メゾン・ド・チャンイチは事故物件(物理)   作:黒兎可

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内容が入りきらなかったので、結果的に繋ぎ回です
ある意味これをやりたくて?りりんたち出したところあります(???????

一部ダイジェスト?気味注意


#089.背中は任せろ!(※爆発)

 

 

 

 

 

 ────空座町・深夜。

 

 近所迷惑にならない程度に疾走する黒崎一護に「おーい! 黒崎くーん!」と声がかかる。振り向けば、六花の髪留めがきらめく井上織姫の姿。喜色満面、そして知ってはいたが意外と体力があるらしく、平然と一護の駆け足に追従していた。

 

「修行、終わったんだ! やったやったー!」

「あー? ま、まァ……結局よくわからねェモンがよくわからねェことになったっつーだけな感じだけど」

「でも黒崎くんの霊圧? の感じ、前よりもーっと黒崎くん全開! って感じがして、なんだか安心しちゃうなー」

「そ、そうか?」

「うん! これでバッチリだねー! …………私の、ツッコミの才能以外は……」

「お前のところもアレ来たのか……」

 

 黒崎一護、浦原の課すレッスンを3つ終了し、多少の斬術の馴らしをした後。

 リハビリがてら近所の虚でも倒して来たらどうっスかねと3日ほど期間をあけて、ついさっき浦原から連絡が入ったのだ。

 

 諸事情あって以前、携帯端末の連絡先を交換していたこともあり、一護のケータイにメールが入ってきたのだ────どう見ても呪いのチェーンメールのような凄まじい絵面のものが。

 

【これからすぐに浦原商店に集合されたし by 浦原喜助】

 

『何だこの毒々しい血まみれみてェなメッセージ!? 明らかに1週間後とかに呪いのバケモン出てきて殺される流れじゃねェか……!? 

 死神だから大丈夫だとしたって、こいつ地味に画像……、おまっ、パケット代とンでもねェことになるだろあの下駄帽子ッ!? ちゃんと支払うんだろうなァあいつッ!!?』

 

 すごく庶民派なことを突っ込んだ一護だったが、メールの下部を見れば「P.S.」と書かれており、スクロールした先でもまたツッコまされた。

 

【P.S. 今これを見て 「 1週間後とかに呪われて殺される流れじゃないか 」 とかありきたりなことを言った方────】

【────ツッコミの才能がないです。】

 

 やかましいわっ! と思わず眠っているコンに携帯端末を投げつけてしまったのはご愛敬。

 ちょうどクッションになって壊れなかったケータイ。なお「ぐべっ」とカエルの潰れたような声を上げて、一瞬起こされたコンは再び気絶した。

 

 さて。おそらく彼女もまた、自分とそう大差ない状況でメッセージが送られたのだろうと冷や汗をかきながらも、一護は織姫に確認する。

 

「……ホントに来るんだな、井上も」

「うん!」

「いいのか?」

「だって、み(・)ん(・)な(・)で(・)行(・)く(・)ぜ(・)! って、前に言ってくれたのは黒崎くんだよ?」

 

 小首をかしげながら微笑む井上織姫。くりくりとした目を向ける様がどこかいたずらっぽい雰囲気で、一瞬どきりとなった一護だが。つい反射的に襟足のあたりを縛っている赤いリボンに触れてから「ありがとな」と、少しだけ険のとれた表情で返した。 

 じゃあ行こうぜ、と走る二人。一護はどこか重荷が軽くなったような明るい雰囲気で。井上織姫は……、一護からの「ありがとう」に、顔を真っ赤にして胸元に右手をあてて、にこにこしながらも深呼吸して走っていた。右手で抑えられてなおゆさゆさと揺れる彼女のバストは豊満であった。

 

 さて。しばらく走ると、ちょうど空座町と鳴木市の境近くにある浦原商店へたどり着いた二人。浦原商店の前では、茶渡泰虎が腕を組んでビールバスケットに座っており────。

 

 

「……うん」

「おぅ、おはよ~さん? ……何やヘンな霊圧しとるな一護。ホンマ死神に戻ったんかワレ? 何か新種族とかに覚醒してへんか…………?」

 

「オス、チャド────ってひ、平子!? 何で居るンだお前!!?」

「えええっ!? 平子くん、えっと、おっはよー?」

「……井上、挨拶は合わせなくて良いと思うぞ」

 

 

 

