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「――――ったく、だから言ったじゃねェか。追いかけっこは苦手じゃねェって」
「こんなに早く終わっちゃうなんて、つまんなーい!」
それは、ほんの3分程度前の出来事であった。
ダークワン配下、2名と遠距離からもう1人。狙撃を中心として動いていた女性と、大柄な男と飛び道具使いが一人。それぞれ3人での戦闘に、浦原喜助と朽木ルキア、井上織姫は翻弄されていた。
浦原に関しては「紅姫が言う事聞いてくれないっスね、この場所は……」などと言いながらも、飄々と攻撃と防御をこなし。ルキアの斬撃と凍結に合わせる形で、織姫が盾を形成したり、ときおり攻撃の盾を飛ばしたりといった具合。連携というにも
「本当に何者なのだ、あの男……、しかし――――」
「――――“拒絶する”!」
「ぬ!? 済まない、井上!」
悩みながら
浦原喜助に曰く。矢じりから何から何まで、敵の武装は欠魂を分解して作成されている。つまり見た目の小ささに反して、その威力は尋常のものではないということ。霊子、霊力の密度が、大きさやその簡単なつくりにつり合っていない。
ある意味でそれこそが、
「やれやれ。……朽木サン、夜一サンと先にいってもらって良いっスかね? ここはアタシが引き受けます」
浦原のその言葉に、何か勝算は有るのかと叫ぶルキア。不敵に笑うだけで特には何か言いはしなかったが、あれの秘密主義はここに至るまでの期間で嫌でも身に染みている。
井上からも「黒崎君を!」と言われるルキア。本当なら自分が駆けだしていきたいだろうに、そのもどかしさを押し殺して
だとするなら、自分が行かないで何となる。
決断は早く、猫状態の夜一による「こっちじゃ」という先導に従い、瞬歩で追尾するルキア。この叫谷、霊子の入り乱れが激しく一護ほどの強大な霊圧でもっても、霊絡を形成して探すのには手間がかかる。そのため、事前にそれをしていたような夜一の先導は大きな助けであった。
そして、走っていくルキアを逃がすかと追いかける闍猪という大柄な男。そちらに追撃を仕掛けようと浦原がした、その時であった。
「これは…………? いやァ、流石に想定外ってどころの話じゃないっスねぇ」
「ひぃ…………、何、これ……?」
「――――ハーッハッハ! 黒崎一護ってのはどこに居やがるンだァ!!」
叫びと共に、全身を
いっそ殺傷力すら伴っていそうなその出現に、井上織姫は腰を抜かす。一護の虚を初めて見た時に感じた恐怖心に近い。もっとも、あちらはその後の
自分たちが立っている地面を粉々に砕き、敵も味方も巻き込んでその霊圧の奔流と衝撃のみで吹き飛ばし、追い打ちとばかりにさらに追い風や気流すら生み出す程の衝撃を身体から放たれれば、もはやそれどころではない。
思わず目を瞑り吹き飛ばされた織姫。怯えていたせいか言霊が間に合わず、盾の形成の隙が無い。
しまった、という浦原の声と共に、あわや空中へと投げ出された彼女は――――。
「……あら、やっぱり酷いことになってるわねぇ」
「ら、乱菊さん!」
織姫を追って、空中を駆けて現れた松本乱菊が拾う。「はぁい、何日かぶりね♪」と楽しそうに笑う彼女は、そのまま距離を開けて再び開けた更地の一角に座る。
くつろいだら駄目! という織姫の言葉に、大丈夫大丈夫と笑う乱菊。そして織姫の視線の先―――― 一護やルキアが先ほど向かっていった、新たに作り上げられている山のような方角を一瞥して。
「あっちには隠密機動の隊長さんがいったから、しくじらないでしょ? ……たぶん」
「た、たぶん……? えっと、どうして……」
「私たちがきた事が不思議? んー、隊長! 隊長! ……隊長どこか別な子のフォローに入っちゃったかしら」
周囲を見回しながら、松本乱菊はそう言って肩をすくめた。
なおそれから数分置かず、さっき降ってきた妙にツンツンとした長い髪のトンガリを持つ眼帯の隊長らしい男が、つまらなさそうに肩の幼女と会話しながら「自らが作った」谷から上って来て、織姫としては困惑しかなかった。
他にも、各地で。
「よ! 遅れて悪かったなァ、チャド。俺も混ぜてくれよ」
「阿散井……? いや、助かる。流石に相手の手数が多すぎる」
「そうかよ。ま、俺もここは任せて先に行けとかはエラソーなこと言えねぇけどよ」
「…………それはそうと、さっき降ってきたようなあの霊圧って何か知っているか?」
「あぁ? あー、あれは…………、っと、そいつは後でだな!
