Re:ワンピース~俺の推しが女体化してるんだが?~ 作:元ジャミトフの狗
久しぶりのイチャイチャ回。
ハートの海賊団がリヴァース・マウンテンを越えてから早くも1年。
海流に気候、雲の一つをとっても信用ならない海、
音響装置のメンテナンス、反響音の解析、基本原理たる水中音響学。
蔑ろにすれば、
「お疲れ様。でも、あまり根を詰め過ぎないでね」
「ああ。分かってる」
次席としての責任と機関士の業務を並行しながら、独学で水中音響に関する勉強を熟す。確かに骨は折れるが、遣り甲斐もあった。何より知識を蓄えるという行為は、己の好むところである。
「ねぇ。少しは休んだら?」
「ああ。分かってる」
確証が得られた知識は、他の船員と共有する。それは巡り巡って己が仕事の負担を削減させる。分かっているとも。
「……ツバメ」
「ああ。分かってる」
ここ一年の間、本当に充実していた。
摩訶不思議な海で、気心が知れた仲間たちする冒険。上陸した先々の島に根付いた文化の見聞。そのどれもが本当に愉快で、激しく胸が躍った。
だから油断していたのだ。
ある日、ふとした拍子に己は意識を失った。まるでテレビの電源を切った時の様にぷつりと、呆気なく。
オーバーワークに基づく過労。意識が途切れる間際、そんな言葉が脳裏を過った。あまりにも遅すぎる
そうして次に目が覚めた時、己は
「これは――」
四肢の欠損。しかし痛みはない。ただそこに在るモノが消えていた。
誰の仕業であるかは、考えるまでもなかった。このような仕儀を出血もなく実行に移せる人物など。ましてこの部屋は我が船長の私室である。
かちゃりと、扉の軋む音がする。身じろぎの一つも満足にできないこの身体では、誰が訪れたかも碌に把握できない。ただ寒気のみが全身を襲った。
「起きてたんだ」
底冷えするような声音。いつもの不愛想な口調が更に乾いている。恐怖などという言葉では言い表せない、根源的な
「過労による失神。心当たりは当然、あるわよね?」
大人しく頷く。発言は許されない。全幅の信頼を置く己の第六感がそう言っているからだ。
「貴方のことだから、健康にはしっかり気を配ってるものだとばかり思ってた。偉大なる航路に入ってからは珍しく楽しそうにしていたし、私たちのために頑張ってることも痛い程伝わってきた。だからあんまり強く言うのも、お節介かなって」
耳が痛い。今になって、彼女の配慮に耳を貸さなかった己の愚昧さが忌々しい。
事実、幾度となく己はローから忠告を頂いていた。その上で、彼女の言葉に従わなかった。非があるのは己に他ならず、彼女の怒りは至極正当である。
「でも私が間違ってたみたい。体調管理すら儘ならない貴方。ふふ、ホント。どうしてくれましょうか」
さくりと
生首となった己の両頬に手が添えられる。まるで大切な宝物にそうする様に、丁寧に持ち上げられた。そしてローと同じ瞳の位置に達すると――
「私、相当怒ってるみたい。でもね、同じくらい楽しいの」
未だかつて見たことがない程に、のっぺりとした表情の美女がいた。
「――ああ、今気づいた。私って本質的にアイツと近いんだ」
深く。悩ましく。憂を孕んだ吐息を漏らす。儚さと狂気が両立した微笑みは、ある種の神秘的な美しさすら帯びていた。
「だってこんなにも興奮してる。分かるでしょう? こんな無防備な貴方の姿を見て、胸の高鳴りが止まらない。だから認めたくないけれど。ええ。こと貴方に限っては、支配と束縛に
強く抱きしめられる。生首の己に抵抗など出来るはずもないし、するつもりもない。彼女のやりたいようにして良い。元より己はそういう存在だ。
「分かってはいたのよ。アイツに気に入られたのは、根っこの部分が似てるから。身に降りかかった不幸を盾にして、衝動のまま何もかも壊してしまいたい自分がいた。そしてアイツはソレに共感した。ふふ、本当に業腹だけど、そこだけは認めるべきね」
ただその上で、ローは他人を慮ることが出来る。それがドンキホーテ・ドフラミンゴとトラファルガー・ローの違いだ。
「――有難う。でも大丈夫、分かってるから。こういう醜い感情は、貴方だけにしか向けない」
全く以って酷い言葉だと思った。殺し文句にしてはあまりに生々しく、毒々しい。しかしそれを受けて喜びを覚える自分もまた、度し難い存在なのだろう。
「さて、今回貴方には多くの負担を強いてしまった。その点で言えば、私にも責任がある。船長としても、医者としてもね。だからまずはしっかり休息を取る様に。話はそれからよ」
先の病んだ雰囲気は何処へやら。ローは穏やかな顔つきで生首を撫でる。何というか、愛玩動物になったような心地になる。だが第三者がすれば、やはり猟奇的な情事の現場にしか見えないだろう。
暫くすると、しなやかな指が己の前髪を掻き分ける。何だと、そう思うよりも先に。さりげない所作で、彼女は己の額に唇を押し付けた。
「って、お前」
「ん?」
本当に瞬きの間だった。本当に触れたのかどうかさえ疑わしい程に、小さな接吻。触れて確かめようにも己の手足はオペオペの能力によって
「嫌だった?」
幼い童の様に笑うロー。そんなの、いつだってときめくに決まっている。頬は紅潮するし、真っすぐ彼女を見る事すら出来なくなる。
「……それは、卑怯だろう」
「うん、そうね」
「本当にお前ってやつは」
せめてもの抵抗で視線を逸らすが、ちょっと生首を傾かせるだけで目が合ってしまう。文字通り己は手玉に取られているという訳だ。
「貴方のそういう顔、とっても素敵よ」
「五月蠅い」
「でも揶揄うのはこれ位にして、今日はもう休みましょう」
「……なら身体を元に戻してくれ」
「だーめ。貴方は私と添い寝をするの」
生首と添い寝。正直神経を疑う。
「丁度いい抱き枕もある事だし、今日は快眠間違いなしね」
「抱き枕って。まさかそれ、己の胴体のことではあるまいな」
「罰だと思って諦めなさい。というか、この際これからも同室で良いと思わない?」
「思わない」
「どうして?」
本気で聞いているのだろうか、この娘は。だとしたら少し本気で話し合う必要がある。自身の魅力に気づいていない美人なんて危険物、世に出すわけにはいかないだろう。あと普通に公序良俗に違反する。
「俺の抑えが効かなくなる」
「何の?」
「分からないとは言わせないぞ」
強く言い放つ。生首のままであるから、少々間抜けな絵面だが。発言にしても最低だし、今日は良いところが一つとしてない。
「……そういう目で、見てくれるって事?」
「口にするな。このばか者が」
・ロー子
主人公が意外にも鋼の意志を持っていたせいで、実は女性として見られてないんじゃないかと不安になっていた乙女。なお今回の件で吹っ切れた模様。
・主人公
相変わらず面倒くさい人。特に他人のためなら自分を蔑ろにする、ある種独りよがりな面があるところが面倒くさい。あと厳のような人物に見えるが、普通に性欲もある。
心臓交換。バラバラフェスティバル。
オペオペの実はこんな猟奇的な愛情表現が手軽にできて良いですね、うん。
主人公くんの悪魔の実は――
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中二病の具現、トリトリの実、幻獣種!
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ノーマルこそ正義、トリトリの実の通常種!
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奇をてらうヒトヒトの実、幻獣種