敵か味方か?を自分なりにロールプレイしてみた 作:金曜日(うんのよさ)
しかし、なあ…… いざ、アニメ版第一話の場面を迎えて、俺は前世で何度思ったか覚えていない愚痴みたいなものをボヤいた。
「か、怪物だぁーっ!!」
「みんな逃げろ!早く逃げるんだ!」
……覚醒場面、雑すぎない?(素朴な疑問)
原作通り街中で唐突に暴れ出す化物。
まぁ、バトルモノの世界観だから頻繁に敵が出てくるのは不思議でもないし、日常からのジェットコースター式に非日常に主人公を引き込むって分かりやすいくらい分かりやすい第一話ってやつね。
まあ、それはいい。第一話には作品の世界観に視聴者を引き込む為のインパクトが必要になるし、主人公が非日常に突入して行く様をいつまでも描かずダラダラやるのは冗長に過ぎると思うし。
主人公、名を暁 灯火と名が体を表しまくってる彼がやや訳ありな幼少期を抱えており、そこから来るトラウマから正義感が強く積極的に避難誘導をしてるのも良い。
「ぐっ…!」
こういう時に自らの安全より人助けを優先して蜘蛛型モンスターの攻撃から逃げきれず、危機に陥るのも、
そして、
「皆さん早くお逃げになって! ここは私が……!」
主人公の友人(主人公の認識)兼、ヒロインその1が明らかに異能な戦闘能力を引っさげて参戦するのも、まあ、良いのだ。
ヒロインその1は帰国子女だったかでクラスで浮いてしまい、周りに馴染めずにいたところを主人公に話しかけられたことで救われて惹かれるようになったとか言う設定で、名前は若木 萌とかだったはず。
流石に推しでもないヒロインの名前は曖昧になるというか、どうも属性(特徴)で判別出来るからあんま困らないというか…それはさておき。
敵の出現に際して現れたのかはたまた偶然通りかかったのかは知らないが、主人公が知り合いのヒロインが戦ってるのを指を咥えて見るしかないシーン。
まあ、戦う力がまだ与えられてない以上、他にどうするって話だし、視聴者同様、主人公もヒロインが勝ってくれることを祈るしかないよね。
しかしながら、この手の作品あるある。『ヒロインはピンチに陥ってナンボ』の法則がある。
というか、主人公の行動理念の理由付けだからなヒロインは。
オカエリヒロインでも良いし、添い遂げるヒロインでも被復讐系ヒロインでも抜きヒロインでもなんでも良い。
だから、『戦う為に特殊な力がいる』ということを教える役割を果たした後は主人公がイヤボーンする為にしばらく退場か、或いは『このままだと18禁展開になっちゃうよ?』『ヒロインの初めてが訳の分からない怪物に奪られちゃうよ?』って心優しい主人公がブチ切れて能力覚醒させる理由付けへと役割がシフトする訳だ。
だから、ほら…
「ガハッ…」
蜘蛛型のモンスターの一撃であっさりと戦闘不能に陥り、意識を失うヒロイン。
うん、補正でヒロインにデバフかかったのかあの蜘蛛型モンスターが強いのか知らんが、あっさりやられたね。
「若木?若木ー!!」
ああ、なんということでしょう。…いや、仮にもぶっつけ本番でやらなきゃいけない主人公が戦う相手に、そこそこ下準備の余裕があった本職の方があっさり負けちゃあかんでしょ。
主人公が情けないという意見は絶対に出ると思うけど、コレはヒロインが不甲斐ないんだと思いますね俺としては。
「くそぉ! 俺には何も出来ないのかよ……!また、見ていることしか…」
ちなみにだが、この手の『自分がもっと強ければ守れたんじゃねえか』的な台詞は、大体の場合、そりゃ無茶な話よってなる。
だって主人公が地道な修行でパワーアップしていったなら兎も角さ、大体の異能系って自己満足というか読者満足程度の修行しかしねーじゃん?
子供な主人公が十年修行しました!とか言ったらいきなり大人になっちまうし、一日修行して強くなりました!とかだとギャグ通り越してシュールのレベル。
ワンピースくらいのスケジュールならギリギリ何とかなるが、少年漫画において主人公の年齢は読者層の子供に共感を持たせる為に低く抑える必要がある。
代わりにフラグ回収して覚醒イベントを繰り返すことで敵側のインフレについて行ける強化を進める、つまり原作通りのスケジュールをこなさないと原作通りの成長は不可能というパターンが多い。
二次創作でも原作知識持ちの介入系オリ主が頭を抱えるでしょ?
救済という言葉で誤魔化しているが、推しのヒロインを手に入れたり、味方の死亡フラグをへし折ったり敵の強化フラグをへし折ったりしたいが、それやると主人公の成長フラグが折れるからボスで詰むやん…って。
そういう意味では、バトルものにおける『強くなりたい』というのは、大体の場合は『今のままじゃ足りない』という焦燥感であり、覚醒イベントの為の下準備なのだ。
まあ、王道なんだけど『イヤボーン』なんて揶揄されるくらい食傷気味な手法でもあるんだよね。
ちなみに、イヤボーンってのは『イヤー!』と感情爆発して悲鳴を上げると、『ボーン!』と爆発して覚醒するという感じね。
アンチの為にシナリオ全部オリ主が好きに出来るくらいのチートを与えるなら兎も角、基本的にそこまでの作品は少ないので、主人公を救済する為に覚醒させないパターンを除けば基本的に原作通りに展開する為の大前提に近い主人公の覚醒イベントは妨害しない。
原作リスペクトもあるが、主人公の覚醒前提でようやく最悪のバッドエンドを避けられるってシナリオも少なくない。
しかし、思う訳だ。コレでは面白くない。
百歩譲ってイヤボーンは良いが、それは相応の相手に、ここぞというタイミングで使って欲しいものである。
後から「あいつ雑魚なんやで(ドヤっ」「え、貴方達そんな雑魚相手に主人公の覚醒に頼らないと打つ手なしになっとったん?(真顔」とかさ… リアタイで見るには緊迫感あって良いが、考察勢からするとアレなんよ。
なので、俺は『敢えて』ここで介入する。
「あーあー、満を辞して出て来たのにすーぐやられちまって、情けない女」
蜘蛛型のモンスターを真っ二つに切り裂き、そう言いながら姿を現す。
新たな乱入者に、自らに死を齎すとばかり思っていたモンスターがあっさり討ち取られ、主人公は目を白黒させていた。
「いや、情けないのはお前か…? こんな雑魚にビビって、守るって言った女がやられるの指を咥えて見ていただけって。まぁ、俺が来なかったらどうなってたかは明白だけどよォ?」
まぁ、そもそもこいつが本来ならヒロインを助けていた…って展開になるはずなんだが、それは置いておく。
コイツは知らん話だからな。
どうせイヤボーンで雑に終わるイベントなら、後々因縁になるキャラとの顔合わせをねじ込んで、結果的に助かりました!というイベントにしたって良いじゃない!作戦である。
どうせある程度は強制力が働く、ヒロインの強さから、本来ならこの程度の敵にやられる相手じゃないはずということを確認したので確信した。
だから、こうやってヘイト買いながら主人公を死なない程度にボコってやれば俺相手にイヤボーンくらい起きるはずだと。
何しろ、主人公と視聴者視点では明らかに味方とは思えないキャラ、それもヒロインを倒したモンスターを瞬殺して強さを見せつけたと来ている。
絶望感は一塩だろう。
さぁ、ショータイムだぞ主人公。
視聴者の前で一緒に踊ろうじゃないの。
強制力を利用して行く系オリ主