夕暮れの練習コースを、アグネスデジタルはひたむきに走っていた。
練習の距離設定を忘れていたことに気づいたのは、コースを丸ごと一周し、息が切れ始めた頃である。
それでも彼女は、目の前についぞ現れることのないゴールラインに向かうように足を動かし続け……やがて、いよいよスタミナの限界を迎え、歩調を緩めた。いままで2000mよりも長く走ったことのないアグネスデジタルは、それ以上脚が上がらなくなっていた。
つい先ほど画面越しに目の当たりにした天皇賞の3200mには、遠く及ばない地点。
「シャカールちゃんは、走り切ったのに。」
春の天皇賞の中継を見終えるや否や、自分の胸の奥から沸き上がってくる強大な感情に衝き動かされるかのごとく、練習場へと飛び出したアグネスデジタル。
息を整え終えて、初めて口にした言葉がそれであった。
「オペラオー先輩に勝つ、どころじゃありませんね……私。」
もちろん、2年ぶりに本番の舞台へ姿を現したセイウンスカイと、未だに無敗伝説を続行しているテイエムオペラオーの壮絶な先頭争いは、アグネスデジタルの心のど真ん中に刻まれている。
自分の同期のウマ娘がそのレースに姿を見せていなければ、彼女はいつも通りに大興奮の極致に達し、鼻血を噴出して倒れていたかもしれない。
……が、先頭争いには加われていなかったものの、そこには錚々たる先輩ウマ娘たちと共に走っていたエアシャカールの姿があった。彼女の姿を見るにつけても、アグネスデジタルは名勝負を目の当たりにしたことを手放しに嬉しがることは出来なかった。
エアシャカールのみならず、後輩にあたるアドマイヤボスまでもが天皇賞に出走している。
今の自分では、参戦できること自体が夢のような、その舞台に。
「私のシニア級は……このまま終わっちゃうんでしょうか?」
誰に対してでもなく、だだっ広い練習場の真ん中で、独りぼっちのアグネスデジタルは問いかける。
無名のまま、終わるというわけではない。
ダートと芝の両方で走るという方針通りにレースへ出走し続け、昨年はついにGⅠ、マイルチャンピオンシップにて一着という快挙を成し遂げているアグネスデジタル。
中央トレセン学園に入学したウマ娘たちの、その大部分が世間に名を知られることなく引退へ至るのを思えば、十分にURAの歴史にその名を刻んだウマ娘になっていることは間違いなかった。
ただ、アグネスデジタルは、たった今自身に対して掛けた問いかけへ、即座に返答できる自分が居ることに気づいた。
「……いや!終わらせません!これだけキラキラした先輩や、同期や、後輩のウマ娘に囲まれてるんです!諦めるワケないでしょうが!」
翌日、エアシャカールの練習場へと押しかけていたアグネスデジタルは、トレーニングの休憩時間であったエアシャカールへむけて自身の意気込みのほどを熱弁していた。
「で、なんでまたオレのところに来んだよ。」
天皇賞での熱走の次の日ということもあって、脚を休める時間を比較的長めに取りながらの練習を行っていたエアシャカール。
今度こそ、かの世紀末覇王を討伐せんと意気込んだレースで八着という結果は、彼女の表情を多少険しく染めたままではあった。が、この無駄に明るく朗らかな同期ウマ娘の訪問が、その険しい感情を僅かながらに溶かしつつあることにも気づいていた。
「やっぱ、シャカールちゃんにも以前言われた通り、いい加減に私も専属のトレーナーさんに見てもらわなきゃと思いまして。」
「今さらかよ。」
「それがなかなか見つからなかったんですよ、つい先日、ようやく理事長さんから一つ提案があったばかりですし。」
GⅠレースで一着を獲る実力を有するアグネスデジタルの存在を、もちろんトレセン学園の側も放置していたわけではない。
彼女自身が専属トレーナーの指導を要請する以前から、アグネスデジタルの方針にピタリと合う指導が可能なトレーナーの模索は続けられていた。
とはいえ、そもそもがダートと芝の両方で走り続けるというウマ娘自体が前代未聞であったし……それに何よりも、アグネスデジタルが毎度のレースで用いる作戦が、あまりにバラバラであることもトレーナー選びを困難にしていた。
先日、秋川理事長の前へと直々に呼び出されたアグネスデジタルも、その旨を聞かされて意外には感じなかった。
「通達ッ!我々も手を尽くし、デジタル君の方針に合致するトレーナーを探してはいるが、中々に見つからん!ある時はほとんど逃げ!ある時は追い込み!ダートも走れば、芝も走る!キミのような変態……もとい、変則的な走りを見せるウマ娘は、空前絶後ゆえ!」
「で、ですよね……一応、レースに応じて、そういう走りになった理由はちゃんとあるんですが。」