……咆えろ、蛇尾丸!」
「―――― 一人増えた程度で同じこと、さぁ、潰れ死ね!」
遅れて到着した阿散井恋次が、茶渡泰虎に肩を貸し立ち上がらせ、共に周囲に漂う無数の棍棒を前に構える。相対するは、本人の姿はどこにも見えない、ただひたすらに空中から降り注ぐ
「だいぶ消耗していそうじゃねェか、滅却師」
「君は……、日番谷
「日番谷
「す、済まない」
「まあ良い。……破壊作業と言ったが、そのための一環、みたいなものだ。疲れているようなら代わるか?」
「冗談は登場だけにしてもらいたいね。
彼は僕が倒さなければいけない――――同じ滅却師の末裔、その一人として」
「そうかよ。まあそのあたりの因縁は、
『――――無粋な邪魔者めェ! 我らの祭りに割って入るなど笑止!』
半笑いを浮かべて腕を組み状況を観察する日番谷と、そんな彼に見られながら肩で息をしつつ、霊子収束で兵装を再構成する石田雨竜。彼の眼前には、闇隷により「全身を戦車のように」拡張変化したダークワンの配下、
「オイ! 探し物はこれか?
…………何だその目は、浦原喜助」
「あららー ……、あなたが来ちゃいましたか」
「何を嫌そうな顔をしている貴様。『あれだけの罪を為して』のうのうと逃げ延び、四十六室の裁定で追放刑に改められている分際で」
「そうおっしゃられましてもですねぇ。第一、ボクから言えるのは『皆無実』だってことっスよ?」
「貴様の主張に意味はない。それより腕は鈍っていないだろうな」
「おや? どういう風の吹き回しで? てっきり――――」
「貴様との共闘など業腹だが、ここで世界が滅んでは
「――――あー、やっぱそういうことっスねぇ……。はァ、人生とはこう難儀なものだぁ」
「――アッハッハ! いまさら死神が何人来たところで、もう手遅れなのよ!」
状況の推移や変化は細かく判らずとも、それぞれの場所にそれぞれ人が増えたことだけは、一護も理解できる。だからこそ変貌した厳龍に対する驚愕も、わずかに一息ついて、持ち直した。
「その目も、卍解ってやつの効果なのか?」
「――――否。これは、私が正しく
手元の斬魄刀……、薄紅色の鍔をもつ、ただの刀にしか見えないそれの刀身に自分の目を移す厳龍。自ら一護から視線を外しているが、決して隙だらけと言う訳ではない。彼の背後の、白い髄にまみれた巨大な蜘蛛のような何かが、ちりちりと音を立てて一護のことを観察しているのだ。
得体が知れねェし、なんなら茜雫が見たら泣きそうだな、と呟く一護。ちらほら会話していて気づいたが、どうやら彼女は「お化け」の類が苦手らしい。幽霊ってのもお化けの一種じゃねェかと思いはするが、それとこれとは別なのだろう。どちらかといえば、ああいう妖怪とかモンスターとかの類のことなのかもしれない。その観点で言えば、厳龍の背後のあれは見事にモンスター映画さながらなビジュアルであった。巨大な蜘蛛の巣の上に陣取り、かたかた音を立てて一護を見下ろす蜘蛛の胴体と腹こそが虚の仮面のようで、明らかにその尾部に眼窩とこちらを睨む目が存在している。
その不気味な相手から目をそらさず、しかし聞き覚えのある単語を反芻する一護。
「……霊王?」
「知らぬか。……否、知らない方が良いだろう。お前に限らず、そのまま、何の意味もわからず死ぬのが救いであろう。思念珠と異なりな」
