レジェンドを背に勝ちまくれ!! 作:ウマ及び馬好き
今後もゆるゆると頑張りますのでこんな拙作の応援をよろしくお願いします。
今日も今日とて放牧地を駆け回るファーストショットです。
最近は、体がまだ負荷を求めてるのに調教が早く終わることが多くて物足りない。
そんな時は放牧された場所で全力疾走をするに限る。
『風を切るの気持ちえぇぇぇ!!!!!』
「今日も走ってるんですね……」
「アイツからしたらあの調教じゃ物足りないのかもな」
俺の厩務員のタカシと他の厩務員の人たちが呆れながらこっちを見ている。
その通りです。なので、もっと走らせてくれないかな?
「できればもっと走らせてやりたいところなんだけどな〜こんな場末の育成牧場じゃあ大怪我された時に対応できないし、これ以上の調教は厳しいんだよな。トレセンに行けばもっとハードな調教もできるだろうけどな」
「調教師ですか…… あっ!!そういえば今日調教師候補がファーストの見学にくる日だった!!」
「おい、あいつ汗だらけだぞ……」
「ヤベェ、厩舎長にドヤされる……とりあえずもう一回洗ってきます」
「頑張れよ」
どうやら、今日はトレセンで俺の面倒を見てくれる調教師候補が来るらしい。
候補という事はまだ確定じゃないのだろう。
言ってくれれば走るのを軽めにしてやったのに……まぁ、走るのを止めるつもりはないけどね。
ちなみに、トレセンというのは中央競馬に所属する競走馬達が、調教師という人たちに坂路などいろんな調教をしてもらい、鍛えてもらう場所だ。
まぁ、ここに行けないと競走馬としての馬生が始まらないということだ。
俺の担当厩務員であるタカシが無口を持って放牧地に入ってきたので俺は近くに行ってやる。
「今日の走りはこれぐらいにしてくれよ。この後大事な人が来るからね」
俺は洗い場に繋がれ本日2回目の丸洗いをされた。
丸洗いをされた後は俺は馬房に入れられた。
暇なので馬房の中で体を猫のように伸ばしたりしているとタカシと知らないおじさんが来た。
「彼がファーストショットです」
「この子が例の馬ですか。確かにデビュー前の2歳馬とは思えない体つきですね」
「そうですね、この体から繰り出される走りは正直並の3歳馬を超えてると思います」
「それは言い過ぎでは?まぁ、坂路のタイムを見るとあながち間違いとは言えないみたいですけど」
「とりあえず、この後芝の周回コースを走る予定なのでそれを見てはいかがでしょうか?」
「そうさせてもらいます。」
おっ!!今日は珍しくもう一回走れるらしい。今日はまだ走り足りなかったし嬉しい。
というか、このおじさんは誰なんだ?
あ〜コイツが調教師か?体つきも120億の白いアレに絡まれてる人に似てるしそうだろう。
「走れるって聞いた瞬間生き生きし始めたな」
「コイツ走る事が好きすぎて脳筋ってあだ名が痛っ!!」
タカシが俺を脳筋とか言うから少しイラついて尻を齧ってやった。
「まるで言葉わかっとるみたいですね。まぁ、走るのが嫌いな馬よりかは良いでしょう」
「本当に言葉を理解してそうでこわいですよ……」
その後は順調に馬装されタカシを上に乗せて芝の1800メートル周回コースに来た。
今日は俺の調教師候補も来てるし、久しぶりに全力を出して俺を欲しいって言わせてやろう。
〜〜〜〜〜
私は栗東で調教師をしてる松本秀樹と言います。
何度か重賞勝ち馬を管理したことはあり優秀ではあるが、G1には手が届かない調教師と言うのが周りからの評価です。
最近は強い馬を預けてくれる馬主も減って勝ち数を減らしてました。
そんな時に、何回かそこの馬を預かったことのある育成牧場から電話が来た。
電話の内容は今担当してる馬に調教師がいないから預かってもらえないかと言う話やった。
詳しく聞いていくと、初めて馬を持つ馬主で担当してもらおうとした調教師も満厩で預かって貰えなかったようだ。
それに、その馬は相当な素質があるらしい。
とりあえず見に行くことにした俺は電話から2日後にその育成牧場に向かった。
育成牧場に着くと、早速馬房に案内された。
馬房の中には2歳馬とは思えない体をしてる鹿毛の馬が体を伸ばしていた。
馬の名前はファーストショットというらしい。ここの人間はファーストと愛称で呼ぶと言っていた。
担当の厩務員は随分この馬に惚れ込んでいるようだ。
ファースト自身も賢いようで、人の雰囲気で何となく状況を把握しているようで、馬の事を揶揄った厩務員が尻を齧られていた。
体つきは良いし、賢いし、走る事を楽しめる馬、コイツは能力がなくても良いところまではいけるかもしれないな。
俺はそう思いながら、ファーストの走りを見る為に、芝の周回コースが見える所に向かった。
ファーストは程よく集中して騎乗者の指示を聞いていた。
2歳馬のはずなのに精神状態は古馬並みですね。
