双方で活躍したいという目標の達成には遠いように思われた。

 

 今月は、間もなく迫る名古屋優駿への出走が控えている彼女。オペラオーのもとにも顔を出さなくなったのは、今はダートコースでの練習に専念する必要があるためであろう。

 

 そんなアグネスデジタルが、エアシャカールを差し置いて頂点に昇り詰めるという予測は俄かには飲み込みがたいものであったが、キングヘイローの口からそれを告げられれば説得力が伴うのもまた事実であった。

 

 かつてはアドマイヤベガ、ナリタトップロードの影に隠れて目立たなかったメイショウドトウが、今年になって最もオペラオーの背を脅かす存在へと成長を遂げている現状もまた、それを後押ししたのである。

 

「えぇ、走っている時の目を見れば分かるわ。あの子、本気で先頭へ食らいつこうとしているんだもの。いくら負け続けてもその輝きを失わないのは、王者の強さよ。」

 

「なるほど……」

 

 今までのアグネスデジタルを見てきた鷹木としては、彼女の目の輝きには多分に別種の憧憬が含まれているであろうことも憶測に入れるところであった。が、自信満々に言い切るキングヘイローの口ぶりを、やはり遮ったり否んだりすることは難しかった。

 

 やがて6月14日、アグネスデジタルは名古屋レース場へと向かう。翌々週にはオペラオーが大舞台を迎える初夏の良く晴れた日であった。

 

 東海ダービーとの別称もあるこのレースは地方トレセン学園によって主催される舞台でもあり、中央トレセン学園から参戦したウマ娘はアグネスデジタルとマイネルコンバットの二名のみ。人気順は地元での名声を得たウマ娘が1番を取ったものの、この両名によって栄冠は奪い合われるものと大方が予想していた。

 

 スタート直前、デジタルは今までになく落ち着いている自分に気づいていた。

 

 先月、GⅠレースに出走したのみでは満足できないこと、やはり勝つことへの執着は自分の中にもあることを確かめた彼女からは、勝利に専念する以外の雑念が削ぎ落されつつあったのである。

 

〈態勢完了……スタートしました!12名きれいに揃ったスタートを見せています、まずは最初の向こう正面、先行争いに移ります。ウチからミサキサンデー、しかし外からレギュラーメンバー、先頭に立っていきます、1バ身半のリード。ミサキサンデーを交わして二番手についたのはケイオーデビル、そしてそのそと半バ身差、アグネスデジタルが三番手につけています。〉

 

 一周が1100mと、かなり短いことが特徴である名古屋レース場のダートコース。1900mのレースであってもコースを一周半以上することになり、短い直線以外はほとんどコーナーを回っているような状況が続く。

 

 必然的に内側へ入った方がコーナーでのスタミナ消費も少なく、大外から差しや追い込みを仕掛けるタイミングの難しさゆえ、逃げや先行の策が有利となる。アグネスデジタルもそのセオリーに沿って、三番手の位置につけていた。

 

〈1周目の4コーナーをカーブして、これからメインスタンド前です。先頭は変わらずレギュラーメンバー、リードを2バ身と広げています。二番手ケイオーデビル、三番手アグネスデジタルここも変わらず。中団先頭にはブラウンシャトレー、その外からマイネルコンバットが五番手で続いています。一気に直線を駆け抜けて、これより1コーナーへと入ってまいります。〉

 

 名古屋優駿の中継を流しているディスプレイ前に、今しがた走り込みを終えたばかりのテイエムオペラオーが汗を拭きながら駆け寄ってくる。

 

 もう再来週には宝塚記念への出走が控えている彼女にはノンビリしている余裕などなかったが、それでも僅かの休憩時間を割いてでも後輩ウマ娘の走りを見たがったのである。

 

「あぁ、美しい走りだよ、デジタル!このコーナーを回り切った向こう正面から、徐々に勝負所へと近づいていく!見せ場に向けて蓄えられているキミの輝きが、もうじき披露されるんだね!」