「茜雫は、仲間だ。モノみてェに言うんじゃねェ」
「それが傲慢だと言うのだ、黒崎一護。……尸魂界と現世とが衝突し対消滅する際。まさかそのまま思念珠とこの場所も消滅するなどと思ってはいないか?」
「……何?」
刃をふるい、頭上に掲げる厳龍。
蜘蛛の巣のようなマントがはためき、背後の蜘蛛尻を向け――――そこから糸でも吐くように炎を吐き出す。
一護目掛けてではない。厳龍の持つ斬魄刀へ、である。
ざっと一度振るえば、その吐かれた炎は「その全てが」厳龍の斬魄刀に集まり、刀身を橙と赤と金に揺らめかせる。
「あの思念珠を……、
人としての情緒を育て、愛を育める豊かな心を為したが故に! それを自らの存在が滅ぼすのを目の当たりにし続けることになる。その状況を作り出したのはお前だ――――あの娘を苦しめるのは、お前なのだ黒崎一護!」
「ッ!」
爆裂。瞬歩の動きと共に、その軌跡に炎が走る。放出する力が強いせいなのか、霊圧はそのまま火柱となり立ち上がり、厳龍を逆光から照らす。ゆらめく三つの瞳孔が一護を射抜き、思わず斬月を持つ手が震え、後ずさる。さながら「白いYの字」のような目は、どのような感情か一護のことを責めているようにすら見えた。
「何が苦しむだ! アイツの心は――――」
「いいや、必ずあの娘も貴様も苦しみ涙にくれることになる!
故にその最後を、自らの罪をつきつけられ滅びるような拷問を……自らの存在が失われていく以上に辛いだろう拷問を、味合わせるのが貴様の本意か!」
「――――そんなの、テメェらの勝手な都合じゃねェか! 茜雫を使ってこんなことしなきゃ! アイツが苦しむようなことは無ェ!」
厳龍の剣には、段々と重さが乗ってきている。先ほどまでの空虚なものと違うのは、果たしてどういった理由からか。
大きく振りかぶり、振り下ろし。その動きの流れで厳龍に距離を取らせ、一護は叫ぶ。
「――――発火!」
瞬間、一護の全身に回った霊圧が噴き出し、彼の身体に黒いはためく衣のようなものを装着させ。
それは、火輪。一護の内の虚から、あるいは斬月のおっさんから。その双方から、一護に与えられたかもしれない、彼が戦うための、今の時点の全力、その限界値。
ひたすらに霊圧の奔流が白い炎のようにゆらめくその姿のまま、先ほどよりも高速で、高威力で斬りかかる一護。振り下ろす一刀は大剣であるにも関わらず「おもちゃの」軽い刀を振り回す様に異常な軽々しさで、それでいて一切の威力は変わらないどころか増しているのだから、厳龍の表情も苛立っていく。
「私は、私は負けん……」
そして戦いの最中、一護は気付く。斬り合いながらも、厳龍の身体の鎧が、さらに分厚さと装飾とを増していることに。一度止まったそれが再開したこと。再開と同時に、厳龍の剣の重みが増していること。
そして何より…………刀越しに伝わってきた、この悲しみと、孤独感は。
「――――私は、私は負けられんのだ! 例え私に何もなくとも、
「く、おおおおッ!」
いっそ乱暴なまでに一護を無理やり「木の幹が折り重なったような」太い足場に叩きつけられる。それと同時に足場が解け、欠魂の形をとりなしながら一護の身体に巻き付き、身動きを封じる。斬月を振るって月牙を為し脱出を図ろうとするが、「いつのまにか」この場まで迫ってきていた蜘蛛の怪物の尻部から放たれた「大量の欠魂で構成された蜘蛛糸」のようなものが覆いかぶさり、身動きの一切を封じられる。
