微妙に整理が終わってないので後々改稿入るかもしれませんが、劇場版第一作目スタート!
#056.MoN①イントロダクション
空座町の隣、鳴木市北方を走る大川に合流する
「――出るぞ、反応はこっちからだ一護!」
「ったく、せっかく井上たちと宿題中って時に……!」
「たわけ、貴様デートなど後で何回でもすれば良いではないか」
「べべべ別にデートじゃねぇし!? というかチャドもお前もいるじゃねェか!」
青葉生い茂る木々の狭間を、人ごみの隙間を縫うように駆け抜ける二人。オレンジ頭の長身の少年か、青年か。そしてその隣に、どこか古風な口調であれこれと物を言う少女。
関係者には言わずと知れた、黒崎一護と朽木ルキアである。石田雨竜から渡されでもしたのか左胸に水色の十字模様が刻まれたオレンジのラインが入ったシャツに紫ジーンズな一護。肩ひもの出ているだぼだぼのストライプが入ったへそ出しシャツにホットパンツと妙にハイセンスな恰好のルキア。私服にしては両者のセンスらしからぬところが色々と見受けられるが、それはさておき。
うわ、うわ、とルキアの肩に必死で張り付いているコンを走りながら剥がすと、一護はその口の中に手を入れる。「うおおおお!? なんか久々のこの扱いだけどやっぱりこのコン様になんて仕打ちをー!?」などと絶叫を上げているが、うるせぇなと当然のように無視して取り出そうとする一護。
「ついたぞ、何をモタモタしている!」
「こっちだって好きで取れないわけじゃねェぞ! あーもう、逃げようとすんなコン!」
「むおおおおおおおおお!?」
「仕方あるまい……、はぁッ!」
肩をすくめながらポシェットより取り出したグローブ。手の甲に尸魂界らしいというべきか、人魂と髑髏を模した模様が描かれているその
それと同時に独特の音と光を放ち、一護は幽体離脱――――その姿は、当然のように死覇装と「歪んだ六角の鍔」を持つ大きな斬魄刀。
職業高校生兼・死神代行。
黒崎一護は、今日も変わらず
走る一護は、刀を構え横を通り過ぎた少女の霊を一瞥。少女は少女で、突如倒れた一護の肉体を見て困惑。なおルキアはそんな一護の肉体の手が突っ込まれたままのコンを引き抜き、一護同様に手を入れてまさぐっていた。
「おおおおおおお!
「ぬぅ、取れぬ。今回はよほど奥まったところに入ったと見えるな。……浦原に後で解体でもさせて摘出させるか?」
「そればかりはお許しをッ!?」
『な、何? お兄ちゃんとお姉ちゃんたち……、何!?』
案ずるな、と少女の霊に笑いかけるルキア。と、一護は一護で彼女に襲い掛かろうとしていた狒々のような大柄の虚の腕を斬り落とし、逃がすか! と走って追いかける。
「さて、私たちも行くか。……あまり一護から離れると、そなたのことも視えなくなってしまうかもしれぬからな」
『お姉ちゃん、私が見えるの? って、それにお兄ちゃん!? 駄目、殺されちゃう!』
「何、案ずることはない――――奴も最近は、いっぱしの死神らしい顔をするようになった。それに相応の力を振るえる程度には、心も成長しているのだろう」
『しに、がみ?』
困惑する少女の背を押し、なんならコンを抱えさせ(!)て一護の後を追おうルキア。なお面倒がったのか身体はその場に放置されており、周囲の人々がざわざわとしているが、それは一旦おいておいて。
『――――!?』
「逃がすかよ」
ニヤリ、とそれは大層人相悪くニヒルに笑い、一護は己の斬魄刀を構える。一護を掴みとろうと手を伸ばした虚は、結果的にその刃を握ることになり――――。
「月牙天衝!」
