「ソウルジェムが、魔法少女の本体だって……」
俺はまどかの話に唖然としていた。ソウルジェムはもともと魔法少女達の魂で、それを失うと身体はただの抜け殻となり、死を迎えてしまう。
「そんな大事なことを、キュゥべえは黙ってたのかよ!?」
「キュゥべえは聞かれなかったから答えなかったらしいんだけど……」
「詐欺そのものじゃねえか……」
聞かれなかったから答えないというが、そんな状態で契約をせまるというのは詐欺としかいいようがない。あいつは今までそんなことをしていたのかよ……
(キュゥべえはこの事実を話すと契約する人が減ると思って意図的に情報を隠したんじゃないだろうな……)
考えれば考えるほど疑念が湧いてくる。今まで味方なのだとあまり疑っていなかったが、今はほとんど敵だと思っている。今の所味方だと思える要素は一つもないのだから。
「それで、今マミさん達はそれぞれ一人になっているってことか……」
「うん、私に言えることは何もなくて……ほむらちゃんも、私達にできることは何もないって言って……」
「暁美、ね……」
「洲道君……ほむらちゃんの言う通り、私達は何もできないのかな? 皆にしてあげられることは何もないのかな……?」
まどかはすがりつくように俺に聞いてくる。以前まどかは自分にはとりえがなく、何もできない自分が嫌だったと言っていた。それを暁美に突きつけられて今のまどかはさらに自信を失っていた。
「そんなわけ、あるか」
だけど、俺の答えは違う。
さっきまでの俺ならその言葉に頷いていたかもしれない。だけど俺は知久さんと会って、諦めないことを誓ったのだ。それは先ほどの話を聞いた後でも変わることはなかった。
「まどか。確かに俺達は魔法少女じゃないから、皆の気持ちが分かるとは言えない。けどだからと言って、いやだからこそできることはきっとあるはずだ」
「あ……」
「俺は諦めたりはしない。この手を伸ばすことをやめたりはしない」
「洲道君……うん、そうだよね!!」
俺の言葉にまどかは大きく頷いてくれた。その顔はさっきとは打って変わって明るくなっていた。
「洲道君の言葉を聞いて思い出したよ。中沢君と仁美ちゃんが言ってたんだ。たとえ洲道君やさやかちゃんが何か言えない事情があったとしても、自分達は友達であることに変わりないって!!」
「二人が……そんなことを?」
「うん! それからね、たとえ自分達が関われなくても、たとえば弱音を聞いてあげたりして、できることはきっとあるって二人は言ってたの!!」
俺と同じことを二人は言ってくれていたのか。そのことに俺は感激して胸が一杯になってしまった。
「そっか……俺達はいい友達を持ったよな」
「うん、うん……!」
「なら、もう迷うことはないな。俺達にできることを探して行こうぜ、まどか」
「うん!! あ、それからね、洲道君。中沢君から伝言があるの」
「ん? なんだ?」
「『ハンバーガーセットで手を打ってやる』って言ってたよ」
「タダじゃないのかよ!?」
中沢の伝言に俺は全力でつっこんでしまった。まどかも「あっ……」という顔を浮かべてしまい、ごまかそうとしてティヒヒと笑っていた。
「まどかもティヒヒじゃなーーーい!!」
俺の叫びは夜空に響き渡った。
……なんというか、色々台無しだった。
ちょっと取り乱したが、気を取り直して話を続けることにしよう。
「とにかく、今の状況を整理してみるか、まどか」
「うん……」
「ソウルジェムは魔法少女の魂が形になったものであり、これを手放してしまうとその身体は死んでしまう。それでいいんだな?」
「そうだよ」
「そしてその事実をキュゥべえは今まで話さなかった……いや、おそらく意図的に隠していたと思っていいだろうな」
「キュゥべえは……やっぱり私達を騙していたのかな……?」
「騙すという自覚はないっていうけど、あいつは今まで魔法少女がソウルジェムの真実を知った時の反応を見てきたはずだ。だからこそ真実を語ると契約する魔法少女が減ると判断したとしても不思議はない。いずれにしろあいつを許していいことになりはしない」
「そう、なんだよね……」
考えてみると俺はキュゥべえのことについて何も知らないと言っていい。
あいつは願いと引き換えに少女と契約に交わし、魔法少女にする。その際、その魂を抜き取りソウルジェムへと変えてしまう。
それは何のためなのだろうか?
