ツアレ転生者の華麗な異世界生活   作:さろんぱす。

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これで最終回になります。


#最終話 王国の夜明け&キャラの設定とか

「――フフフ。圧倒的じゃないか、我が軍は」

 

 城壁の上で縮こまる王国軍を前に、気分を高騰させる男が居た。

 彼の名はバルブロ・アンドレアン・イエルド・ライル・ヴァイセルフ。

 王国の第一王子であり、これから王都へ攻め込まんとしている貴族派軍の名目上のトップである。

 

「王都の守備軍はせいぜい1万、大してコチラは10万でございます。これは勝ちましたな」

 

「まさに王者に相応しい軍勢かと」

 

 厳選された供回りの声にバルブロは当たり前だと頷く。

 自らが率いてきた精鋭軍に対して、王都の防衛軍は余りにも貧弱に見えた。

 

「すでに宣告は済んでおります。王子直属の部隊も、いつでも行けますぞ!!」

 

「よし! ならば、そろそろ戦闘を始めると告げておけ」

 

「はっ!! お任せ下さい!!」

 

 すぐ貴族子弟の一人が、命令を告げに駆け出した。

 連絡先はバルブロの直属として新設された部隊だ。

 

 バルブロに追従する貴族達の子弟500名によって構成された、王国でもっとも高貴な部隊。

 副官としてチエネイコ男爵が脇を固め、さらに元儀典官のアルチェル子爵が参謀長として全体を差配する万全の布陣。

 

 全員が綺羅びやかな装備を身に着けており、まるで自分から輝いているかのよう。

 その勇姿は見栄を重視するバルブロをして、十分に満足の行くものだった。

 

「おい、そういえば冒険者共はどうしている?」

 

「はっ、王子直属の部隊がしっかりと監視しております。いつでも突撃させる事が可能です」

 

「ならばよい」

 

 このバルブロ直属軍には主に、冒険者共の監視を命じている。

 勝手に降伏するような役立たずに後ろから攻撃を加え、死ぬまで戦闘する事で王家への忠誠を示させる正義の部隊だ。

 

 一部の冒険者は未だに反抗的な態度を取っているが、結局は何も出来ずにいる。

 コチラに従う冒険者やワーカーが上位者として配置されている上、PTメンバー―主に神官―を別に場所に移されているからだ。

 

 これにより逆らえなくなった冒険者共を最初に突撃させ、城壁を打ち崩す予定となっていた。

 

「その後に我々が貧弱な守備隊を蹴散らし、堂々と王都に入場する。そうすれば馬鹿な民衆だとて、誰が次の玉座に相応しいかを理解するだろう」

 

「なんと素晴らしい!! 流石は次の王であらせられる方でいらっしゃる!」

 

 そしてバルブロが戴冠した時から強い王国が始まるのだ。

 父親のように派閥を二つにわけて争うなど無駄なことはする気はない。

 反対派閥は即座に滅ぼせば良いのだから。

 

 そうして国中の力を一つにまとめ、今度はこちらから帝国に攻め入る。

 ジクルニフの首を跳ねたら、その後は周辺国家全ての統合だ。

 そして最後には人類史上最も偉大な王として、この地に超大国を築き君臨する!!

 

「……バルブロ人類統合王とでも名乗るべきか? いいぞ、最高だ!!」

 

 バルブロは己の完璧な計画に身を震わせた。

 以前、クレマンティーヌという女に殴られ無様を晒した。

 その後に義父上とボイコットした戦争で王国軍が大勝した時はもうだめかと思った。だがそうでは無かった。

 

 運命はやはり、このバルブロこそを王に選んでいたのだ。

 

「おお、王子! 空を御覧ください!」

 

「これは……雪か」

 

 頭にキンキンと響くチエネイコ男爵の声。

 それによって気づいたバルブロは空を見上げる。分厚い雲からはチラホラと雪が降り始めていた。

 

 ――ちらほら、ちらほら。ぱらぱら、ぱらぱら。

 