握った指先から、その傷跡にそってまるで拡大するかのように、青白い閃光の刃のような霊圧が放たれる。切っ先が上空を向いていることもあり、それは容易く虚の手を粉々に粉砕した。
虚の上げる絶叫。何度も地面を尾で叩き「霊圧を感じられない」歩法で逃走を図る。
一瞬混乱した一護だったが、空中を睨みつけるとそこに形成される無数の白い霊圧の帯――――。そのうちの一つを手に取ると、その流れに沿うように「外界の霊子を」足場に集中し、踏みこむ。瞬歩、死神が使用する高速移動手段である。
つまりは死神が使う歩法である…………はずだが。
「む?」
「
『どうしたの、お姉ちゃん?』
「いや、何でもない。…… 一瞬、一護の霊圧が消えたように思ったが、気のせいか?」
さておき、手負いの虚の動きが徐々に鈍るのを見て、空中に現れ出た一護は斬魄刀を頭上に構え、落下と同時に振り下ろす。
背後からの一撃――――死神の教本通りの、綺麗な一撃が虚の脳天に決まった。
「悪ィな。……尸魂界に行くのかは知らねェけど、そっちじゃ元気でな」
砕ける仮面……倒れる虚のシルエットが一瞬崩れかけ、それを見て一護は少しだけ目を伏せた。
そして、少し太った中年男性のようなシルエットも含めて粒子のように解けて姿を消したのを見送った後、自分の刃を見て「とりあえずは安定してんな」と一言。
「……安定しているな、ではないぞ一護。貴様、狙われている対象を一人残していくとは何事か」
「ルキア? いや、だってお前いるじゃねェか」
「たわけ。貴様がいなければ私など? ただの麗しき美少女でしかないのだぞ! もし新手が来ても庇い切れぬわ!」
「
一護が気安いからこその雑な一言を発した瞬間「舞え、
当然、刃物の切っ先が目の前で縦横無尽に迫る一護は絶叫。
そんな二人の漫才を見ていた少女は、やや困惑しながらも「仲良しさん……?」とコンに確認。コンはコンで「をのれ一護、オレだって……オレだって一護の身体があれば姉さんともっとイチャイチャ……!」と呟き「「いやそれは無い」」と急に我に返った一護とルキアに突っ込まれ「何でだよ!?」と絶叫していた。
はてさて。「因果の鎖がこれほど長い状態ですぐに狙われるなど、危なっかしくて見て居られぬ」と言うルキアに、わかったわかったと応じる一護はしゃがみこみ、少女を見る。小学生くらいだろうか、くりくりとした目におだんご頭で、そしてその姿がくっきりと視認できる。おそらく霊感が弱い人間でも、相応に姿形を正しく見ることが出来るくらいには、なるほど霊的な力の素養は高いのかもしれない。
そんな風にじっと観察していたせいか、少女はルキアの腰の裏に隠れ人見知りする。……ちょうどルキアのお腹、綺麗な地肌とすらっとした肉付きの鼠蹊部やら小さくまとまっている少女らしいおへそのあたりを盾にするような形になるため「何を見ておる?」と半眼で問われた。なおデフォルメされていそうな表情なので、いわゆる「意識している」というリアクションではあるまい。
「別に見ちゃいねェよ」
「それはそれで不健康な気もするが……、まあ良い。
そう怖がらずとも大丈夫だ。この者、怖いのは目つきだけだぞ? 時代劇の悪役のように、眉間に皺が寄って睨んでいるように見えるがな」
『えっ?』
「時代劇の悪役に見えるとか、例えは余計だってのっ」
気安い。気安さの次元が違う。ルキアのそんな振る舞いを見て、彼女に対するこれまた気の抜けた対応をする一護をみて、確かに少女はその警戒を少し解いたらしい。
恐る恐ると一歩前に出て、一護を見る。
「これから、あー、何て言ったらいいかな……。天国とかじゃねェけど、あの世に連れてってやる」
「うっ」
「案ずるな。あちらは、
