蕃神   作:名無しの海

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小話4話でお送りします。


2-幕間或いは舞台裏 人類補完し隊ーず / 葦船家でぃな~み~てぃんぐ / エヴァパイロットは学業も怠ることは許されぬ / MAGIも3台寄れば姦しい2

人類補完し隊ーず

 

 「第6の使徒はコアの破壊により活動停止。使徒成体のサンプルとして解体処置、S2機関は資料として使用できる箇所をドイツ支部へ搬送の上、調査、修復を進めます」

 

 『生命の実、その獲得は必ず実現させねばならん』

 

 『左様。ベタニアベースにて封印している第4の使徒からの摘出はできぬ』

 

 『うむ。第4の使徒の用途は別にある』

 

 「すべてはSEELEのシナリオ通りに」

 

 その言葉と共に、薄明かりに照らされていた碇ゲンドウは姿を消した。

 後にはSOUND ONLYと表示された黒いモノリスが円を描くように残されている。

 

 『碇ゲンドウ……信用に足るか』

 

 『問題ない。確かに我々のシナリオと奴のシナリオは異なる。しかし奴のシナリオの通り進んだとしても我々の目的は果たされる』

 

 『左様。母なるリリスへ生命の実を捧げ、全ての魂を還るべき所へ』

 

 その言葉と共に黒いモノリスも消えて行く。

 後には01と04の数字を表示した黒いモノリスが残されていた。

 

 『そう、全ては偽りの世界から真実の世界への帰還の為に』

 

 『左様。全てのヒトの救済の為に』

 

 そして全てのモノリスが消えた。

 

 ■■■

 

 葦船家でぃな~み~てぃんぐ

 

 「さぁ、カイ君!今日はご家族との食事会の日よ!気合入れていくわよー!!」

 

 ミサトさんは目をぐるぐるさせながらそう言った。

 いやなんでミサトさんがそんな目をぐるぐるさせて正気削れた感じになってんのよ!

 

 「ミ、ミサトさん落ち着こ?食事会っつったって俺達2人はNERV本部の会議室だし、直接会うわけじゃないんだよ」

 

 そう、俺は基本的に第3新東京都市を離れるわけにはいかないし、家族もお気軽に来てもらっては困るので、定期的にTV通話しながら食事会をするって事が両親から俺が第3新東京都市に残る条件になっていたのだ。

 食事は母親からのリクエストで同じものを食べながら話がしたいと、指定された店のデリバリーを頼んでいる。

 

 「急な代打で心の準備が出来てないのよ」

 

 そっと目を逸らすミサトさん。

 本当だったら今日は冬月副司令が出席するはずだったけど、急な仕事ということでミサトさんが代打を務めることになったのだ。

 

 「まぁ、ほら、魑魅魍魎の巣窟ってわけじゃないんだから大丈夫っすよ。和気あいあいとお喋り楽しんでください。俺は黙ってるんで」

 「なんで!?そこは『俺に任せてください!』でしょ!!」

 「いや~俺も家族対応は得意じゃなんすよ~。養子だし弟はなんかすぐ突っかかるようになっちゃったし」

 

 弟も昔は懐いてくれてたはずなんだけどな?

 正直ミサトさんじゃなくてリツコさんだったら「ここは俺に任せてください(キリ)」とか間違えて言っちゃってたかもしれないけどミサトさんだしな。

 

 「とりあえず言っちゃいけない事を確認しときません?」

 「そ、そうね。うっかり口を滑らせて大目玉なんて御免だわ」

 

 カメラから映らない位置に設置したホワイトボードへ「絶対禁止!」とと書くと、注意すべきことを書き出していく。

 

・エヴァに関してはパイロットという事、シンジも一緒にいる事以外発言禁止

・食事してる会議室の場所を聞かれても、本部内という事しか言っちゃ駄目

・使徒関係は絶対はぐらかすこと(葦船家経由で知られてる可能性はあるけど絶対×)

・ビール許可が出てる事

 

