メゾン・ド・チャンイチは事故物件(物理)   作:黒兎可

73 / 84
今回は番外編でなく、おまけ①~③と3種類になっておりますので、どうぞ!


#073.MoN⑱エクストラ(※おまけ)

 

 

 

おまけ①:死神図鑑

 

 

 

 

 

・死神図鑑:零番隊襲来直後の十二番隊

  

曳舟桐生(以下曳)「いやはや、下に降りてきたの久々だけど凄い事になってるねぇ……。お? これ凄いねぇ、断界の情報ここまで正確にとれるとか、因幡だっけ? 君。ちゃんと仕事して偉い偉い!」

因幡影狼佐(以下因)「おっぱ、は、はい……! そ、その、当たって――――」

曳「というか何だいこれ? それはそうと、この何か一部分のエリアだけ妙に…………」

因「ばるん……、…………ばるん……!?」

 

涅マユリ(以下マ)「……因幡に性欲なるものがまだ残っているとは甚だ驚きだがネ、私の研究所で好き勝手は控えてもらいたいのだヨ零番隊」

 

因「ぼはっ!? しょ、所長!!?」

曳「()()()()()()!」

マ「その呼び方を一体誰から聞いたと言うのかネ!? いかに王属特務といえど親しくも無い相手に対してそのような素っ頓狂な呼び方をするなどお里が知れるというものだヨ。礼儀礼節を霊術院ですら学ばなかったというのかネ、あ゛ぁ゛!?」

因「プフ……」

マ「何か問題でもあるかネ、因幡」

因「な、何もないとも……!」

曳「ああごめんよ、そう凄まないでやって。ほら、逃げな? 後、ついでにアタシも睨まないで欲しいけど。

 でもウチのひよ里も世話になってた相手なんだし、別に全く知らないって訳じゃないだろ? アンタの方からアタシについちゃ。少しは親睦深めたって良いじゃないか、同じ十二番隊関係者ってよしみでサ! 浦原喜助みたいに疑心暗鬼の鬼になってる訳じゃないだろ?」

マ「誰から何を聞いたかは知らないが、それで到底納得できるような話でもないのだが……。それに大体、何故当たり前のような顔をして技術開発局にまで入り込んでいるのだネ? いかに隊として古巣な元隊長相手とはいえど、セキュリティという概念が崩壊しかねない暴挙だ。こちらは隊首会の準備をしているというのに。阿近?」

阿近(以下阿)「あー、いや、俺も一緒に資料の準備してましたし……、でも流石にウチの連中がどうこうって訳でもないんじゃないっスか隊長」

マ「それもそうだネ。しかし、それはそれで問題が残る。一体誰が研究室への立ち入りを許可したかという、甚だ致命的な問題が――――」

 

修多羅千手丸(以下千)「――――(わらわ)ぞ、妾が許可したともマユリ()()()

 

曳「あっ千手丸」

マ「    」(※絶句)

阿「えっ? ど、どなたで? 今、涅隊長の研究室から出ていらっしゃられましたけど、こう、ウィーンガシャンって」

千「効果音は不要ぞ。それにしてもいやはや、中々興味深いことをしておるようじゃの。()()()()()()()のはそのせいということか。少々つまらぬが、妾や桐生に優ろうというならばこれも致し方なしかのう、ほほほ!」

曳「いや、ほほほじゃないよ。あんたが『マユリと妾の仲なら古巣みたいなものよ』とか言うから、アタシも気にせず入っちゃったってのに。ものすごい嫌がられてるじゃない」

千「そのような狭量でケツの穴が小さい生娘のようなことを言うのはそこなマユリくらいぞ。嗚呼、ケツの穴が小さくで未知のものに囲まれすぎて限界を超えるとキエェエエエエエイなどと奇声を上げるのはそこなマユリくらいか」

マ「――――――――」

千「ほほほほほ」

マ「――――、この、黙れこの外道がッ! 大体何を勝手に我がトップシークレットの情報をあっさり引き抜いて高笑いしているか、恥を知りたまえヨ!?」

千「妾が色々と指揮しておったころより格段にセキュリティが落ちておったし……、修多羅等級(しゅたらスケール)の更新も終わっておらぬようじゃしのぉ、ぬるいぬるい」

マ「そもそも君たちが下りてくること自体が想定外以前の問題として規定外の話なのだがネ! 追及するというのならネム! ……いや、ネムは今留守か――――」

千「ほほほほほ――――」

マ「何か滑稽さを見つける要素など――――」

 