 片手を上げて一護に応じつつ織姫にも声をかける茶渡はともかく。そんな茶渡とは別に、浦原商店の入り口の引き戸に背を預けていたのは、何故かアロハシャツにリグ姿の色々とハイセンス(?)な格好をした平子真子。ご丁寧にレンズの繋がったサングラスまで用意しており、一見すると完全に遊びに向かうような風体だ。

 もう大丈夫なのか、という一護の確認に「ぼちぼちな~」と軽く応じる。

 なお、平子の隣にはいつか見たセーラー服の、なんとなく目つきが鋭く妙な迫力のある少女(?)も同伴している。彼女は特に何も言わず……、ずっと大人向け週刊誌のグラビアの開封された袋とじページに夢中だった。何やってンだアンタ。

 

 一護は一護でそんな彼女のことを「……何か面倒そうだな」と見なかったことにして、平子の方へと改めて向き直った。

   

「っていうか、何でお前まで居るンだよ」

「何て、喜助(きすけ)から遠(・)足(・)の(・)保(・)護(・)者(・)頼まれただけや。ま、こっちも相手の出方がよーわからンくなって来たから、少し探りを入れに行こう思ってなァ」

「探り? っつーか、保護者ってお前、何が…………?」

 

 高校通ってるんだからタメとは言わねェけど何なンだよ、と思ってる一護の反応は微妙だ。……なお、彼は諸事情あって井上織姫たちのように「死覇装姿の」平子のことを全く見ていないので、平子の実年齢がルキアよりもはるかに年上である可能性については思い至っていないらしい。せいぜい、ルキアと十数年くらいの差だろうという判断だろうか。

 そんな平子の言葉にいまいち要領を得ず困惑する一護と、探りと言ったところに不思議そうにしている織姫だが。茶渡は立ち上がると少し困ったように頭をかく。

 

「…………要するに、ついてきてくれるんだな。何と言うか、前の一護の時もそうだが、世話になる」

「お前が気にせんでええって。こっちも益がある話やし──── ま、一護は気にせぇっちゅー話やけどな!」

 

 ずびし! と一護の胸元を指さして叫ぶ平子に「はァ!?」と反発する一護であるが。それはそうと以前、虚(・)の(・)力(・)を(・)抑(・)え(・)込(・)ん(・)だ(・)時など世話になっていたのは事実なので、それについては素直に頭を下げた。……案外素直に反応されたせいで、むしろ平子の方が一瞬鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。

 なんだかみんな不器用? と困惑する織姫だったが。そんな彼女の耳元にこそこそと「男なんてみんなタマキ〇ついたスケベなアホばっかやもんで、うちら女がしっかりせんとイカンのやあよ」などと呟く。タ〇キン!? と驚いた織姫が振り返るが、特に何事もなかったかのように袋とじのセミヌードを視〇することに全力な彼女は完全に気にしていない様子だった。一護に聞かれていたら「井上にナニ言わせてンだアンタ!?」とびっくりされそうなものである。

 

「……相変わらずやかましいな、みんな。近所迷惑とか考えて声のボリュームを落とすべきじゃないのかい?」

 

 と、そんなわいわい話し始めてるタイミングで合流してきたのは、石田雨竜。……どうやら新調してきたらしい真新しい白衣装で、右手には見覚えのない青い線の走ったグローブ。

 後ついでとばかりに、例によってメイドがとことこと同伴してきている。本日はバイクのヘルメットのようなものを装着しており、相変わらずのそれなりに豊満なバストと丈の短いスカートとむちむちとした脚をさらしていた。

 

 なんとなくそれを見て「へぇ?」と半眼半笑いの一護。何かその言外の意図を察するところがあったのか「な、べ、別に自分から見送りに付いて来てもらいたいと言ったりはしてないぞ!? 大体ナナさんも、僕の父から死神と接触するなと言ってるのに、これくらいはしなければとか言うから……」とか言い訳めいている。セーラー服の彼女も「スケベやあね」とぼそりと呟いた。

 

「何や妙な霊圧ばっかり集まっとるな……。ホンマにンなカオスな面々で虚圏(ウェコムンド)乗り込ませて大丈夫か? なァ、喜助────」

 

「────いやはや、皆さんお揃いで」

「────おっす、一護、織姫」

 

 そして。店の扉を開けて狙ったように出てきた浦原喜助の登場と同時に。ついでとばかりに軽い調子で、死覇装姿のたつきが現れたのに、井上織姫は「たたた、たつきちゃん!?」と声を裏返して狼狽した。

 

 

 

   ※  ※  ※

 

 

 

