メゾン・ド・チャンイチは事故物件(物理)   作:黒兎可

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今回ちょっと短め…
例によって独自解釈やら独自設定やらもろもろ注意


#093.THE DEVASTATING TRUTH①

 

 

 

 

 

 朽木ルキア……、当時は戌吊(いぬづり)すら苗字になく、単にルキアとだけ呼ばれていた当時。彼女自身はよく覚えていないものの、その最古の記憶として存在するのは、とある男に抱きかかえられていた記憶だ。

 黒い長髪を後ろに流した眼鏡姿。紫と臙脂色の着流しをした、壮年の男。

 

『────ルキア、貴様は我ら霊界の希望だ! この三界を支配する権(・)能(・)の(・)蓋(・)などという不安定な支配を取り除き、真なる世界の繁栄のための礎となるのだ!』

『────ぅ?』

 

 当時あまり言葉が達者ではなかったことを、ルキアは覚えている。

 それでもとても楽しそうに、男はルキアとだけ呼ばれていた幼子に語った。あまねく霊界を照らす天に輝く希望、ゆえに星光(ルキア)であると。

 だが……、少なくとも男が、自らを我が子のように愛することはなかったように思う。

 

『良いか、そもそも鬼道というものは地(・)獄(・)か(・)ら(・)見(・)た(・)世界の、その未来の先に起こる……、訊いておるか? こっちを見よ』

『だってー! うー、わかんないもん!』

『た(・)わ(・)け(・)め(・)、その調子なら殺すぞ』

 

 男の教え解く物事が、ルキアにはさっぱり理解できなかった。

 正直言って何を教えたいのかもわからず、基礎たる知識もない。

 不満を表明すれば、ぱしん、と何かで頭を叩かれたのをルキアは覚えている。……よくよく今更ながら思い返せば白い大きなハリセンのような何かであったような気もするが、ともかく日々、異(・)形(・)の(・)者(・)た(・)ち(・)に運ばれる食事と、勉強と、運動と、そういった日々だけしか何も存在しなかった。

 

 月日がどれほど経ったか定かですらない。ただ、楽しいと思えることは殆どなかった。

 暗黒に聳える荒野の施設。暗く閉ざされた施設の奥。ルキアが生きているのは、そんな世界。

 

 そこでただひたすらに、無味無臭の生活を繰り返し続けた。

 

(外は……、外界は、どうなっているのだろうか)

 

 いつの間にかルキアの口調はどこか古風な……、自らを育てていた男のものになっていた。立ち振る舞いも意識はしていなかったが、唯一自分以外に見ていたヒトであったその男のものに。

 振る舞いは雄々しく、態度はでかく。

 しかしどこか、品を感じさせる所作。

 

 時折、男がその施設で何かをするのを手伝わせては、ルキアの無能さに怒り心頭になることもあったか。

 

『たわけめが! 例え完現術(フルブリング)の一種であるとしても、その核に■■■■があるのならば、何故取り出せぬ! これでは何のために危険を冒し尸魂界を練り歩いたか分からぬわ!

 そうは思わぬかルキア! 貴様のことだぞルキア!』

『いつも言っているが最初から最後まで何を言ってるかさっぱりわからぬわ! 何だその、ふる? いや……、わからぬッ!』

『そう胸を張って言うことではないッ! 何を「どやァ」と言わんばかりの顔をしておるかっ! 張るほど胸があるわけでもあるまいに』

『ななな何を言うかッ! これから育つのだ、これからッ!』

『今、板がごとき有様なのは事実だろうがク(・)ソ(・)が(・)き(・)ッ!』

 

 当然のように気持ちだけでも言い負けぬ、そんなルキア。パシーン! とこれまたハリセンではたかれる日々。

 理不尽なことも多かったが、少なくとも十数年はそこに居て。……見た目が幼子から少しくらいしか育っていないことに違和感はあったが、その加齢の遅さについては、男はむしろ何か満足しているように笑っていた。

 

 そんなある日のこと。

 最近、といっても当時の認識においてだが、行われているような四肢を拘束した上で、何かの機器を取り付けられて、全身を照射されるような、そんな検査めいた何か。

 ルキアをそれにかけながら、隣りに立つ異形の何かに男は肩をすくめた。

 