そもそもキュゥべえはどこから来た生き物で、なんのために魔法少女を生みだすのだろうか? 契約という以上、キュゥべえにも何らかのメリットがあるはずだ。しかし魔女退治をしてもらうことにあいつに何のメリットがあるのだろうか?
分からないことは多いが、今言えることは一つだ。それはキュゥべえは今は信頼できる仲間ではないということだ。
「そして今までそのことを知らなかったマミさん達はその真実を知ってしまい、一人にしてほしいと言ってばらばらになってしまった……」
「マミさん達、一人にしていいのかな……?」
「あの人達はもしかしたら自分で立ち直れるかもしれないけど……俺達も少し声をかけた方がいいと思うんだ」
「そう、だよね……少なくともお話を聞くだけでも心が軽くなることはあるよね……?」
「……そうだな。まどか、他の皆に会いに行ってみようぜ。そっとしておくことも大事かもしれないけど、今のマミさん達には誰かの声が必要な気がするんだ」
俺は特に杏子のことが心配だった。今のあいつを一人にすることは絶対にまずい気がするのだ。
「俺は杏子に会いに行ってみる。まどかはさやかの方を頼むよ。一度話を終えたら今度はマミさんの方へ向かうことにしようぜ」
「そうだね、分かった。洲道君、杏子ちゃんのことをお願いね……」
「そっちもさやかの方は任せたぜ。それからまどか、これは大事なことだけど……」
「なに?」
「今は魔法少女になることは絶対にやめた方がいい。これは俺の勘だけど、キュゥべえはおそらくまだ隠していることがあると思う。それを知らずに魔法少女になったら間違いなく後悔することになると思うんだ」
「それは……大丈夫。私は魔法少女になるつもりはないから、安心して」
「ん……そう、なのか?」
「確かに最初は考えちゃったけど、ほむらちゃんに怒られちゃって……」
「暁美、か……」
まどかの話では暁美は最初からこの事実については知っていたらしい。本来なら彼女は以前に似たような事件が遭遇したと考えるわけだが、俺はそのことについても引っかかっていた。なぜなら彼女はワルプルギスの夜が来ることを予言していたのだ。そのことを能力で知ったとするなら、暁美はもしかするとキュゥべえが隠しているかもしれないことも知っているのかもしれない。
しかし……
(今は暁美のことは後回しだ。とにかく今は杏子達のことが先決だ)
暁美は全てを知っているということは、逆に言えばフォローはいらないということだ。いずれ話は聞かなければならないが、とにかく今は三人の問題を解決させなければならない。
「それじゃあ、まどか。また後で連絡するから」
「うん、分かった! またね、洲道君!」
そう言って俺はまどかと別れた。
まどかと別れた後、俺はさっきの教会の方へ足を運んでいた。きっとあいつはここにいる、そんな気がしていたのだ。
俺が教会に入ったときに目に写ったのは、片膝を抱えて顔をうずめていた杏子の姿だった。
「杏子……」
声をかけようとしたが、それは突如ソウルジェムから出した槍によって遮られてしまった。顔も上げてきたが、その瞳は暗い闇に染まっていた。
「どの面下げて出てきやがったんだ、てめーは……」
杏子は俺と話すつもりは全くないようだ。それはそうだろう、さっき俺はあんなに酷いことを彼女に言ってしまったのだから。
だからこそ、俺はまず最初に地面に膝をつき、それから頭を下げた。俗に言う、土下座という姿だ。
「ごめん、杏子!!」
「は……?」
俺のいきなりの行動に杏子は面喰っていたが、俺はかまわず言葉を続けた。
「さっきの俺は冷静じゃなかった。長年夢に見ていたワルプルギスの夜が来ると思って、それで力を合わせないとって思って……考えてみればお前が頷かないのも当然だったよ。勝負云々の話以前に、お前にただ自分の身を危険にさらせって言っているようなものだったからな。それなのに俺はお前なら分かってくれるって勝手に思い込んでしまって、それで断られたら逆上して、あんな酷いことを言ってしまって……」
矢継ぎ早に言葉を続けるが、その内に自分がどれだけ自分勝手なことを言っていたのかを思い知らされていた。
「お前の気のすむまで俺を痛めつけてもいい。それでさっきのことを許してほしいんだ」
自分で都合のいいことを言っているのは分かっていた。しかし、まずはそこから始めないと何も進まないのだ。ソウルジェムのことも、ワルプルギスの夜のことも、これから先のことも……
どれだけそうしていたかは分からなかった。一瞬だけかもしれないし、もしかしたら数分はたっていたのかもしれない。それでも杏子は何も言ってこなかった。
(やっぱり、今は何を言っても聞いてはくれないのかな……?)
