敵か味方か?を自分なりにロールプレイしてみた   作:金曜日(うんのよさ)

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実際、恥ずかしいのボーダーラインって重要

「ぐッ!?」

 

「ヒャハハハ! やっぱりてめえは弱いな灯火ぁ!」

 

「?!何故、俺の名前を?」

 

「あ?そんなもん一々敵に尋ねてんじゃねーよ!見知らぬ不審者に物を聞くんじゃねーってママに習わなかったのかよ!」

 

まさか原作知識で知ってましたとか言えないが、こーゆーのは勢いだ。

 

敵っぽい相手に重要そうなこと尋ねて鵜呑みにするとか実際危ないし、そもそも黒幕っぽい人がペラペラ丁寧に説明するのも変だと思うしね。

 

まあ、地の文のない映像作品とかは特に説明しないと視聴者置いてけぼりになってしまうから必要っちゃ必要なんだけど、今回の場合はこんな返しでも不自然ではない。

 

謎が謎を呼ぶ序盤ならではの、中途半端な情報公開により伏線張るやつ。

 

「チィッ……やっぱ、その女より弱ぇな……まあいいや。とりあえず、もうちょい頑張ってくれや。このままだとお前ら殺されちまうぜ?」

 

「殺される…?」

 

「お前を狙ってるのはさっきみたいな雑魚だけじゃねえ。そして、お前が弱い癖に周りに死なれるのが怖えって甘ちゃんなせいで、お前を呼び寄せる為に周りの人間も狙われる。この女みてえにな?」

 

「わ、若木に手を出すな!」

 

「ふん、我が身の危機は他人事だが周りの女に手を出されると話は別か。とんだ偽善者だなァ!灯火ぁ!!」

 

全力で煽っていくスタイル。

 

しかし、実際にこーゆー所はイライラするのよね。

 

命の危機に死にたくないと思えない奴は嫌いだよ、一度死んだ身としては特に。

 

乱暴に髪を掴んで手にした剣を若木の柔らかい喉に突きつけ、薄皮一枚切り裂き、赤い筋を刻んでいく。

 

「だが、安心しな。そいつは俺が有効に活用してやる。強くなる為の踏み台としてなぁ!」

 

そう言って更に挑発を重ねていく。

(お前が)強くなる為に、お前の大事な女が死ぬんだぞと。

 

「ふざけるな! 誰が貴様なんかに……」

 

「ああ? やめて欲しいなら素直にお願いしますって言えばいいんだよ! おら、言えよ! 俺は優しいからな、聞いてやらなくもねぇぞぉ!?」

 

ほらほら、もっと頑張れ主人公。

 

ちなみに、この主人公のイヤボーンイベントは、大体の場合、主人公本人をいくら痛め付けてもダメというケースが多い。

 

ヒロインの存在は、こういう場面でも重要なんだよね、分かるよー。

 

我が身のことならどれだけ酷い目にあっても耐えるがヒロインに手を出されるとブチ切れるスーパーサイヤ人方式、実際カッコつくんだよね。

 

「ぐっ、うぅ……」

 

「あーあー可哀想に、泣いてやんの。女の泣き声も耳障りだけど男の泣き姿はぶっちゃけ見苦しいからさぁ……やめてくんないかなぁ?」

 

そう言いつつ、無防備に晒された腹に蹴りを入れる。

 

もちろん加減しているし、そもそも主人公の防御力なら死ぬとも思えないけどさ。

 

本来なら蜘蛛型モンスターにこんなもんじゃなくボコボコにされてるからね、覚醒前の生身の状態で。

 

それでもヒロインのピンチに焦っている主人公を更に追い込むように、俺は追撃を続ける。

 

「く、ああっ」

 

「ヒャハハッ! おい、何とか言ったらどうなんだ!? んん~?」

 

「こ、の、卑怯者がぁ……!」

 

しかし、どうも主人公の反応が鈍い。

 

どうすっかな、ヒロインのコスチュームでも剥いでいけばイケるか?