「これこそ正に! 天が王子を祝福していらっしゃる!!」

 

「こんな時期に雪が降ったという記録はございませんぞ」

 

 確かにそろそろ年が開ける頃といはいえ、例年からすれば降り出すのはまだ早い。

 

 ――しんしん、しんしん。さくさく、さくさく。

 

 ならばこれこそが、バルブロが王に付くことを天が認めたという証拠に他ならない。

 

「王子! 陛下、と呼ばれる時が来られたようですな!」

 

「おお!」「バルブロ王!」「バルブロ陛下!!」「新王万歳!!!」

 

 欲していた言葉を口々に発する貴族たちに、バルブロは我が意を得たりという表情を作って見せる。

 

 ――びゅうびゅう、びゅうびゅう。ごうごう、ごうごう。

 

 そしてゆっくりと両腕を広げた。

 

 ――ごううん! ごううん!! ごぅうううう!!

 

 どんどん勢いをましていく雪を、全身に浴びながら……。

 

 ――ビュォオオオオオオオオオ!!!!

 

 バブブロは思った。今の自分こそ正に世界を抱きしめんとする、覇王にふわさしい姿だとッ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――ビュォオオオオオー!!! ビュォオオオオオー!!! ビュォオオオオオー!!!

 

 ――ビュォオオオオオー!!! ビュォオオオオオー!!! ビュォオオオオオー!!!

 

 ――ビュォオオオオオー!!! ビュォオオオオオー!!! ビュォオオオオオー!!!

 

「「「さむぅーーーーい!!!」」」

 

 だがすぐに雪は風と混じって吹雪となり、風に乗って豪雪となり、そして暴風雪となった。

 もはや1メートル先すら見えない。キンキンに冷やしたミルクをぶちまけたかのような白寒さだ。

 

「なんだこれはぁーーーー!!!?」

 

 バルブロは余りの寒さに身を縮めながら叫び声を上げた。

 今までの人生30数年、王都付近でこれほど雪が降ったことはなかった。明らかに異常事態だ。

 

「おい、チエネイコ男爵! アルチェル子爵!! いたら返事をしろ!!」

 

 バルブロは側近たちに呼びかける。

 だが帰ってきたのは望んた者達の言葉ではない。

 

 頭に響いてきたのは、今最も聞きたくなかった()()()

 

「おっ、いたいた。ハロー、ナイストゥミートゥー、エブリニャン!」

 

「げーっ!! 貴様はツアレニーニャー!?」

 

「今です!! ――ツアレ・コークスクリュー・ブロォー!!!」

 

「ぺさっぷっ!?」

 

 そしてバブブロは気を失った。吹雪から急に湧き出てきた()()()使()に殴られて。

 上空から落下の勢いを利用して放たれた打ち下ろしの右ストレート(チョッピングライト)。それは正確に顎を穿ち一瞬で意識を刈り取ったのだ。

 

 叩きつけるような大吹雪が止んだ後。

 バルブロ王子の姿は、貴族派軍内のどこにも見当たらなかった……。

 

 

 

 ◆◆◆ ◆◆◆

 

 

 

 

 城門付近に作られた仮指令所。

 押し寄せた貴族軍に対抗する為の室内には、大勢の人々が詰めかけていた。

 

「陛下、只今戻りました。こちらご依頼の第一王子です。あとボウロロープ侯の首はこちらに」

 

「うむ、ご苦労であった」

 

 私はその場でランポッサ三世陛下に首を差し出していた。

 皆様こんにちは。敵軍のトップをぶち殺してきたツアレちゃんです。

 ついでに第一王子を一本釣りしてきたよ!!

