俺個人としての知古をすっ飛ばして、原作BLEACHにおいてその立ち位置を説明すっと、そしたらそもそも存在しねェっつー話になるんだが。それだけだと流石にあんまりにもあんまりな話だし、
黒髪、アニメとかだと藍色っぽい感じに塗られちゃいるが、無精ひげを生やしてぼっさぼっさの髪でなんとなくやぼったい感じの見た目。昼行燈っぽい感じだが、やるときはやるタイプの三枚目みてェな、そういう雰囲気っつーか、扱いって言ったら良いか?
朽木が生まれてもいねェころに遠征任務についてンじゃねェか?
いやまァ、ほぼほぼ原作にゃ存在しねェだろう俺本来の素性みてェなのは置いておいて。
「自壊せよ、ロンダニーニの黒犬! 一読し、焼き払い、自ら喉を断ち切るがいい────縛道の九・
「ッ!」
一護の両足めがけて赤い光を飛ばす繍。攻撃力がねェせえか速度がはやく、一護の認識よりも早く着弾。着弾と同時にそこを起点に黄色い縄みてェのが分散して生えてくる。その縄が地面に繋がれ一瞬だけ瞬歩が間に合わねェ。
「
「
ただ、そのまま
ついでに〇字月牙の余波で縛道も霊圧差で切断してから上空に退避。両足に火輪の剣つけてねェから、まあまあ手を抜いている。
「だからアンタ、話聞けって! いやまァ、訊けって言ってもあんま、上手く説明できる気はしねェけどよ……」
「そうやって少し気を許した結果、
「ガキンチョ!? いや、意味わからねェけど、そう簡単にやられる訳にもいかねェよ!」
真正面から斬りかかってこねェ繍に向かって瞬歩で距離を詰めて振りかぶる一護。
対する繍も「縛道の八・斥!」とか小せェ円形の盾使って直撃を逸らして瞬歩で距離取るし、明らかに近接に手慣れている。
っつーか、事実上
姐サンがこの空間から抜け、月牙の起点に斬傷をつけずに発生させられるようになり簡単そうに月牙を扱う一護だが。そうはいっても無尽蔵にバンバン月牙を撃つそぶりを見せねェのはいつも通りっちゃいつも通りだ。だから月牙バンバン撃てって言ってンだろ一護とぼやくものの、オッサンが隣で「おそらく、敵の死神の部隊に気遣っているのだろう」とか言っちまうし、お前よォ……。
いやまあ? 繍に関しちゃ間違った対応とも言えねェのかもしれねェが。
天貝繍助はテレビアニメ版オリジナルキャラクターであり。
破面篇で原作にアニメが追い付くタイミングで挿入される
で、この状況で何故他の介入がほぼないのかって言ったら、あっちもあっちで部隊の死神たちと交戦している訳で。
あっちの方で石田が他の眼鏡の副隊長っぽい? 死神と飛び道具対決みてェなのしてるし(弓VS超巨大チャクラムみてェな絵面だ)、チャドはチャドで複数人を相手にボクシングスタイルで普通に殴り合ってるし……、いや他の部隊の死神は峰向けてるな。見た目的に手加減されてンのか?