『我が永遠の主、そろそろご決断なされては?』

『シェミハーザ……、まあ気持ちはわからなくもない。

 このような木っ端の魂魄を偉大な我が研究室で面倒見きれぬわ。嗚呼、喜助程度に頭がキレるならまだしもこの察しの悪さでは……。中(・)身(・)が(・)な(・)け(・)れ(・)ば(・)とうに放り出しておるわ』

『しかし生意気なものですね。浦(・)原(・)喜(・)助(・)と言いましたか? 元を辿ればその男の────』

『いや、奴はそう言ってやるな。あれは間違いなく天才だ。千(・)手(・)丸(・)先(・)生(・)ですらもし対面しようものなら称賛するほどにな』

『それほどまでに!?』

『それ故にもはや、私が手を出せぬ場所にいるのが口惜しい。四楓院の家め、あの頭脳の真の価値すら知らぬ分際で……!』

 

 拘束されたままのルキアの耳に入ってくる単語は、当時の知識からしていまいち理解できるものではなく、言葉もうろ覚えで、よく聞き取れず。

 それでも、自分を見下ろした男の、いつもの冷たい目だけは見えた────空(・)中(・)を(・)舞(・)う(・)羽(・)虫(・)を(・)潰(・)す(・)程(・)度(・)し(・)か(・)感情を向けていないその目を。

 

『だが、使えぬ脅威ならば処分を検討するか……?』

 

 処分とは何だ、と。

 そこに恐怖を感じて、その後、何があったかよく覚えていない。

 ただいつの間にかルキアは拘束から抜け出しており。いつの間にかその視点は、あ(・)の(・)男(・)た(・)ち(・)の背後にあり。

 

 そのまま恐怖のままに、叫び、転びながらも背を向けて疾走し。

 

 生まれて初めて、心が芽生えてから、その荒野の外へと、あてもなく足を踏み出し────。

 

 

  

「────私が逃げたあの施設の主を。天月(あまつき)晩翠(ばんすい)についても、知っているということか?」

 

 

 

 阿散井恋次たちと、流魂街の、戌吊の地で出会うまでのその出来事。

 自らのよ(・)く(・)わ(・)か(・)ら(・)な(・)い(・)その始まりを口にすれば、アルトゥロは微笑を浮かべて首を、ゆるく縦に振った。

 

「まあ、そうだね。彼(・)が(・)、君(・)が(・)現(・)世(・)に(・)派(・)遣(・)さ(・)れ(・)た(・)頃(・)に(・)亡(・)く(・)な(・)っ(・)た(・)ことまで知っているとも」

「…………ッ!」

 

 彼の最期を見るにある種の傲慢は時に巨大な傷として禍根を残すことを学ばせてもらった、などとやはり意味がわからないことをつぶやくアルトゥロである。

 どう見ても虚でしかない存在にも拘らず、尸魂界だろう場所の話を飄々と語るのがいっそう意味不明で、ルキアには気味が悪かった。

 

(そうか、死んだのか、あの者は…………)

 

 そして、ほぼ無いと言って良いもののほんの僅かに、ルキアの表情が曇る。

 赤子の自らを拾ったと言っていた、何かしらの研究者のようだったあの男。とても人の親とは呼べないが、少なくとも今の自分の基礎たるすべてを形作ったろうその存在が、いつの間にか死んでいたという事実。

 大きく心を動かされることはないが、それでも、もやもやとした何かが少しだけルキアの胸に残った。

 

「というより、そもそもその千里玉とて彼の発明品と言える。革新的な技術であり、それが現在の霊界に評価されないのであれば。いずれその天たる空白の玉座にて知らしめす誰かが現れるまで、私が確実に記憶することにした」

「……確かに何か、物を作っている姿は見た覚えがあるが」

「伊達に中(・)期(・)修多羅研(しゅたらけん)の所長をしていた訳ではないからね、彼も。だが、そうだね。君の真実に関して彼が関係するのは、あくまで彼が君を拾った理由そのものということになるだろう────フフッ」

「……ぬ? どうした貴様、突然肩を震わせて」

「いや、何でもないとも」

 

 さて何から話すべきか、と。アルトゥロは紅茶を口に含んで悩むようなしぐさ。

 その姿にこびりつくように脳裏に浮かびあがる志波海燕の姿を振り払いながら、頭を振り、ルキアは睨む。

 