例えば一着を獲ったマイルチャンピオンシップ、それまで先行寄りの走りが多かった彼女が打って変わって後方からの追い込みとなったのは、可能な限りスタミナ消費を減らすべくコース取りを行った結果である。
レース本番の日を迎えるまで、アグネスデジタルの走り方は定まらない。
自分の指導が担当ウマ娘の実績に直結することとなるトレーナーにとっては、最も相手しにくいウマ娘であったろう。
「提案ッ!ならば担当にあらずとも、キミの走りを以前から見ているトレーナーこそ、それを判断する材料を得ているのではないか?」
「なるほど……」
担当トレーナーではなかったとしても、アグネスデジタルの走りは並走練習を行う相手ウマ娘のトレーナーがしばしば見ていることになる。
彼らならば、アグネスデジタルに対してアドバイスを行う上で、必要な判断材料をそれなりに有していると言えよう。
今回、エアシャカールのもとにアグネスデジタルが訪れたのはそういった経緯があった。当然ながら、エアシャカールとも並走練習の回数は重ねているアグネスデジタル。
エアシャカールの担当トレーナーは、トレセン学園どころかURA界でその名を知らぬ者はいない老将、結城トレーナーである。
しかし、このレジェンドトレーナーの指導方法は、癖がある云々どころの騒ぎではなかった。
「とりあえず、オレのいつも通りのトレーニングを、見学出来たらいいんだな?」
「はい!シャカールちゃんのことを、結城トレーナーがどのように指導なさってるのか、見させていただきます!」
休憩時間を予定通りに切り上げたエアシャカールは、スタスタとトレーナーの方へ歩いていく。
エアシャカールは置いてあったスポーツバッグからファイルを取り出し、彼女自身の手で書かれた練習メニューを取り出して、その一つを指さしながら結城トレーナーの方に向けた。
「トレーナー。次は、これ。」
「うん、どうぞ。」
結城トレーナーとの間に行われた会話はそれだけである。
再び、練習メニューをバッグの中に突っ込み、今度は小走りになって練習コースへ戻っていくエアシャカールを、アグネスデジタルは慌てて追いかけた。
「えっと……今のは?」
「次の練習内容の確認だ。」
「でも、あの練習メニュー、シャカールちゃんの字で書かれてましたけど。」
「前も言っただろ、自分で自分の弱点に気づけないウマ娘は、勝てない。結城トレーナーは、そういう方針だ。」
「た、確かに……」
すなわち、ウマ娘自身が己の走りを常に意識し、必要な練習メニューを自ら設定したものを、結城トレーナーは確認しているのみということだ。
その程度の指導で大丈夫なのか、と不安になるような内容ではあったが、しかし結城トレーナーの担当したウマ娘が確実に戦績を残しているのは確かである。なかなかオペラオーには勝ちきれていないエアシャカールも、既に皐月賞と菊花賞という二大レースで栄冠を手にしている。
立ち止まって考え込んでいるアグネスデジタルを残し、さっさと練習コースのスタート位置についたシャカールは走り始める。今年も数々の大舞台で客席を沸かせるのであろう、その美しいフォームに、しばしデジタルも魅入っていた。
「シャカールちゃんが強いのは、事実ですからね……。」
とはいえ、かなり高度な自己分析力、および優れた地の能力が備わっているウマ娘であることが前提の指導方法ではある。ウマ娘たちは、あのレジェンドトレーナーに認められたという心強い裏付けを元に、自身にとって最適なトレーニングへ打ち込めるというわけだ。
今まで我流で進んできたうえで壁にぶつかっているアグネスデジタルは、どちらかというと自分のやり方に訂正を入れてくれる存在が欲しかった。
「ちょっと、私にはハードルの高い世界かも、ですね。」
一応はエアシャカールが設定距離を走り終えるまで見学してから別れを告げ、シャカールから素っ気ない返事だけを背にアグネスデジタルは次なるトレーナーの元へ向かった。
鷹木トレーナーの所へ訪れたアグネスデジタルを、当然のごとくオペラオーの歌声が迎え入れる。
「あぁ!来てくれたんだね、アグネスデジタル!だが、ボクはもう十分休息を取った!もう行かねばならないんだ!はやく立ち去らねば!」
「ひょぁあ!?どこに行かれると仰るんですか、オペラオー先輩!」
オペラオーなりに、休憩時間がちょうど終わったばかりであると伝えたかったらしい。
仰々しい言い回しと振り付けで、ゆっくりゆっくりと休憩場所から離れていくオペラオーに向けて、ため息交じりに鷹木が告げる。
「いや、少し話す時間ぐらいあげるから……というか、俺がどうこう言っても止まるお前じゃないだろ。」
「おぉ、許しが出たぞ!ならば夜を徹し、語り明かそう!誰も寝てはならぬ!はーっはっはっは!」