 

「第一王子は隅っこに置いときますね。よいしょっと」

 

 抱えていた第一王子は雑にぶん投げる。

 優しく下ろしたりはしない。乱暴に床へ叩きつける。ガンッ! という痛そうな音が鳴ったが、誰も気にする人はいなかった。

 

 でもこれで向こうはただの反乱軍だ。

 王族を抱えた王位継承軍から、ただの貴族の集まりにダウングレード。

 

 21世紀の地球で例えれば、前者は次期社長を抱えた労働組合ストライキ。

 対して後者はただのテロリストである。王政だと反抗した時点で貴族位剥奪だから。

 

 差がありすぎてビビるね。

 まぁ、それぐらい正当性というのは重要なのだと説明された。個人的には上層部だけサクっと皆殺しでよくね? と思うが。

 

「ちなみに先程使った、猛吹雪を起こす魔法は一体なんだね?」

 

「はい、陛下。あれは信仰系第8位階魔法――〈季節操作(コントロール・シーズン)〉です。空模様を変えるだけではなく、季節の事象を引き起こすことが出来ます」

 

「ふむ、高位の魔法とは凄まじきものだな。早く我々も認識を改めねばならんようだ」

 

 これは主にドルイドが覚える天候操作魔法の一つだ。

 第6位階の〈天候操作(コントロール・ウェザー)〉より高位な分、風雲雨の空模様だけではなく雪や熱波など、()()を変えて現象を引起こすことが出来る。

 

 私はこれよって猛吹雪を引き起こし、視界を奪った状態で貴族軍に紛れたのである。

 そのまま行くと向こうの冒険者とかに見つかっちゃうからね。一工夫してから行ったのだ。

 まぁ対象の二人は無駄に目立ってたから、必要なかったかもしれないが。

 

 しかし、こうなればもはや、コチラの勝ちは揺るがないだろう。

 後怖いのはここに居る非戦闘員の暗殺だけど、なぜかイジャニーヤの女頭領3人は()を狙ってきたから大丈夫かな? すでに撃退済みだ。

 

「私はティア。女性が好き(レズ)。ボスたちと組んず解れつ希望」

 

「私はティナ。少年が好き(ショタコン)。セリーちゃん12歳男で固定希望」

 

「私はティラ。獣体が好き(ケモナー)。ハムスケとペロペロ毛づくろい希望」

 

「「「こんごとも、よろしく!!」」」

 

 なお、戦闘後はなぜか3人共仲間になった。暗殺者の仕事はどうした?

 だが便利そうなので受け入れた。この先の冒険に斥候役は必須だからね。ちょっと変態すぎるけど。

 

 それから前日の夜中にやってきたフールーダ・ハイレイスも改めて浄化済み。

 

「フハハハ!! ワシモ奇跡ヲ手ニ入レタゾォ!!! サァ、ツアレニーニャヨ。今コソ、ワシノ物ニ、ナルノジャ!!」

 

「嘘だろジジイ!? またおまえかよ。しつこい!!!」

 

 なんとフールーダは死の宝珠を乗っ取り、怨霊として蘇っていたのだ。

 おまけに私の魔法対策にスケリトル・ドラゴンを2体も従えていた。

 

「しかし罠カードオープン!! タレントから第7位階天使4体を召喚!! ――〈聖なる極撃(ホーリー・スマイト)〉を放てぇ!!!」

 

「ナゼジャ、スケリトル・ドラゴンハ魔法ヘノ絶対耐性ガァ!?」

 

「残念、その耐性って第6位階までなんですよ」

 

「ギョエエエエエエエエエエエ!!!」

 

 だがまとめて浄化(消滅)だ。

 威光の主天使(ドミニオン・オーソリティ)4体が一斉に放つ魔法によって、スケリトル・ドラゴンごと粉微塵。

 後はしっかりと塩を撒いて、翌日に別の魔法でフィールドごと浄化しておいたので、今度こそ蘇る事はないだろう。間違った知識って本当に怖い。

 

 そして戦争も城壁からボウロロープ侯の首と、第一王子の身柄を見せた事で反乱軍が瓦解した。

 動揺から責任の押し付け合いを始めて連携が崩れていたところに、事前に助けておいた冒険者の人質が城壁から無事をアピール。それを見た冒険者たちが内側から反応したのである。

 

「貴族共と一緒に俺らを虐げたイグヴァルジはどこだぁーーー!!」

 