「この人数の器子/霊子変換は、まあ茶渡さんたちについては専用の道具を渡してるんで問題はないんですが、平子サンたちもそのまま行きますね? だとするとちょっと準備が必要なんで、その間少し、あっちでジン太や雨(うるる)たちと一緒に、ボク渾身の新作をどうぞ」

 

 新作ゥ? と困惑する一護たちだが、店の大人組二人および猫一匹でああでもない、こうでもないと色々話し合っているのを見て、言われた通り地下修練場の一角に向かった。

 ……そこになんだか見覚えのある三人の、妙にカラフルなシルエットが見え隠れした時点で一護もなんか察したみてェだが、まあ、諦めろ。つーかお前もわざわざコン連れてこいって言われた時点で、ちょっとヘンな予感あったろ?

 

「「「魂(こん)転職(てんしょく)!」」」

「……魂(こん)転職(てんしょく)」

「大(だい)・魂(こん)転職(てんしょく)……」

 

 ま、で、そこに五人くらい人影があって、ついさっき自分が脱ぎ捨てた肉体に入ったコンが中央に立って、連中とマー何かこう、警察手帳っぽいのをブレスにつけて何かやってるっつーか……、いや、何だ? あんま見覚えの無ェ緑っぽい髪に見えるヤツ、一人だけ変身アイテムっぽいの小太刀っぽいな装着したやつ。

 そして煙と光が放たれると、これまたどっかで見たような……、ちょうど一護の修行中に見たやつだな。ガ〇チャマン風の恰好の面々。なんならメンツはしっかり五人になっていて、ますます見た目はそれっぽい。

 

「────赤き死神(デス)パワー。見敵必殺、カラクラハウンド」

「────山吹光る変化のパワー! 皆様の親愛なる隣人、カラクラロップ!」

「──── …………緑生い茂る空間パワー。カラクラカクタス」

「────桃香る幻惑パワー! みんなのハートもイチコロよ♪ カラクラスワン!」

 

「────そしてそしてェ、白きライオン・フィジカルパワー! キング・オブ・ニューヨークこと、カラクラカイザー、コン様でぃ!」

 

 

「「「「「我ら、魂送(こんそう)刑事(けいじ)カラクライザー!!!」」」」」

 

 チュド────ンッ!!!!!(※漫符と爆発演出)

 

 

 現実世界側で一護たちが啞然としてる中、すごいすごーい! とテンションのあがる井上とか下駄帽子ンところの子供二名、ついでに振り回されてるたつきのやつ(肉体に戻ってる)とまァ状況はカオス極まりねェ。

 で、当然あっち側で子供が「うおおお! それっぽいじゃねぇか!」とか「私も、カラクラタイニーデビルとかやりたいです……」とか自己申告してたりとか、それなりにテンションが上がってるならこっちもそれ相応っつー訳で。

 

『ぎゃーぎゃ! ぎゃんぎゃん! ライザー!』

  

 それぞれの名乗りポーズを適当に合わせた感じのをよちよちと決めて、俺に見せびらかすように子雪は楽しそうだ。

 そういや蛇尾丸どもが何か変な見得切った時もそんな感じだったし、やっぱ全然おこちゃまなんだと思わなくもない。……思わなくもないっつーか、コイツ生まれてから半年も経っちゃいねェんだよなァ、ハァ。

 

 オッサンはオッサンで何も言わずまーた空に近い方で佇んでるし、今日はそういう気分じゃねェのか俺に面倒見ろってことだよなァこれ。  

 

「っつーか、コンお前いつの間にンなモン仕込んでたんだよ!? 意味わかんねェぞ!!?」

「へっ! そんなもの、この間一護と一緒に来た時からに決まってンだろゥ?」

「決まってねェよ!!? っつーか俺の身体で何やってンだっての!

 というかそっちの、ハウンド? とかいったの、どっかで見た覚えが……」

「……スケベ」

「いや何でだよ!?」

 

 いきなり赤ヘルメットに青バイザー、赤いアーマーを身に着けたま(・)る(・)で(・)死(・)覇(・)装(・)みてェなミニスカ服装した、緑髪の女が答える。あーそっちはノゾミの義骸ね~、とたつきのヤツが軽く言ってくる。そのままたつきは井上の奴に「ちょっと! 少しお話しようか!」と連れられていっちまったが、ノゾミ……、あー、なるほどなァ。てっきり他人の空似だと思っちゃいたが、そういう訳でもないらしい。