 そして言い放たれた言葉の意味が、そ(・)れ(・)を(・)何(・)故(・)知(・)っ(・)て(・)い(・)る(・)の(・)か(・)ということが、理解できなかった。

 

「そうだね────君が星光(ルキア)などという随分とロマンチックな由来を持つ呼び名を与えられた、その理由から語るべきか。それが、一番わかりやすいかもしれない」

「────な、ん、だと?」

 

 何故その話を知っていると。流石に困惑せざるを得ない朽木ルキア。

 明らかにあの男は、尸魂界に常時いたわけでも、交友があった訳でもあるまい。少なくとも、あれほど傲慢な魂魄と言うものをルキアは見たことも聞いたこともなかった。

 つまりルキアにそう名付けた男の、その由来を誰も知る筈がない────自分以外は。

 

 にもかかわらず、何故この男はその言葉を言い放った。

 

「耳(・)が(・)良(・)い(・)もので」

 

 困惑の視線に対して、アルトゥロは変わらぬ微笑で応じる。

 それがますます不気味であり……、まるで志波海燕(恋慕したあの人)が内側から別なナニカに乗っ取られているような、そういう恐怖がルキアの体内を這いまわる。

 それを知ってか知らずか、相手は全く雰囲気を変えず────海燕殿という顔かたちを、犯す。

 

「死神に限らず、魂魄と言うものには種族を問わず、そのどれもに成長率の限界強度というものが存在する。例えば死神で言えば、斬・拳・走・鬼。斬術の経験も、白打の技量も、瞬歩の速度も、鬼道の鬼(・)力(・)さえ。そのどれにも、各々の魂魄における到達する壁と言うものが存在し、そこにぶつかれば成長が止まる。

 故にこそ一番隊の山本元柳斎重國がいかに異常であるかが、わかるかい? 未(・)だ(・)に(・)成(・)長(・)を(・)続(・)け(・)て(・)い(・)る(・)あの存在の非常識な在り方が」

「…………」

「だがそれとて、単独の魂魄においては限界が来る。繰り返すが、それが魂魄の限界強度。才能と言い換えても良いかもしれないが……努(・)力(・)す(・)ら(・)頭(・)打(・)ち(・)が(・)決(・)め(・)ら(・)れ(・)て(・)い(・)る(・)、情のないのがこの世界だ」

 

 それがどうしたのだ、と問えば。

 アルトゥロは、少し肩をすくめる。

 

「ところが、君は知っているはずだ。人(・)間(・)の(・)魂(・)魄(・)で(・)あ(・)る(・)に(・)も(・)か(・)か(・)わ(・)ら(・)ず(・)限(・)界(・)強(・)度(・)に(・)と(・)ら(・)わ(・)れ(・)な(・)い(・)、(・)有(・)り(・)得(・)ざ(・)る(・)能(・)力(・)を得た者たちのことを。────むろん、君を含めて」

「……ッ!」

 

 例えば、井上織姫の六花の盾。

 例えば、茶渡泰虎の異形の腕。

 男の言葉が正しいのなら、死神としての霊力すべてを失っていた時の自分自身の、あの氷結の剣を含めて。

 

「実はそれが、一つの答えと言える。いかにすれば限界を超えて、さらなる進歩を生み出すことが出来るか。

 それこそが境界の超越────説(・)明(・)し(・)や(・)す(・)い(・)例を挙げれば、死(・)神(・)の(・)虚(・)化(・)だ」

 

 ルキアの脳裏に廻るのは、変貌した一護の姿。石田との対決時、大虚の虚閃を受けて形成された仮面。梅針と戦っていた時に、飄々として自らを庇った頼もしい姿。

 

「死神の虚化、虚の死神化……、滅却師(クインシー)の死神化さえ含んで良いかもしれないが。異種族、特に相反するものの力を含み魂魄としての境界を破壊することで、その霊威を大いに変化させ更なる次元へ進むことが出来る。

 理論的にはかつて千年前、古い貴族の龍堂寺(りょうどうじ)という家が滅却師と交わったことで特異な能力を得たという記録からも察する事が出来た」

「りょう、どうじ……!」

 