一瞬「まァ、恐ろしくはねェだろうな……」と言わんばかりに微妙な半笑いを浮かべる一護。脳裏では「Hey、Hey、Heeeeeeeeey!!!」とDJ風の恰好をした死神がキャバクラのような施設でブイブイやっていそうな映像が過っていたが、そんな彼に「な、何を阿呆なことを想像しているかっ!」とちょっと頬を赤らめ抗議するルキア。何も言ってねェよ! と返す一護は、きっと少女と目を合わせる。
怖がっているというより、むしろ……。少女がこの場を離れがたいと、どこか悩んでいる仕草をしていることを察し。話してくれよ、と理由を問いかけた。
『あのね? お父さんと、お兄ちゃんと、はぐれちゃったの』
「ぬ? そうなのか、しかし……このままではまた、あの
『
少し悩む少女に、一護は言葉を選んで諭す。
「……だけど、バラバラでも皆であっちに行けば、いつか会えるかもしれねェ。バケモノに食い殺されちまったら、それどころじゃないだろ?」
『う、うん…………』
「ただ、そうだな。出来る限りお前のお父さんとお兄ちゃんも、探しとく。お前はあっちに逝ったから、安心して二人も成仏できるようにってさ。だから心配するなよ」
言いながら、不器用に頭を撫でる一護。そんな一護をくりくりとした目で見ながら、少女もまたぎこちなく笑みを浮かべた。
『お兄ちゃん……、ありがとう』
なお、直後に魂葬の態勢に入った時点で「で、貴様そもそも名を聞いたのか?」とルキアから指摘され「あっ」となるあたり、まだまだ一護も気が抜けていた。これには少女の霊も困ったように笑うしかない。
※ ※ ※
『…………だから月牙はもっとガンガン撃てって言ってンだよなァ一護の奴。始解しなくても月牙天衝だけは撃てるっつーのに、ああやって出し渋るからいっつも何か変に疲れるってのに』
『威力の調節が未だ利かぬせいであろう、そう目くじらを立ててやるな』
『目くじら立ててるっつーより、もどかしいンだよなァ。こう、横でもっと簡単にもっと安全にもっと素早くゲームクリアできる方法があるってのにえっちらおっちら恐る恐るコントローラー操作してるみてェな……』
『…………?』
『いや、オッサンも一護がゲームやってたところとか一緒に見てたろ』
俺の確認に無言のまま、オッサンはじっと画面で一護の姿を見ている。
相変わらずの一護の内在世界。心象世界、あるいは精神世界とか色々呼び方は変えられるが、いつもの横向き摩天楼。
最近はビルの一室より壁面に直接投影されている一護の映像ばっかり見てたから、こうして全員で卓袱台出してテレビの前で表側の活躍を見るのも久しぶりだ。が、まァ何が変わるかと言えば特に変わりはない。映像が見やすいってのと、その分こっちの歯がゆさが増すっつーくらいだな。
ついちょっと前、一護が
要するに、こればっかりはしょーもねェって感じだ。
で、そんな俺とオッサンが一緒に冷やした汁粉食いながら一護の様子を観察してる横で、姐サンやら子雪やらが何をやっているかと言えば……。
『ぎゃう?』
『へそ出し……? 我が使い手が、ルキアがお腹まる出し……? しかも足もあんなに、嗚呼、なんと破廉恥な!? そこまで黒崎一護に心許しましたかルキア!
うっ、ううっ……』
絶賛、訳わからねェ理由で膝ついて頭を抱えて泣きべそかいてら。もうこれわかんねェな……。
子雪がよくわからねェなりに背中をポンポンとして慰めてるが、言い分を聞くに朽木の奴の露出が激しいとか言いてェんだろうか? いやでもあの服のコーデしたのって井上の奴だしなァ。どっちかっつーと、一護の奴というよりは「現世に馴染む覚悟を決め始めてる」って方を危険視した方が良いと思うんだがなァ?