 いやそれはそれで登場タイミング早すぎっつー次元じゃねェくらいには早いンだが、いったい全体何がどうなってンだってのはもう俺の人生的に何度目のカウントになるのやら。

 

 九条(くじょう)望実(のぞみ)。アニメオリジナルエピソード(いわゆる大人の事情篇)で一度ヒロインを張ったややツンデレ系の緑髪、スレンダー目な少女だ。

 マー察しの通りかはわからねェが、たつきの奴が使ってた改造魂魄(モッドソウル)、赤い犬のぬいぐるみ? みてェのに入ってたのがコイツってことだ。

 

 ただでさえ訳わかんねェタイミングでお前出てくるンじゃねェよ!? 何だ、月(・)島(・)さ(・)ん(・)にでも何かヘンなモン挟(・)ま(・)れ(・)た(・)か? ただでさえ原作基準に考えても色々と展開順序とかもしっちゃかめっちゃかになりそうな感じだっつーのに、いったいどうなってやがるこの世界!? 変身に使ってた短刀みてェのもなんか、メカメカしい感じの太刀になっててそこはかとなく斬魄刀めいた感じになってるし。

 

「むむぅ……、望実あんた脚キレーだけだと思ったら、胸もあるじゃない! ……フンッ! 可愛さだったら私、圧勝だし!」

「いや、そこは好き好きだろ。望実の方がエロいし、可愛いし……っておわっ! 蹴りちょっと止めてもらえますン!? しかも金的……!」

「このっスケベッ!」

「私が可愛さで負けてるですって!? コンあんた、ちょっとブン殴るわよ!!?」

「へっ! 望実はともかくち(・)ん(・)ち(・)く(・)り(・)り(・)ん(・)なんざ、やれるモンならやってみな! このカラクラカイザー様をナメんなよゥ!」

 

 いや俺の身体無断で殴ろうとしてンじゃねェよ!? と、ヘルメットを外し頭を下げた望実にからむ、りりんとコンにキレる一護。りりんの幻覚か何かで目の前にいきなり落とし穴ができたように見えたと思ったら、カラクラカイザー(恰好はカラクライザーのアレにライオンのマークが格好良く刻まれた感じ)なコンはそのまま地面から「とう!」と跳びあがって、あまつさえ空中で2段ジャンプしやがった。

 何だあの気持ち悪ィ動き……、瞬歩とかみてェに霊圧の爆発みてェのもなかったぞ、完全に身体能力だけで無理やりやってやがる。

 

「…………」

「ふんっ」

「……!? ちゃ、チャックを無理に全開にしようとしないでくれ……!」

「いやはや、望実殿は自由な方ですな~」

「蔵人、なに呑気なこと言ってる訳!? というか、あんたもあんたで問題よコン! 何、一番最後にメンバー入りしたくせにリーダー面してンのよ! ちょっとくらい一護の恰(・)好(・)良(・)い(・)顔(・)し(・)た(・)身(・)体(・)使ってるからってチョーシ乗らないでよねっ!」

「だって俺が一番動ける訳だし、そりゃリーダーはこのコン様だろっ!」

「いえいえ、ここは一番状況を冷静に観察しているこの私が!」

「馬鹿言ってるんじゃないわよ、あったしに決まってるでしょ!」

「…………俺」

「一番戦闘経験あって戦闘向きなのは私だし、スケベがリーダーになるのは嫌だから立候補する」

 

「大丈夫かあのチームは、石田……」

「僕にそんな意味不明な話を振られても、茶渡君……、というか何を目指してるんだ、浦原さんは」

 

 石田たちには悪ィが、妙な感慨深さが俺的にはあった。

 望美も望美だが、あのりりん、之芭、蔵人の三人組がそろってるっつーのも感慨深い。

 いわゆる許されなかった例のアレ(バウント篇)に出てきた、浦原謹製の改造魂魄の連中だ。能力的にはけっこう無法な感じだ。能力の質だけで見たら、お前らも敵の本拠地乗り込むの同行したら良いだろと思わなくもなかったが、そこはいくつかの理由で断念だ。

 実際、霊力がほぼ回復してなかった一護と戦ってた時の無法っぷりはだいぶ酷ェもんだったが、それでも一護の月牙天衝に巻き込まれれば、それまで。なんでもアリに見えて、明確な霊圧の上限がある……、実現可能な事象に限界がある。

 所詮はそこまで霊圧差がない相手、良くて巨大虚(ヒュージホロウ)くらいをまず前提とした戦闘能力で組まれてるように見える。そのあたりはコンとも共通で、なんとなく生産ロットの近さっつーか、そういうのを感じなくもない。