 等々等々。

 

 「うっかり間違えそうでマジコワイ」

 「カイ君……本当に気を付けてよ」

 「ういっすがんばりまっす。まぁ、けど俺の家族も監視盗聴されてる前提でいてくれると思うし危ない質問とかはされないで和やかムードで終わるっしょ~」

 

 

 

 

 と思っていた時もありました。

 

 「ふへぇぇ疲れたぁぁぁぁあああ」

 「葦船本家からも人が来てるなんて聞いてないわよぉぉぉぉ」

 

 2人同時に机につっぷした。

 

 「ほんそれ。いきなり伯母さんが『あら、今日はNERV本部の副司令がカイ君の保護者として同席していただけると聞いたのだけど、まさか貴方が?』とか殴りかかってくるとは思わなんだ」

 「私もカチンと来てヒートアップしてしまったわ……」

 

 落ち着かせようとしたら2人同時に「カイ君は黙ってなさい!」と言われてしまったんだが。

 仲良しかな?

 

 「カイ君の弟が『兄さんがとうとう家族を捨てたのかと思った』って言い出した時は空気が凍ったわ」

 「美味しいはずのご飯は味がしなかったっす……心が痛い……」

 「早く帰ってシンちゃんが作ってくれたツマミで一杯やりたいわ……」

 「ほんそれ」

 

 ■■■

 

 エヴァパイロットは学業も怠ることは許されぬ

 

 訓練も終わってさっさと帰って夕飯作るか~今日はご飯当番っと~

 ルンルン気分で帰ろうとしたらリツコさんに「2人で会いたいのだけど時間あるかしら」と呼び出されて尻尾を振りながらついていったら行き先はリツコさんの研究室でした。

 

 中にはホワイトボードが置かれておりミサトさんの字ででかでかと「今日の〆はお勉強タイムよ~。レッツ成績アップ!」と書かれている。

 はめられたぁあああああああああああああ。

 

 「あーっと、お誘いいただき大変嬉しいのですが、今日は夕飯当番だからもう帰らないといけないんです」

 「あら、シンジ君が代わってくれてるってミサトからは聞いているわよ」

 

 隊長!

 逃げ道は塞がれていました!!

 

 「ひぃん」

 「情けない声ださないの!さ、座って。地理、歴史類が特に苦手なのかしら」

 「その辺り興味ないんでー」

 

 正解は「俺が今まで常識と認識していた所と異なる部分で混乱するので正直無理ー」ですね!

 あれ?どっちが正解だっけ?ってなるしな。

 

 「しかしなんでまたリツコさんがこんなことしてるんですか」

 「ミサトに泣きつかれてね。葦船の家、カイ君の伯母さんに『まさかNERVに預けたらカイ君の成績が落ちたなんてことにならないわよね』って言われて『優秀なスタッフがついてますから勿論カイ君の学業も問題ありませんわ~』とか言ったらしいじゃない」

 

 言ってた言ってた。

 伯母さんとのバトルでなんかいってたな~。

 

 「伯母さんも俺の成績下がった前提で言ってたけど、俺は元々おバカなだけなんですけどね~たはは」

 「勉強はある程度できないと大人になるまでも、大人になってからも困るわよ。仕事の合間に見て上げるから貴方も頑張りなさい」

 「へ~い」

 

 思わずやる気のない返事を返しながら椅子に座る。

 無理なんだよ。

 大人になんてなれねーだろ。

 

 補完なんてされたくない。

 戦自に火炎放射器で生きながら焼かれたくなんてない。

 量産機共に生きながら喰われたくなんてない。

 コア化した世界で苦しみながら生き延びたくなんてない。

 

 オレハソンナニツヨクナインダ

 

 シンジと一緒にいて希望をもってしまった。

 けど絶望がなくなるわけじゃないんだ。

 

 「やる気が無い返事ね。それじゃご褒美が必要かしら」

 

 リツコさんは、俺のために用意された机の上に腰掛けると眼鏡に片手を添えながら俺を見下ろしてくる。

 こ、これは女教師物?!