「探せっ!! 虹のモックナックが成敗してくるわぁーーー!!」

 

「お、俺は悪くねぇーーー!!!」

 

 そこに戦士団を先頭に王都守備軍が雪崩込んだ。

 それからはあっという間に蹴りがついてしまった。

 

「はいガゼフさん。これが今週のお貢ぎだよ」

 

「なにやらすごそうな角笛だが? あと何時も貢がれているような言い方は止めてくれ」

 

「これは『戦王の角笛(ホルン・オブ・ヴァルハラ)』って言うマジックアイテムでね。吹くと戦士団100人を強化して装備も全部魔化されるの。すごいでしょ? ビーストマン国の至宝なんだって」

 

「何と!!」

 

 竜王国のお土産(戦王の角笛)で強化された戦士団は、それはもうヤバイぐらいに強かった。

 城壁から見ていたが、最後まで抵抗しようとした貴族軍が解ける解ける。完全に無双ゲーだ。

 たちまち貴族派は総崩れ。逃げ切れないと悟った貴族たちは我先にと降伏した。

 

「なぜ分からない!? 俺様こそがこの国の王になるのだ!!」

 

「息子よ。お前は王城の地下牢で一生過ごすのだ。私も責任を取ろう」

 

 まぁそれでも第一王子は最後までこんな事を言っていたが。

 結局は一生を地下牢で過ごすハメになり、ランポッサ三世は今回の反乱の起こりを見逃した責任を取って引退。

 

 王位は順調にザナック王子が継承した。

 私もこの活躍で爵位から名誉が取れて永代貴族になって勲章が増えたり。

 ついでに王国名誉神官なんて肩書も。文字通り名誉職らしく義務はないので受け入れた。

 

 なお、ラナー王女は国内が落ち着いてから無事に帝国へ()()された。

 やっぱザナック様はやれば出来る子なんだなって。私の中のザナック株は爆上がりだ。

 私はその日を人生最大の吉日とし、高い酒を買えるだけ買い込み、吐いてぶっ倒れるまで飲み続けた。

 

 結果、鮮血帝ジルクニフは、その半年後に死んでしまった。

 噂では不幸に不幸が重なった、あり得ないような()()()だったらしい。遺体すら残っていない。

 しかし幸いなことにラナー王女は子供を宿していた。生まれてきた子は成長するに従って、お供のワンコ(クライム君)に似てきているとか。……あの魔女、やりやがった(震え)

 

 その後も私達は、今まで通り冒険を続けた。

 ドワーフ王国からの依頼で、霜の竜王を討伐(溜込み財宝&宝物庫)してお宝うめーしたり。

 ローブル聖王国の依頼で、アベリオン丘陵の亜人を討伐してマジックアイテムうめーしたり。

 

 竜王国にも毎年遊びに行ってたけど、3年目辺りからビーストマンが沸かなくなってしまった。

 ちょっと調子に乗って殺しすぎたらしい。毎年万匹単位で狩ってたのは不味かったようだ。

 それでもドラウディロン女王陛下とは、酒を飲んで愚痴を聞く程度の付き合いは続いている。

 

 そうして最後は、原作通りにアインズ・ウール・ゴウンが建国した魔導国に移住。

 

「あー、そのー、なんというか本当にいいのか? 君は王国で結構な地位だったはずだが」

 

「もちろんです魔導王陛下。陛下がお考えになられた”真なる冒険者”こそ正に私の夢!! 是非とも協力させて頂きたく!! (最速で傘下に入って安定ポジを確保するぞォーーー!!)」

 

「そうかね? ならば歓迎しよう(うんうん。やはり未知への冒険とは、どの世界でも人々を魅了するよなぁ)」

 

 これは元々エ・ランテルに拠点を作っていた事もあり、すんなりと進んだ。

 あと王国も原作と違い、穏やかな形で魔導国の属国になった。

 私を通して上位魔法の凄まじさを何度も目にしていたからだ。

 