 否応にでも思い出される、茜雫(せんな)を巡る一連の戦いの記憶。身体が崩壊すれど再生し、分裂すらして自らに襲い掛かった敵の姿。一護に相対していた、どこか義兄の将来の姿のような雰囲気をした男の目に浮かんだ三つの瞳孔────。

 

「だから私も破面に限らず、色々な方法で虚の死神化を試してみた。

 自らの霊圧を消すことが出来る虚。

 接触するだけで斬魄刀を取り込み、死神と融合することが出来る虚。

 死(・)神(・)に(・)寄(・)生(・)し(・)斬(・)魄(・)刀(・)の(・)よ(・)う(・)に(・)振(・)舞(・)う(・)こ(・)と(・)が(・)出(・)来(・)る(・)虚(・)は……、少々予想外の展開になったかな」

「────なっ」

 

 覚えのある、その素性。

 斬魄刀を取り込み死神と融合することが出来る虚というそれは────間違いなくあの時、志波夫妻の命を奪う直接のきっかけになった虚。

 脳裏を駆け巡るいくつもの温かな情景と────雨のあの夜、光を失ったあの人の目と。

 

 自室でくつろぐ自分に色々と文句をつけてくる、黒崎一護の見慣れた、どこか安心するあの顔と。

 

「貴様が……、貴様が元凶か────ッ!」

 

 思わず立ち上がり、斬魄刀を構えようとしたルキア。

 すべての感情が一瞬で振り切れもはや何を統制するものもない。

 ただ有りっ丈の怒りを叩きつけてやるという衝動から動いた彼女は……。

 

「────落ち着きたまえ。話は、終わっていない」

 

 その一言と共に放たれた物理的な圧力を伴う霊圧により、一気に腰が抜けて、椅子へと戻された。あまりにも異常だった────意志の力全てをくじくほどの、本能をゆさぶる霊圧。

 力が抜けてたせいもあり、背もたれに寄りかからざるを得ない。

 目を見開いて震えるルキア。今まで感じられなかった異(・)様(・)な(・)霊(・)圧(・)にあてられており、言葉を紡ぐことが難しい。

 

(こんな……、こんな程度で折れてしまうのか? 私は、私は一体、海燕殿の……ッ)

 

 涙すら滲む彼女に、いっさい振る舞いを変えずにアルトゥロは微笑み続ける。

 

「志波海燕、か。そうだね、そういう側面もあると言えなくもないが……真(・)の(・)元(・)凶(・)は(・)も(・)っ(・)と(・)身(・)近(・)に(・)い(・)る(・)とだけ、教えておこう。

 だがこの場ですぐ立ち上がる殺意は、嗚呼、嫌(・)い(・)じ(・)ゃ(・)な(・)い(・)よ(・)」

「……ッ」

「馬鹿にした意図はない。むしろ、志波海燕とそろって称賛に値する。力不足ゆえに立ち向かいきれないのは残念だが、その勇気は、評価に値するだろう」

 

 圧倒的に高所から見下ろす様な物言いに、ルキアは怒りを覚える。

 恐怖に震える全身に喝を入れ、無理にでも戦意を尖らせなければならない────。

 

 がたがたと震える手足に悪戦苦闘するルキアの様を、アルトゥロを名乗る男は馬鹿にせず、ただどこか楽しそうに微笑んでいた。

 

「君も知っての通り、あれは境界の超越とは言えなかった。1つの魂魄か、2つの魂魄がそこにあるだけだ。結局、破面(アランカル)という歴(・)史(・)あ(・)る(・)形(・)でしか解決の糸口を見つけられなかったのは、中々に屈辱的だったと言える。

 だが唯一、それを突破する方法を開発した者がいた────天月晩翠にとって弟(・)子(・)のような存在ともいえる、浦原喜助だ」

 

 嫌によく聞く名前が、自らの閉ざした過去へとつながる────。

 殺意を絶やすことはないが、それでも衝撃に、わずかに「バカな?」と音が口から漏れる。

 

「彼が作り出したものは、瞬時に魂魄の種族境界などたやすく取り払うことができる代物。霊界の常識を超えた物質であり、何故開発者たる彼が未だに王敵認定を受けていないのか不思議になるほどの、物質。

 名を、崩玉(ほうぎょく)という」

 

(……崩玉に、千里玉(せんりだま)か。あやつ等、本当に師弟なのだな)