そこのところどうなんだよオッサン、と「影」を経由して思念を振ってみれば、「多くの子らが一護を気に掛けるなら、それは良い事だろう」と玉虫色っぽい返答。正直本心を語ってるのは間違いねェが、姐さんが聞いたらそういう話じゃねェってキレてくんのは確定だろって感じだ。なお、俺に。
まァともかく、救急車で運ばれかけてた一護の身体へ、瞬歩連発して急いで戻ったは良いが。大急ぎで記憶置換かけて走る二人の姿の情けねェこと情けねェこと。完全にデフォルメ入ってるだろって感じの勢いだが、なんとなーくこのシーンに微妙な既視感を覚えてる俺がいた。本来なら平日の死神活動、あまり目撃者は増えないせいもあって記憶置換をこんな一斉にかけはしねェんだが、そこら辺のわきの甘さはまだまだお子様っつーことだな。
…… 一護はともかくオメーはもうちょっとしっかりしろよ朽木、完全に現世の小娘みてェなノリになっちまってるだろ。
『一護の生涯に永住の覚悟を決めているのならば、馴染む努力は必須であろう。ひと時とは言えああも心を砕き続けた、かの平子真子のように』
『平子タイチョーなァ……。あっちもあっちで接触ねェし、どうしたもんかね』
姐さんが勝手に落ち込んでるのを良いことに、割と爆弾発言をぶん投げて来るオッサン。俺としても、もういい加減当たり前みてェに一護に対して命張りまくってる朽木を見て、掛ける言葉は無ェんだが……。それはそうとして、オッサンの平子隊長に対する評価高ェな。こうやって口頭で言及までするあたり相当だぞ。
そんなことを考えながらも、現実逃避するように最近の一護の周りのことが俺の脳裏に過っていた。
そう。ついこの間、下駄帽子の野郎が胡散臭い発言で煙に巻き(おそらく藍染
と言う訳で全員帰るって訳でもなく、朽木の奴は当然残留として、今は阿散井の奴が現世居残り組になっていた。日番谷隊長に関しても、他の家に泊まりにいくとか言って濁してるから黒崎家に臨時滞在させられてる流れも消えちゃいねェし、相変わらず
「あっ! 黒崎くん! くーろーさーきーくーん!! くっろさ~~き~~く~~~~んッ!!!」
「お、おォ……、テンション高ェな井上」
ファーストフード店(マ〇クみてェなところ)から、井上が迎えに来たみてェだ。この感じだとチャドの奴は席番やってるってことだな。ンでもって、バルンバルン胸揺らしながらぴょんぴょん跳ねて手を振る井上織姫が眩しいのなんの。道行く野郎共の視線と一緒に、ちらちら一護の視線も胸と顔とで行ったり来たりしてるのが目に見えてわかる。
まァあんだけデカけりゃなァ…………。
「終わったんだ、虚退治!」
「おう。……じゃあ、早く戻って続きやろうぜ」
「だな。死神稼業にかまけて学業を疎かにしたとあっては、貴様の御父上に申し訳がない」
「別にサボったりしちゃいねェけどな。石田とか井上くらい勉強できるっつー訳でもねェけど」
「えへへ~、褒められちゃった……!
朽木さんは、そんなに力入れてないよね~。やっぱり前に言ってたみたいに、実家がお嬢様だから働かなくてもアイアムチャンピオン! ってこと?」
「チャンピオン?」
「お、おほほほ~……」
『現代語がまだ微妙に合わねェのと、霊術院とやってたこと違いすぎるっつー感じだなァ』
専門校と大学以上にそのあたりは差が激しいモンだから、そりゃ現世は借宿くらいに軽く考えてた一般的な死神の学力じゃ、そういうことだな。
んでもって、普段ならつっかかってきそうな姐さんがまーだ「おへそ……、へそ…………、角度次第では下着まで……」とか偉い落ち込んでるのが、今日はまた重症だ。
端的に言うと。今日は隣町に遊びに来たついでに、飯食いながら夏休みの宿題を少し進めるっつー集まりだ。
ここのところ梅針に始まり
ちなみに今日は、石田の奴はいねェ。何か色々要領を得ねェ言い訳してたが、簡単にまとめると一護とのやりとりが多分正解を言い当てていた。
『お前もしかして…………、金欠か? 今月』
『うう、煩いぞ黒崎!? とっととどこへなりとも、好き勝手に散財して一文無しにでもなると良い!』
『お、おう、そうか……、悪ィな』
『ストレートに謝って来るな!? 真実みたいに聞こえるじゃないかそれだと!』
大型ミシンでも買ったのか良い生地でも見かけて高額出費したのか知らねェが、まあそういうことらしい。仕送りなのかバイト代なのかは一護が聞いてねェから知らねェが、とりあえず「今日の時点では」金欠、ということらしかった。
まあそんな訳で「早く戻って
……ンで、そんなやりとりの最中「ぬおおおおおお! オレの桃源郷が目の前にぃいいいい!」とか絶叫して井上の胸にダイブしようとするコンをしっかり押さえてるあたり、一護も抜け目ねェ。
そんな時、朽木のやつに伝令が入る。
「これは、どういうことだ……?