とはいえ、火輪の放出を帯びた斬月の軌跡は、月牙でないにしろ剣圧が超極太の
そんな一護に振りかぶり斬りかかる厳龍。一護が認知した時点では、切っ先が既に目の前――――。
飛び退き、斬月を切り上げて対抗する一護。この距離で「見てから動く」が可能なのは斬月ではなく火輪の性能だろう。ただわずかにつばぜり合い擦れば、厳龍の背後よりあの蜘蛛が尾部から「無数の光の刃」を放ってくる。わずかに解けるそれは、輪郭だけなぞっても欠魂のそれであり。
くそ、と悪態をつきながら、厳龍の刀を流して、斬月の側面で光の刃を受ける。と同時に厳龍が「斬魄刀から」、あの蜘蛛が出したような極太の蜘蛛糸を放ち、一護を吹き飛ばしどこかの壁面に拘束した。
蜘蛛糸が固まり、周囲の
そんな一護から距離を取り着地し、睨む「三瞳」の厳龍。
「……こんなことをやりたくないのか、と先ほど言ったな。黒崎一護。
違う、嗚呼違うとも。
物心ついたころより断界で生き、
「…………そ、……れは…………」
「おじじ様は、私に済まぬとしか言えなかった。父上も母上も、こんな所で一生を過ごさせるしか出来ずに、逃がすことも出来ずに済まぬと、何千何万という回数の謝罪を耳にした。
嗚呼そうだ、私は哀れまれた。悲しまれた。
だがそんなことはどうだって良い――――私と同年代の子もいた。私よりも年上の子供も、大人も、老若男女問わず多くの血族がいた」
その全てが、と。振り上げた左の拳を握り。そこにこもる霊圧と共に、彼の周囲に光の刃が形成される。
「千年余り、我らは日陰など生ぬるい、生も死も意味をなさないこの地で育ち、失われた。
「アンタ……」
「この世で最も卑しい者とは何か、わかるか? ――決して何者にもなれず、意味も残さず、何も得られず、朽ちて腐り消えていく。
そんな者たちの上に、安穏と太平を謳歌する者たちが立ち笑い、そして時に蔑むのだ」
許して良いはずがない、はずがないのだ、と。厳龍は、どこか他人事のような物言いで語り。
まるで自分に言い聞かせるようなその言葉は、徐々に熱を帯びていった。
「我らが舐めてきた辛酸は、一体何だったのだ? 何故今日まで、私は生きてきた? 今潰えている我が配下たちも――その生の意味は、どこにあるというのだ!」
「……厳、龍…………!」
「私には
――貴様程度の浅い同情に、覚悟に、邪魔立てされる謂れはない!」
腕を振る厳龍。形成された光の刃は一護へと飛び―――― 一護の身体を何か所も、何度も貫き。
火輪の「白い炎のような霊圧」の放出が徐々に、徐々に薄らいでいった。
※ ※ ※
「
「無駄だァ! 逃がさんぞ――――
一護の元へ駆ける途中、無数の飛んできた矢で足止めを喰らったせいもあり、背後から迫っていた大男(ジャイといったか)に追いつかれてしまったルキア。
適度に距離を取りながら、
お互い攻め手に欠ける状況が続いている、そんな最中――――。
「――――何だ、この霊圧……、
「これは……ッ、間違いない、更木剣八…………! 十一番隊隊長、更木剣八!?」
声が裏返るルキア。彼女の脳裏に過る記憶は、果たしていつの頃か。少なくとも二十年以上は、間違いなく昔。ルキアが、
―――― 一応味方なンだから、怖がるモンじゃねェぞ朽木?