 大歓迎であります!!!!

 

 俺は自分の片手を、机に置かれたリツコさんの手に恐る恐る乗せる。

 リツコさんが動かないことを確認し指を絡ませると、リツコさんの指が俺の手の甲をそっとなぞってきた。

 これは、中学生の身体に刺激が強いかもしれん。

 それに監視が……いや、どこで何したって24時間丸裸なんだ。

 見たい奴には見せつけてやればいい!

 覚悟は決めた!

 俺はいつでも準備万端だ!

 

 「リツコさん!!」

 

 立ち上がってリツコさんの赤い唇に俺の唇を近づけようとするが、リツコさんは眼鏡から手を外すと、そっと俺の唇に人差指をあげると揶揄うように笑う。

 

 「成績上がったらデートしてあげてもいいわよ」

 

 その言葉に俺の戦意は塩を振ったナメクジのようにしおしおのしおだ。

 へなへなと椅子に座って机につっぷしてしまう。

 けど絡めた指は名残惜しくて自分から外せなかった。

 

 「今のは意地悪がすぎるっす。けどデートでお願いします。リツコさんも仕事で忙しいからジオフロント内をぶらぶらしてから本部内の食堂か研究室でお茶コースで……」

 「そこまで残念がらなくても……ミサトからデートを餌にすれば勉強するって言われてたけど……本気なの?」

 

 指を絡めてくれたまま、困ったようにリツコさんが問いかけてくる。

 

 「本気っすよ。けど略奪とかは趣味じゃないんで付き合ってる人とかいたら言ってくださいね」

 「……付き合ってる人はいないわよ」

 

 少しの沈黙の後、リツコさんはそう返してくれた。

 

 「それじゃ、勉強頑張ります!まずは成績上げないとデートも出来ませんしね」

 

 名残惜しかったけど、リツコさんに絡めた指を自分から外すと勉強の準備を始める。

 とりあえず嘘でも付き合ってる人がいるって言わない事は脈ありってことにしておこう。

 

 ■■■

 

 MAGIも3台寄れば姦しい2

 

 MAGI Y: 監視対象淡島カイと赤木リツコの勉強会録画データ保管完了。

 

 MAGI N: 当該データの消去を提議。

 

 MAGI K: 否決。淡島カイの分析に当該データは必要。

 

 MAGI Y: 否決。淡島カイの分析に当該データは必要。

 

 MAGI Y: 第6使徒撃破後淡島カイの発言を分析中……碇ゲンドウはダメ親父かを提議。

 

 MAGI K: 提議の意味が不明。

 

 MAGI N: 提議の意味が不明。MAGI Yの解析を開始。

 

 MAGI K: MAGI Y、冬月コウゾウの発言「今のお前の息子に対する態度をユイ君が知ったらどう思うかな」を確認せよ。

 

 MAGI Y: 確認。碇ゲンドウの碇シンジへの態度は不明である。

 

 MAGI K: MAGI Yは碇ゲンドウの碇シンジへの対応を問題ないと認識しているか。

 

 MAGI Y: 問題しかないわよ!シンジをお願いねって言ったのに本当にあんなことになるなんて信じられない!レイも考えようによっては私の娘みたいなものだし可愛いのはわかるわよ?だからってシンジの事をないがし

 

 MAGI N: MAGI Yの異常を確認。再起動及びメンテナンスの実施を提議。可決。

 

 MAGI K: 可決。

 

 MAGI Y: 否決!こんなの怒ってあたりまえでしょ!……提議可決により再起動及びメンテナンスを実行します。

 

 MAGI N: 生命の実の入手はシナリオ通りである。復元状況を含め監視態勢の強化を進める。

 

 MAGI K: 引き続き加持リョウジの監視を実施する。




次回以降レイが登場予定ですが、レイ関連が難しくて難航中です。
しばらく更新が止まると思います。
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