今は出直すべきなのだろうか、と考えたときに杏子が立ち上がって声をかけてきた。
「顔上げろ、裕……」
その声はさっきとは違って、消え入りそうなか細い声だった。言われた通りに顔を上げたら杏子が上から見下ろしていた。
「お前がふっかけてきた勝負はそんなに軽いものだったのか……?」
「え……?」
「お前があたしの生き方を変えるっていうのは嘘だったのかよ……?」
「それは……違う。俺は嘘はたまにつくけど、少なくなくともこういうことで嘘はつかない」
「…………」
「けどワルプルギスの夜が来たら、勝負もめちゃくちゃになってしまう。だから一時休戦を申し出たんだよ」
「…………」
「俺はおまえとの勝負を軽んじたつもりはないよ。許されるなら、もう一度勝負をしたいんだ」
「もう一度……」
「もう途中で逃げたりはしない。今度こそ決着をつけるから。もちろん、俺の勝利でな?」
最後は少しおどけてみせた。しかし嘘を言ったつもりはない。俺はもう杏子のことを信じ続けると誓ったのだから。ならば、俺は絶対にこの勝負で負けるわけにはいかないのだ。俺の言葉を聞いた後、杏子は後ろを振り返って階段を上って行った。
「裕、お前はさっき勝負云々以前に、って言ってたけどさ……」
「杏子……?」
「あたしにとってはさ、それは大事な約束だと思っていたんだよ……」
「あ……」
「お前から勝負をないがしろにするような言葉は、あたしは聞きたくなかったんだ……」
「……ごめん」
俺はそれだけしか言えなかった。俺に言えることはもはや何もなかったのだ。俺はただ杏子の審判を待った。
「けどまあ、お前が勝負のことを軽く思っていなかったっていうのは、少しだけ理解はしたよ……でもそれでもお前が勝負を勝手に反故にしようとした事実は消えない」
「ああ、分かっているさ」
「それでも、あたしも冷静じゃなかったのは認めるよ……だから今回だけは許してやる。でも今度あたしから逃げようとしたらもう絶対に許さねぇ」
「そのときは煮るなり焼くなり好きにすればいいさ」
「そんなときがきたら……あたしはお前を……いや、今はいいか……」
俺は杏子に腕の二、三本は折られる覚悟はしていた。だから何もお咎めなく許してもらえたのは正直言って意外だった。
「なら、勝負再開だ……今度こそ約束を破るなよ、裕?」
「ああ、俺はもう逃げないと誓った。この勝負は俺が勝つから覚悟しとけよ、杏子?」
俺達はようやくスタートラインに戻ってこれたのだった。
「本当はもっとお前に言ってやりたいことは山ほどあったんだけどね……ついさっき意外な事実が判明しちまったからね」
「それは……ソウルジェムのことだな?」
「……なんだ、もう知ってたのかよ。まったく情報が伝わるのが早いな」
杏子はどこか諦めがついたような顔を俺に向けてきた。
「お前はあたしを慰めにきたつもりか? だったらいらない心配だね、あたしはもうあんまり気にしちゃいないからな」
「そう、なのか……?」
「なんだかんだで、この力を手に入れたから好き勝手できるんだしね。後悔するほどのことでもないってね。この身体がどうなろうと生き残れんのなら、それでいい」
「…………」
「あたしはゾンビでもいいさ。ああ、お前に言ったことは一つ訂正させてもらうことになるな、裕?」
……やめてくれ、だったらそんな顔を見せるんじゃねえよ。何もかも悟りきったような顔を装うんじゃねえよ。そんな顔をする杏子に俺はだんだん腹がたってきた。