 

「今見始めたばかりで、どんな展開になっているのか分かるのか?」

 

「もちろん!名古屋優駿の発走は15時40分だ、これはレース開始から1分といったところだろう?」

 

 つい先ほどまで呼吸の限界まで走りこみによって自らを追い込んでいたオペラオーの頭の中に、それほど緻密な推察があることを知った鷹木は改めて舌を巻く思いであった。トレーニング中に自分以外の選手のことを考えている集中力の無さなど、今さら謗りようもなかった。

 

〈さぁ二度目の向こう正面を駆け抜けて、これから3コーナーへと向かおうというところ!レギュラーメンバー先頭です、しかし外からはケイオーデビル、アグネスデジタルが並んできた!一気にかわしていきます、アグネスデジタル!さらに大外からはマイネルコンバットも上がって来た!内はブラウンシャトレーも続こうとするところですが、さぁ3,4コーナーの中間点、早くもアグネスデジタル、そしてマイネルコンバットが抜け出した!〉

 

 名古屋優駿のゴール前、最終直線は194m。あらゆるウマ娘レースの中でも、最も短いことで知られているこのコースにおいては、二周目の3コーナーで勝敗が決する。

 

 この時点で抜きんでていたのは、やはり中央トレセン学園に在籍しているアグネスデジタルとマイネルコンバットの両名であった。地方トレセン所属の選手たちも懸命に追いすがるが、距離はみるみる離されていく。

 

 やはり、URAのウマ娘は、中央に所属できているという時点で別格なのだ。

 

 そして、そんな彼女たちでさえ、GⅠの舞台では怪物たちによってはるか後方に引き離される。絶望的な遠さを自覚しながらも頂点を目指し続けるウマ娘たちの世界の過酷さを、逆説的に示すような光景であった。

 

〈さぁ4コーナーを回って直線コースへ向かおうとするところ!東海ダービーの最終直線は日本一短いぞ!中央トレセン学園の二名!アグネスデジタル!マイネルコンバット!圧倒的だ!三番手までの差は、なんと6バ身!縮まらない!アグネスデジタルがもう一度突き放した!マイネルコンバット懸命に食らいつく!〉

 

「本気だね、デジタル!何も恐れることは無い、キミは強く、そして美しい!」

 

 オペラオー流の声援が中継画面を響かせ震わせている傍ら、同じ画面越しに鷹木はデジタルの顔に今まで見たことのない表情が浮かぶのを目にしていた。デジタル自身も、その感情を生々しく抱くことは初めてだったろう。

 

 なんとなくではなく、なんとしてでも勝ちたいという一念。

 

〈アグネスデジタル先頭!2バ身のリード!二番手にはマイネルコンバット!アグネスデジタル、先頭は譲らない!アグネスデジタル、今一着でゴールイン!勝ちましたアグネスデジタル!快勝です!3コーナーから追いすがるマイネルコンバットをも突き離し、彼女の独壇場となりました、アグネスデジタル!〉

 

 アグネスデジタルとマイネルコンバットが通過した後、しばらく経ってから三着以降のウマ娘たちがゴールしてくる様が画面上には映っている。

 

 よく響く拍手の音を響かせながら画面の前から去り、オペラオーは練習コースへと戻っていく。彼女のトレーニングを見続けなければならない鷹木も遅れずついて行くが、中継画面を消す直前、カメラがとらえたアグネスデジタルの表情はどこか彼の心に引っ掛かった。

 

 常に明るく、はしゃぎすぎるほどに眩しい彼女の表情は、その輝度を多少翳らせていたようにも思われたのである。

 

 たしかにその頬は上気し、勝利の興奮に瞳は輝いていたが、それは彼女がアグネスデジタルではなくともウマ娘ならば一様に覚える興奮によるものであろう。

 

 この時点でデジタル自身が胸中に何らかの違和を抱いていることは伝わってきたが、その正体までは担当トレーナーでない鷹木の推し量り得る所になかった。

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