「ひょぉおう!オペラオー先輩と徹夜でお喋り!最高ですねぇ!」
「極端なんだよ。」
テイエムオペラオーとその担当トレーナー……というよりも、世紀末覇王と付き人という風体のコンビであった。
鷹木トレーナーにも、アグネスデジタルは自分の走りをよく見せていた。当然ながら、テイエムオペラオーと並走練習した回数はかなりのものに上っているためだ。
オペラオーとのやり取りにデジタル自身が夢中になってしまったためもあったが、ともかく脱線から話題を引き戻した彼女は、自分が新たなトレーナーを探している旨を伝えた。鷹木が見せたのは、困惑の反応だったが。
「えっ、でも……同じレースで競い合う可能性があるウマ娘を、トレーナーが両方見ていいのか?」
「結城トレーナーは、アドマイヤベガ先輩とシャカールちゃんを同時に指導されてますよ。」
「いや、あの人は別格だし。」
結城トレーナーほどでなくとも、チームを任されるトレーナーであればこそ、同時に複数のウマ娘を指導することは許される。
鷹木が担当したテイエムオペラオーの戦績を鑑みれば、学園から許可が下りる可能性は現実的ではあったものの……今のところ、鷹木は単独ウマ娘しか指導することを許されないトレーナーであった。
オペラオーにとっては、興味を惹かぬ話題であったようだが。訝し気な表情を浮かべている鷹木に対し、お構いなしに告げる。
「はーっはっはっは!ともかく、ボクと鷹木のやり取りをお目に掛ければ良いんだね!」
「はい!ともかく、そういうことです!」
「さぁ、鷹木!いつも通りのトレーニング指導を頼むよ!さぁ!」
「や、やりづらいんだが……」
アグネスデジタルからもじっと見つめられる中、鷹木はいつも携行しているタブレット端末の画面を操作している。
自らの経験不足を、可能な限りデータによって補おうとする彼らしく、口にする言葉はほとんどがデータベースを頼りにした内容ばかりであった。
「次の宝塚記念だが、去年と同じ走りを見せれば確実にマークやブロックが集中することになるだろう。スタート地点から下り坂の直線が続くこともあって、前半にスピードを出しやすい先行の位置はそもそもが激戦区だ。お前はそこを避けて、追い込み寄りの走りを選択すべきだ。雨の降りやすい時期でもあるし、重めのコースで練習する回数も増やしたい。」
「うん、うん!宝塚の舞台が、このボクのために花道を照らす様、ありありと浮かんでくるようだよ!」
「俺の話、聞いてたか?」
不服そうな鷹木を背に、オリジナルの歌を口ずさみながら軽やかなステップとともに練習コースへ向かうテイエムオペラオー。
彼女を共に見送りながら、アグネスデジタルは口を開く。
「でも、オペラオー先輩は、しっかりとトレーナーさんの言葉に耳を傾けてましたね。」
「あぁ、聞いてくれてはいるんだが……聞き入れてもらえてるかどうかは、別なんだ。」
「やっぱり、オペラオー先輩流の走り方になるってことですか?」
「こっちが言った作戦を、取り入れてくれることもある。覇王に採用してもらえる作戦を、どうにか献策しようと頭を捻ってばかりだ。」
「なるほど……。」
鷹木トレーナーは確かに指導に対して真摯に取り組んでおり、担当ウマ娘を思う気持ちは誰よりも強いのだろう。
しかし……アグネスデジタルは直接口にしなかったが、これはオペラオー先輩の類稀なる天賦の才能が半分以上、いや八割がた占めているのではなかろうかと感じていた。
「あの、本日は見学させていただいてありがとうございます。今後、担当トレーナーさんを選ぶための参考にさせていただきますね。」
「えっ、あっ、もう行くのか?……どうも……。」
足繁くテイエムオペラオーの練習場に通っていた経験もあり、担当トレーナーとそこそこに気心知れた関係になっていたことも、アグネスデジタルの挨拶を簡素にしていたのだろう。
少なくとも、鷹木はそう自分に言い聞かせていた。
続いてアグネスデジタルが訪れたのは、メイショウドトウの練習場である。
心根優しく、同時にいつも自信なさげな態度が特徴でもあるドトウ。そんな彼女を、押しも押されもせぬトップクラスのウマ娘、世紀末覇王に比肩する存在へと押し上げたのが片桐トレーナーである。
その経緯だけを聞けば最も頼りがいのありそうな片桐であったが、彼本人は首からトレーナーとしての肩書きを記した名札を下げていないかぎり、不審者に間違えられかねない風貌であった。
「ふぅん、ドトウのトレーニング風景を見学ですか?」
「いえ、あの、アポ無しですし、ご都合が悪ければ日を改めますので……」
アグネスデジタルが喋っている間も、無精髭に囲まれた口元で優しげに微笑みながら、目が笑っていない片桐トレーナー。