 その代わりなのか、帝国の上層部は大勢死んでしまったらしいが。

 魔女がいるからしょうがないね。今はその魔女様が旧バハルス帝国領の守護者となっている。こいつ強すぎるだろ。超怖い(ガチ震え)

 

 あと法国はちょこっと小競り合いが合ったけど、原作ほどこじれることはなかった。

 国民にこの世界の情報が知らされ、その混乱によって上層部が総辞任したぐらい。

 最後はニグンさんが神官長(トップ)になって魔導国と和解。属国化後は民の意識を変えようと尽力中。

 

 他は大体が原作通りだ。

 エルフ王は孕ませエロフだし、白銀の竜王も鎧でウロウロしてる。

 聖王女様は聖棍棒になって、ネイアちゃんは教祖に成れたらしい。よかったよかった。

 

 ……………………

 ………………

 …………

 

「……こうして振り返ると、なんとも充実した人生だなぁ」

 

 ある日、ふと目を閉じると白い空間が広がっていた。

 そこでエロ天使と再会した私は、人生を振り返りそう思った。

 

「そちらの生活は満足していますか?」

 

「ええ、同じ人生は二度と御免だと思うぐらいには」

 

 目の前に浮かぶエロ天使は全く変わっていない。

 転生する前に出会った時のままだ。やはり異形種だから寿命がないのだろうか。

 

「それで結局、貴方は何だったんですか? エロ天使様?」

 

 せっかくなので長年、疑問に思っていたことを聞いてみる。

 クラスの取得条件に関わっているのなら、ユグドラシルにも関係があるかもと思っていたのだ。

 

「そうですね。もっとも貴方に分かりやすい言葉であれば『ワールド・エネミー』でしょうか? セフィラーの十天使の番外。過去の名作ゲーコラボ限定イベントボス、等と呼ばれていました」

 

 なるほどワールドエネミーだったのか。

 たしかユグドラシルのレイドボスだ。プレイヤー36人でも勝てないバランスブレイカーな。

 ならば私に力を与えて転生させたり、妙に知識を持ってるのも、そういう存在として設定されていたからだろう。

 

「エロ天使様もこの世界に転移させられた存在ってこと? でもここは私達の大陸とは違う場所みたいだけど」

 

「それはユグドラシルにおける私の設定が『次元の狭間で魂を導く者』だったからです。まぁ魂が流れてくることは本当に極稀なんですけどね。ここに入るためのアイテムはもうありませんから」

 

 マップ自体は残ってるけど、侵入用のイベントアイテムが削除されて誰も入れない的な?

 

「イベント後にプレイヤー達のインベントリから削除されていますので。後はこうして私が意識を呼ばなければ、来ることは出来ません」

 

「なるほど。つまりここは使い終わったイベントマップだったのね」

 

 それがオバロ世界に、その特殊空間ごと転移しちゃったのだろう。

 そして誰も出入り出来なくなっちゃったと。

 

「だから貴方が堕ちてきた時は本当に嬉しかったのよ? ではまた寿命が尽きたら会いましょう」

 

「もう会いたくないっす。ていうか〈魂と引き換えの奇跡〉から高位禁術発動できるから、実質的に寿命克服したようなもんだし」

 

 フールーダは儀式で発動してたけど、無理やりだから中途半端な不老になってた奴だ。

 だが私のは完全版である。しかもこれ味方にも掛けれたんだぜ? おかげでPTメンバーはみんな不老になっちゃった。

 

「ではまた気が向いたら意識だけ呼びますね」

 

「止めてくれめんす。アインズ様に目を付けられそう」

 

 エロ天使様がそういうと、私の意識が薄れていく。

 

 ……………………

 ………………

 …………

 

 そして、もう一度目を開けば、眼前には炎に浄化された古都跡が広がっていた。

 目を閉じる前に私が居た場所そのままだ。

 500メートル以上先の都中央に視線を向ければ、やっと見つけた仮面のマジックキャスターが、コチラを興味深そうに伺っている。

 

「どうしたのツアっち? またなにか面白そうなことでも思いついた?」

 