っつーか、平子真子たちと井上がいねェ──────。
「破道の五十七・
平子隊長ォー! って思わず叫んじまった俺はともかく。
空中で方向転換に失敗した一護に斬りかかる繍の前に、平子隊長の放った鬼道による
咄嗟に「痛ェ……」と背中さすりながらも、そういう島々を瞬歩の足場に切り替えて、縦横無尽に跳ねるように繍の周囲を回る。
いきなり謎のアシストをかまされた一護に動揺した繍だが、そっちもそっちで一護の移動の隙間を縫うように見つけて、浮島を足場に一護同様に行ったり来たり。
途中途中、一護と剣閃を交わす音が響く最中。
「破道の七十八・
納刀した斬魄刀を抜刀し、抜き放ったその刃の型の霊圧の斬撃を飛ばす平子隊長。下方で構えてる平子隊長の背後に立つ矢胴丸リサがなんっつーか良い味出していやがる。こりゃアレか、鬼道の援護に集中するから自分の警護を任せてるっつー感じかァ? 藍染副隊長にもその影武者にもやらせなかったようなことを…………、って、
「────黒崎くん! 月牙を!」
「って、井上!? どうした!」
俺の感傷はともかく、一護の隣に立った井上(足場に例によって三天で盾作って浮遊してる)が、出刃包丁に対して何故か双天帰盾をかけている。
困惑する一護に、大丈夫だよ! と井上は笑顔でサムズアップ。
「やったことはないけど、
……いやそれ、サムズアップして言えるほど確信ある話じゃねぇンじゃねェのか? っつーか本当、何やる気だよお前。
俺のツッコミも聞こえず(当たり前)、戦闘中で気が動転してるのもあり。一護は井上を庇う様にその前に立ち。
当然のように出刃包丁は双天帰盾されたままなンだが。
「月牙────」
「双天帰盾、私は『傷を』『拒絶する』!」
「────天衝ォオオオ!」
で、まァ何が起こったか。
咄嗟のことで全力で月牙天衝を放っちまった一護だったンだが、月牙の色がなンかどうもおかしい。こう、双天帰盾に反射して通過したせいなのか、色がなんっつーかファンシーなピンクっぽい感じの色っつーか、光っつーか、気のせいじゃなきゃネギみてェな柄が浮かんでる(?)。
まァ当然のようにそいつは繍を呑み込もうとする訳だが、繍も繍で卍解して彼我の霊圧差を切り詰めダメージ軽減を狙っちゃいるみてェだが。
「────ッ、何だこれは!? 攻撃が斬魄刀を抜けて、って気持ち悪ッ!!!?」
やっぱコレ井上の訳わからねェやつの効果出てるだろ間違いなく!?
ファンシーな月牙はそのまま防御の構えをとった繍の斬魄刀の受けに関係なく、こう、
直撃したと思ったら、その場で猛烈に爆散して地面の方角の全員をぶっ飛ばした。
あーあー、石田とか平子隊長たちも巻き込まれてるし……って、この霊圧は阿散井か? なんか近くに来てるな。いや、まァ原作的に阿散井恋次がいねェ訳はねェんだが、なんでこんなヘンなタイミングで近くに来たし。
絶対この訳わからねェ月牙見て「なん……、だとッ!?」とかバカみてェな良いリアクションしてるだろアイツ。朽木より素直だから見てる分には面白れェんだよな……。
そして結果的に。
周囲の全部を薙ぎ払って、受けた繍のやつを大穴の開いてる地面の底の方にぶっ飛ばした一護のヘンな月牙。
流石にまずいと思った一護が、両足にヘンな剣装着して急いでまーたスケートみてェに滑って走っていくんだが。
「お、思ったより大変なことに……!? もっと黒崎くんと練習しないと、黒崎くんと……、二人きりで……、えへへっ?
って、いやいやそうじゃなくってー! 黒崎くんの
……わぷ、と言った瞬間、平子隊長が鬼道で浮かせてた砂の浮島が降りかかり、そのまま落下していく感じになった。
ギャグ漫画じゃねェんだからお前…………。
『っつーか、上層の台地の下は
『…………懐かしいのか?』
『お? まァな。────
どういう空間かは後でわかンだろ、とオッサンに言いつつ、俺は少しだけ回想する────志波海燕として。
かつて朽木ルキアに後を託した志波海燕が、藍染惣右介の策略やら何やらの結果、虚圏でその身体を虚と死神の中間体として再構成された際。
蘇る経緯が特殊すぎたせいか疑似
そこである死神に助けられて……、志波海燕的には知り合いの知り合いみてェな相手だったンだが、そいつにしばらく警護してもらいながら、なんやかんやあって卍解を習得したっつー感じだ。
……まァ習得したは良いが、結局その後地上に戻ってアーロニーロに大穴開けてぶっ倒したところで、エラく高いテンションした
そんな経緯であんまり面白ェ話でもねぇンだよなこれ、
……ある意味、一番思うところのある話題を。
『少なくとも志波海燕を助けた死神がいるのなら、そう酷いことにはならないか。
……ならばホワイト。志波海燕ではないお前自身について、私も少し問い正したいことがある』
『おっ? どした』
『────志波海燕たりえないお前本来の魂魄は、死神の魂魄は。元はあの平子真子の部下だったのではないか?』
…………。
えーっと、何っつーか。
『そんなにオレ、平子のこと隊長隊長って言いまくってたか?』
『嗚呼』
こりゃ一護の前に出た時に注意しねェとなとか色々思いながら、俺はオッサンの言葉に直接は答えなかった。