曳「何かすごい顔してるけど、大丈夫かい? 涅隊長」

阿「あー、まぁ…………、ものすげェ珍しいもんを見てるわ」

 

 

 

眠ナナ(以下七)「へくちっ」

石田雨竜(以下雨)「どうしたんですか? ナナさん」

七「いえ、何でも。……噂でもされているのでしょう。おそらく、お父様が」

雨「ナナさんのお父様か…………、どんな相手か全く予想がつかないな」

七「とても純真な方ですよ? ――――っと、あれは」

 

ドン・観音寺「ボハハハハ──!」

観衆『『『ボハハハハ──!』』』

 

七「ぼははははー! ……これで良いのでしょうか雨竜様」

雨「何やってるんだナナさん!?」

 

黒崎一護(以下一)「何か今、聞き覚えのある声がどっかで聞こえたような……って、それより茜雫どこ行ったアイツ」

 

 

 

 

 

・死神図鑑:吐血する浮竹隊長の背後で

 

浮竹十四郎(以下浮)「いや、済まない! こっちに来るときはもうちょっと元気だったんだが……。まあ元々、あまり調子は良くない時だったからな」

一「マジかよ、そんな過酷なのか尸魂界の仕事って……」

阿散井恋次(以下恋)「諦めろ一護、浮竹隊長はいつもこんなモンだ」

一「えぇ……?」

 

日番谷冬獅郎(以下白)「やっぱり吉良の奴を連れてきた方が良かったんじゃねぇか? 雛森。あいつ元四番隊だろ」

雛森桃(以下桃)「いや、でも市丸隊長が抜けててすごい大変そうだし、気が引けちゃうよ~」

松本乱菊(以下乱)「体調って意味じゃ、アンタもちょっと危ないんだから気を付けなさいよ? 昨日今日とずっと仕事漬けで寝れてないでしょ」

桃「乱菊さん、はい……」

砕蜂(以下砕)「…………(そもそも虎徹三席を引っ張ってくればそれで終わりだったのではないか? いや、夜一様……ないし浦原喜助捜索のために無理を言って参加した私が言えた義理ではないが)」

桃「でも珍しいよね? 浮竹隊長が自分からこういう任務に出向こうって言ったのって。体調がいつも悪そうだから、あまり動きたくないって言われたらそうなんだろうけど、なんでろう?」

白「別に体調が悪いから動きたくないって話じゃねぇぜ。自分が動くことで周囲の人員も固定される可能性があるから、いつもは遠慮してるって話だ」

桃「で、救護班引きつれないで来ちゃったんだー」

白「嗚呼」

桃「…………」

白「…………」

乱「ま、たまには良いんじゃない? 気分転換も必要でしょ♪」

砕「………………」(※時折わざわざ目撃されないよう現世に来て猫と戯れているため何も言えない)

 

浮「はっはっは! いやしかし、君は本当によく似てるなぁ。よっ! し~ばや~!」

一「いや、だから何なンんだってどいつもこいつも……」

茜雫(以下茜)「花火師?」

恋「いや、一般的にはこっちでもた~まや~だぜ」

浮「はっはっはっはっは──────!」

 

 

 

 

 

・死神図鑑:劇場版前日譚、ダークワン誕生

 

厳龍(以下厳)「さて……、蘇りし我が配下よ。共について来てはくれるか?」

闍猪(以下ジ)「はっ、何なりと」

紅忍(以下ベ)「旦那は無理だったけど、アンタに私は命を救われた。……もう何もないアタシだけど、それでもこのままじゃ、やってられないってことよ!」

梁(以下リ)「元より我らが悲願は一つ。尸魂界への復讐のみ」

崩(以下バ)「…………」

泰依(以下ム)「坊ちゃん、否、我らが主人よ。なんなりとご用命を」

 

厳「そう、か。………………嗚呼、ならば、そうだな。我らが悲願、尸魂界ひいては霊王への復讐を!」

一同『『『はっ!』』』

 

厳「さて。ではそれにあたって、一つ決めなければならないことがある」

ベ「決めないといけないこと? 何かしら、厳龍様」

ジ「やはり作戦ですか、わが主!」

ム「いや闍猪、待て、おそらくだが…………」

厳「名前だ」

一同『『『えっ?』』』

厳「我らの新たな終わりへの門出に相応しい名前を、決めようではないか。龍堂寺(りょうどうじ)という名は、もはや引き継ぐ先もない。そもそも尸魂界においては()()()()()()()()我らの名あるいは()は侵入を阻まれている。

