敵か味方か?を自分なりにロールプレイしてみた   作:金曜日(うんのよさ)

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どう生きるかってことは結構大事

前略、ちょいと負目のある幼女に飯をたかられてる宵闇 黒です。

 

「で、結局お前はなんでSALに捕まってたんだ?」

 

「知らない。気づいたら施設の中にいた」

 

「まあ、そりゃそうか… それでファイターにされたと」

 

「うん」

 

テイクアウトしたハンバーガーとポテト、ドリンクを持ってベンチに戻った後、フィリスは俺の質問に答えつつ食事を始めた。

 

あ、お金は勿論ちゃんと払ったよ?え、金はどうやって稼いだんだって?そりゃ闇を利用したゲートとか、闇を利用して物を仕舞えることを利用して宅配業よ。

 

それにしてもフィリス、年の割には警戒心がないように見えるが、それはやはり育った環境による所が大きいのだろう。

 

「私は、迷ってる。ファイターを、辞めても良いと言われた」

 

「ふむ、迷っているということはファイターを続けたいという思いもあるってことか?」

 

「違う、もう戦いたくない、でも……

私の中のもう一人の私が戦えと言うの。あの時の高揚感を忘れられないと……

まるで麻薬のように囁き続ける」

 

確かに、力というのは麻薬みたいなものだ。

 

考えてもみろ、チート能力でヒャッハー!という快感を覚えた奴が現代に戻ったとして、チート能力でそれまでの鬱憤を晴らすという真似をしないでいられると思うか?

 

好き勝手暴れたところで、軍の攻撃を受けて最終的に返り討ちになるという類なら兎も角、バレずに好き放題出来る類の能力なら当初は罪悪感がストッパーになっても、最終的に絶対にやると思うってのが俺の持論である。

 

クラスメイト毎異世界召喚されて一人だけハブられた後に報復するやつだとそういうのあったし。

 

その是非については置いておくとして、意外とそういうもんである。

 

転生オリ主とチート能力でなくとも、現実レベルで例えると『あのDQNもDQNな行動に味を占めてタガが外れるまでは意外とまとも、というか真面目だった』とかいう身内話は枚挙に暇がないもんだ。

 

DQNがやるDQNな行動って、つまりは暴力を含むあれこれで好き勝手振る舞うことだからな。そんで、下手に止めたら被害が逆に広がると思って周りが止められなくて歯止めがかからなくなった結果、余計に調子に乗る悪循環の結果、存在そのものがDQN化とかだったりするからな。

 

「私は、どうすべき…?」

 

「うーん、そうだな。俺に言わせるとそこから間違いだ」

 

それよりフィリスの悩みについて考えるべきなんだけどね。

なので、俺は俺の考えを言わせてもらうことにする。

 

「間違い?どうして?」

 

「簡単だ。お前は今、『こうするべきだ』という方針を求めているんだろう?」

 

「…………」

 

フィリスが何も言わないので続ける。

 

「だが、何故、特別課外活動部はそうしなかったのか、それを踏まえて考えてみると良い。お前は今、『どうすべきか』でなくて『どうしたいか』で悩むべきなんだよ」

 

フィリスに自由な決断をする機会なんてなかっただろうからな。これは特別課外活動部からフィリスへの宿題のような物である。

 

SALの道具だったフィリスが、一人の女の子になる為の、ホントの意味での第一歩。

 

方針が必要というなら、これで充分だ。

 

「私はどうしたいか… 今まで、考えたことなかった… そんなこと、許されなかった。誰も教えてくれなかった」

 

「なら、尚更に良く考えてみると良い。お前さんにとり、初めての『こうしたい』なんだからな」

 

ハンバーガーを食べ終えて、遠目にフィリスを探しているのだろう、文香と黒羽少年の姿が見える。何とも分かりやすいタイムリミット、頃合いか。

 

ゴミを屑籠に入れて、それじゃ、と挨拶してその場を後にする。

 

「待って… コクは、私と同じかもしれないと聞いた。コクは、何故、ファイターでいるの?」

 

お、良い質問。なら、答えはこれしかない。

 

「俺の居場所を俺自身の手で築く為、俺がしたいことを叶える為に、ファイターでいる必要があったからだ」

 

「したいことを、叶える為… もう一つ、良い?」

 

「何だ?」

 

「私は、フィリス。綾崎フィリス。コクの、本当の名前は?」

 

「…俺はコク。宵闇 黒だ」

 

そのままフィリスの元から歩き去ると、入れ替わるように文香と黒羽少年がフィリスを見つけたようだ。

 

予想外の会合だったが、中々良い感じのイベントになったと思いたい。

 

まあ、俺が偶々あそこでエンカウントしなければ文香なり黒羽少年なりとの触れ合いの中でフィリスなりの答えを見つけていたんだろうし、後は、特別課外活動部が頑張ってくれることに期待しよう。

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