……答えられなかった。
※ ※ ※
「…………また訳のわからぬことになりおって、一護め」
『ぎゃう、ホラースポット!』
『というより井上様の
「ど、どうどう……、というか海燕殿を夫呼ばわりは止せっ」
『ぎゃーう、人間関係複雑骨折!』
──── 一方、朽木ルキアの内在世界。
氷の城の一角、断頭台を背にした三者。白い髄の死覇装らしき上部の露出が
三者そろって、朽木ルキアの胸元の宝珠から投影された映像に、おのおの感想やらツッコミやらを入れていた。なお井上織姫のバストは映像で見てもたいそう豊満であった。
当然? 現実世界においては朽木ルキアはとある部屋の机で刃禅をしている訳だが、何故そういしているのかといえば、暇だからである。
アルトゥロを名乗るあの男、
体感、三十分くらいは暇をしている。
ときおりロリとメノリが入れ替わり立ち代わり入ってきて「喉、乾いてない?」「お手洗いなら早めに言いなよ~」とか物凄く気安く*1言ってくる。もはやここに来て数週間もかからず慣れた空気感であるが、果たして虚とは、死神とは、と多少思い悩まなくもない朽木ルキアだ。
という訳で暇をしたので一護たちの状況を見ようと思った彼女。一人で見るのも味気ないかという考えで、内在世界に潜ることにしたのだ。……現実世界でロリとメノリを招いて視聴したところで、知らない敵対種族たちの訳の分からない戦いを見せられるだろうし面白くはないだろうし。そうルキアの側も気遣えるくらいには、若干絆され気味である。それで良いのか護廷十三隊。
さておき、大穴に落ちた黒崎一護、井上織姫、それから天貝繍助の三者。落下した後、未知の状況を前に流石に争うわけにもいかないと、ここで一旦自己紹介される一護たち。「遠征部隊?」と一護が疑問を口にすれば、それなりに丁寧に教えてくれるらしい。
『────基本的に魂魄って言うのは、三界において流転して転生するっていうシステムらしいんだが、いつまでも停滞し続けている環境においては上手く循環しなくなる場合がある、らしい。俺も専門じゃないから、そういうお触れで任務についてると思ってくれ』
『じゃあつまり、あんた等は
『嗚呼。
『なるほどなァ……』『へぇ~!』
「なるほど……」
『……いえあの、ルキアあなた知らなかったのですか?』
「いや、何でもかんでも知っている訳ではないぞ。滅却師についてとて、浦原に詳細を聞くまで知らぬ訳だったし」
『そう言えばそうでしたね』
『ぎゃう、さも自分の認識がこの世の真実であるかのように話すのダメ!』
『ぬ?』
よくわからないフレーズを語った子雪はともかく。
一護に合わせて首肯すると、ぷるんと震える井上織姫のバストは豊満であった。
『俺は、死神代行だ』
『代行? 聞かない制度だな……』
『ちょっと訳あって、現世で朽木ルキアっつー死神の代理をやってンだが…………』
『朽木! ほう、ということは朽木隊長のご息女かな? 朽木
『いや悪ィ、誰だそれ……? 今の隊長はルキアの兄貴で、びゃく、びゃく────』
『白哉さん!』
『そうそう! サンキュー、井上。朽木白哉だったはず』
『俺たちが任務で帰れていない間に、色々様変わりしてるようだな……』
「朽木、
『…………いえあの、だから知らないのですか? ルキア』
「し、仕方なかろう! 白哉兄様はそもそも亡くなられた妻にそっくりだった私を引き取られただけであって、私が朽木の家においてどういうものであったかと思えば……。よくしてくれた者も多いが、それはそれとしてだ」
前隊長だったらしい朽木銀嶺殿ともそう多く顔合わせしたわけでもない、と力なく微笑むルキアである。流石にかける言葉が見つからない袖白雪と、特に気にせず映像を見続ける子供雪。「ぎゃう、六十回目!」と一護の視線が井上織姫のバストに吸い寄せられる回数を口に出して楽しそうだ。井上織姫のバストは豊満であった。
デフォルメしたら半眼でじぃーっと漫符がつきそうなルキアと、黒い
そんな彼女たちが見ている最中、突如として大量の
「――――投げろ、
ァアラララァアラァラァラァラァラァラァラァラァラァアアァ────! 」
巨大な閃光と共に雷の槍が一護たちの前方めがけ放たれ、三者は咄嗟に目を覆う。爆散した雷の威力と光が、彼らの落ちた暗い白い森のような地下空間を満たすと同時に「こっちだ!」と誰かの声。
一護たちは目をあけられていないが、
あの者も
「────お楽しみの所申し訳ないが、戻ってきてはもらえないかな?」
「ぬおおおおおおおおおッ!!?」
……どう聞いても志波海燕の声で、志波海燕らしからぬ声音と口調が自分の耳元にささやかれたものだから、思わず現実世界に引き戻されルキアは飛び跳ねた。
シェーッ! と言わんばかりに妙ちきりんなポーズをとって足をくじきその場でごろごろと転がり壁に激突。頭を押さえて唸るルキア。なお、そんなルキアが据わっていた椅子のすぐ横、ちょうど先ほどまでルキアの頭があったろう場所でやや屈みながら囁いた張本人は「おや想像以上に
(いくら何でも海燕殿の姿と声でその所作は、殺されても文句は言わせぬぞ貴様……?)