 であるならば、新たな名前を自らに刻むことでその括りを多少は軽減できるのではないか? と思うのだが、どうか」

リ「賛成いたします」

ベ「ま、あんまり拘りもないしね」

バ「…………!」

厳「ではそうだな……、私はこう、欠魂を使う一団であるのだからこう、それっぽい名前が良いと思うのだよ」

ジ「わが主の意向が全て!」

ム「いや、待て、その判断は――――」 

 

厳「――――というわけで、『サムラァイ・のっぺらぼうズ』とかどうだろう?」

 

一同『『『…………』』』 

厳「『サムラァイ・のっぺらぼうズ』。うむ、良いじゃないか。故郷も無く名も捨てた我らはさながら流浪する顔のないのっぺらぼうがごとし。くしくも個の顔を失った欠魂によく似ている。また、死神を名乗るにはあまりにかの者共への怒りが残っており、かといって滅却師を名乗れるような立場でもなき我ら侍。

 であるならば、ヨシ! これより我らは――――」

ム「お、お待ちを厳龍様……!」

ベ「ちょ、ちょっと、もうちょっと皆で話し合った方が良いんじゃ、なくって? 厳龍様……」

バ「………………!?」

ジ「わ、我らは厳龍様の御意見が全てにございます、が、その、もし宜しければしばし、我らで話し合う時間を設けて頂いても宜しいでしょうか」

リ「厳龍様…………」

厳「そ、そうか? うん、じゃあ、皆で考えようじゃないか!」

ジ「御意!」

バ「………………!」

ベ「嗚呼なんというか、今日一番の笑顔で何てことを……」

リ「こういうことか」

ム「厳龍様は……、生来独特な感性で世の中を見ていらっしゃる方故な。それもこれも、このような何もない空間で幼少期を過ごされたことが何よりも悪い」

 

一同『『『(をのれ尸魂界…………!)』』』

 

 

 

???和尚(以下和)「えらい風評被害も甚だしいわい、そりゃ朽木の血筋じゃろうて」

???????「────────」

和「むぉ!? し、しかしのぉ()()()よ、アレは仮に現世でそれなりに物を見て学んだところで、悪化することはあれど良くなることはないぞ? うむ。まあ、流石に哀れじゃからそれらしい名を選んでおいてやるかのぉ」

 

 

 

 

・死神図鑑:悶々としてる黒崎一家

 

茜『あー! 今、絶対子供っぽいって思ったでしょ! それ言ったら戦争だからね、センソー!』

一『いや、黄色似合わねェとか言ってた割になァくらいは思ってる。何だそのキャラクターみてェなくまとハチミツ』

茜『仕方ないでしょ、洗濯してあったのこれだけなんだから!? というかエッチ! 一護のエッチ、エッチエッチ、エッチッチー!』

一『馬鹿、隠す努力くらいしてから言えッ! というか本当その語彙の少なさ何なンだよ……』

茜『いいでしょ別に! 物事ってわかりやすいのが大事なんだからッ! 曖昧なこと言って大事なことが伝わらないの、一番駄目なんだからね!』

一『おう、じゃあ俺のベッドから降りろ』

茜『やーだー!』

一『言ったって意味が無ェじゃねェか! というか、あーこら枕投げんじゃねェよ!』

茜『エッチな一護は撃退するに限るってコト! エッチ! エッチ! ……ちらっ』

一『いやマジで何やってンだお前よォ!!?』

茜『あー! やっぱり興味しんしんじゃん! 織姫のおっぱいばっかり見てたくせにー!』

一『いいいいいい一杯は見てねェ!? っというか、いやそもそも見てなんて……!』

茜『へー。やっぱりおっぱいが良いんだ。へー』

一『な、何だよその目、何が言いてェんだよ……!?』

茜『べつにー? 人のスカートの中をガン見してるくせに随分とアレだなーって。ひょっとして一緒に居たあのお人形さんみたいな子も――――』

一『だから別に好きで見てる訳じゃ――――』

茜「お風呂、覗かないでよ?」

一「覗かねェよ! そもそも近くに居る訳でもねェんだから事故で見えることも――――」

茜「えっ、何かやけに言い訳具体的じゃ――――」

 

夏梨(以下夏)「やめときなってー。というかヒゲはアタシたちだけじゃなくて一兄ぃにまでそういうちょっかい止ーめーなーよー」

遊子(以下遊)「シッ! 今なんかベッドで寝るって言ってからこう、パンツ見せ、お風呂入るって……!」

夏「勘違いじゃない? それか、たつきちゃんみたいに距離感ぐっだぐだなんでしょ」

遊「だだだってだって、だってー! スカートすんごい短かったんだよ! 腰もきゅってしてるしさー!」

夏「たつきちゃんだって最近そんなものだし。というか泣くならわざわざ聞くの止めなってー」

一心(以下心)「母さん、ついに来るべき時が……! いやでも俺達の時はちゃんとそのために宿泊先を選んだし恥ずかしいから、一体どこで一護はあんなオープンな感じに――――