――――いやでも、ウチでも隊長に初見で怖がらなかったのって、僕の家の一番下の娘くらいですし……。
――――いや、それ言われたら俺も弱ェけどよ……。というか、ガキンチョの頃の
いつの記憶だったか、虚の捜索をしていた折に十一番隊と調査範囲が重なってしまった時。虚の逃走経路が同一であったため、おそらくその先に
その一振りで敵を簡単に削ぎ、払い、斬り倒す。「死」に手足が生えたような獣のような、その隊長の姿を。
――――あれで結構義理堅いし、面倒見も良い方なんですけどねぇ。
――――十一番隊基準で話すの止めてやれよ、ほら、覆がジト目でテメェのこと見てるじゃねェか。
あの人が十一番隊の誰かと交わす雑談など、全く気にならない。
もはや共闘作戦など忘れ去る勢いで、たった一人で数百の虚を駆逐したその男こそ、更木剣八である。
失禁こそしなかったが、ちょっと危ない位の恐怖心を植え付けられた朽木ルキア。だからこそ、その霊圧の登場で当然のように事態を察した。尸魂界から援軍が来たのだろう。そんなこと起こりえないと踏んだからこそ、現世の仲間だけでこの場所に侵入したと言うのに。
全く、世界はままならない。
そして、そんなルキア以上に呆け、それでいて焦った敵に白弦を放ち。それで凍結した腕を、はっとしたように「斬り落とす」闍猪。
距離を取りながら「欠魂を集結させ」右腕へと変化させ事なきを得た男は、ルキアを見てニヤニヤ笑う。
「ほう、しかしこうして見れば中々の上玉……。女などここ四百年は味わっていなかったなぁ。
「下種め」
「何故だ? 血を繋ぐならば、それ以外に選択肢はないであろう」
「…………理屈として理解しないこともないが、それを突き付ける意味がわからぬ!」
「そんなもの――――」
叫ぶルキアに殴りかかる男。振子雪で鍔迫り合いを狙うが、しかしあっさりと「その刀身が折られ」。
「――――我が刃の密度を高めるための、時間稼ぎに決まっているであろう? もう、貴様の刃ごときでどうこう出来まい」
ニヤリと笑いながら振りかぶり、ルキアの頭部をカチ割らんと振り下ろす闍猪であったが。
「――――
「な、何!?」
そのまま範囲ごと、上空にそびえたつ氷の柱。月まで届かんとするようなそれを背に、ルキアは語る。
「……残念であったな。
そして徐々に徐々に、折れた刀身が凍りながら再形成されていくのを見つつ、砕け散る背後から視線を逸らすルキア。
ふう、と一息をついてから深呼吸を繰り返し、未だ感じる更木剣八の霊圧による動揺を落ち着ける。さて一護はどこかと、そこで夜一がいないことに初めて気づき――――。
「――――ヒャッハッハ!」「だから無駄だと」「言っているのだ!」
「っ!」
瞬間、背後から「三人の闍猪」に襲われるルキア。とっさのことで振子雪を構えるのに間に合わず、左腕に傷が走る。
痛みに呻き、少女らしい声を荒げる彼女。そんなルキアの首を掴み、持ち上げる闍猪のうちの一人。
「元より我らは死人同然」「厳龍様が、その身を削り我らに命を与えてくださった!」「姿形など些事にすぎぬ!」「与えられた命と力……」「当主様のためなら、惜しくもない!」
「ぐ……ぬぅ」
故に死ねと、首をへし折ろうと両手で掴み直す闍猪と、再生途中の振子雪をその状態でなお構えようとするルキア――――。
「――――散れ……、千本桜」
そしてその場に。桜吹雪の刃が、吹いた。