蕃神   作:名無しの海

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6ー2 みんな大好き〇神家

 アスカ来日後にやってくる使徒と言えば?

 そうみんな大好き〇神家をやってくれる再現してくれるイスラフェル先生に、シンジと!アスカの!ユニゾンアタック回!なのだ!!

 そして俺はマリからのドクターストップでお留守番。

 レイも今日はリツコさんと一緒に葦船研究所に出向中。

 まぁこっといても零号機は使えないから仲良くお留守番なんだけどな。

 

 「弐号機の攻撃により2体に分離した第9使徒の攻撃により初号機は活動停止。その後、目標甲の投擲により駿河湾海上に水没」

 

 スクリーンに映し出された湖には、シンクロナイズドスイミングでもしているかのように紫の装甲に覆われた初号機の足が突き出している。

 いや、これ水没っていうのかー?

 出撃前に、アスカとの共闘に浮足立ってたシンジは心の涙で水没しそーだけど。

 

 「弐号機は目標乙の攻撃により活動停止」

 

 切り替わったスクリーンには、畑に上半身を埋もれさせ初号機と同じように足だけ突き出している弐号機のすが……いや、弐号機の足が映し出された。

 ここまで原作再現されちゃうといっそ関心するというかなんというか……う~ん、お見事。

 イヨッ!イスラフェル先生!匠の技ぁ!

 アスカがスパっと二等分してからはほんと秒殺だったよ。

 シンジとアスカが互いを助けようとしてモタツイテルところをぽいぽいって感じ。

 俺はまだ万全じゃないって事でお留守番仰せつかってほんと良かったわ。

 

 「本件に対するE計画責任者真希波博士のコメント」

 『同時に撃破されちゃうなんてセカンドチルドレンとサードチルドレンは相性バッチリって事かな?続いてフォースチルドレンのコメント~』

 「うぇ、お、俺!?あー、えーっと」

 

 サウンドオンリーなマリのわけわからんコメントと突然のフリに車椅子の上でわたわたしちゃう俺、動揺なう。

 アスカもジロリと睨みつけてくるし、本来のリツコさんのセリフ「無様ね」なんておちゃらけてもいえる雰囲気じゃないし、シンジもアスカもお互い良い所でも見せようとしたのか動きがバラバラだったゾ、なんてガチ刺しが俺に出来るわけもないし、ここは一発ネタに逃げるしかない!

 

 「い、〇神家~?つ、続いて渚副司令どうぞ!」

 「ふふ、僕かい?個々の動きは悪くなかったけど、弐号機の攻撃で使徒が分裂後は為す術もなくエヴァは各個撃破されてしまったね。チルドレン同士の連携不足かな。これは葛城一尉の責任だよ」

 「……申し訳ございません」

 

 沈黙と保つゲンドウの隣で副司令服に身を包むカヲル君にふってみたけど、容赦ねぇ~。

 ミサトさんも返す言葉もございませんって感じ。

 

 『目標は国連第2方面軍のN2爆雷により侵攻停止、現在自己修復中。活動再開は6日後ってところね。それじゃ、ゲンドウ君のコメントどうぞ!』

 「……真希波博士」

 『なに、ゲンドウ君?』

 「……はぁ」

 

 ひぃん。

 リアルゲンドウのピリっとした低音ボイスに溜息はめっちゃビビるからやめてほしい。

 マリも何事もないように言い返すしー。

 くそー、部屋の雰囲気最悪なんだけど!

 

 「パイロット両名、エヴァは君達パイロットの玩具でも、自身の欲求を満たすための道具でもない。我々は人類存続のため、使徒を撃破するために存在している」

 

 ゲンドウ言葉に気まずそうに顔を逸らすアスカ。

 シンジは、悔しそうに下唇を噛みしめて俯いてる。

 あー、そんな噛んじゃダメだろ……。

 見ている俺まで痛くなりそうだ。

 

 「シンジ、お前がネルフに残った理由はなんだ。無様を晒すためではないだろう」

 「そんなことお前に言われなくても!」

 

 ゲンドウの言葉に拳を握りしめ憤怒の表情で叫ぶシンジ。

 アスカは、突然激昂したシンジに目を丸くしてるし、渚くんは崩れることのない爽やかポーカーフェイス、NERV職員の面々は相性の悪い父子の会話にまた始まった感がマシマシ。

 俺はといえば、ちょっと衝撃を受けていたし、チラリと視界に入れたミサトさんもやはり神妙な面持ちで聞いてように見えて軽く目を見開いていた。

 だって今の今までゲンドウとシンジの父子関係的な事は没交渉だったんだ。

 ゲンドウはシンジに対してサードチルドレン、とかパイロット、としか呼ばないし、シンジからも基本的にゲンドウの事はゲの字も喋らない。

 それがここに来て何事?

 いやまて、話を振ったのはマリだよな。

 つまりこれはマリの仕込みってこと??