「なんだかワクワクする場所でござるなー!! 強そうな敵がいそうでござるよ」

 

 左を見ればニヤニヤしたクレマンティーヌと、強敵の予感に張り切るハムスケ。

 

「おいおい、やっと見つけた国堕としの舞台だ。早く行こうぜ!!」

 

「姉さん、なにか忘れ物でも思い出したの? 一度帰ろっか?」

 

「炎、浄化、古都、そして佇む少女……!! おおぅ! 私の創作脳がビンビン来てるッ!!」

 

 右を見れば未知の遺跡に興奮しているガガーランと、不安そうな妹のセリー。

 そしていつも通りにビクンビクンしているラキュース。20歳を超えて完治しなかった中二病だ。もう一生治ることはないだろう。

 

「ペロッ! あの子は女の子。私のレズレーダーにもビンビンきてるッ!!」

 

「だが残念。ショタじゃない」

 

「もう1つ残念。獣耳でもない」

 

 後はティア・ティナ・ティラの忍者娘3人達も日常運転だった。てか、こいつら馴染み過ぎだろ。

 

「まぁ何でもないよ。んじゃバフ掛け終わったら行こっか」

 

 私はそんな皆に軽くを声をかけて。

 いつも通りにバフを使用して、一緒に古都に踏み込む。中にはまだモンスターが残っているかもしれないが、この戦力ならどうとでもなるだろう。

 

「あれは私のヒヤヒヤ抱き枕(イビルアイ)ちゃんだ。絶対に逃さないよ!!」

 

 ――そう、私達の冒険はこれからだ!!(完)

 

 

 

 

 

 

 

◆◇以下キャラクター紹介(最終ステータス)など

 

■No1.ツアレニーニャ・ベイロン(人間種)

役職――白羽聖女団首領(リーダー) / 王国子爵 → 魔導国冒険者

称号――救国の聖女 / 血塗られた聖天使

属性――秩序・悪[カルマ値:-50] (ルールを守った上で、自己利益を追求)

 

職業(クラス)レベル―神官(クレリック)――――――――――10lv

      天使招来者(エンジェル・コーラー) ――――――10lv

      上級天使招来者(ハイエンジェル・コーラー)―――――10lv

      転生天使の分御魂(ソウルメイデン・オブ・アルテマ)――――5lv

      救国の聖女(セイヴァー・セインテス)―――――――5lv

      など

      [種族0lv]+[職業41lv]――計41レベル

 

主人公な転生者。なんやかんやで国を救う(しかも複数)しちゃった少女。

第6位階の神官であり逸脱者。取得クラスは全て信仰系。共感性欠如型のサイコパス。

白銀の竜王を始めとした化物達を知っているため、表面上はルールを守って行動している。

下手ないちゃもんを付けられない様にである。それでも多々騒ぎを引き起こしているが。

後の王国史には『救国の聖女』として名を刻まれ、魔導国では最高冒険者の一人となった。

 

 

■No2.クレマンティーヌ・クインティア(人間種)

役職――白羽聖女団副首領(サブリーダー) / 王国名誉男爵 → 魔導国冒険者

称号――疾風姫 / 串刺し凶人

属性――混沌・中立[カルマ値:-100] (感情を優先、求めるものはその時次第)

 

職業(クラス)レベル―軽戦士(フェンサー) ―――――――――10lv

      刺突短剣の達人(スティレット・マスター) ―――――10lv

      活劇剣士(スワッシャー・ブレード)――――――10lv

      復讐者(アベンジャー)――――――――――5lv

      [種族0lv]+[職業35lv]――計35レベル

 

コッコドール屋敷の地下で救われたヒロインその1。

闇落ち前に助けられ原作より性格がマイルドになっている。でもサイコパス。刺すのが好き。

なにげに職業が軽戦士系で最適化されている。出身の名家(情報が多い)のおかげである。

同じ理由で知識量はPT内でもっとも多い。ただし周囲がみんな脳筋なのであまり使われない。

有名になるにつれ法国から遠回しに帰還願いが出されるが、結局一度も帰ることはなかった。

 