うむ。――――舞え、
「って、だから死神になってねェ状態で出すんじゃねェっての!?」
「やっぱり手品みたいだよね~朽木さんのそれ! キレー!」
一護の胸元に手を這わせ、そのまま「ずぶり」と肘のあたりまで侵入する朽木の右腕。あからさまに気持ち悪がってる一護と、引き抜かれた
待てよ、と言いながら追いかけようとする一護だったが、またもやコンに手を突っ込んで義魂丸状態のコンを引き抜こうと四苦八苦してるが……。
「黒崎くん、私に任せて!」
「井上?」
「はぁ~~~~~、りっく! らっく! ららっく!」
「おばあああああああ!? 井上サン……もっとこの幼気なぬいぐるみに愛! 愛を……、愛を、ください、うぉう、うぉ、ぽろん」
こいつはヒデェ。
一護からコンを手渡された井上は、のほほんと可愛がられる期待をしていたコンの腹をとにかく殴った。別にセクハラに対する嫌悪感とかそんなモンじゃなく、純粋に「こうしたら取れると思う!」みてェな天然極まったノリだ。しかも実際抜けてるから洒落にならねェし。
出たねー! とか言って空中に投げ出されたそれをキャッチした井上は、一護の口に「はい、あーんして!」と言う。
これに狼狽しない訳はない一護。
「な、ななん、あーんとか!? いや……たつきの奴いねェよな、てか、本当テンション高ェな!?」
「黒崎君、急がないと朽木さん危ないんでしょ? 本調子じゃないって、前に言ってたもん」
「そ、そりゃあそうだ、けどよォ…………」
「じゃあ、はい! …………あっ!」
「どうした?」
「な、何でもない何でもない……、は、はい! あーん!」
「お……、おう!?」
『…………普通に手渡された後で飲めば良いのではないでしょうか、わざわざ手運びする意味はどこに?』
「お! 復活したか姐さん」
ンでもって、画面の半分で急いで走ってる横で井上織姫の顔と胸と手元と胸と顔と胸と胸と胸に視線が行ったり来たり(?)してる一護に半眼の姐さんこと、袖白雪。なんとなく朽木の奴のギャグみてェなデフォルメ顔を思わせる表情で、微妙におかしい。一護の視線の動きを見て、その後こっちに「浮気ですか」とか聞いてくるテンションもおかしい。復活早々頭ピンク色っぽいあたり、姐さんのこのテンションの具合が「朽木ルキアから影響を受けた結果」とかでないことを、久々に祈る他なかった。
阿散井のやつ現世に来てるっつーのに、この異様な距離感と気安さはアウトなんだよなァ……。志波海燕のことについてピンと来ちゃいねェからまだ気付いちゃいないみてェだが。
まあとにかく、いちゃいちゃして二人とも微妙に照れながら走っていく。「とりあえず待ってろ!」とコンに一声かけてるあたり、地味に朽木や井上よりコンについて気遣っていそうでちょっと涙流れてきそうだ。
ただ、無警戒にぼんやりと眺めてられたのはそこまでだった。
「何だよ、この霊圧……?」
「空っぽ……?」
「わからぬ。私とてこのような霊圧は初めてだ。人間のようだが、それにしては妙に
辿り着いた先、大通りに合流する道で思いっきり大量の、白い布に赤い雫みてェな仮面っつーか、まあパッと見で謎生物みてェな連中がうじゃうじゃと湧いている。
待機しているタクシー運転手とかには見えちゃいなさそうだし、魂魄の類なのは間違いねェだろうが――――。
とりあえずとばかりに魂葬できないわ、その割には「生きている人間には見向きもしない」わ、かと思えば一護や朽木、井上あたりの霊力の高さには反応して群がって来るわ。どう見ても謎というか、虚じゃねェが「足りない何かを求めてる」その姿に、俺の中のいわゆる「転生者」らしい記憶が呼び起こされる。
「――――夕闇に誘え、
『あかねしずく! あかねしずく!』
『いやだからどうして知ってンだよお前よォ……』
んでもって、そんな状況であっさりと謎の魂魄の群れ――
劇場版第一作目じゃねェか!? 卍解も覚えてないまま思いっきり
補足事項
・王敵(おうてき):
拙作鰤二次世界では「霊王と敵対し、あるいは零番隊もしくは霊王直々に敵認定された存在」。霊界の安定やら何やらから危険視あるいは邪魔になった存在。土蜘蛛とも。
原作ヨン様も王鍵作ろうとしたあたりでこのカテゴリー。
・ルキアの服装:
ED「Stay Beautiful」の時に一瞬映るファッション。貞操観念というか女子的警戒心というかが、だいぶ現世に馴染んできているイメージ。