夏「聞きたくもないわそんな話!」

心「うぅくそうぅ! 俺は、俺は一体この後どうあの二人に接してやったら――――」

 

一「――――意味わかンねェよ! というか、何やってンだ全員そろって!!」

 

夏「ほら怒られたー! 私無罪ー!」

遊「あっ、夏梨ちゃんずるいー!」

心「と、扉を蹴破って現れるようなその姿、父さんには一番彼氏らしく見えるぞ……! あとそれから一護……、()()、あるか? ちゃんと避に――――」

一「うるせェ、ンなんじゃねェって言ってるだろ!? 大体ンなもの持ち合わせもないわッ! 使う予定も!」

 

ルキア(以下ル)「(…………ま、まあ、聞かなかったことにしておいてやろうか。しかし、風呂、か。…………う、うむ、うん。まあ年相応に助平だからな、あやつ)」

 

茜「ふあぁ……、ねむ」

 

 

 

 

 


 

 

 

おまけ②:後半の補足事項

 

・茜雫の語彙が少ない理由:

 本編でも言及してるけど判り辛いかな? ということで。要するに、色々な人の思念が頭の中で交差して、上手く言い回しが作れず、結果として一番大事な部分の言葉だけがぽろっと出てくる、みたいなイメージ。

 なので好きな人に好きって伝えるのに一切の妥協がなかった……。

 

・子雪ギャン泣きと発言の理由:

 子雪は生まれの複雑さから周囲の声を拾ってしまう能力を持っているので、チャン一の「助けて欲しい」って意志も聞こえてるし、茜雫の末路の思考も、抜け落ちない状態で全部聞こえている。それでも誰しも助けられなかったのでそりゃもう大泣きするし、茜雫の最後の願いは(ちょっと曲解したけど)ちゃんと履行するつもり。

 

・一護のあれって完現術?

 いえす。 

火輪の纏戦(ヒートザソウル)

 メイン素材:一護の霊力 サブ素材:茜雫のリボン

 要は一護の「纏う」完現術。正式に発現したのは「みんなで行くぜ」のあたり、五瞳剣の時と同時。一護自身がよくわからないまでも「殺意含めて」自分の霊的能力のすべてを受け入れる覚悟が出来たことで出てきたもの。

 最初、形が不安定なのはまだ発現段階(いわゆる原作の第二段階のようなもの)だったため。MoN以降は茜雫のリボンに対する思い入れと融合してほぼ天鎖斬月の黒コートもどきに、リボン本体は赤い帯に変化し、茜雫の霊圧の残滓が紅葉の模様を象る。

 天鎖斬月には一歩及ばないものの、火輪によるブーストで普段より出力が上昇してる(というより、始解相当の霊圧でブーストしてるイメージ)。

 ちなみに代行証が手に入った後にそっちを使えば骨骨スーツになるので、心配無用(?)。

 

・本作時空が漫画連載だった場合のMoNの扱い:

 多分「テンポが悪くなるから」みたいな理由で、漫画だと丸々カット。ただ火輪コートが仮面の軍勢篇の直後に完現術コートに変化してるし謎のリボンを付けてたりするので、最初は作画ミスか設定ふわふわのライブ感を疑われる流れ。

 

・夕

 名前の元ネタは茜雫の初期ネーム、キャラクターの元ネタは当然MoNエンドロール後に一護がちらっと遭遇する、茜雫っぽい顔立ちと声の女の子。作者的解釈から「思念珠がその姿のモデルにした人物」という扱い。一緒にいたお友達は真昼(まひる)十六夜(いざよい)の二人(あと部活で遅れて来るあさひの三人)。

 ちなみに本作的には、一護たちと生活圏は被ってるようで被っていない。北空座町から北上した位置関係にニュータウンと京王南大沢駅(MoN舞台モデル)から多摩境、鳴木市が大体JR(京王)橋本駅相当の位置関係のイメージとするなら、彼女が住んでるのは京王堀之内駅から多摩ニュータウン方面に相当する位置関係。何かの拍子にすれ違うかもしれないし、すれ違わないかもしれない、そんな運命の交錯。

 

・(メタ注意)茜雫が「好き!」ってなったルート的な理由:

 原因はほぼドン・観音寺。劇場版では茜雫が落ちた後に木枯らしが吹いて一護の近くにいきなり出現する、という謎現象(と伏線)の描写だったのだけど、某大サーカスを出す訳にもいかなかったのでドンを出した結果、落ちゆく少女を前に何もしない何も言わないわけはないと一護をたきつけ、そんな一護に助けられた結果、きゅんきゅん来ちゃった。

 リルカちゃんみたいな感じではなく、普通にばきゅーんされたと思われる。

 

 

 


 

 

 

・おまけ③:何かの始まりかもしれないし、そうでないかもしれないプロローグ

 

 

 

「――――ありがとうございます。わざわざお手を煩わせて申し訳ない」

「何の何の! ボーイと同じ黒装束ということは、貴方もまた人知れず(バッドスピリッツ)から世界を守る戦士! マイ弟子一号のように『心が細い』ということもないのであらば、せいぜい私にできるのは道案内といったところ。とはいえ、お役に立てたならば何よりですとも!

 あっそれから(バッドスピリッツ)退治は感謝の二文字(ツー・ワード)!」

「フフ、剛毅な人だ。……しかし、自らよりも強大な虚を前に当然のように立ち向かい、子供霊を庇いあまつさえ言葉で成仏(魂葬)まで導くその姿勢は、尊敬するに値します」

「いや、それもここ最近のこと。私はかつて大きな過ちを犯していた。故にそれを知った今、かつて苦しめてしまった数多の魂たちに報いるためにも、より多くの魂を、心を、我がトークとミュージックとファッションで癒してミッションコンプリートする必要があるのです!」

「そうですか。……そのあたりは、僕にはよくわかりませんが」

「何ですと? ジェントル、いけませんぞジェントルそのようなダンディな声と振る舞いで洒落の一つもたしなまないのは。ならば今度、より子供達に好まれるセンスのレクチャーをして進ぜよう! かれこれ私はこのセンスを磨くためにイギリスのウェールズが最奥に――――」

「フフ、その機会があればお願いします。

 …………しかし、不思議なものですね。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だと思っていたのですが」

「これはまた不思議なこと。――――助けを求める声を、ヒーローは決して聞き逃さないもの!」

「…………そうか。()は助けを求めていた、ということか」

「ええ。そういうことは、意外と気づかぬものなのですよ」

「で、あるならば、嗚呼…………。そう言う意味でも、ありがとうございます」

「何の何の? それで――――むむぅ? この霊圧(スメルズ)は、ボーイかガール! またどこかで、ボーイかガールの悲しき声と霊圧(スメルズ)がしている!

 では、さらば! また何かご縁があれば!」

「ええ。フフ、忙しない方だ。

 ――――世界は貴方のような存在が時に生まれるからこそ、価値があるのかもしれない」

 

 

 

「――――さっきから何やってはるんです? ()()

「嗚呼、()()か」

 

 

 

 空座町の隣町、某所。一級河川の上の大橋にて、黒い外套に身を包んだ死神が二人。

 片方はわずかに眼鏡が見え、もう片方はわずかに白い前髪が見え隠れする。

 

 そのうち、ギンと呼ばれた白髪の方が、端から見下を見下ろしつつ確認した。

 

「なんか、妙な人でしたねぇ。あの、例の()()()の霊圧を残滓でもきちんとたどれるとか」

「それどころか、この霊圧遮断機能を通過して私の霊圧を感知している現世の人間だ。純粋な天然の存在としても、感知力は規格外の存在なのだろう。……それでいてああも真っすぐに、勇気ある行動をとれるのだから、ああいう存在のためにもと身が引き締まる思いだよ」

「あら、ホンマに上機嫌ですやん。……で、ここから何か視えはるんです? ボク、よーわかりませんけど」

「嗚呼、()()()()とも。

 どうやら()()()()()()()()()が正しく覚醒を進めきったようだ。黒崎一護に対して『自らを分割した』ところから見るに、これ以上の放置は我々と()()との関係で考えれば、あまり良くないと言える」

「我々やのうて、私や違います?」

「フフ。どちらにせよ同じことだよ」

「コメント困りますわ。……朽木隊長もルキアちゃんも、色々堪忍な?」

「…………さて、あまり(かなめ)一人に負担をかける訳にもいかない。こちらも早急に準備を開始し――――」

 

 

 

 ――――浦原喜助が作った崩玉の()()を、わが手に。

 

 

 

 その一言と共に、二人の死神は姿を消し。後には誰も、何も残ってはいなかった。

 

 

 

 

 




ぎゃファ!? ぎゃ、ぎゃう~~~~ ……!!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。