 

■No3.ラキュース・アルベイン・デイル・アインドラ(人間種)

役職――白羽聖女団広報担当(自称) / 王国名誉男爵 → 魔導国冒険者

称号――永遠の闇勇者(エターナル・ダーク・ブレイバー) / 終わ()ない黒歴史

属性――中立・善[カルマ値:+100] (必要ならルールを破り、自己正義によって行動)

 

職業(クラス)レベル―神官(クレリック) ――――――――――10lv

      聖堂騎士(テンプラー)―――――――――10lv

      黒炎の解放者(ブラック・リベレイター)―――――――5lv

      呪炎の狂信者(カースフレイム・ゼロット) ――――――5lv

      闇炎の支配者(ダークフレイム・マスター) ――――――5lv

      など

      [種族0lv]+[職業38lv]――計38レベル

 

馬車での移動中に救われたヒロインその2。

もっとも多感な時期に主人公と関ったため、原作よりも早く中二病になってしまった少女。

取得しているクラスは正に黒歴史そのもの。でも実は第7位階が使えるガチの偉人。

趣味は自分達の伝記(妄想混り)を書くこと。なお全てアインドラ家名義で出版済み。

その伝記は毎回吟遊詩人を熱狂させ、冒険譚は最も新しい伝説(サーガ)として語り継がれている。

 

 

■No4.ガガーラン(人間種)

役職――白羽聖女団兄貴役 / 王国名誉男爵 → 魔導国冒険者

称号――童貞の守護神(アイアンメイデン) / 童喰い鬼(チェリーオーガ)

属性――秩序・中立[カルマ値:+50] (ルールを守りつつ、臨機応変に行動)

 

職業(クラス)レベル―戦士(ファイター) ―――――――――― 10lv

      騎士(ナイト)―――――――――――― 7lv

      傭兵(マーセナリー)―――――――――――7lv

      嵐の強襲者(ストーム・ライダー)――――――――――3lv

      [種族0lv]+[職業27lv]――計27レベル

 

ラキュースと共に白羽聖女団へ加入した重戦士。みんなの兄貴分。

元は騎士だったが主家跡取りの童貞を食って追放、傭兵になった過去を持つ(という設定)

長らく個性の薄さに悩んでいたが、使っていた武器等の特徴から嵐の強襲者(ストーム・ライダー)のクラスを取得。

某雷狼竜のように緑雷を纏うことが可能になった。なおラキュースには嫉妬されている。

得意技は飛びかかり騎乗位からの電撃ピストン。童貞は死ぬ(絶頂的な意味で)

 

 

■No5.ハムスケ(異形種)

役職――白羽聖女団戦闘魔獣(ペット)

称号――森の賢王 / 殺戮の魔獣

属性――真なる中立[カルマ値:0](その場の指示に従って行動)

 

種族レベル―巨大魔銀姫鼠(ジャイアント・ジャンガリアンハムスター)――10lv

      など

職業(クラス)レベル―上級闘士(ハイウォーリアー)―――――――――10lv

      [種族30lv]+[職業10lv]―― 計40レベル

 

トブの大森林南部に100年以上も君臨していた大魔獣。

様々な理由で何度も毛皮を剥ぎ取られている可愛そうなペットでもある。

内乱後は褒められる為にガゼフに師事を始め、王都の剣術道場にも通うようになる。

そうしてサボらず訓練を続けた結果、最終的に〈6光連斬〉まで取得。

1ターンに爪x4、盾x2、尻尾x6光連斬、の12回攻撃になった。相手は死ぬ。

 

 

■その他の人達

ガゼフ・ストロノーフ:白羽聖女団名誉顧問。貢がれすぎてハーレムしてると思われている

セリーシア・ベイロン:白羽聖女団期待の新人。姉が無茶苦茶すぎて心が休まらない

ドラウディロン・オーリウクルス:白羽聖女団外部相談役。国を救ってもらった。ずっ友

 