 

 ネーミングセンス故にか、謎の納得をするルキア。その反応を、理解を受けて、アルトゥロは続ける。

 

「あまりに危険な物質だ。彼もそう感じた故に破壊を試みたらしい。……そのあたりの性根が、彼が霊王から名指しで王敵認定をされていない所以といったところか。

 だが、結局彼はその崩玉の破壊には失敗した。破壊する術を見つけることが出来なかった。

 それ故におよそ百年前、現世へと追放された彼は崩玉に対して幾重もの防壁を編み込み…………さながら魂魄の一つの臓器のように偽装して、他の魂魄に埋め込み魂(・)葬(・)し(・)て(・)隠(・)す(・)という賭けのような手段に打って出た。実際、私もここ半年まで気づくことがなかったのだから、その目論見は成功していたと言える」

「待て、何の話だ……?」

 

 本当に心当たりの全くない話が続く状況に、ルキアは困惑する。

 少なくとも自らのことではあるまいという確信────赤子のうちに死んで尸魂界へと来たのだとしても、流魂街生まれなのだとしても、男の語る話と何一つかみ合わない。少なくとも120年から150年程度は最低でも霊的に生きているのだ。

 ならばなぜその話が語られるのかと言えば。

 

 

 

「地獄蝶を伴わない浦原喜助による違法な魂葬────その魂魄は幸(・)運(・)に(・)も(・)、霊界の現象である拘突(こうとつ)に激突すれど。侵入者を排除するかの現象による数十年から数百年程度の急激な時間変化にさらされど、魂魄の崩壊を起こすことなく。

 消(・)滅(・)し(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)が(・)故(・)に(・)珍(・)し(・)く(・)、(・)過(・)去(・)数(・)十(・)年(・)前(・)に(・)跳(・)ぶ(・)こ(・)と(・)が(・)出(・)来(・)て(・)し(・)ま(・)っ(・)た(・)────それが君の実の姉といえる存在。朽木白哉の亡き妻である朽木緋真(ひさな)のことだ」

 

「……な、なっ?」

 

 

 

 そして、語られた言葉の意味を理解することが出来ず。あまりに動揺したせいで「何だと」とさえ、ルキアは続けることが出来なかった。

 

 

 

 

 


 

【おまけ・死神図鑑】 

・今日のメゾン・ド・チャンイチ:パート93

 

 

 ぼろぼろの死覇装に茶の毛が生えた獣皮の衣をまとう死神に助けられた一護、織姫そして天貝繍助たち三人。

 石灰の岩で積み上げられた墓場のような隠れた場所にて、その死神は牛のような仮面を外して一護たちを見据えた。

 気だるげで荒んでいるが、それでも折れぬ意思が瞳に宿っている。

 

雅「…… 十一番隊元(・)四席、狩能(かのう)雅忘人(アシド)だ。ここに外部の者が落ちてくるのはあ(・)の(・)男(・)以来だが────ん? お前……、海燕か? 頭、また妙な色に染めてるな。何かあったのか」

一「地毛だっつーのッ!? って、いやちょっと待てアンタ、志波海燕を知ってンのか!!?」

雅「知ってるも何も…………、いや、別人か? 済まない、あまりにも似ていたものでな」

一「あっいやァ……、まァ親戚? みてェなモンだからな多分」*1

雅「そうか……。確かに、恐ろしく似ているしな」*2

繍「そうか志波の……」*3

井「……?」*4 

  

ホ『なんだァ、この地獄みてェな状況は……』

■『発言が真実そのものならば問題はないであろう』

ホ『むしろそのせいで訳わかンことになってねェかこれ? 絶対ヘンに勘違い……いやまァ一護が志波ってのはクリティカルじゃあンだがよォ』

 

 

ア「……フフッ」

ル「ぬ? どうした貴様、突然肩を震わせて」

ア「いや、何でもないとも」

 

 

 

 

 

*1:
※自分の魂魄に志波海燕の虚がいるから似てても不思議じゃないと思っている

*2:
※一護の物言いから本当に志波の血を引いているんだろうと思った

*3:
※志波一心を知ってるのでそっちの子供だと思った

*4:
※よくわからないので、とりあえず一護に肩をくっつけて座りながらニコニコしている

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