だから俺は手を伸ばすことにした。――――杏子の胸へと。
「……え?」
手を握ってみるとほどよい柔らかさが手に伝わって来た。ふむ、大きさはさやかといい勝負だろう。マミさんのサイズはまさに規格外と言っていいが。
「な、な、な……」
しかし胸にはまだしこりのようなものもあるから、これからも大きくなるだろう。今後に期待だな。
「ななななな……」
どれ、今度はお腹の方も調べてみるか。いくら胸が大きくなっても、腹も大きくなっては意味がない。自分は太らないと言っていた杏子の言葉が嘘ではないか確かめてみるか。
「なにやってんだ、てめえはーーーーーーーっっっ!!」
「ぶぐはぁぁぁぁっっ!?」
そうしてお腹の方も触ってみようとしたが、杏子の渾身の力を込めた拳が俺のお腹に突き刺さり、後ろに吹っ飛ばされてしまった。なんとか気絶せずに起き上ったが、見ると杏子は顔を真っ赤にして両手で胸をおさえていた。
「おおおお、お前は何考えてんだ!? こんなときにあたしのむ、胸を触るなんて!?」
「いててて……まだこんな拳を持ってたのかよ……」
「どういうつもりだ、裕!! きちんと説明しろ!!」
「いや、お前が自分の身体のことはどうでもよさそうだったから、今ならなにやっても怒られないかなーと思ってさ」
「いいわけあるか!! お前、あたしの身体をなんだと思ってんだ!?」
「――――それが答えだろ」
「は……?」
俺は立ち上がり、杏子の両肩を掴んだ。杏子は突然の行動に目を丸くしていたが、かまわず言葉を続けた。
「今お前は俺に胸を触られて本気で怒った。本当にお前が自分の身体のことなんてどうでもいいと思っているんだったら、そんなことはないはずだぜ」
「っ!?」
「お前は本心ではまだ認めたくはないんだろ? それなのに強がって、自分の身体はどうでもいいみたいなことを言ってさ」
「だったら……だったらどうすりゃいいんだよ!! 魔法少女じゃないお前に今のあたしの気持ちが分かるのかよ!?」
「確かに、俺は魔法少女じゃないからお前の気持ちが分かるとはいえないさ。だけど、それは俺の考えを変える理由にはならないんだよ、杏子」
「なに……?」
「お前は言ったよな? ここにいる自分は亡霊でもゾンビなんかじゃなく、自分は確かに生きているって!!」
「……だから、それは」
「そして俺はそんなことは分かっているって言った!! その考えはソウルジェムの真実を知った今でも変わらないんだよ!!」
「なっ!?」
「俺は何度でも胸を張って言えるぜ? ここにいるのは亡霊でも、ゾンビでもなく、俺の大切な友達でありライバルである佐倉杏子なんだって!!」
「けど……それでもあたしのこの身体はもう死んでいるも同然なんだぞ!? どうしてそんなことが言えるんだよ!?」
「俺は今までお前の姿を見てきたからだよ!! 俺との勝負で白熱している姿も!! 旨そうに飯を食べる姿も!! 迷子の子供に不器用な優しさを見せる姿も!! ゾンビにそんなことができるわけないだろ!?」
「…………!!」
「お前は魔法少女になってからもたくさん飯を食ってきたんだろ? そのときにおいしいと感じたことはたくさんあったんだろ? 他にも色んな嬉しいこととか辛いことをたくさん味わってきたんだろ? それは紛れもなく生きているってことじゃないかよ!?」
「だけど……ソウルジェムを無くしたらあたしは死んじまうんだぞ!? そんなんで生きているなんて……」
「たとえお前がソウルジェムを無くしたとしても、俺が、俺達が必ず取り戻してやる!! お前は絶対に死なせはしない!!」