 

後遺症が残らない範囲で上手いこと主人公を煽るにはそれが一番早い気がする。

 

俺が考えを巡らせていると、突然、目の前が真っ白に染まった。

 

「何だ、これは……!?」

 

「灯火! 大丈夫?!」

 

「……!?」

 

あらら、ヒロインその2、綾崎文香とか言ったか、が駆けつけているではありませんか。

 

そーいや、原作だと主人公はイヤボーンして蜘蛛型モンスターを倒した直後に失神して、その次のシーンは様式美で『知らない天井だ』するのだが、若木サンは気絶したままだったし、なら誰が失神した主人公を救護したのかという話になる。

 

若木サンが予め応援を呼んでおり、それが綾崎サンだったと思えばこの状況は一応矛盾しないな。

 

まー、誰が救護所まで運んだとか視聴者の大体はどうでもいいわな、そこはそれ。

 

しかし、どうするかなコレ?まあ、予想外ではあるが顔見せイベントとしては悪くないか。

 

アニメだったらこの辺りで第一話終了、睨み合いのまま第二話冒頭へ、みたいな感じで。

 

「アンタ……誰?」

 

綾崎文香さんが、俺に向かって尋ねる。

ま、当然の質問だわな。

当然なんだけど、スイッチ入ってる俺は勿論ヒャッハーモードで返答します。

 

「人に名前を尋ねる時はまず自分から、と、お前のパパはそんな基本的なことも教えてくれねーのか。ヒッデぇ父親だなぁ」

 

お前が礼儀を語るな?仰る通りです。

 

「アタシは綾崎。綾崎文香よ。それで、貴方は?」

 

あら、素直。てっきり「アンタに名乗る名前なんてない!」とか、「お父さんを悪く言わないで!」くらいは返って来ると思ったんだが。

 

「俺は、そうだな、黒(こく)とでも名乗っておこうかねぇ」

 

「コク? 変な名前。偽名?」

 

「別に好きに解釈していいぜ?仲良しこよしになりましょうって空気じゃないことくらい分かるだろ」

 

ちなみに、名前だが主人公が暁なので対比として闇とか黒とか名乗るのは確定として、横文字でノワールとかシュヴァルツとか名乗ろうかとも思ったんだが、流石に名乗りに使うのは恥ずかしかったので辞めた。

 

技名はノリノリでつけられるのに、謎だ。

 

それはさておき、第二ラウンドに突入する。この時点の綾崎はまともな攻撃方法を持っておらず、サポート特化。

 

それをある程度克服するのは第二クールで強化アイテムを入手してからのことだが、敵のインフレが凄くて結局まともに敵を倒せる攻撃技がない不遇のキャラとなるのだが、取り敢えず余談だな。

 

なので、武器である杖だか棍だか分からない棒状の武器を叩き落とせば、もう防戦一方である。

 

「きゃっ!?」

 

「ヒハハッ! オラ、どうしたァ? このままじゃ死んじまうぞぉ!」

 

「やめなさいよ! なんでこんな酷いことをするの!?」

 

「そこの灯火ってアホ面に用があるからに決まってんだろ。お前がそれを妨害するから、俺は仕方なく攻撃してるだけだぜ?」

 

「灯火に何をするつもり!?」

 

「ああ? テメェにゃ関係ねぇだろうが」

 

そう言って、綾崎を思い切り突き飛ばす。

 

あくまでも突き飛ばす。後遺症まで残してもらってはダメなのでダメージコントロールが難しい。

 

「うぐっ……」

 

…しかし、流石に不毛なことやってる気分になって来たぞ?

 

ヒロインと戦うのが目的でないし、灯火にはそろそろ覚醒して欲しい。

 

グリグリ、と綾崎の腹を踏み付ける。

 

勿論、あまり力は入れてないし子宮とかその他重要器官がある場所は避けている。

 

しかし、遂に…

 

「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

主人公の怒りの絶叫と共に、灯火を中心に巻き起こる炎。

 

よし、イヤボーン達成、ミッションコンプリートである。




主人公の名前は勿論、某メインヒロイン面したい方をリスペクト
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