原作:リコリス・リコイル
タグ:R-15 ガールズラブ 残酷な描写 アンチ・ヘイト 憑依 性転換 クロスオーバー 機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ 仮面ライダーW TS 異世界オルガ 百合の間に挟まる鉄の華
ネタ被りしてたらすいません。
オルガがフキネキに憑依してWに変身するやつ。
(続きは)ないです。
解釈違い、設定ミス、許せる方のみお進み下さい。
キボウノハナーツナイダーキズーナガー──
誰も彼もが泣いていた。
ある者はただ無力で俯き。
ある者は銃を握りしめて、護れなかった後悔で血を滲ませ。
ある者は誰かに助けを求めて抱きしめ合う。
全員の視線の先で血を流しながら倒れているのはオルガ──鉄華団団長、オルガ・イツカであった。
彼は薄れ行く意識の中で団員達の事を想った。これから先の自身が不在の中でこの戦いを生き残り、全員が無事に平穏な生活を送れる事をひたすらに祈った。
しかし、同時にこうも考えた。
──本当にこれで良かったのか?
マクギリス・ファリドと手を組み、火星の王になる為に我武者羅に進み続けてきた日々を振り返り、どうしても後悔が胸に残る。
オルガの相棒である三日月・オーガスは自身よりも遥かに優秀で、モビルスーツでの戦闘において、彼より秀でる者などいなかった。しかし、自身が示した本当の居場所などを気にする事さえなければ、戦う以外の人生を歩めたかもしれない。
──俺はいつの間にか迷っていたのかもしれないな……。
ここで死んでしまう自身がどれほど思考すれど、意識は否応なく遠ざかっていく。
オルガは自身に対して、叶いもしない願望を抱いた。それがどれほど空虚で、どれほど途方もない願いであるかも理解しながら──願わずにはいられなかった。
──俺に、俺にもっと戦う力があればッ! 家族全員を……守れる様な、そんな力がッ!!
オルガは血を吐きながら、最後に強く、強く、そう願った。
◇
「フキさん! フキさんしっかりして下さい! フキさん!」
「……あぁ……んだようるせぇなぁ」
「連絡はまだですか!」
銃で武装した男達が叫ぶ。
オルガは何が起こっているのか分からずに困惑していた。
自身は確かに死んだ筈だ。
しかし、今目の前には銃を持つ男達。そして、隣に訳の分からない事を叫ぶ女だ。
事態が呑み込めずボーッとしていると、頬を銃弾が掠める。
「十秒! 十秒だけ待ってやる!」
ドクンと胸を打つ。
その鼓動が激しくなると同時に、オルガの脳内に本来存在しない筈の『春川フキ』としての記憶が流れ込んでくる。
現状を強制的に頭にインプットされ、そして現在オルガが『春川フキ』として存在している事を理解した。
その間にも男達のカウントダウンが進む。
隣で叫んでいた女が、落ちていた機関銃を手に眼を細めていた。
そしてまたドクンと胸が鳴る。
オルガの脳内にかつて失った仲間達の記憶が溢れる。
──オルガ……俺たちで鉄華団を。
──くそっ! くそおおっ! ちっくしょおおおお!!
──オルガ、それちゃんと返してね。
人質となった仲間を目の前に、オルガは持っていた銃を投げ捨て男達の前に出る。
「なにしてるんですかフキさん!」
「んなもん何発撃とうが当たんねぇよ」
すると、オルガの腰に光と共にベルトが現れる。そして、隣の女──井ノ上たきなの腰にもベルトが出現した。
「これは!? メモリッ!?」
「使い方は、わかんだろ?」
オルガとたきなは、自然と手に持つメモリとベルトの扱い方が理解していた。
「なんかマズイぞ! 撃て、撃て!!」
男達が銃を乱射する。
「もうどうなっても知りませんよ!」
たきながヤケクソ気味に叫び、メモリのボタンを押す。
サイクロン!
そして、ベルトのバックルに差し込んだメモリは隣のオルガのベルトへと転送される。
ビルの中に一陣の風が吹く。
乱射された銃弾は、神の悪戯か、はたまた偶然か、オルガとたきなには一発も当たらない。
「いくぜ相棒」
ジョーカー!
ジョーカーメモリのボタンを押せば、オルガは懐かしい誰かの声に背を押された気がした。
「「変身!」」
サイクロン!ジョーカー!
ベルトから発せられる音声と共にバックルをW字型に展開した。その瞬間、たきなは意識を失い、地面に倒れ込む。
「何なんだ!? なんなんだよ、お前らは!?」
オルガの姿が緑と黒の姿に変わる。身体の中心から左右で半々にボディーカラーが分かれており、全身を鎧を纏った様な姿で、その瞳には赤色の複眼が煌めいていた。
『仮面ライダーW』
『さぁ、お前の罪を数えろ』
たきなとオルガの声が重なる。
男達は驚きと恐怖で銃を撃ち続ける。しかし、ダブルとなったオルガには擦り傷もつかない。
「くそっ! 人質を!」
「ヒッ!!」
銃口を人質に向ける男に、風の様なスピードで向かっていき殴り飛ばす。そして、次々と男達を無力化していき、最後の一人がアタッシュケースに手を伸ばした。
「こうなったら、このメモリを!」
アタッシュケースから男がメモリを無造作に取り出す。
マグマ!
男は腕にメモリを突き刺す。瞬時に男の内からマグマが溢れ出し、身体中を包み込んだ。
マグマが凝固した後、男は異形の姿でオルガへと飛びかかった。
「人が怪物に!?」
「こうなったら、アレをやるぞ」
たきなは、「アレってなんですか!?」と内心で叫ぶが、合体したオルガには一切その思いは届かない。なんせオルガとたきなは今日会ったばかりで、本来なら息など合う筈もない。
しかし、たきなは人質を助けたい。オルガは誰かを死なせたくない。その想いが奇跡的にダブルの動きを阻害せず、息の合ったコンビネーションを生み出していた。
「メモリブレイクだ!」
(メモリブレイクってなんですかー!)
ステゴロ戦法で怪物を殴り蹴る。怯んだ一瞬の隙を突き、オルガは右腰に付いたマキシマムスロットにジョーカーメモリを装填した。
ジョーカー!マキシマムドライブ!
オルガの足元から突如として竜巻が巻き起こる。竜巻の目から空中へと浮上し、マキシマムスロットを勢い良く叩く。メモリが内包するパワーを最大限に解放する様に、周囲の瓦礫や銃が竜巻によって吹き飛んだ。
「ジョーカーエクストリーム!」
(なにその必殺技あああ!)
オルガの半身が正中線で分裂し、上下に分かれる。そして一直線に怪物へとキックを二度行った。その蹴りの威力は異形と化した怪物を蹴り砕く程のパワーを有しており、怪物は爆散した後、身体から破損したメモリを吐き出した。
無造作にメモリをベルトから抜き取り、変身を解除したオルガは息を吐く。
「ふぅ、終わったか」
「終わったかじゃありませんよ! なんなんですかこれは!?」
たきなはすぐさま起き上がり、オルガに詰め寄った。それもその筈だ。後方で待機していたアルファチームのメンバーも叶うのなら同じ様に詰め寄っていただろう。しかし、目の前の惨状に声も出ず立ち尽くしているしかないのだった。
「いったいなんだっていうんですかー!!」
その場には首を前後に振られて顔を青くするオルガと、動揺してキャラじゃない叫び声をあげているたきなが佇んでいたのだった。
続きません。