ランポッサ:王国正常化。次男が王に。長男も生存。円満退位。超幸せ

ザナック :王位継承。ラナー出荷。ツアレからの株爆上げ。属国化も出来た

レエブン侯:ザナックの右腕として扱き使われてる。原作より早く二人目が出来た

 

ジルクニフ:ハゲる前に死亡。一番貧乏くじを引いた人。でも髪は守れた

ラナー王女:皇帝謀殺。帝国乗っ取り完了。異形種化済み。超強い。超幸せ

クライム君:首輪付けられて今日も元気にワンワン鳴いてる。幸せ

 

エルヤー :原作通り帝国でワーカーになった。でも属国化でエルフは没収

ベリュース:法国に帰って実家の商会を継いだ。お金稼ぎましゅ

ニグンさん:最高神官長に就任。属国化を進めた。ツアレとも戦友ポジ。つよい

 

 

■PTメンバーその他の属性(アライメント)参考表

    [秩序]    [中立]    [混沌]

[善]  ガゼフ   ラキュース   アズス

[中] ガガーラン  ハムスケ  クレマンティーヌ

[悪]  ツアレ   ブレイン    ラナー

 

 

■聖天使モード

怪物(モンスター)レベル――聖天使95lv(準前衛系ステータス)

再詠唱時間(リキャストタイム) ―― 66時間

持続時間――――66分

防御能力――――ダメージ減少20/魔法および善、呪文抵抗31

        冷気・酸・闇の属性に完全耐性、神聖属性弱点

        盲目・拘束・時間操作を除く状態異常に完全耐性

 

所持特殊技術(スキル)――究極魔光(アルテマ)重なる凶星の波動(グランドクロス)Ultema The Nice Body(アルテマちゃんはナイスバディ)、ほか

使用可能魔法――第10位階〈集団大治療(マス・ヒール)〉〈切断刃陣(ブレード・バリヤー)

         第9位階〈朱の新星(ヴァーミリオンノヴァ)〉〈大顎の竜巻(シャークスサイクロン)〉〈時間停滞(テンポラル・ステイシス)

         第8位階〈次元封鎖(ディメンジョナル・ロック)

         第7位階〈次元杭(ディメンジョナル・アンカー)〉〈上位転移(グレーター・テレポーテーション)

         第6位階〈大治療(ヒール)

 

 

 

◆◇あとがき◆◇

という訳で「ツアレ転生者の華麗な異世界生活」はこれで完結になります。

コレ以降は変身→ぶっぱの焼き回しになるので、ここらが終わらせ時かなって。

好き勝手やってたのに、なんだかんだで王国救済ルートになりました。

 

一番書きたかったのは戦争での対フールーダ戦です。

そもそもこの二次を始めた理由が、変身アルテマぶっぱネタを思いついた事なので。

ちゃんと最後までやれて満足でした。

 

逆に心残りはクレマンティーヌの活躍が少なかったこと。

どうしても雑魚狩りみたいな感じに終始してしまいました。軽戦士動かすのって難しい。

 

当初は法国に連れ戻され→救出ルートも考えて居ましたが、挟む余裕が無くなりました。

法国上層部は原作でとても慎重だったので、強行してくるのは違うかなと。

特に話が進んで主人公が強くなってきてからは余計に。

 

そんな訳でこんな形でのラストになりました。

 

@スペシャルサンクス。誤字報告を頂いた方々(敬称略)

a092476601、Cran、KAIN、Kokushi、MAXIM、mnsk、TFTRDH、vari、Windowegg、

yelm01、yoka、あんころ(餅)、かり揚げ、クミル、サヨリ、たかの、ちょっとした猫好き、

ドロンチョ、ドン、にょんギツネ、フラン臭、フロストランタン、ほす、園尾、佐賀らしん、

常磐4b'、忠犬友の会、踏文 二三、日向@、蜂蜜梅、麻婆餃子、夢野千鶴、凶禍、サンライフ

猫またぎ、町長、null_gts、きききき、鱸の丸焼き、oki_f、うび、安全 空間




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