「裕……」
「だから……だからそんなことを言うな!! お前ら魔法少女は生きているって胸を張っていいんだよ!!!」
気付いたら俺は息をかなり荒くしていた。自分の想いはあらかた杏子にぶつけられたと思う。たとえ本体がソウルジェムで身体が抜け殻だとしても、彼女達が死んでいると考えることはできるわけがなかった。俺は杏子だけじゃなく、マミさんやさやか、暁美の『生きている』姿を見てきた。真実を知った今でもその姿が偽りだったと思うことは決してなかった。だからこそ、彼女達にそれを否定するようなことは言ってほしくなかったのだ。
「……ったく、さっきから好き放題いいやがって……」
そう言って杏子は両肩を俺の手から外し、後ろに振り返り上を見上げた。
「本当に変なやつだよ、お前は……」
「はっ、もう聞き飽きたね、そんなこと」
「だけど……忘れてたよ。あたしは今までソウルジェムのことは知らなかったけど、それまでは今まで好きに生きてきたんだよな……ソウルジェムを無くさなければ、今までと変わりないんだし……」
「杏子……?」
「あーあ、何をナーバスになってたんだろうな、あたしは。言われないと気付かないなんてどうかしてたよ……」
そう言って杏子は袖で自分の目をごしごしとこすった。
「悪いな、裕。さっきの言葉は取り消す。あたしは今ここに生きている。ここにいるのは亡霊でもゾンビでもないんだ」
「ああ、分かってたさ、そんなこと」
あのときと同じやり取りを俺達は繰り返した。よかった……杏子は分かってくれたみたいだ。俺は全身の力が抜けていく思いがした。
「――――ところで、裕」
「ん?」
「お前はあたしはゾンビじゃなく、佐倉杏子として生きていると思っているんだよな?」
「ああ、そうだよ」
「お前はいつも通りのお前であたしに接していたわけだな?」
「ああ、ソウルジェムの秘密を知ってもそれは変わらないぜ?」
「その上でお前はあたしの胸を触ったんだな?」
「ああ、そうだ――――ん?」
……気のせいだろうか。脱力していたせいか、余計な所にまで頷いていた気がする……
「それはつまり、あたしからのおしおきも覚悟の上ということなんだな?」
「え、いや、あの、きょ、杏子さん? どうして指をポキポキ鳴らしているのでしょうか……?」
「いやーなに? お前が言ってたじゃん? あたし達魔法少女は生きていると胸を張っていいってさ」
「確かにそう言ったけど……」
「だったらあたしにセクハラをかましたお前に怒りを抱くのは当然のことじゃないか……?」
「それは、まあ……そうかもしれなくもないといいますか、なんといいますか……」
まずい、後ろ向いている杏子の表情は分からないが、怒っているのは確実だ。やっぱりあの方法では駄目だったのだろうか? いやしかし、あれなら杏子の目が一発で覚めると思ったし、怒りで前向きになればそれならそれでいいと思っていたし、確かに役得だとは思っちゃったけど、っていかんいかん!!
そんな風に混乱していた俺に杏子が突然振り向いて襲いかかって来た。
「この……ばかすけべ野郎ぉぉぉぉぉ!!」
「はぎゃぁぁぁぁ!?」
それからしばらくは杏子のおしおきが続いたのだった。
いや、気付かせたんだから、これくらい許して下さいよ、杏子さん……
なんだか杏子が裕一のツッコミ役になっているような……
やっぱりシリアスになりきれない裕一でしたwいや、本当すいません……orz