遠目に見れば不審者じみた彼は、近づいて見ればいよいよもって胡散臭さが倍増していた。
「いやいや、どうぞ好きに見ていってください。ドトウも、後輩から見られているとなれば張り合いが出るでしょう。」
「ありがとうございます!ドトウ先輩、よろしくです!」
「きっ、緊張しますぅ……」
あれほど、レース本番では堂々たる風体を見せつけていながら、やはりトレセン学園の中ではオドオドした調子のメイショウドトウ。
さすがに彼女も練習が開始されれば多少なりと引き締まった表情を見せていた。が、そこでトレーナーとの間にて交わされるやり取りは、中々に個性的なものであった。
練習コースを一周して戻って来たドトウに、片桐は雑な指示を出す。
「ほら、今のはアレでしょ。こないだ、ソレしない方が良いって言ったやつです。」
「そ、そうでしたぁ……。じゃあ、その点に気を付けまして……」
「んじゃ、もう一周。あの辺、意識してくださいね。」
指示代名詞まみれの会話を、ドトウと片桐トレーナーはスムーズに行い、ポカンとしているアグネスデジタルを脇に置いてメイショウドトウは再び練習用コースへと向かう。
走り始めたドトウの脚運びに、ジッと注がれる片桐トレーナーの目は真剣そのものであった。そんな彼の背後から、デジタルはおずおずと尋ねる。
「えっと、今のはどういった指導だったんでしょうか?」
「あー、具体的に言葉にする、ってなると難しいんですけどね。」
要するに、数年間にわたってやり取りを続けて来た間柄でのみ通じ合うニュアンスであったということだ。
常々より相手の顔色を窺うことを続けて来たメイショウドトウだからこそ、明確に言葉で指示されずとも、片桐の表情や口ぶりから意図を読み取ることが可能となっているのだろう。
「いい走りでしょう?」
メイショウドトウは練習用コースのコーナーを、見事なフォームで回っていくところであった。アグネスデジタルはすかさず頷く。
「はい!さすがはドトウ先輩です!」
「けどね、コレじゃオペラオーには勝てないんですよね。もっとアレしないと。」
自分にはドトウ先輩ほどの察し方は不可能だ、と判断したアグネスデジタルは早々に片桐トレーナーの元から退散した。
最後の頼みというほどではなかったが、ナリタトップロードの練習場にはどこか縋るような思いで行き着いたアグネスデジタル。
トップロードを指導している桂崎トレーナーは、担当ウマ娘に似て生真面目そうな男であった。鷹木や片桐よりも年齢は上であり、場数を踏んできただけの経験も備えていた。
忙しく、タブレット画面の操作やノートへの書き込みに専念している桂崎トレーナーに代わり、トップロードがアグネスデジタルを迎え入れる。
「やあ、デジタル。また、飛び込みでの並走希望かな?」
「いえ、本日は私、トレーナーさん探しで彷徨っておりまして。」
「あぁ……なるほど。」
ナリタトップロードでなくとも、アグネスデジタルが辿って来た軌跡を推測するのは容易であったろう。
普通のウマ娘には敷居の高すぎる結城トレーナー、真摯に付き合ってくれるがどこか頼りない鷹木トレーナー、勘の良い男ではあるが感覚的な伝え方ばかりの片桐トレーナー。
担当しているウマ娘たちに負けず劣らず、トレーナー陣も個性豊かな面々に違いなかった。
「トップロード、2000mでの先行ペースを書き直したから確認してくれ。」
「ありがと。……1分59秒目安って、飛ばしすぎじゃない?中山レース場の想定だったら、残り1000じゃなくて、残り800で仕掛けてさ……」
「だが、新しい世代のウマ娘たちも、どんどん上がってくる。お前をマークするつもりで来ていたら……」
残り距離に応じた速度、細かく区切られた区間ごとのタイムなど、びっしりと書き込まれたノートを覗き込みながら、ナリタトップロードと桂崎トレーナーは綿密に打ち合わせを続けている。
この人になら、とアグネスデジタルは考えた。
(この人になら、私の走り方の弱点も見つけてもらえるかもしれないです……!)
やがて定めたペース配分を完全に頭に叩き込んだのか、ナリタトップロードはスタスタと練習用コースのスタート位置へと移動する。
アグネスデジタルもまた、同時にトップロードと並んでスタート位置へ立とうとしていた。
「あの、桂崎トレーナー!」
「何だい?」
「いずれ今回だけと言わず、私、桂崎トレーナーに見ていただくことにするかもしれません!」
「じゃ、私のライバルが増えるわけだね。」
にっこり笑って告げるナリタトップロードに対し、アグネスデジタルが返す言葉を見つけるより早く、ゲートが開く音は鳴り響き、トップロードと共に彼女は駆け出したのであった。