 

 唯一、大虚(メノス)に対抗できるとしたら、あの中じゃ望実くらいだろうって話だ。

 ……まァ全員ガ〇チャマ〇なんだか戦隊なんだかっつー感じの衣装できてるのが全体的にその感慨深さを台無しにしちゃいるンだが。

 

 と、まあ全体的にわちゃわちゃしたり、ジン太とか雨とか浦原商店のガキンチョたちも変なポーズとか決めたり、みせびらかしたり、何故か石田も乗せられてアドバイスしたり、一護とチャドが顔つき合わせて修行の成果を確認したり、我に返った平子隊(・)長(・)がツッコミ入れまくったりして、しばらくして。

 

 ようやく準備が整ったらしく、一護たちはさっき浦原たちが準備していた……どう見ても穿界門を加工した尸魂界篇のアレにしか見えねェ、矩形の、お札みてェのが張られまくったオブジェクトの前に立った。

 

「今回は人数が人数なのと、特(・)殊(・)義(・)骸(・)も(・)含(・)め(・)て(・)霊子変換機をかませる関係で、穿界門をジャックする形式をとるっス」

「せんかい……?」「ってか、霊子変換?」

「おや? 黒崎サンには話して……、いませんね。霊子変換については、まあ今回は全体的に問題はないと思うので省略するっス。

 本来、虚たちが現世と彼らの例界を行き来するために使用しているのは、黒腔(ガルガンタ)と言われます。中、というよりも視点的には外(・)になるっスけど、そちらは霊子の乱気流が渦巻いているだけなので、必要に応じて霊子で足場を作って進んでください。内部としては、より暗がりの先を目指し続ければ、そう迷子になることもなくあ(・)ち(・)ら(・)にたどり着くでしょう」

 

 下駄帽子の説明に、わかってンだかわかってねェんだかっつーリアクションを重ねる一護たち、と、カラクライザーたち。……いやお前ら何でそのまま、またヘルメット被ってヒーロースタイルなんだよ。ほらよォ「隣がちんどん屋みたいで話、頭入ってこんわ!」とか平子もキレてるし、一護もしょっぱい顔してそれを見てるし……。

 

「あはは……。とはいえ、結構重要な話っスよ? あくまで他の業者経由での伝聞ですが、いまだ朽木サンの代理で空座町に派遣される死神は決まる気配はない。となると街の霊的防衛戦力は必要になるわけで……。

 そこで! アタシ謹製の改造魂魄(モッドソウル)部隊・魂送刑事カラクライザーシステムの出番って訳っスよ! 黒崎サンたちがいない間の空座町の平和は、彼らに託された……!」

 

「だぁらそこ意味わからんって言っとるやろがいッ!? 何の特撮かキャンペーンやねん!」「エロさが足りんやないの? コス」「いや、そこは関係ないのでは……?」「……何か仲良くなってないかい? 茶渡君。それはそうと、防衛力か」「ご当地ヒーローっぽさ、あるよねー!」「井上? たつきもか」「あー、まー、ちょっと話し合い終わったから、ね」

 

 ンでもって俺からすると一斉にしゃべンじゃねェて感想になる。なんとなく誰が何を話してるかは声質で分かるが、頭の中で再整理するのはキツいどころの騒ぎじゃねェ。

 それはそうと、あ(・)え(・)て(・)望実(のぞみ)を改造魂魄部隊の一員として活躍させようとしているところに、この下駄帽子のいつもの秘密主義らしさを感じて、変な汗が出やがる。

 

 絶対それ、木を隠すなら森の中的な形で、かつ有効活用させようとしてンだろ。

 そもそも今の時点で下駄帽子の手元に来てること自体おかしいっちゃおかしいが、その上で有効活用しようという意図を感じて、アンタなァ……。

 

 藍染隊(・)長(・)が原因でここまで秘密主義に陥ったとすると、それはそれであっちのせいって話なんだろォが。

 朽木への仕打ちについてもそうだが、アレはもう本当、全く擁護する気にならねェ……。

 

『ぎゃう、いつかぶん殴るって言ってた!』

『姐サンの話か……?』

 

 つかれた俺の確認に、子雪は俺の脚からよじのぼって、肩車の体勢になってから「うん!」と元気よく応じた。

 もう何っつーか、好きにしてくれって感じだった。……姐サンが浦原喜助に右ストレートきめたとしても、それについては下駄帽子の自業自得とは思うンだけどな。

 

 

 

 

 

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