このアルトゥロを名乗る男が一体何であれ、心の中の絶対にぶっ飛ばすリスト的な何かにメモしたルキアであった。
さて。大きな音とうめき声のせいもあってか、ロリとメノリが駆け込んできて、軽く「大丈夫?」とか「ちょっと氷取ってくるから少しつけてな?」とか言われたり、この程度は多少は自力で治せるとルキアが断ったり、それをアルトゥロが涼しい顔して流したりといったカオスはありつつ。
流石にロリとメノリから「女の子はもうちょっとガラス細工みたいに扱った方がいいですよー!」「そうそう!」とかクレームが入ったものの、それさえ気楽に「すまないね」で済ませるアルトゥロは、単純にマイペースなだけではと疑い始めてるルキアであったが。
部屋を閉め切り、顎に手を当てて思い悩む顔が、やはりどうにも志波海燕そのもので言葉に詰まってしまった。
「さて、そうだね。ロリとメノリたちも退出したことだし、何から話すべきか」
「……リリネットの姿が見得ぬな」
「嗚呼? 彼女はね────黒崎一護の元へと向かっているよ」
「は?」
もともとそういう予定だったからね、とアルトゥロは顔色一つ変えずに続ける。
「もとより彼女は朽木ルキア、君の孤独に強く共感している。だからこそ私が君の生命そのものに頓着していないという話を聞けば、状況を確実に解決できて、信用を置けるだろう相手の元へと向かうのは間違いない。
故にこそ朽木ルキア、君の救出に協力するためにリリネット・ジンジャーバックは黒崎一護に助力するだろう」
「信用の、おける…………? スタークといったか、あの男はともかくリリネットは面識すらないだろ、一護たちは」
「いや、そうではない。
「ぬ?」
また何か煙に巻こうとしているのか、と不信を向けつつ、思わず自嘲し嫌な笑みがこぼれる。────こんな自分のために散らす命でもあるまいに、という。
おそらく一護は、彼女が助けてくれと言えばすぐに応じるだろう。……この場に来て1日もかからず一番最初に自らを絆したのが、リリネットなのである。ルキアからすれば、その確信は強い。
だからこそ、悪戯に自らの命を散らしかねないような……あれほど戦闘力がないのにこのアルトゥロたちに歯向かうなど何を考えているのか、と。お門違いだろうに、どうしても心配してしまった。
「貴様はそれを、予定していたと言ったな。だとするとますます意味が、意図が分からぬ」
「意図も意味もあるが、君個人にはさほど関係しない話だからね。どちらかと言えば、彼女たちを
「……貴様さては始めから私にわからせるつもりがないな? 聞いた情報に何一つ理解をさせる意思を感じぬぞ」
「繰り返すが、君個人にさほど関係しない話だからね」
涼しく微笑むアルトゥロは、紅茶を一口。
こやつ、とこぶしを握りながらも、ルキアはカップに注がれた梅昆布茶を一口。
「…………であるならば、何を聞いたところで関係のない部分は全くわかるように話すつもりがないのであろう。貴様は言ったな? 一護を見逃したくば、私と、私自身の力の真相を知りたくばついて来いと」
「そうだね」
「今、それが整ったということか?」
であるならば、と。ルキアは一呼吸し────。
「…………捨てられた赤子であった私を拾い上げたというあの者のことを……、私が逃げたあの
……もしこの場にホワイトがいれば「PS2の原作割と初期の頃のゲームとか覚えちゃいねェよお前」と呆れること必至だろう名前であるが。
睨むような彼女の視線を受け、アルトゥロは微笑み首肯した。