最初は軽めに2周して、その後本気で1周走ると担当の厩務員が言っていた。
軽めの2周に関しては準備運動ぐらいだろうから、最後の一周が大事だろう。
予想通り最初の2周は普通だった。
違うのは本気で走った最後の一周だった。
2周目が終わった後に、騎乗している人が鞭を打つと、体が沈み込み、一気に前に進んだ。
「こ、これは…」
ファーストは、一歩地面を蹴るたびに大きく加速していった。
時計は、デビュー前かつ、本格的な調教前の馬では見た事ない数字を出している。
さっきまでは良いところまで行けるかもしれないと思っていたが、僕はこの子となら手の届かなかったG1勝利ができるかもしれない。
僕は無意識で手を強く握っていた。
「どうでした?ファーストはすごいでしょう?」
後ろから厩舎長が話しかけてきた。
「最高です。ぜひ預けてもらいたいですね」
「気に入っていただけてよかったです。貴方は成績こそ輝かしいものではないですけど、実力はあると思ってますから。馬主さんには私から伝えておきますね」
「お願いします。ですが、一度馬主さんと話させてください」
「わかりました。馬主さんに確認したら電話番号をお渡ししますね」
さすがに、こんなに良い馬を預けてもらうのに連絡をしないのは失礼だろう。
「とりあえず、ファーストを洗い場に繋いでますけど見に行きますか?」
「お願いします」
「それではこちらへ」
厩舎長について行き僕はファーストと再会する。
〜〜〜〜〜
ふぅ、今日も良い運動したな。
俺は周回コースを一周、本気で走った。
さて、調教師くんの評価はどうかな?
タカシくんから水を貰ってると、厩舎長と一緒に調教師くんがやってきた。
調教師は頬を赤くしていてキモい。
俺に同性を愛する気はないぞ!!
「君となら僕が目指してるものが手に入りそうだよ!!これからよろしくね!!」
どうやら惚れてるとかそんな事はなく、走りを気に入ってくれたようだ。
これで、競走馬としての最低条件をクリアできたか?
「できるだけ、早くトレセンで調教できるようにするから待っててね」
調教師はそう言って僕を撫でて帰った。
うーん、この調教師、撫でるのは上手いな。
というか、俺ももう少しでトレセンに行けるらしい。
ここのスタッフの話曰く、トレセンはここよりももっと設備が充実してるらしい。
俺もこれ以上の成長ができるだろう。
てか、ここの設備って充実してないのか?
スタッフ達はそれ言ってて悲しくならないのか?
とりあえず、トレセンに連れていってもらえる日まで待つとしよう。
その3日後に、馬主くんが来て、調教師が決まったよと教えてもらった。
調教師くんが馬主くんに熱烈なラブコールをしたらしい。
電話越しでも俺のことを真剣に考えてくれそうだと思ったから預けたって言っていた。
俺も、おっちゃんとか馬主くんとかタカシとかの期待に応えられるようにもっと頑張らないとな。
そして、馬主くんと遊んだ後、俺は馬運車の前に連れてかれた。
周りを見る感じ、今日トレセンに行く事になったらしい。
だから、馬主くんが来たのか。
タカシは俺に無口を繋いで馬運車まで連れてきた。
「これでお別れだな。お前みたいな素質馬を担当できたのは俺の誇りだよ。これからも応援してるからな!!」
タカシは涙を流しながら俺を撫でた。
そっか、トレセンに行くということはタカシと別れるということか。
普通に寂しいな。
でも、これからも頑張れよ、馬によってはお前のこと下に見てる奴もいたけど、みんな良いやつだとは言ってたからこれからもいろんな馬に好かれると思うぞ。
俺はタカシの涙を拭き取るように顔を舐めてやった。
「ちょっと!!もう、お前は変わらないな。それじゃあ頑張れよ」
「ヒン!!」
タカシはそう言って馬運車を運転するスタッフに俺の無口の紐を渡した。
俺は最後にもう一度タカシの事を見て馬運車に乗り込んだ。
馬運車に乗り込んだ後は、何度か休憩を挟みながらトレセンに向かった。
俺はずっと暇だったから寝ていた。馬は立ったまま寝れるのが便利だな。
そうして、俺はトレセンに着いた。
トレセンに着いたからと言って直ぐに厩舎に入れる訳ではなく、暫くは病気が無いか検査される。俺が感染させる病気を持ってるとトレセン内で感染爆発しちゃうからね。
因みに、トレセンで再会した調教師は、輸送に強いねって言ってた。
俺にとってはそこまで苦痛ではなかったが、普通の馬は移動をすると大きなストレスになるらしい。
まぁ、いくら輸送に強いと言っても疲れてるし今日は早く寝よう。
俺は、この後始まるトレセンでの生活を想像しながら眠りについた。
今回はうまく文章が書けなかった…
他の人の作品見て勉強しよう。もしかしたら、お勉強のために1日更新お休みするかもです。
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