 マリとゲンドウの関係どうなってんのよ。

 思考の海に溺れそうになってると、ガタッとゲンドウが椅子から立ち上がる音が室内に響いた。

 俺は車椅子に座ったまま見上げるけど、サングラスパワーも加わってそのポーカーフェイスからは何時もの如く何も読み取れない。

 

 「話は終わりだ。葛城一尉、後は任せた」

 「ッハ!」

 

 雰囲気の悪い室内の空気を打ち払うようにミサトさんの返事が響く。

 その表情はこの先への不安からか、かたくなってるけど大丈夫大丈夫。

 出来る加持さんが状況を打破するラブラブユニゾンアタック作戦持ってきてくれるから!

 え?

 関係各省からの抗議文と被害報告書に請求書の山?

 それは自分で頑張ってもうらうしかなくね?

 仕事の後のビールはきっと旨いぞ!

 

 

 ■■■

 

 

 いつものトランクス一枚のおうちスタイルにゆるゆるタンクトップをプラスしたニューおうちスタイルで冷蔵庫で冷やしていた缶ビールを取り出す。

 ニューおうちスタイルにせざるを得なかったのは色々大人の事情というか男の子事情というか。

 レイが来た当初は俺の中の男の子はウンともスンとも反応しなかったから、気にせずパンイチスタイルだったんだけどアスカはさすがにね?

 といってもアスカにも俺の中の男の子は反応しなかいんだよな~。

 綺麗すぎて美術品ぽくて、なんかそういう対象とはやっぱ違うみたいな。

 その結果がパンイチおうちスタイルからのニューおうちスタイルへの変化ってこと。

 

 それでも最初は「ハレンチ!」とか「最低!」とかテンプレ言われたけど、ほぼほぼ似たような格好の奴に言われても説得力が無い。

 あ、けど最近はレイがいる時は膝上ハーフパンツも履くようにしてるというか、うん、な?

 レイに対して男の子の男の子的事情が男の子するようになっちまったからなぁ!

 

 それは兎も角、冷え冷えに冷えた恵比寿様のプルタブに指を引っ掛け持ち上げると、カシュッと耳に心地よい音が響く。

 んっふっふ。

 これまた氷水を入れて冷え冷えにしておいたグラスを斜めにして~注いで~っと良きところでグラスを縦にして泡の量を調整っと。

 あぁぁぁああああああああ、かんっぺきっ。

 思わず舌なめずりしてしまう。

 そっとグラスに口をつけて琥珀色の液体を喉に流し込む。

 

 「んっんっんっ……くぅぅぅう~」

 

 あー、至福。

 目の前ではペアルックのシンジとアスカがツイスターゲームで絡まってるし、ミサトさんは「あちゃ~」って顔してるけど今夜も恵比寿様は旨くて偉いからヨシ!

 

 「随分美味しそうに飲むね?」

 「カイ君が飲んでるヤツは渚副司令にはお勧めしないですね。未成年の渚副司令は水にしましょう水に。あ、これ旨いですよ、渚副司令もどうぞ」

 

 学生服、半袖の白いYシャツに身を包んだカヲル君と、草臥れたYシャツに身を包んだ加持さんがいちゃつ……じゃない、俺とシンジが作った夕飯をぱくついている。

 

 「それで渚副司令と、加地さんでしたっけ、なんで二人はここにいるんですかねぇ」

 

 なにいちゃついてるんじゃいと思わず加持さんをつい半眼で見てしまった。

 カヲル君はなぁ!シンジといちゃつくんだよ!

 っと違う違う、ついエヴァファンとしての本能が……。

 

 あ、コラ!

 加地さんは当たり前のように俺の作ったツマミにまで箸伸ばしてんじゃねぇ。

 え?旨い?そうだろうそうだろう。

 あ、こっちのピリ辛のもお勧めですって違うぅぅ!

 いや、そりゃ加持さんかトウジ、ケンスケ、ヒカルのどっちかが来るかな~、ツイスターゲームだしトウジ達かな?と思って食べるものは多めに作ったけどさぁ。

 

 「それは勿論、俺と渚副司令がこの作戦の提案者だからな。提案者の責任としてしっかり見届けないと。あ、ところで俺もキンキンに冷えたビールを貰えるかな」

 「ミサトさんのビールで良けりゃ冷蔵庫に入ってるんで幾らでもどーぞ、付箋はってるのは俺のなんで駄目です」

 「ちょ!カイ君、何いってんの!!加持ィ!アンタ、アタシのビール呑み過ぎないでよ!?」

 「大丈夫大丈夫、俺が持って来たのも冷やしてるから」

 「冷やしたビール呑み尽くすなって言ってんのよぉ!」

 

 俺のビール横流しに気が付いたミサトさんが必死の形相で叫んでる。

 ビールの囚人たるミサトさん流石の執念……いや、怨念?

 って、またシンジとアスカが絡まってるし。

 あーもー、二人とも顔を赤くしちゃって……俺は一体何を見せられてるんだかなぁ。

 いやまって?上手く行かないのは予定調和のはずだけど、これほんと大丈夫なの?

 シンジとの相性が他の奴の方がいいってアスカに見せつける役目って誰がやりゃいいんだ?

 レイは……いないし、俺か?

 うーん、俺だって相性ばっちしの自信はあるけど、さすがに本調子じゃないからなぁ……ん?

 おや、カヲル君から視線を感じるぞ。

 なんだ、あの満面の笑み。

 ……あっ(察し

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